当サイトのレビュー記事はアフィリエイトリンクを通して製品を購入いただくことで少額の収益を得ています。

歩かずに死ねるか!アメリカ国立公園への旅(6)モニュメントバレー・ナバホトライバルパークおすすめハイキング

セドナ、グランドキャニオン、キャニオン・ディ・シェイ ナショナルモニュメントに引き続き、グランドサークルおすすめハイキングスポット第4弾は、前回同様、ネイティブアメリカン・ナバホ族の聖地でもあるモニュメントバレー・ナバホトライバルパーク(Monument Valley Navajo Tribal Park)の中にあるハンツ・メサ です。

モニュメントバレーといえば、広い荒野の中にまるで神様が彫刻をし見世物として作り出したかの様なビュート(残丘)やメサ(テーブル型の岩)と呼ばれる大小様々な岩が点在し、地面から聳え立つ光景が広がります。その光景はまさに完璧といえる大地の芸術作品です。長い年月をかけ浸食によって柔らかいところが、風、雨、雪などにより削られ、固い岩質の部分だけが現在も残り、今の私たちが見ている風景を作り出しました。

そこにいるだけで地球の広さを感じ、地球の鼓動を感じ、地球はこんなに美しいのか、、とあらためて感じることのできる場所なのです。

ウェスタンムービーやその他の映画の撮影でも使用されることが多く知名度は高いので、モニュメントバレーに訪れたことがある人、将来行ってみたいと感じている人も多いと思います。でもモニュメントバレー内でハイキングを体験したことがある人は少ないかもしれません。むしろハイキングがバレーの中で可能ということすら知らない方も多いかもしれません。

モニュメントバレー内でハイキング、、、出来るんです! そして想像以上に素晴らしい世界が広がってるのです。一般にジープなどの四輪駆動車に乗って観光として観て廻るビューポイントもありますが、そこはほんの一部。 モニュメントバレーは更に奥深くに広がっています。

広大な土地にそびえ立つ巨大な岩丘のパノラマビューに囲まれてぜひハイキングをし、その大地を歩いて感じてみましょう、地球を感じられる場所!そこが今回ご紹介しますハンツ・メサのトレイルです。

モニュメントバレーは国立公園ではない。ナバホの国にある部族公園

国立公園と誤解されがちですが、実際には現地先住民族・ナバホ族が管理運営するナバホトライバルパークです。このエリアにはネイティブアメリカンのナバホ族の人々が昔から聖なる場所として大切にし、自然と共存してきた場所でもあります。モニュメントバレーもそのナバホ族が管轄するリザベーション(居留地)内にあるので、彼らが管轄する部族公園になります。

もしモニュメントバレーが国立公園になったら……。

アメリカの連邦政府は美しいモニュメントバレーの地を何度も国立公園に指定したい意向をナバホ政府に申し入れてきました。しかし、ナバホ政府はモニュメントバレーを国立公園にしたいというアメリカ政府からの要望を断り続けてきました。彼らの先祖から大切にしてきたこの地をナバホのやり方で大切にしていくことが彼らの文化を繋ぎとめ、伝統を大切にすることでもあるのです。モニュメントバレーはナバホ族にとっては神聖な地であり、なおかつ現在でもその周辺はもちろん、バレー内には電気も水道もない伝統的な生活を続ける人々がいるのです。

もしモニュメントバレーが国立公園になったならば美しいアメリカの国立公園ナンバー1、2位を争うレベルと言われています。グランドキャニオンにも劣らないアメリカの原風景とネイティブアメリカンの文化が広がる場所です。

ナバホリザベーション・モニュメントバレーでのルール

  1. モニュメントバレー内ハンツ・メサでのハイキングをする時は一般の方が観光するエリアを抜け、更に奥のバレー内にあるトレイルヘッドへ向かっていきます。その時にバレー内に住むナバホ住民のプライベートプロパティー(私有地)を通り過ぎていきますので、ハンツ・メサでのハイキングはハイキングを実施している地元のナバホのツアー会社に申し込み、そこのハイキングガイドさんと行く必要があり、自分達だけで行くことはできません。モニュメントバレーの中は一般車で入れるエリアと許可がないと入れないエリアがあります。なのであらかじめハイキングガイドさんを予約して彼らの支持に従っていきましょう。(何社かハイキングを実施している会社があります。Monument Valley Simpson’s Trailhandler Tours など)
  2. ナバホ居留地では禁酒法が定められており、居留地内ではお酒がのめません、アルコールの類の販売も禁じられています。

モニュメントバレーへの行き方(レンタカー)

