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Review:OSPREY Stratos 36を今使わないでいつ使う?(2016モデル)

快適なデイハイキングに必要なすべてが備わった力作

創立当初から変わらぬオーダーメイドの精神でものづくりを続けるオスプレーは、毎回コンセプトが明確で、ターゲットにとってかゆいところに手が届くさまざまな機能を盛り込んだ実用的な製品が多く、個人的に大好きなパック専門メーカーです。今回はそんなオスプレーから、背面にベンチレーションを備えたデイハイク向け36リットルのバックパック、ストラトス36をレビューしていきたいと思います。

なお、ストラトス36を含めたバックパックの比較評価はこちらのページで紹介しています。

詳細レビュー

アイテム名(価格)

OSPREY(オスプレー)Stratos(ストラトス)36(参考価格:17,280円)

stratos36_front

前面

stratos36_back

背面

主なスペックと評価

30Lクラスの中型バックパックの横並び比較評価はこちら

項目スペック・評価
Fabric210Dハイテナシティーツイルナイロン、420HDナイロンリップストップ
Colorソーラーフレアオレンジ(OR)
ハーバーブルー(BL)
パイングリーン(GN)
アンスラサイトブラック(BK)
size/背面長S/M=40~48cm、M/L=46~53cm
容量S/M=34L、M/L=36L
推奨パッキングウェイト7~14kg
重量S/M=1.31kg、M/L=1.36kg
バリエーション26/36L ※天蓋のないモデルで24/34Lあり
レインカバー標準装備
快適性
(20点)
19
安定性
(15点)
12
収納性
(20点)
18
使い易さ
(20点)
17
汎用性
(15点)
11
デザイン
(5点)
2
価格
(5点)
4
総合点83

ここがスゴイ!

これでもかというくらいに快適な背負い心地

まず何といっても背面のメッシュ構造(エアスピードサスペンション)をはじめとした徹底的な通気性の良さ。これは耐久性のあるワイヤーがパックの周囲を囲み、そこにトランポリンのように弾力性のあるメッシュ地を張ることで背中とパックの間に空間を設け、空気の通り道をつくるというもの(写真参照)。今では多くのメーカーも採用しているこの仕組みの快適さは実証済みで、汗をどんどん逃がしてくれます。メッシュ部分のフィット感も登場当初から着実に改良を重ねているようで、今では背中の当たり具合もちょうどイイ感じ。ショルダー・ヒップベルトにも施された孔とメッシュによって、ただでさえ快適な背面がさらに通気性アップしています(写真参照)。

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背面のエアフローを劇的に向上させたエアスピードサスペンション。

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どれだけ汗をかいても涼しくいられるエアスピードサスペンション、ショルダー・ヒップベルト。

ただよく言われているのは、背面に空間ができる事によって重心が後ろになり、身体が振られやすく、疲れやすいというもの。メッシュの構造的な問題なのでそれは確かに間違いではないのかもしれませんが、そもそも振られるくらいの重荷ならともかく、この容量程度までなら許容範囲なのではないでしょうか。個人的にはそこまでの不利は感じませんでした。

軽い!

意外と忘れがちですが、バックパックはハイキングの持ち物のなかでもトップ3に入る重量です。その重量は例えばカリマーの ridge 30 が1.6kgに対して、こいつは36リットルにもかかわらず1.36kgですから、200g以上軽い。レインウェアなどで10gの違いをあれこれしている一方で、簡単に100g以上の差が出てくるパックの軽さは、距離が延びれば延びるほど地味に影響が出てきます。

収納性の高さ

たいていのメッシュ構造パックは背中がくびれている分、容量が表示よりも少なく感じるものですが、このパックは36リットルという数字以上にモリモリと入ってくれる印象。そして収納性といえばこのパック一番の感動ポイント、中身へのアクセスの良さが半端ないんです。パック上部は天蓋をストラップで止める方式ですが、フロント全面がガバッと開けられるので、天蓋を開けることなく、何でも取り出せてしまいます。これは本当に気持ちいい。ちなみに二気室構造なので下部にシュラフなどを入れて部屋を区切ることも可能。その場合は分けた荷物を下部のジッパーから取り出します。

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ジッパーでほぼ全面が開くフロントアクセス。使い易いことこの上なし。

さらに好きなのは実用的な天蓋ポケット。大きく、そして2つに分けられているため、たくさんの小物を整理して入れられます。

DSC06662

上は薄くて広いもの、下は凸凹して大きめの小物が入り易い。

ポールアタッチメント

最後はオスプレーらしい、ユーザーのことを考えたユニークな機能。行動中にトレッキングポールを簡単にパックに収納できる、専用のアタッチメントが付いています。下山して林道歩きになったからといって、いちいちパックを下ろしてポールをしまうのが面倒。そんなときこのアタッチメントが重宝します。

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トレッキングポールのアタッチメント。写真ではサムライの刀と勘違いしていますが、短く畳んで脇差しのようにさすのが正解。

ここがイマイチ

汎用性

良くも悪くも「ハイキング」に特化しているパックです。春~秋のトレイルを歩くには完璧ですが、クライミングや沢登りのためにはもっとヘルメット・アイゼン・ハンマー・ザイルなどのギア類を収納するためのアタッチメントが必要ですし、バックカントリーなど考えてもスキーを取り付け易いとは言い難いです。このパックの購入する場合にはそれらを差し引いて、用途を絞って利用することを覚悟するのがよいでしょう。

ヒップベルトのサイズ

ぼくのウェストが人よりもかなり細めだからというのもありますが、実はヒップベルトがアメリカンなサイズなのか、最短にしてもゆるゆるでした(ちなみにぼくのウェストは75cm、パックはM/L)。しかもサイズにバリエーションは無し。そこで何とか最短サイズよりも短くするため、バックルを取り外し、自分で購入したバックル(下の商品)に付け替えることでベルトを数ミリ短くし、何とか事なきを得ました。多くの人は大丈夫だとは思いますが、ウェストサイズの小さい男性は要注意です。

【メール便対応可能】後付(リペア)サイドリリースバックル38mm幅テープ用(一個)特殊バックル...【メール便対応可能】後付(リペア)サイドリリースバックル38mm幅テープ用(一個)特殊バックル…

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元々のバックルをニッパーで取り外し、リペア用のバックルをあらためて取り付ける。これによって右バックルの長さ調整ができなくはなったが、ウェストサイズはジャストサイズまで短くすることができた。

まとめ:どんな活動におすすめ?

このパックには、快適な背負い心地や賢く便利な機能など、ハイキングやトレッキングにとって重要な多くの特徴が備わっています。山歩きで使う分にはこれといった欠点が見つからない程に完成度が高く、ベテランはもちろん、これからハイキングをはじめる初心者の方が穏やかな気候のなかトレイルを歩くにはもってこいです。ただし岩や沢などのバリエーションルートや、冬も視野に入れている場合にはこれがベストチョイスではない可能性があることは心に留めておいてください。

ちなみにストラトスには女性モデル(Sirrus)や、容量(26と36)・天蓋無しのパネル開口タイプ(24と34)などのバリエーションがあり、完全に日帰りしか考えない場合には容量の小さいモデルやパネル開口タイプでもよいかと。

何はともあれ蒸し暑く不快なこの季節に大活躍すること間違いなし。老若男女すべてのハイキング愛好家におすすめです!

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