Review:GREGORY(グレゴリー)ZULU(ズール)40 実用性&快適性を備えた人気モデルがスタイリッシュに生まれ変わったぞ

遅ればせながら、今年(2016年春夏シーズン)アップデートされたグレゴリーのハイキング向けバックパック『ZULU(ズール)』シリーズをレビューしてみたいと思います。

グレゴリーと言えば、ビジネスやタウンユースから大荷物のロングトレイルまで、幅広いシーンで質実剛健かつラグジュアリーな背負い心地にこだわる老舗ブランド。世界中の熱心なハイカーから集める信頼の高さはここてあえて言及するまでもありません。

ただ、そんなトップブランドのなかでも昨年まで特に人気のラインであったハイキング・バックパッキング向けモデル『Z』シリーズは、実のところ個人的にはまったくピンと来ず。機能的には十分なものを備えていたのは確かでしたが、何よりフロント部分が突出した丸っこいフォルムが重心バランス的にもセンス的にも受けつけない、というのがその大きな理由でした。

前モデルから2年、『Z』は『ZULU』へとリニューアル(女性向けモデルは『J』から『JADE』へ)。するとあのいまいちイケてなかった彼は見違えるほどスタイリッシュに生まれ変わっていたのです!

こうしてついに出会うことができた王道ハイキングバックパックをこの1ヵ月で何度か使用してきました。早速その人気の秘密を紐解いていきましょう。

詳細レビュー

アイテム外観

GREGORY(グレゴリー)ZULU(ズール)40

dsc07622_mini

前面

dsc07624_mini

背面

dsc07626_mini

側面

主なスペックと評価

項目 スペック・評価
素材※
  • 本体:210Dナイロン・100Dナイロン
  • 底部:210Dナイロン
カラー
  • フェルドスパーグレー
  • ネイビーブルー
  • バーニッシュドオレンジ
サイズ/背面長※
  • S:40.64~45.72cm
  • M:45.72~50.80cm
  • L:50.80~55.88cm
容量
  • S:38リットル
  • M:40リットル
  • L:42リットル
重量
  • S:1.48kg
  • M:1.52kg
  • L:1.64kg
バリエーション
  • ズール30
  • ズール35
  • ズール40
  • ズール55
女性向けモデル
  • ジェイド28
  • ジェイド33
  • ジェイド38
  • ジェイド53
メインアクセス トップ・フロント
ハイドレーション
レインカバー
ポケット・アタッチメント
  • クイックリリース・バックルが表面についた伸縮性フロントスタッフ・ポケット
  • 両サイドに伸縮性メッシュサイドポケット
  • 超高耐久性クイックリリース・バックルが付いたクロスオーバー・サイド・コンプレションストラップ
  • 2つのジッパー式ヒップベルト・ポケット
  • 独立したツール&トレッキングポール用ループ
  • ジッパー式セキュリティーポケットとキークリップが付いた固定雨蓋
その他 クロスフロー・サスペンション、小物入れとしても使用できるレインカバー・インテグレーション
快適性 ★★★★★
安定性 ★★★☆☆
収納性 ★★★★☆
使い易さ ★★★★★
耐久性 ★★★☆☆
重量 ★★☆☆☆
総合点 ★★★★☆

米国ECサイト『REI』より

ここがスゴイ!

よりスタイリッシュで安定感を増したデザイン

冒頭でも触れたとおり、今回のリニューアルで最も大きく変わったのはその全体的なフォルムです。前モデル『Z』シリーズは底部の面積が狭く、背面で通気性を確保するためのカーブはキツく、そしてベレー帽のように覆いかぶさる天蓋と大きく膨らんだフロントポケットがクセのある外観を形作っていたのを憶えています。個人的な好みや感覚ももちろん承知の上でいうと見た目もさることながら、やはり詰め込めば詰め込むほど縦にではなく横(後ろ)に広がっていくフォルムはどこか落ち着きのない、不安定な印象が否めませんでした。

GREGORY(グレゴリー) Z40 GM74557 ストームブラック L

前モデル『Z』シリーズのイメージ

それが今回のリニューアルによって(自立は難しいものの)底部の面積も広めになり、オーソドックスな縦長の形状に。そして背面のカーブはより緩やかに、そして後ろに膨らんでいたナイロン地のポケットは十分な伸縮性のあるメッシュポケットになったことで無駄に後ろに出っ張ることがなくなり、収納性を損なわずよりデザイン性が高まったように感じられます。

dsc07600_mini

こうしたデザイン面での変更は、もちろん見た目が改善されただけではありません。フォルムの改良にとどまらず、快適性・安定性までもグッと推し進めているところがさらに良い。次にこれらの要素を見ていきます。

通気性と安定性を両立させた絶妙なメッシュ構造の背面

テンションのかかったワイヤーフレームが交差する独自の背面フレーム「クロスフロー・サスペンション」は、基本的な役割という意味では前モデルと変わらず、背面の通気性を向上させ、適切な荷重バランスをとるというもの。

ただここ数年で大流行しつつある、背面に空間を設けたメッシュ地のバックパネルという方式は確かに背中の風通しが良くなり快適性が増す一方、どうしてもその構造上、重心が背中から離れ後ろに引っ張られているような感覚になりがちで、腰でしっかりと荷重を受けとめにくいモデルが多いのが難点でした。