所要時間

フェニックスから5.5時間、セドナから3.5時間、フラッグスタッフから3時間、グランドキャニオン(サウスリム)から2時間、ペイジから2時間の場所にあります。

入場料

公園に入るためには前もって手続きはいりません。エントランスで入場料を払うのみです。車1台(4名まで):$20(2020年現在)4名を超えると一人追加につき $6自転車や徒歩での入場なら1人$10。

営業時間

  • 夏季(5-8月):6:00-20:00
  • 冬季(9-4月):8:00-17:00

モニュメントバレーハイキングのベストシーズン

1年を通して天気が良ければハイキングは可能です。ですが冬は雪も降りますし、温度も低くて寒い日がい多いです。夏は砂漠気候ですごく熱く、ハイキングには暑すぎるかもしれません。

ベストシーズンは、5~6月、9月下旬~10月。 年間降水量が少なく、天気に恵まれる日が多いです。3月、4月も気温は低いですがハイキング可能です(使用している写真は3月頭にハンツ・メサに行った時のものが多いです)。

ハイキングに適した服装は?

標高が1,600mほどで高いこともあり、天気が良くても風が強かったりすると体が冷えてしまいますので防寒対策は常にしておきましょう。常に脱いだり羽織ったりをできるようにしておくと良いですね。風が強い日は砂埃がきつい日もあります。フェイスマスクやショールなどで砂をカバーするのも良いかもしれません。

夏場

日中は気温が上がりTシャツ&半ズボンでも全く問題ないです。ただし風が強い日などもありますのでウインドブレーカーなどの風よけや、フリースなどの防寒着など、何かしら羽織るものがあると役に立つこともあります。

冬場

標高自体が約1,670mあり冬はとても冷えます。しっかりとした防寒対策が 必要です。ショールやマフラー、ホッカイロなどもとても役に立ちます。

公園での案内所は?食料や装備は補充できる?

ビジターセンターに隣接しているビューホテルの売店などがあり、そこで簡単なサンドイッチや飲み物はゲットできます。

公園外のエントランスから5分くらいのところにもスーパーマーケットやガソリンスタンドなどもありますよ。(GOULDING’S GROCERY STORE)

ハイキングに携行すると便利な持ち物

  • 気温の調整できる防寒着
  • トレッキングシューズ
  • 帽子
  • ショール/フェイスマスク(風が強い日の砂予防などに)
  • サングラス
  • 日焼け止め
  • 飲み物(夏は多めに)
  • ハイキング中に食べるスナックなど
  • 常備薬などがある場合は薬やバンドエイドなどのファーストエイド
  • 雨具

モニュメントバレーでの見どころ

ハイキングのついでにガイドさんにモニュメントバレーのビューポイントに停まってもらって大自然のアートを観にいきましょう。そうすることでさらにモニュメントバレーが奥深いものになります。

ビジター・センター

エントランスを抜けてすぐの駐車場正面にビジター・センターがあります。そこからの風景がすでに大絶景。ミトンズ・ビューといわれていて手袋のような形をした右手のライトミトン、左手のレフトミトンの両方が見える場所です。各種ツアー、ハイキングツアーのガイドさんと待ち合わせる発着地でもあり、お手洗いはもちろん、レストランやギフトショップもあります。(ここからワイルドキャット・トレイル(Wildcat Trail)というミニハイクにつながるトレイルヘッドも近くにあります。ここに限ってはナバホのガイドさんをつける必要なし。自分たちだけでいける簡単ハイキング。聖なる岩々をより近くで見られる短めのトレイルです。)

ジョン・フォード・ポイント

西部劇で有名な映画監督ジョン・フォード監督がこの場所を好み、よくそこから撮影したと言われる場所。文句なしの絶景です。

トーテム・ポール

特にカナダにいる先住民が魔除けとして彼らの家の前、あるいは墓地などに立ててきた柱状の木造彫刻のトーテム・ポールに似ているということでその名が付く。長く削られた岩はとても不思議で見る人を魅了し、駐車場の先に見えるトーテム・ポールは高さ約250m近くあるという。風などで風化しているため近い将来見えなくなる可能性も!?

