“動ける”防寒着!最新化繊インサレーションをおすすめする7つの理由と注目の7着

行動中でも汗冷え知らず”動ける”化繊インサレーションが優秀すぎる

秋冬を中心とした寒い時期のアウトドアでは、歩いている時は汗だくになるし、止まったときには急激に冷えるで体温調節が非常に難しく、昔はこまめに防寒着を脱ぎ着するしかありませんでした。汗だくになって濡れたままの衣服を放っておくと、山では想像以上に体温を奪われる危険があり、最悪の場合、低体温症といった深刻な状態に発展しかねません。

そんな問題を劇的に改善しそうなのが、今年になりいよいよ大きな潮流になろうとしているミドルレイヤー(=防寒着)での新しいトレンド、ハイテク化繊インサレーションです。ミドルレイヤーと聞いておそらく多くの人が思い浮かべるのはフリースや山シャツ、ダウンインサレーションでしょう。新しい化繊素材の普及を起爆剤として各メーカーから続々面白いモデルが登場してきている今、そのイメージが大きく変わろうとしています。

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防寒着の定番、フリースの悩み

(パタゴニア) patagonia R2 ジャケット

最近ではストレッチ性や防風性、汗の効率的な発散などの工夫も進むフリースだが。

秋冬シーズンのアウトドアでは、防寒着の出番は夏場に比べて俄然増えてきます。この防寒着、あまり汗をかかない朝夜の防寒だけであればダウンでも問題無いのですが、一方でダウンは大量に汗をかいたりする行動中の「汗による冷え」には使えません。そこで止まっている時にも動いているときにも使える便利な防寒着として(さまざまな選択肢はあるものの)価格と機能・デザインなどのバランスの良さからこれまで最もポピュラーなスタイルと考えられていたのが、ほどよい通気性と保温性を兼ね備えたフリースでした。

フリースは確かにある程度の保温性も通気性もありますが、一方でどうしても重量と”嵩(かさ)”のわりには保温力が低く、さらに大量の汗を効果的に吸い上げ発散するという能力にも限界があるという弱点を抱えていました。行動前に寒さからフリースを着たままハイクアップをはじめ、そのうちすぐ暑さに耐えきれず脱ぎたくなった経験は誰しもにあるはずです。

ハイテク化繊インサレーションの登場

そこで2012年頃に登場したのが、フリースをはじめとした素材メーカーである Polartec社が新たに開発した化繊の中綿素材 Polartec Alpha です。アメリカで軍事用に開発されたというこの素材は、フリースの快適さと通気性にインサレーションの保温性と軽量・コンパクトさを兼ね備えた、まさに夢のハイテク化繊インサレーションでした。

この素材は当然のことながら賞賛をもって迎えられましたが、この素材に乗っかって新しいウェアを開発していく大多数のメーカーだけで終わらないのがアウトドア・ギアという世界の面白いところ。この魅力的な素材に対抗してもっとスゴいギアをつくってさしあげようと勝負を挑んでいくメーカーが必ず現れ、それぞれに試行錯誤していくんです。こうして数年の時を経た2015-2016シーズンは、まさにフリースに変わる新たな高機能ミドルレイヤー(防寒着)の主導権をめぐる競争が本格化した年といえます。ユーザーにとっては悩ましくもありますが、新しいプロダクトが続々登場するという意味ではワクワクが止まりませんね。

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外見からは見分けられないが、それぞれのインサレーションの中綿・表面の繊維はすべて異なる素材でつくられている。

さて前置きが長くなりましたが、以下、そんなハイテク化繊インサレーションがいかに優秀なのかを7つの特徴でまとめてみました。

今シーズンハイテク化繊インサレーションをおすすめする7つの理由

1.通気性の高い保温素材で汗抜け抜群

従来の防寒着では「動きのなか」での使用は想定されていませんでした。ハイテク化繊インサレーションの最も優れている点の1つは「動くことを前提」とした通気性と吸汗・発散性能の高さにあります。従来よりもはるかに高い通気性の化繊を採用したこれらのインサレーションは、保温性を維持しながら熱気をほどよく外に逃がし、さらに汗を効果的に水蒸気として発散させてくれます。