その点今回のズールシリーズの背面フレームは、他社の同じようなモデルと比べてもその凹み具合が通気性を損なわず必要最小限に抑えられているため(下写真)重心が後ろに感じられるということが少なくなり、前モデルと比較しても荷重バランス的により安定感が増しています

dsc07606_mini

背中に設けられた通気のための空間は必要最小限に抑えられ、重心が身体に近づいたことで安定感UP。

クッション性のあるメッシュ状の背面パネルは期待通り背中に心地よくフィットし、隙間を通り抜ける空気は汗をかきやすい背中を確実にムレにくくしてくれます。身体の線に沿って適度にカーブしたショルダーストラップは十分に柔らかく、弾力性とフィット感を備え、腰裏には長時間の負荷にも耐えられるだけの通気性ダイカットEVAフォームパッドを配置。こうしたひとつひとつの要素が絶妙に統合され、高い快適性を実現しています。

相変わらずパッキングが苦にならない抜群の収納性

ZULU40のもうひとつの優れたポイントは使いやすさ抜群の収納群。正直収納に関して良いところを挙げればキリがなく、逆にケチをつけるところはほぼゼロ。コイツをもっていながらパッキングが上手くできないなどとのたまう人が万が一いればなぜできないのかを小一時間、問い詰めたくなるレベル。それくらい、気持ちいい程パッキングしやすいバックパックです。

まずZシリーズから引き続き大容量のトップリッド(天蓋)には携帯・地図・コンパス・ティッシュ・手拭き・行動食・カメラのリモコン・財布・鍵など、どれだけ放り込んでもまだ余裕。ジッパーの口も大きく、あれもこれもすぐに取り出せる場所に置いておきたいと思う自分のような優柔不断に対してもきっちりと応えてくれます。

dsc07498_mini

加えて左右のヒップベルトポケットもスマホが入るほどに十分な容量。一方は耐水性のあるナイロン生地、もう一方は通気性を備えたメッシュタイプになっています。

dsc07597_07598_mini

前モデルから大きく進化したフロントポケットは、高い伸縮性・耐久性を備えたストレッチ素材が用いられており、雨具や防寒着、ボトルなどかさばるギアも難なく収納できます。

dsc07452_mini

サイドにはストレッチ素材のポケットだけでなく、2本のサイドストラップが配置され、マットやポールなどの長物を取り付けることも可能。前作のストラップが上部1本だけだったことも考えると地味ですが着実な改善です。

dsc07495_mini

フロントポケットの内部には標準装備のレインカバーを収納するためのポケット。余裕のあるサイズなのでレインカバー以外の用途にも使えます。細かいですが、下写真に見られるようにジッパーの引き手が大きく、グローブをしていても使いやすいことこの上ないです。

dsc07456_mini

これだけ便利な収納が備わっているにもかかわらず極めつけは、メイン収納に直接アクセスできる逆U字型のジッパー開閉機構。パックの底に沈んだギアまでも即座に取り出すことができます。

dsc07453_mini

その他気の利いたアタッチメントなど

ショルダーストラップにハイドレーションチューブを想定したアタッチメントはこれまで何度も見てきましたが、チューブの着脱が容易で飲む時のストレスが少ないこのクリップは目下のところ一番使いやすいと感じました。

hydration_tube

メインコンパートメントを開け閉めするドローコードにも一工夫が。下写真のように両端の取っ手をもって簡単に広げることができます。締める時も紐をもって引くだけ。このように収納から使い勝手まで、とことんストレスを除く工夫がちりばめられています。

dsc07492_mini

ここがイマイチ

調整不可能な背面長

今回のリニューアルによって前作に感じていた欠点の多くが改善されたとはいえ、まだどうしてもガマンできないのがここ。背面長によってS・M・Lと3サイズ用意されており、筆者は背面長49.5cmなのでMサイズを使用しています。ただ、この背面長49.5cmがMとLのちょうど境界付近の高さのためか、感覚としてはジャストフィットからはやや短い感じがしなくも無い。背面メッシュで高さ調整可能なモデル自体が少ないとはいえ、もったいなくて残念過ぎます。

軽くはない重量

前モデルの実重量は定かではありませんが、公式重量を比較してみると200g近く重量がUPしているのは、多くの進化によって完成度が高まっただけにちょっと残念。

まとめ:どんな活動におすすめ?

前モデルから定評のある優れた通気性、快適性はそのままに、さらに背負っているときの安定感、収納性、デザイン性が向上したズールシリーズは、一般的なハイキングやトレッキングであれば季節を選ばずに活躍できる汎用性の高いバックパックです。特に初心者に優しい特徴を数多く備え、はじめてのバックパックとしても最適。ただファストパッキングなどスピードを意識したアクティビティや、沢登りなどのアクティブな用途には、その固い背面が機動性にとっては邪魔となり、使えないわけでは無いものの最適ではないと思われます。

とはいえ総じてさまざまな用途で長く使える優秀なモデルであることは間違いありません。このような総合的なコストパフォーマンスの高さもロングセラーの理由のひとつではないでしょうか。

ちなみにグレゴリーではハイキング用途でもうひとつスタウトシリーズも完成度の高いモデルとしておすすめ。ただ、スタウトがより伝統的な作りで堅牢性を備えたモデルであるのに対し、こちらは快適さと使いやすさを最優先させた、より”現代的”なオールラウンドモデルといえます。それぞれに良さがあり、どちらの方が優れているというわけではありませんので、基本は自分のスタイルに合わせて、迷ったら直感で選んじゃってみてはどうでしょう。

サイズは30/35/40/55(女性モデルは28/33/38/53)と細かく用意されているので、用途に合わせてちょうどよいサイズを選ぶことができます。個人的には日帰りも1泊も40Lですませてしまう質なのですが、一般的には日帰りや小屋泊まりを主体に考えるならば30Lがおすすめですが便利な天蓋が消滅してしまうため、そこが譲れない場合には35Lがよいでしょう。

GREGORY(グレゴリー)ZULU(ズール)40

GREGORY(グレゴリー)JADE(ジェイド)38

山仲間にシェアしよう!

36 Shares

最新ギア情報をゲットしよう!