アーティストポイント

沢山の絵描きや写真家がそこからの風景に魅了され、そのポイントからの作品を作り続け他の人々をもインスパイアしているということから名前が付いている。’’本当に雄大で美しい大地’’とはこのこと。心を和ませてくれる光景がここから広がります。

ノース・ウィンドウ

ノースウィンドウは100mほどの高さの二つのビュートの間が窓のようにポッカリと開いていて、そこから向こうの絶景が見えることから「北の窓」なんて呼ばれています。

さらにノース・ウィンドウの隠れ絶景ポイントがあるので、時間があったらそちらも是非。ノース・ウィンドウを手前から見るのではなく、その奥に広がる景色を見られる場所があるのです!二つのビュートの間を車で走り進んでいくと、突き当たりに駐車場があります。そこから車を降りて、右奥につながるトレイルを歩くと、またまた絶景が広がりますよ。

フォレストガンプ・ポイント

ここは公園内ではなく、公園外にあるポイントで、ナバホ・トライバル公園の北側のメキシカンハット方面にあります。モニュメントバレーエントランスからは15分ほど離れた場所。グーグルマップなどで検索すればすぐ出てきますが、映画「フォレストガンプ」で主人公が走るのをやめて引き返すシーンで使用され、一躍有名になった場所。このポイントは限られた駐車場しかないので要注意。車に注意しながら撮影しましょう。

ティアードロップ・アーチ

ここも公園内ではなく、公園外にあるポイントで、モニュメントバレーから割と近いのですが、ビューポイントまでの道がデコボコで舗装されていないところが多いので2駆動では無理なので要注意。4駆でゆっくり進めるレベルですが、大絶景がひろがり、涙型に穴が空いた岩と、その奥に広がるモニュメントバレーの風景が絵になります。

ハンツ・メサ ハイキング情報

所要時間5時間 高低差1200フィート(約365メートル)歩く距離はその時の状況やガイドさんにより変わります。

モニュメントバレーで有名なハイキングトレイルはハンツ・メサハイキングとミステリーバレーハイキングがあります。今回は多くの写真家の憧れの場所でもあるハンツ・メサのハイキングをご紹介。

ここはナバホ族が管轄する公園、そして彼らの私有地になるため、地元ナバホのガイドさんと行く形になり、事前にツアー会社を通してドライバーガイドさんの予約が必要です。ナバホのモニュメントバレーのツアー会社は何社かあり、ネットから予約できます。価格や好みによって決めて行くことになりますが、そもそも英語のやりとりで自信がなかったり、めんどくさかったりする場合は日本のツアー会社に代行してもらうのが楽かもしれません。

まずはビジターセンターで担当のツアーガイドさんと待ち合わせ、モニュメントバレーの中へ入っていきます。ツアーに申し込んでいるので車はツアー会社の四輪駆動車でいきますので安心してください。

トレイルヘッドへ行く前に何箇所かビューポイントへ停まり、さらに奥の私有地へ進みます。一般車では入ることができないエリアで、そこには今でもバレー内に住んでいらっしゃる方の住宅があり、その近くにはホーガンというナバホの人々が昔使用していた住居も残されています。ホーガンはナバホの素晴らしい知恵から生まれた住居で夏は涼しく、冬は暖かいという優れものです。(ホーガンの詳しい説明は次の記事にて紹介させて頂きます。)

私有地に入らせてもらうということで、そこに住むナバホ住民の方がホーガンの中を簡単なデモンストレーションと共に紹介してくれます。その時のドライバーガイドさんにもよりますが、だいたいのガイドさんがここで一旦ストップして、そこに住むナバホの女性にホーガンの中の紹介をしてもらうようにお願いします。せっかくの機会なので是非中を覗いてみてください。とても興味深いですよ。

お礼の気持ちを込めて紹介してくださった方に少しでいいのでチップも忘れないでくださいね!

その後さらに車を走らせます。非日常な光景に心奪われながら、実際に自分がそこにいるということが信じられないような不思議な気持ちになりながらも車は更に谷の奥へと進んでいきます。ガイドのジョンソンは「人間は聞こうとしてないだけで、岩も木も大地も皆話してるよ!」なんていってました。言われてみれば、わかる、感じる!とその場にいると言いたくなります。本当にそんな感じなのです。笑

車を走らせいよいよトレイルヘッドに到着。

ハンツ・メサ トレイルヘッドなんてサインもなにもないので自分たちだけで探し出すことは不可能だと思いました。

ガイドのジョンソンについて赤い大地でのハイキングがいよいよスタートです。青い空と白い雲、赤い大地と目の前に大きくそびえ立つ岩岩はまるでどこかの惑星に来てしまったよう。。

道無き道を歩いていきます。トレイルがあるようでなく、ケルンのような道標もあまりないので、ガイドのジョンソンがいなかったら完全に行く方向がわからない、、と話していたら、ジョンソンは行き方なんて何通りでもあって、その日の気分で毎回決めればいいよ!なんて言っていました。

日本ではよくパワースポットという言葉でセドナやマウントシャスタなどいろいろな有名地がありますが、私の中のパワースポットは間違いなくここモニュメントバレー。雄大な大地はもちろんですが、そこに住むナバホの人々の文化に触れ、歌を聴き、ストーリーを聴き、彼らに耳を傾けることで人が本来持つ大切な心の声を取り戻してくれるような気がして、更にその場所が深い特別なものになります。

