First Look:サンフランシスコ発、Boreas(ボレアス)バックパックの洗練されたデザインと機能美に酔う

アラスカ育ちの実力派バックパック・デザイナーが2010年、サンフランシスコにて設立したブランド、Boreas(ボレアス)は、日本でもっと知られてよいと思えるバックパック・ブランドのひとつです。彼らのつくるバックパックは、温暖な気候と豊かな大自然からもたらされた陽気さとおおらかさ、そして雑多な文化のなかで育まれたオープンで進取の気性に富んだサンフランシスコ気質をそのまま体現したかのように、驚きと遊び心、美しさ、そして実用性に溢れています(本国のブランドサイトを覗いてみれば、その空気は即座に伝わってくるに違いありません)。

今回取り上げるのは、そんな彼らのラインナップのなかでも特に昨年から評価の高かった30Lサイズ前後の軽量バックパックを含めた2点。いずれも軽くてシンプルなことはもちろんですが、見た目のインパクトからは想像もつかない完成度の高さを感じさせてくれます。

Boreasについて

“KIM TAE”がデザインディレクターを勤める「boreas/ボレアス」。多種多様な社会集団とカルチャーが存在するサンフランシスコ・ミッションエリアを拠点として2010年にスタート。アウトドアアクティビティをベースにデザインを落とし込んだアイテムはストリートシーンにおいてもその真価を発揮します。デザイン性、軽量性、機能性に優れていることが高い評価を受け、世界中から認められる強いオリジナリティを持つブランドとしての地位を確立。機能・デザインなど全てにおいて新感覚アイテムは驚きを与え続けます。

KIM TAE
boreas gear 創業者。アラスカの大自然の中で育った毎日が、アウトドアへの情熱の原点となりました。大学にてプロダクトデザインを専攻した後、2001年に有名アウトドアブランドに入社。そこでデザインディレクターを勤め、数多くの名作をリリース。強い個性を持ったアウトドア業界の異端児として知られています。新しい可変背面フレームシステムなど、考え尽くされた革新的アイデアを生み出している近年まれにみる優秀なデザイナーのひとりです。

日本版カタログより

各アイテムの主な特徴

実験的で独創的、でも実用的で汎用的:MUIR WOODS(ミュアウッズ) 30

DSC03894-2

日本版のカラーバリエーションはBlackのみ(写真は2015年モデル)

カリフォルニアにある国定公園に由来する名前をもつミュアウッズは、まずどこから見ても分かる独創的なデザインが目を引きます。これでもボレアスのラインナップのなかではマイルドな方だというのだから驚きですが。ただこの一見奇抜なデザインは、当然、単に奇をてらったものでは決してなく、これから説明する数々の機能が緻密な計算の下に収納された結果に過ぎないということがこのバックパックのスゴイところ。

特徴的なシルエットの由縁である、メインコンパートメント全体が大きく開く入口は、素早く荷物の出し入れが可能。

DSC03918-4

内部にはハイドレーション(ノートPC)の収納も可能なポケットも。

サイドのストラップはアタッチメントとしてだけでなく、パック容量を型崩れなく圧縮するコンプレッションとしても機能します。

DSC03896

それ以外にも、膨大な量のアタッチメントポイント、デイジーチェーンなどが目立たないように配置され、シンプルな表面の裏には一般的なデイパックでは考えられないほどの収納力が秘められています(ただしカラビナやストラップなどを自分で用意する必要あり)。

DSC03938

フロントは中央ラインに沿って、背面はショルダーベルトの中央にデイジーチェーンが隠れている。

DSC03915

ポールやアックスのアタッチメントもしっかり配置。

もちろん小物類を収納するためのポケットもそつなく配備し、慣れないユーザーでもスマートなパッキングが可能です。

DSC03904

左上、左下写真はトップのポケット、サイドポケット(右上)とヒップベルトポケット(右下)は軽く伸縮して使いやすい。

ただ、ここまでだったらこのパックはちょっとした便利な街ぶら用デイパックに過ぎません。コイツが本格的なアウトドアでも十分に活躍できると感じさせる最大のポイントは、経験と技術に裏打ちされた質の高い背面システム(バックパネル)にあります。内部には取り外し可能な軽量アルミフレーム、背中に当たる部分には適度な硬度とフィット感や通気性、クッション性に優れたEVAフォームの背面パネルが配置され、かなりの荷重に対しても安定して快適な背負い心地を提供してくれます。

