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パタゴニアの2025春夏新作をチェック!テクニカル・フリースの大定番R1リニューアルからナノエア新作、履き心地抜群のハイクパンツまで収穫多し

Patagonia(パタゴニア)の2025年春夏展示会を取材してきました!今回はそこで目撃した注目の新作アイテムなどについてたっぷりとお届けします。

パタゴニアの定番中の定番である「R1」がリニューアル、「ナノエア」シリーズからより軽量なアクティブインサレーション、履いてみて体感した抜群の履き心地とシルエットのハイクパンツ、背負いやすさと軽さのバランスが取れたバックパックなどなど、思わず興奮してしまう新製品にワクワクしっぱなしの展示会でした。

早く話したくてたまらない情報が目白押しです。さっそく展示会の様子を見ていきましょう。

パタゴニアが作るミッドレイヤーの定番「R1」がリニューアル!よりしなやかに軽くなったテクニカルフリース

1999年に登場して以来、「軽い」「蒸れない」「かさばらない」レギュレーターとして定評のあるR1がリニューアルされます。

主なアップデートとしては部位によって使用される生地に違いがあります。

メンズ・R1 プルオーバー・フーディは背面と腹部、脇の下から内側の袖口にかけてキャプリーン・サーマルウェイトで使用されているポーラテック・パワー・グリッド素材が使用され、肩から胸、肘にかけては従来のR1のグリッド構造が採用されています。従来のR1とキャプリーン・サーマルウェイトのハイブリットのようなウェアに。

これによりR1 プルオーバー・フーディの重量は289g(メンズ)となり、300gを切る軽量さ。前モデルに比べて23gの軽量化に成功させています。

メンズ・R1 プルオーバー・フーディ(左)とメンズ・R1 ジャケット(右)で配置される生地の構造が異なるため、同じR1でも違った用途で使うことができそう

R1はジャケット、プルオーバー、プルオーバー・フーディ、ベストの4種類がラインナップされます。プルオーバー・フーディを着用させてもらったところ、伸縮性が非常に高く、動きやすさと着心地は抜群。そして軽い。バラクラバ構造のフードやサムホールなど、過酷な環境での使用に必要な機能はしっかりと引き継ぎながらも保温力と通気性の高さのバランスがとれた完成度の高いミッドレイヤーです。

位置付けとしてはミッドレイヤーではありますが、背面や腹部に薄手の生地が使われているためアンダーウエアとしての使用も可能な手応え。このままディテールまで紹介を始めてしまうと長くなるのでここでは割愛しますが、とにかくかなり期待できるリニューアルになりそうです。

試着してみると従来のR1が持つフィット感の高さ、保温力はそのままにより軽く感じられた。ジッパーも長めで着脱も容易

R1、R1エア、R1テックフェイスに加え、2024年の秋冬にR1サーマルシリーズが登場したことで全4種類となった「R1シリーズ」。R1サーマルの登場にも胸が高まりましたが、R1シリーズ中、最もロングセラーであるR1が進化を遂げるとあって注目ですね。

着てみてわかる絶妙なサイジングにシルエット!動きやすさに長けた「テラヴィアパンツ」にポイント・ピーク・パンツからの名称変更、改良品として 「メンズ・テラヴィア・ピーク・パンツ」が登場

すっきりとしたスリムなシルエットのメンズ・テラヴィア・ピーク・パンツ。裾にはベルクロが付いていたり(右上)、シューレースに引っ掛けてゲイターのようにできたり(右下)パンツとしての機能性が高く感じた

テラヴィアパンツの新たなラインナップ「メンズ・テラヴィア・ピーク・パンツ」。

ミッドウェイトで耐久性の高い生地が採用され、ストレッチ性が高く、ウエストには取り外し可能で調節もできるベルト。裾には登山靴や状況に合わせて裾を絞れるようベルクロが付いていたり、シューレースに引っ掛けてゲイターのように使えるフックが付いていたりと実用性も高さに期待できる機能が備わったハイクパンツです。

残念ながらメンズ・テラヴィア・ピーク・パンツはサンプルがなく、試着してみることができなかったのですが、代わりにメンズ・テラヴィア・アルパイン・パンツを試着させてもらったところ、絶妙なサイズ感とシルエットに感動。細すぎず太すぎずちょうどいいシルエットながら、動いてみるとストレッチが効いて行動の妨げにならなず足上げもしやすかったです。

メンズ・テラヴィア・アルパイン・パンツを試着させてもらったところ、あまりの履き心地と動きやすさに興奮してしまいました

全体的にしなやかな質感ながら、お尻や裾には耐久性を考え厚手の生地になっており、擦れることの少ない膝の裏は薄手の生地になっているなど長時間の着用でも快適に過ごせそうです。

「テラヴィア」という名を冠したハイクパンツのラインナップが3種類あるということで、それぞれの特徴や使い分けなどはOutdoorGearzineとしても気になるところ。今後もチャンスがあれば履き比べをしてみたいと考えています。

ナノエアシリーズから新作のアクティブインサレーション「ナノエア・ ウルトラライト」

着心地の良さ、保温力と通気性のバランスの良さは一度体感してしまうと手放せなくなってしまうナノエアシリーズからも新作の登場です。

既存の60gフルレンジ・インサレーションのナノエア、40gのフルレンジ・インサレーションのナノエア・ハイブリッドに加え新作のナノエア・ウルトラライトシリーズは20gフルレンジ・インサレーション。シリーズの中では1番薄いインサレーションとなるわけですが、その分、通気性と携帯性は高まり、まだ寒い初春、晩秋や初冬には行動着として、気温の高い夏シーズンには防寒着としてオールシーズン活躍してくれそうな一枚。重量は249g(メンズ)と軽量なのも魅力。