ナバホガイドのジョンソンはツアー中、ナバホにまつわる色々な話をしてくれます。個人的にネイティブアメリカンに興味があるのもそうですが、自分の普段の生活にはまずない考え方だったり、自分の知らない世界だったりするので彼が話してくれる昔話や自然界への考え方などすべてが興味深かったりします。

ジョンソンについて歩いて行くこと1時間半、いよいよこのハイキングのハイライトとなるチャレンジがやってきます。それは…。

大きな岩壁から長い綱が垂れ下がっています。それはもちろん飾りでも何でもなく、人が登るためのもの以外何物でもないのです。

ケーブルを使用して岩山を登る、その奥には絶景が広がる……ということになります。

あまりの急傾斜に私たちはその綱を見た瞬間、少し固まっていましたがチャレンジは付きもの、これこそ見知らぬ土地を歩く一つの楽しみ!ということで更に皆の野心に火がつきました。

ジョンソンが登り方をしっかりとレクチャーしてくれます、その後一人づつ登って行くという形です。腕力とバランス力がは必要ですが、ジョンソンもしっかりサポートしてくれるので皆無事に生還です!

この急な岩山を登った後は休憩も兼ねてランチタイム。青い空に吸い込まれそうになりながら雄大な空と大地の間で各々リラックスしましょう。

ジョンソン言わく、ハンツ・メサ トレイルは行こうと思えばもっともっと先へもいけるし、逆にその場その場を楽しみながら腰掛けたりして時間を費やしても良い。ということで歩く方のレベルにも合わせて距離なども調整できます。

モニュメントバレー内には言われなかったら気付かず通り過ぎてしまってっているだろう壁画もいたるところにあり、ガイドさんと一緒に廻ることで壁画が持つメッセージや意味などもシェアしてくれます。はるか昔に古代先住民が生活を営んでいた軌跡の残る場所。この神聖な区域を保護するため、ナバホの人々によるガイドさんとしか入ることができないようになっている。納得です。

ナバホ族がこの地に住み始めたのは少なくとも500年ほど前から。しかし、彼らがここに定住するようになるもっと前に、この地で生活していた民族がいる。それが、古代の先住民族とされるアナサジ族とよばれる人々。

はるか昔から人がここにいて、同じ景色をもしかしたら見ていたと思うと胸が熱くなります。長い時間を経てもこの大地が持つ美しさやパワルルなエネルギーはきっと変わってないのだと。

彼らはここで住居を構え、狩猟生活を行なっていたそうですが、ある瞬間から突如としてこの地から消え去ってしまったそうなんです。どこへ消えたかという証拠なども見つからず仮設はあっても結局のところ理由は証明されてません。なぜこの地を去ったのか、どこへ行ったのかは今も謎に包まれています。ガイドジョンソンの説明からすると、彼らは後に白人になって戻って来ていると言います。どのように消えて、どのように戻ってきたかは、、ツアーをした人のみのお楽しみにしておきますね!笑 

さ、ランチを終えてその周辺を探索したりするうちに時間がなくなってきたので今回はここで引き返しです。来た道と同じ道を戻る形になりますが、やっぱりトレイルが無いからガイドさんがいないとわかりません。行きに登ってきた傾斜も同じように今度は下ります。もちろん綱下り!帰りはもっと急に感じましたよ笑

ちなみに今回の写真は3月頭の様子です。少し肌寒いですが、3月でも日差しはすごく強いです。天候にも恵まれどこまでも続く青い空と赤い大地に挟まれながら最高なハイキング日和でした。

モニュメントバレーをハイキングして奥深く進み、じっくり歩くことででまた違う世界が広がります。

途中に急な傾斜があったり綱を使用して登っていく部分もありますが、お客様のレベルに合わせハイキング内容は変更可能!興味ある方、是非ご連絡くださいませ。

加藤 さやか

モニュメントバレーのハイキングはお任せください。父の影響もあり昔からアウトドアアクティビティーが大好きで、日本にいた頃から登山、国立公園巡りをする中で、アメリカやカナダの大自然に魅了され、その結果念願だったアメリカに辿り着きました。現在は日本人ガイドと行く完全プライベートハイキングツアーなど、お客様と一緒に作る現地オプショナルツアーを提供するANAMI TOURSを営んでいます。現地在住だから知り得る、スペシャルなオプションをご紹介させて頂きます。ご興味ある方は下記HPから。

ANAMI TOURS公式HP