DSC03910

通気孔や溝、メッシュ地など、背面の通気性を高める仕組みが練られたバックパネル。

DSC03898-2

アウトドアにも、タウンユースにも最適な完全防水:MONTEREY(モントレー)

DSC03867

カラーバリエーションはCanyon Blue(写真)、Blackの2色

もうひとつのライトウェイトなバックパックは、絶対になくてはならないわけではないが、ある種のアウトドアでは大変ありがたい完全防水仕様のパックです。それでもバイク通勤、通勤ランなどが一般化してきた近年では、街中でも防水仕様のリュックを背負う学生や社会人が増えていることから、あながちマニアックな機能というわけでもなさそう。このパックはそうしたアウトドア・タウンユースの両方をカバー。デザインに凝りすぎて使い難くなったりするわけでもなく、かといって機能性に偏りすぎて野暮ったくもならず。「軽量、機能、スタイル」すべてにおいてバランス良く高品質な、やはりボレアスらしいバックパックです。なおこのモデルは35Lと(日常で使用するには)やや大きめサイズですが、ラインナップにはそういう人のためにほぼ同じ仕様で25Lの ECHO も展開されています。

210デニールリップストップナイロンのしっかりとした生地は、TPUコーティングによる防水加工が施され、入口には独自のロールトップ式ドライバッグを本体に内蔵し、ザックカバーを使わなくても水の浸水をまったく許しません。

DSC03882

外側のナイロンとの二重構造になったロールトップ型の入口。

メインコンパートメントの容量が豊富な分、ポケットやアタッチメント類はやや控えめ。フロントには伸縮性のあるポケット、さらにドリンクボトルや小物を収納できるサイドポケットや、薄い小物を収納できるトップポケット(お世辞にも広いとは言えないが)はもちろん完全防水。ただ、パックのサイドにはどんなものでも良いのでボトル用のポケットが欲しかった。

DSC03875

内部にはPC用のコンパートメント、フロントポケットにはリフレクタープリントなど、日常や夜間での使用を想定したパーツが心憎い作り。

DSC03887

内部に配置されたスリーブは耐衝撃クッション付きでノートPCも安心して収納可能。

まとめ:どんな人におすすめ?

どうしても”優秀な”登山用バックパックはデザインもある程度画一的になりがち。それがここまで機能性を損なわずに遊び心満点のスタイリッシュなパックが作られる、西海岸という地域にはやはり魔法を感じずにはいられません。街にも、自然にもなじむデザイン、そして山歩きにとって十分な機能と快適性を備えた MUIR WOODS 30 は、日帰りや小屋泊まりのハイキングを中心に、よほど過酷な山行でもなければ十分期待に応えてくれるでしょう。これからアウトドアを始めたい人、週末山に行くときだけでなく、日常でも、あるいは旅行でも使いたい、そしてできることならなるべく人のパックとかぶりたくないという欲張りな人にとってはうってつけではないでしょうか。一方 MONTEREY は「防水」という特性以外は同じような目的・利用シーンで十分使えます。なかなか選択肢の少ない防水バックパックのなかでも特にデザイン性に優れたものを求めている人にはピッタリです。

 

 

バックパックについてはこちらの記事もおすすめ

項目 MUIR WOODS 30 MONTEREY
ここが◎ 快適性、軽量性、デザイン、汎用性 防水性、耐久性、デザイン
ここが△ 付属のポケットやストラップの少なさ、自立しない形状 ポケット・アタッチメントの貧弱さ、背面のクッション性
おすすめアクティビティ ハイキング、旅行 通勤・通学、沢登りなどウォータースポーツ、旅行、ハイキング
Fabric
  • 210Dナイロン(UTSコーティング)
  • 420Dナイロン
  • 210Dナイロン
  • 420Dナイロン(TPUコーティング、KISSコーティング防水加工)
size ワンサイズ(背面長47cm) ワンサイズ
容量 30L 35L
重量 1,023g(フレーム取り外し時:980g) 約1,000g
重量/容量 30.67g/L 38.33g/L
アタッチメント
  • バックフレーム
  • デイジーチェーン
  • ギアループ
  • ジグザグEVAフォーム
  • チェストストラップ
  • ワンアクションウェストベルト調節
  • デイジーチェーン
  • EVAフォーム
  • チェストストラップ
ポケット
  • 1フロントポケット
  • 2ウェストベルトポケット
  • 1フロントジップポケット
  • 2サイド防水ポケット
ハイドレーション対応 ×
付属レインカバー × ×
バリエーション  
  • ECHO(25Lモデル)

山仲間にシェアしよう!

46 Shares

最新ギア情報をゲットしよう!