First Look:MILLET(ミレー) UBIC(ウビック) 60+10 攻め続ける名門の斬新かつ大胆な一歩

豊富な経験と技術に裏打ちされた斬新

このパックに注目したのは昨年末。米アウトドアギア Webマガジン Gear Institute 2014年ベストギアのひとつとして選ばれたことがきっかけでした。ミレーと言えば、個人的な印象としては100年近くの歴史をもつ名門アウトドアメーカーでありながら、世に出すパックは正当派パックだけでなく MATRIX の左右非対称デザインや、EIGER の背面オープンフラップなど、毎回どこかしら新しい、ともすれば奇抜な試みを入れてくる、一筋縄ではいかないメーカーというイメージ。第一線のクライマーや登山家たちの現場の経験に基づいた革新的な機能・デザインは、時にユーザーの斜め上をいくこともありますがそれもまた、名門の名にあぐらをかかない姿勢として非常に好感が持てます。

しかしこのパック、発売開始からメーカーの予想を上回る売れ行きのようで瞬く間に市場から消え失せてしまい、手に入れる術が無いかと諦めかけていたところ、メーカー(ラフマ・ミレー)さんからサンプル・写真をお借りできることに。そこで今回は、実際のフィールドでの試用前の速報レビューをお届けしたいと思います。

速報レビュー

アイテム名(価格)

MILLET UBIC(ウビック) 60+10(27,000円(本体価格)+税)

主なスペック

項目 スペック・評価
Fabric 3ラインハニカムナイロン210D、オックスフォードナイロン420HD、オックスフォードポリエステル1200D
Color ブラック(BK)
size/背面長 W26/H61/D26cm 背面長:U=43~53cm(調整可)
容量 60+10L
重量 約1800g
バリエーション
  • UBIC 50+10
  • UBIC 50+10 LD(女性向けモデル)
  • UBIC 45 MBS(背面に MOBILITY BACK SYSTEM を採用したモデル)
  • UBIC 40
  • UBIC 40 LD(女性向けモデル)
  • UBIC 30
  • UBIC 30 LD(女性向けモデル)

※容量によって若干機能の違いありますので要注意。

左右非対称なデザイン(正面)

MIS1916_UBIC-60+10_0247

このパックの一番の特徴と言える、正面から見てすぐに分る非対称な構造。決して単に奇をてらったデザインにしているわけでは無く、このパックのコンセプトである「登攀やベースキャンプで使用する道具を効率的かつ安定して運ぶ」ために、パックの外側を含めて様々なギアを収納しやすくするようこだわり抜かれた結果としてのデザインです。

気の利いたリッド(天蓋)

DSC04433

トップには小物が入るポケットの他、パックカバーが予め収納されており、便利。また紐やゴムを通せばマットやアイゼンなどをくくりつけることもできます。

取り出しやすい開口部

DSC04450

開口部にはジッパーが付いており、口を締めた状態でもすぐにものが取り出せるようになっています。

多様なポケット

ubic_pockets

パック左サイドには深いポケット、右サイドと正面には大きめのジッパーポケット。そして右側のヒップベルトには小物を入れるポケットが付いており、収納性は抜群。

調整可能なショルダーハーネス

DSC04437

背面長に合わせて調節可能なショルダーハーネス。

ピッケル・スキーやスノーシューなどの外付け

DSC04453MIS1920_0247_Bsub01

フロント・サイドはポケットだけでなくベルトも多彩。左サイドはポールやスノーアックスなどの細めのギアを、右サイドにはテントマットやスノーシューなどの大物までくくりつけられます。そしてフロントにはスキーもしっかりと固定できるようなリングが付いています。

ここがスゴイ!

一見すると他のパックと違うつくりが取っつきにくいかもしれませんが、それはまったく逆。このパックほど初心者に優しいパックはないのではないでしょうか。その理由はまさにこの多彩なポケット・ストラップが実現する他に真似できない高い収納性。初心者にとってパッキングは意外と難儀な作業で、かさばる道具達を隙間なく、さらに背負う際の重量のバランスまでを考えて順番に詰めていくためにはどうしても経験と工夫が必要ですが、このザックがあればその労力は確実に軽減されます。例えば大きくかさばるテントマットは大きなストラップで横にくくりつけられ、長物や水筒はサイドのポケット・ストラップに、すぐに取り出したい小物はヒップベルトにと、今まで「ここにこんなポケットがあれば良いのに」という妄想がいちいち具現化されているところがニクい。このパックを使っていると逆にパッキングが上手くならないのではと思うくらい。ただ、慣れてくれば今度は自分だけの工夫もできそうな、そんな創造力までかき立てる七色のポケット・ストラップ群です。さらに極めつけはこのパックが長めの縦走から冬のバックカントリーまでオールマイティに使えること。このパックが1つあればほぼすべてのアクティビティに対応できるため非常に汎用性が高く、総じてこれから長く使おうと思っているユーザーが初めて購入するパックとして最適だと思われます。

もうひとつ、これについては十分にテストしたわけではないですが、背負ったときの感触も肩・腰共に良好。いわゆる軽量パックのような最低限なものではなく、特にヒップベルトの厚いクッションが効いているので、長時間の重荷での歩行にも耐えられそうなことが想像つきます。

ここがイマイチ

  • ヒップベルトのバックル部分が細いストラップのため締めたときのフィット感が弱いこと。せっかくクッション性の高いベルトを着けたのだから、ここも普通の太いバックルにして欲しかった。
  • メイン収納部の容積が少なめなこと(あくまで編集部での実感)。これはそう認識しておけば済むことなのですが、単なる1気室70リットルのパックと同じ容量はないと思われますので、沢登りやクライミングなどであまりギアを外出ししない使い方をする場合にはこのパックの良さを十分享受できないかもしれません。
  • 耐久性に関しては未確認ですが、軽量化を図って210D(デニール)の薄手の生地を使用しているところが(剛健なイメージであった MILLET にしては)心許なく、若干検証が必要かと気になりました。
  • 容量のバリエーションはたくさんあって良いのですが、一方で色のバリエーションが少なすぎることも若干残念。

まとめ:どんな人におすすめ?

このパックの活用範囲は非常に広く、春~秋の縦走からクライミングなどのテクニカルな活動、そして冬の縦走・バックカントリースキー、バリエーションルートにとほぼ全般いけます。先ほど書いたように、このパックは初心者が1個目として選ぶのに最適です。そして経験豊富なユーザーにとっては「分ってる」ということが実感できてそれはそれでオススメです。

容量的には日帰りや小屋泊まり1泊程度にはちょっと大きすぎるので、2~3日以上の登山(小屋泊まり)やテント泊にはちょうどよい大きさです。ただ容量的にはバリエーション豊富なので、日帰り向けに30Lのサイズをチョイスすることもできます。

山仲間にシェアしよう!

2 Shares

最新ギア情報をゲットしよう!