アメリカのとっておきなハイキングコースを本場アメリカのツアーガイドが紹介していくこの企画。
今回は久々にヨセミテ国立公園エリアに戻り、公園内ではないのですが東側のイーストゲートに入る手前(公園外側)にある絶景トレイル「Twenty Lakes Basin Loop Trail(20湖盆地ループトレイル)」の紹介です。
このコースは沢山の美しい湖を歩きながら見て楽しめるコースに加え、イースト・シエラネバダ山脈の美しい山々の景色、絵になる風景がハイカーの心をメロメロにしてくれる、まさにアウトドア大国アメリカを代表する絶景スポットです。
その上そこまで勾配さも無く上級者レベルではないので、健脚の方であれば初心者の方にもおすすめできるハイキングトレイルコースです。
ヨセミテ国立公園の一般的な観光スポットといえば、ヨセミテバレーを中心に広がるエリア、およびその周辺が多いと思います。でも実はハイカーのみなさんにおすすめしたいのは、国立公園の東側ゲートの外、タイオガパス(ロード)が続く120号線沿いにあるイースタン・シエラ・エリアなのです。
数多くの素晴らしいトレイルが広がり、ダイナミックな景観、美しい湖などハイカー達、野生動物達の楽園になっています。
こちらまで来ると観光客も減り、一気に雰囲気が変わるのも特徴です。
目次
Twenty Lakes Basin Loop Trail のハイキング情報 (写真は8月末)
アクセス(車でトレイルヘッドまで)
Googole マップに「Saddlebag Campground」と入れるとトレイルヘッドのある駐車場の住所を示してくれます(この辺は電波状況が悪いので事前に地図をダウンロードしておくことをおすすめします)。
ヨセミテ国立公園の東側ゲートのすぐ手前から始まるトレイルで、最寄りの街はリーバイニング(Lee Vining)。まさにアウトドアをする人たちのベースポイントという感じでLee ViningはキャンプサイトやRVパークなども多いエリアです。
なおヨセミテ公園内から向かう場合は、タイオガロード(120号を東へ)を走り東側ゲート方面へ向かいます。ゲートを出てすぐのところにトレイルヘッドがあります。
ハイキングに携行すると便利な持ち物
持ち物に関してはこれまで同様、一般的なアメリカのハイキングと同じような装備を準備していきましょう。
- 飲み物(夏は多めに、2リットル位)
- 気温の調整できる防寒着
- 帽子
- サングラス
- 日焼け止め
- ハイキング中に食べるスナックなど
- 常備薬などがある場合は薬やバンドエイドなどのファーストエイド
- その他、水着やサンダルなどプラスで好みのものを
トレイルデータ
- 初級、中級者向け
- シーズン:ベストシーズンは5月から9月(その年の積雪にもよりますが5、6月は通常雪が残っています。)
- トレイルヘッド標高:約3048m
- 往復:約13km(8 mile)
- 高低差:約236m(777 ft)
- コースタイム:往復3時間から5時間(休憩含む)
トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発
このトレイルはサドルバッグ・レイクという湖から出発します。
本来夏の間はウォータータクシー(有料ボート)が出ているのでそれに乗り、反対岸まで行くことで数マイル歩くのをセーブできます。子供さんがいらっしゃる場合などはおすすめです(撮影当時はコロナ中のため運営していませんでした)。
7:40 am トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発(地図①)
お手洗いあり。早朝なので駐車場スペースも十分にあります。まずはサドルバック・レイク手前の歩行者が使用するブリッジを渡りサドルバック・レイク方面へ。
雲一つない晴天。
このようにトレイルはわかりやすく続くのでサドルバック・レイクを正面に時計回りで左側を歩いていく。
割と平坦な岩場が続く。左奥には白いスノーピーク(約3728m)が美しく輝きます。
朝の清々しい空気の中サドルバック・レイクを右手に進み、更に進んでいくとスタートから約40分後、グリーンストーン・レイク(地図②)が右手に見えてきます。
浅めで小さめのグリーンストーン・レイク。スノーピークと周りの山々との眺めが素晴らしいです。
水量にもよりますが、この先のトレイルを進むにあたって、グリーンストーン・レイクに流れていっている小さなクリークを渡ることになるので水に濡れても良い覚悟で行く、もしくは渡れそうなエリア、ブリッジなどを探しつつアジャストして先に進む必要があります。
キラキラ光る朝のグリーンストーン・レイク沿いを歩きながら更に進んでいくと緩やかな坂も始まります。
左側に名前の無い小さな湖などもあります、そこで2人のおじさん達が朝のフィッシングを楽しんでいましたよ。近くでキャンプをしたと言っていて、年齢問わずアウトドアが日常にこうしてあるのは本当にアメリカならではで素晴らしいな、、と微笑ましく思いながらも先へ進んでいきます。
地図③ スタートから2時間後、スティールヘッド・レイク。これまた美しい湖が出てきました。
水面に周りの山々が映り込み、そこに空の青も入りとても綺麗で神聖な雰囲気です。
もちろん誰もいません。静かすぎる。
いつまでも見ていられそうでしたが、更に進んでいきます。
次は、地図④シャムロック・レイクが見えてきます。次から次へと違うレイクが出てきて御伽の国のようです笑
水の透明度が本当に高く、風に波立ち湖面がとても綺麗。すぐにでも飛び込みたくなります。
基本どこの湖も泳げますし、休憩できるスポットを簡単に見つけられます。
朝なので人がいませんでした。独り占めです。
場所によってはファイアーウィードなどの高山植物たちがまだ咲いていて、まさに山の夏。という感じです。
その後レイク・ヘレンが見えてきます(地図⑤)。
この湖も本当に立派。とても大きな湖で湖沿いを歩きながら反対側へいくので色々な角度から景色を楽しむ事ができます。
周りの景色も素晴らしく心が和みます。
なんとも言えない水の色。
そして誰一人いない。
自分と湖と山のみです。
レイク・ヘレンの後は岩場の坂が少し始まります。
この岩場エリアにはたくさんのナキウサギ、ピカがひょこひょこ顔を出しながら出迎えてくれますよ。
そして更に進むと、
10:30 am オデール・レイクが見えてきました。
本当に何個目の湖だろう、、と感じながらも大自然の楽園に心が和みっぱなしです。
だいぶ太陽も上に上がり、身体もクールダウンが必要だったのでここでひと泳ぎです。
水温もそこまで低くなく丁度いい。
アメリカのハイキングの良さはこのような湖が沢山あるので気軽にハイキング中に泳ぐことができます。本当に気持ちよく、大自然の恵みを心身共に感じることが出来、幸せです。大自然とこの環境に感謝です。
ひと泳ぎしてリフレッシュした後は最初にあったサドルバッグ・レイク方向まで向かっていきます。
途中左手には小さくてかわいいハミングバード・レイク有り。
更に進み地図⑥の位置まで来ます。ここで分岐が出てきます。左へ行く道と右は往路と同様の来た道とに分かれる分岐です。
ここはおまかせです。
時計回りで左方向へ行くと距離は少し長くなりますが歩きやすい安定したトレイルがトレイルヘッドのゴールまで続きます。右へ進めば行きと同様の道です。
地図⑦ウォータータクシーの発着所(もし運営されていた場合)
12:20pm そしてトレイルヘッドであるゴールへ戻っていきます。
休憩もたっぷりとり5時間ほどの絶景ハイキングコースです。
勾配差もそこまでないので時間は要するかもしれませんが、健脚であれば初心者の方でもいけるコースになっています。
いつかイースト・シエラネバダのハイキングを是非。
加藤 さやか