2.全体・要所にストレッチ素材を配置し動きやすさ抜群

「動くことを前提」とした場合にもうひとつ重要なのが、当然のことながらウェアを着た状態での動きやすさ。このインサレーションを採用したモデルの多くはストレッチ性をもち(あるいは部分的にストレッチパネルを配置し)、アクティブな活動を妨げないつくりになっています。

3.フリースを上回る優れた保温性

最新の化繊素材に限らず、そもそもインサレーションのフリースに対する優位性は、中綿による断熱性(=保温性)の高さにあります。そこはしっかり継承している新しい化繊インサレーションは、フリースの通気性と動きやすさを獲得しただけでなく従来もっていた保温力という長所もしっかり残し、まさに良いとこ取りで隙が見当たりません。

4.濡れても落ちない保温力と高い速乾性

これも化繊インサレーション本来の特性。水分を吸いやすく、濡れると保温力がなくなってしまう従来のダウンと違い、濡れても保温力が落ちないところが化繊のインサレーションの優れた点であり、その良さはしっかりと引き継がれています。

5.軽量・コンパクト

さすがにダウンには及ばないものの、同じ保温力であればフリースに比べて圧縮性に優れ、軽量でコンパクト(ただその圧縮性は各メーカーのコンセプトや工夫により個体差があります)。

6.耐久撥水加工で小雨ならアウターとしても活躍

ここまで良いとこ取りしていてさらに圧巻なのは、優れた通気性を備えていながらDWR(耐久撥水)加工がなされているモデルがある点。小雨程度ならものともしないということはつまり、安定した天候の下では十分なアウターとして使えてしまうということです。

7.ガンガン洗えて清潔

最後はフリースも含めた化繊のウェア全体に共通したメリットですが、毎回洗濯機で手軽に洗えますので、いつも清潔を保つことができます。

まとめ:ハイテク化繊インサレーション vs フリース・ダウン

種類 ハイテク化繊インサレーション フリース ダウンインサレーション
通気性
透湿性
ストレッチ性 ◯※1 ×
保温性(dry)
保温性(wet) ×
重量・圧縮性
撥水性 ×
防風性 ×※2
洗濯しやすさ

※1 Polartec Alpha 自体にはストレッチ性がないため、ストレッチするかどうかは使用されている素材やモデルによる。
※2 防風対策を施したフリースは特徴が全体的に変わってしまうため除く。

おすすめのハイテク化繊インサレーション7着

2016年の最新記事が更新されています。最新のおすすめ情報が知りたい方はこちらをクリック。

行動中にも冷えず停滞中にも温々できるという、これからの秋冬シーズンに大活躍間違いなしのハイテク化繊インサレーションウェア。ここで今年発売されるモデルのなかから編集部イチオシの7着をご紹介します。このなかから今後比較テストレポートも実施していきたいと思いますので乞うご期待!

※各モデルに示した指標は、現時点(2015/9/24)ではスペックと試着からの相対的な推測値ですので、あくまでも参考程度に。

MAMMUT Eigerjoch Light Jacket

保温性★☆☆ 運動性★★★ 通気性★★☆ 耐候性★★☆ 軽量コンパクト性★★★

まずは通気性化繊インサレーションの扉を開いた Polartec Alpha を取り入れた注目モデルから。高い透湿性を備えつつ、脇や袖などにストレッチ性のあるフリースをマッピングすることによって、非常にスリムなシルエットながら高い運動性を可能にしています。結果、軽くてコンパクト、ベースレイヤーの上から着るだけで他は何も要らない。面白いくらいに軽快に動けるユニークなモデルに仕上がっています。

Patagonia Nano-Air Hoody

保温性★★☆ 運動性★★☆ 通気性★★★ 耐候性★☆☆ 軽量コンパクト性★★☆

次は Polartec Alpha に真っ向から勝負を挑む Patagonia の新化繊素材 FullRange を採用し、既に2年前から人気爆発中の新感覚インサレーション。その最大の魅力は圧倒的に滑らかな肌触りと適度なストレッチ性による抜群の着心地。もちろん通気性も高く(風通しがものすごい)、極めつけはDWR(耐久撥水)加工で軽い雨も弾いてしまうので、行動中のアウターとしてこれ以上ないくらいにハマります。※フードなしモデルあり。

MILLET TOI 3D INSULATED ST JKT

保温性★★☆ 運動性★★★ 通気性★★★ 耐候性★☆☆ 軽量コンパクト性★★★

ヨーロッパの老舗総合アウトドアメーカーが新素材「3DeFX+」をひっさげ、満を持して参戦した新作はかなりの意欲作。素材自体にストレッチ性をもつという、Polartec Alpha にはない特徴に加え、4種類のコイル状繊維によって高い保温力に必要な”嵩”を確保。透湿性の高い中綿と通気性の高い表地、さらに立体裁断のシルエットがこれでもかというくらいに徹底した運動性の高さを実現しています。耐候性・軽量コンパクト性についてはほぼ未知数ですが、スペックを見る限りではかなり期待しています。※フード付きモデルあり。

finetrack ドラウトポリゴン3

保温性★★☆ 運動性★★★ 通気性★★★ 耐候性★☆☆ 軽量コンパクト性★☆☆

国内メーカーながら新素材や独自技術に積極的なファイントラックはやはり独自の化繊素材で勝負してきます。通常化繊といえば糸状のものですが、独自素材「ファインポリゴン」は超軽量の特殊なシート生地を立体構造にして”嵩”を作り出すというユニークな構造。こうすることによって繊維が漏れ出す心配がなく、透湿性・通気性・ストレッチ性・撥水性などを兼ね備えた理想に近い表・裏生地を配置することができるとのこと。Polartec Alpha のモデルが各メーカーから続々と登場してやや食傷気味ということもありますが、こうした動き、さまざまなチャレンジは歓迎すべきです。

MONTANE ALPHA GUIDE JACKET

保温性★☆☆ 運動性★★★ 通気性★★☆ 耐候性★★☆ 軽量コンパクト性★☆☆

軽快で運動性の高いウェア・ジャケットには定評のあるモンテインによる Polartec Alpha 採用ウェアは、期待通り最高レベルの運動性を実現したとてつもなくテクニカルな防寒着。クライミングを想定してつくられたという事実が示すように、フロント・バックパネルには高密度で透湿・撥水・耐風性の高いPERTEX Microlight にストレッチ機能を備えた生地を、アクティブな動きやすさが求められる肩から袖、フード部分には DRYACTIV ストレッチフリースを配置し、高い運動性と適度な保温性を両立させています。ただ、デザインだけは、今回ちょっといただけない。

Houdini C9 Loft Houdi

保温性★★☆ 運動性★★☆ 通気性★★☆ 耐候性★★☆ 軽量コンパクト性★☆☆

北欧らしいデザイン性の高さと確かな品質で密かなファンも多いフーディニの Polartec Alpha インサレーションですが、上で紹介した同じ中綿素材の2つはより防寒性能を重視し、街着やスキー場などライトなアウトドアで快適な防寒着として使えるモデルです。とはいえ十分な保温力ときめ細かい肌触り、そしてわずかに効いたストレッチが他にはない快適さを提供してくれます。ガンガン汗をかくというよりも、優雅なウィンターアクティビティに最適。なお、インナーとして使うならフードなしタイプもあります。

Arc’teryx Atom LT フーディ

保温性★★★ 運動性★☆☆ 通気性★☆☆ 耐候性★★★ 軽量コンパクト性★★★

アークテリクスの定番化繊インサレーションがこの Atom LT。ここで採用されている中綿素材 Coreloft は、文脈的にはダウンに代わる素材として登場している(同じような位置づけの化繊素材に PRIMALOFT など)ため、長所は必然的に運動性や通気性よりも軽量・コンパクトかつ高い保温性ということになります。しかし、にもかかわらずこのモデルがスゴイのは、立体裁断の袖やサイドパネルと脇下に配置されたストレッチ性の高いフリース素材による通気性と運動性の高さ、防風・耐久撥水仕上げの表地など、既に低温下でのアクティブな活動を想定し、最適化されている点。細かい比較はこれから実際に行なっていきたいと思いますが、十分に”動ける”化繊インサレーションなのではないでしょうか。※フードなしモデルあり。

以上、おすすめ7着の紹介でした。Polartec Alpha を採用したインサレーションは、上記以外にも他メーカーからまだまだ興味深いモデルがたくさんリリースされており、今後も面白いモデルがあれば追加していきます。それでは今回はこの辺で。次回は各モデルの比較テストでお会いしましょう!

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