袖口にはキャプリーン・クール・ライトウェイト の生地が採用されており、たくし上げやすくなっていた

ラインナップはフルジップ・フーディとプルオーバーのふたつ。フードを廃したプルオーバーもかなり魅力を感じました。レイヤリングにおいてフードの渋滞は悩ましいところ。体のコアな部分の保温を優先させるであればプルオーバーが選択肢に入ってきそうです。フードがなく、ジッパーも短い分、重量は218g(メンズ)とより軽量に。

プルオーバー。ダブルジップになっているため通気性を高められるほか、ジッパーが長く着脱も容易

軽量でも「快適さ」を損なわないバックパック テラヴィア・パック36L

春らしいイエローのカラーが特徴的だったテラヴィア・パック 36L。背負った時のフィット感は高かった

テラヴィア・パック36Lがロールアップクロージャーのバックパックになってリニューアル。持ってみると非常に軽く、重量は1,066gでファストハイクやUL志向のハイカー向け。

容量は36Lですが、ロールアップする吹き流しは余裕があるため、容量以上の大きさを感じました。拡張性が高く、ロールトップクロージャーやサイドコンプレッションを最大限に活用することで日帰り登山からオーバーナイトまで幅広く対応してくれそうです。

背面、ショルダー部には通気性が高められるようメッシュになっており、ポケット付きのヒップベルトがしっかりと腰荷重で背負えるようになっていることで軽量ながらも背負いやすくバランスの取れた仕上がりに。

背負ってみるとフィット感も高く、早く走る人や長く歩く人にもにおすすめと言えそうです。

これだけの容量がありながら走れるバックパックは市場では少ないのでは?サイズはS、M、Lから選ぶことができるため体格に合わせてぴったりなサイズから選ぶことができます。

背面やショルダー部には通気性を考えられた構造になっており、快適性を損なわずに軽量化されているのが分かる

山でも川でも街でもシームレスに。パタゴニアのフライフィッシングカテゴリーのシャツが熱い!

街でも山でも着れるデザイン性の高さに定評のあるメンズ・ロングスリーブ・セルフガイデッド・ハイク・シャツ。パタゴニアが作るシャツに新たなラインナップが加わっているのをご存知でしょうか。

発売されたのは2024秋冬シーズン。筆者が初めてみた時は機能性の高さとデザイン性にビビッときてしまったメンズ・リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ。秋冬の展示会の様子をお伝えした時にも紹介させていただいたのですが、これからやってくるハイキングシーズンの前にもう一度紹介させてください。

メンズ・リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ(左)、メンズ・ロングスリーブ・セルフガイデッド・ハイク・シャツ(右)

メンズ・リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディはフライフィッシングカテゴリーから登場した製品ですが、フライフィッシングだけでなく、山で使うにもぴったりなアイテムです。ユーザーが快適に着用できるよう随所にギミックが仕込まれており、例えば取り外し可能なフード。日差しの強い時や強風時にはフードを被り紫外線や風をプロテクト、トレイルから街へと下りた時にはフードを取り外せば普通のシャツと変わりません。

他にもラグランスリーブになっていることでバックパックを背負った時に縫い目が干渉しないようになっていたり、サングラスやフォーセップ(釣りで使用するプライヤーの一種)など引っ掛けておけるループがあったり便利な機能が満載。

名作と言えるメンズ・ロングスリーブ・セルフガイデッド・ハイク・シャツに並び新たなトレイルシャツの定番になりような予感です。

その他の注目アイテム

マウンテンバイクカテゴリーの製品は腕の動かしやすさが絶妙!渓流釣りにぴったり!?

腕周りにはゆとりが設けられ、胴回りはスリムな設計になっていたメンズ・ダート・ローマー・ストーム・ジャケット

マウテンバイクは乗らない筆者ではありますが、袖を通してみると腕周りはややゆとりのあるフィット感で、胴周りはスリムフィットになっています。これはスピードがでるマウンテンバイクで、風によるバタつきを抑えつつもペダルをプッシュした時に腕の動きの妨げにならないような設計になっていると思われ、これは源流釣りに向いてるかも。と感じました。

筆者はテンカラ釣り(毛バリと釣竿のみの日本古来のシンプルな釣法)をしますが、源流域では時に藪漕ぎをしたり、滝を巻いたりと道なき道をいくことがあります。そのためウェアは藪や木の枝へのひっかかりを避けるためフィット感が高いほうがよく、またキャスティングの際や吊り上がる時には腕をよく動かすため腕周りにはゆとりがほしい。まさに源流釣り向けの製品です。背中側にポケットがあるのも毛バリなど入れておくのに良さそうでした。

動きやすさとフィットに長けるこだわりのトレイルランニングショーツ

こちらの製品はトレイルランニングカテゴリーで今最も人気のショーツ。見た目のユニークなこのショーツは一見すると着用した時のシルエットの想像がしにくいアイテムですが、もも周り、ウエストはスパッツのように体にフィットし、ヒップや股上にはややