当サイトのレビュー記事はアフィリエイトリンクを通して製品を購入いただくことで少額の収益を得ています。

【速報】ISPO MUNICH 2017 で気になった最新アウトドア・ギアまとめ

毎年このサイトでは恒例となっている世界のアウトドア展示会チェック。今回は毎年この時期にドイツのミュンヘンで行われる、アウトドアだけでなくヘルス&フィットネスやアクションスポーツ、ウィンタースポーツなどスポーツビジネス全体をカバーした世界最大級のスポーツ用品展示会『ISPO(International Trade Show for Sports Equipment and Fashion)』の模様をお伝えします。今年も世界中から大小問わずさまざまなメーカーが欧州市場に向けた刺激的な新作アイテムを発表し、アウトドアシーンの未来を垣間見ることができました。

ネット越しにウォッチするのも今年で3回目となりますが、今年もいつも通り個人的に注目に値する新製品をピックアップしてとりとめもなくご紹介します。なお北米系のブランドの新製品については先月お伝えしたORWM2017の特集記事でよりたくさん取り扱っていますので、合わせて見ていただけると来シーズンにかけて注目の新作アウトドアギアがかなり網羅できるのではないかと思います。

北米と欧州では注目されるポイントや視点が違うのところがいつもチェックしていて面白いです。今年は特に欧州のISPOの方が北米のORに比べてITを駆使したデジタルギアがやけに目立っているのが気になります。CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)などのアウトドア以外の展示会でも最近の注目ベンチャーはフランスなどの欧州勢と聞いているので、欧州のスタートアップブームは業界をまたいで大きな流れなのかもしれない。

ちなみに発表されている製品情報は欧州マーケット向けのため、これらが日本で発売されるか、また発売時期・価格ともまったくの未定ですのでそこは踏まえてご覧ください。

もはや驚きでも何でもなくなった「アウトドア × IoT」スマート・ウェアラブルギア編

Carv

まずはここ数年ものすごい勢いで進化している、センサーやクラウド技術などを活用したスマートギア系のアイテムをいくつか。まずはイギリスのスタートアップ、KICK STARTERを経て発売されるインソール式のスマートギアCarv。インソールに内蔵されたセンサーによって多くの詳細なデータを収集し、それらを即座に分析してターンごとイヤホン越しにリアルタイムでスキーのコーチングをしてくれるスマートインソール(下の英語動画1:15あたりから)。キックスターター案件ということでまだ詳細についての情報は必要かと思いますが、実現した場合はとんでもなくありがたいガジェットになってくれるかもしれません。誰か日本語版を!ISPO BRANDNEW 2017 ファイナリスト。HPはこちら

MOUNTAIN HUB AVATECH SCOPE POLE

続いてはバックカントリースキー等で使用する「スマートな」スキーポール。AVATECH SCOPE POLEは一見何の変哲もないカーボンスキーポールですが、ポールを雪面に突き刺すと内部に組み込まれた各種センサーによって雪の断面を分析してくれるという画期的なギア。それら収集されたデータはクラウド上のネットワークによってビッグデータとして蓄積され、普及すればするほど雪崩のメカニズムのより精緻な解明に繋がっていくと期待されています。単体のギアとしてのアイデアだけでなく、こうした学術的観点からみても上手い仕組みであるところがニクい。ISPO AWARD 2017 WINNER。HPhttp://mountainhub.com/connected-devices/

POMOCUP

スキーに取り付ける形のスマートギアも登場しています。スキーシールの老舗ブランドPOMOCAとスイスローザンヌ工科大学のスピンオフ企業Gait Upによる共同開発であるPomocupはスキーの登山のための初のウェアラブルギアであり、ツアー中のあらゆるモーション(シールの着け外しやキックターンの数まで!)を追跡し、滑降のパフォーマンスを測定し、それらを分析し改善するための指標を提供します。もちろん行動後にはスマートフォンと同期したりユーザー同士共有・コレクションすることもできます。ISPO AWARD 2017 GOLD WINNER。HPhttp://pomocup.com/

 

DIGITSOLE RUN PROFILER

ランニング向けのスマートインソールRUN PROFILERでは内蔵のセンサーによって速度、距離、カロリー、ステップなどの基本的な数値を測定するだけでなく、足裏のどの部分にどれだけ圧力が加わっているか等によって姿勢や疲労度を分析します。これによって例えばこのデータに基づいて怪我の危険性が増したときにスマホのアプリを介して警告するといったことまで可能です。さらにこのアプリはデータを常時解析しながら、リアルタイムで適切なアドバイスを提案することも可能だとか。余談ですが、今までであればこういったハイテクギアは日本のお家芸だったはずですが、哀しいかないつの間にやらこうした先進アイテム開発は欧米のスタートアップばかりになってしまいました。HPhttp://www.digitsole.com/run-profiler/

既存メーカーも相変わらず元気です。アパレル・ギア編

NORRONA LOFOTEN ACE GORE-TEX PRO JACKET

北欧の本格アルパインブランド、ノローナの2017新作はバックカントリースキー向けのラインであるロフォテンシリーズがリニューアル。新開発のベクトランファイバーを採用したGORE-TEX Proファブリックを使用したはじめてのジャケットは最高度の耐久性を誇り、あらゆるコンディションに対応するとか。

 

Norrønaさん(@norrona)が投稿した写真

Fjällräven Bergtagen Eco-Shell Jacket

日本では日常からキャンプあたりまでのカジュアルなブランドとして考えられがちなフェルラーベンは、本国スウェーデンではもっと質実剛健な本格アウトドアブランドとして知られています。そのブランドが来シーズンようやく本格登山ウェアカテゴリ「Bergtagen」をローンチするようです。日本でも展開されるかどうかは不明ですが、モノの良さは認識済みなのでとても楽しみ。

 

SCARPA RIBELLE TECH OD

今年のPRODUCT OF THE YEARを獲得したのはイタリアの老舗登山靴メーカーによる革新的なアルパインブーツ。トップクラスの快適性、軽さ、耐久性、柔軟性を提供しながらアルピニストの求めるテクニカルなパフォーマンスにも対応。OutDryによる防水透湿と堅牢なビブラムソール、かかとにはクランポンのコバなど、トレッキングから登山まで幅広いレンジで活躍するオールラウンドかつオールシーズン使えるブーツのようです。詳細は未確認ですが、現時点ではどのブランドのどのモデルにも競合が見当たらない(強いて言えばサロモンのX-Alp Carbon?)という意味では、まったく新しい使い方ができそうなブーツで非常に楽しみ。

 

BERGHAUS HYPER 100 JACKET

イギリスが誇る総合アウトドアメーカーのバーグハウスはいつも何かしらスゴイスペックのアイテムを作っているイメージ。HYPER 100 JACKETは衝撃的な97グラムという、おそらく世界最軽量の3層のレインジャケットであるだけでなく、バーグハウス史上最も通気性の優れたジャケット(55,000 g / m² / 24h)。最軽量防水シェル争いはいつになったら終わるのやら!ISPO AWARD 2017 GOLD WINNER。

PETZL: NOCTILIGHT

ペツルからはランタンにもなるユニークなヘッドランプカバー。たったこれだけですが、ヘッドランプの誤操作もなくなって一石二鳥のアイデアが心地よくてつい使いたくなる。ISPO AWARD 2017 WINNER。

PETZL GULLY

ペツルにはバックカントリー用の軽量アックス「ライド」が既にありますが、こちらの新作アイスアックス「ガリー」は同じように超軽量(280g)ながら、より鋭くなったピックと握りやすいアジャスタブルなハンドレストによってテクニカルなスピードクライミングにも対応します。まぁ何といっても見た目がイイね!(左写真の手前)HPhttps://www.petzl.com/GB/en/Sport/New/GULLY#.WKHO3_mLSCo

PETZL Sirocco helmet

一方、発泡ポリプロピレン(EPP)を使用した超軽量ヘルメットの「シロッコ」もバージョンアップ。重量はほぼ同じものの、ハイブリッド素材より耐衝撃性能をアップさせ、後頭部をより深く覆うようになって安全性も向上。HP→https://www.petzl.com/GB/en/Sport/New/SIROCCO#.WKHfLfmLSCo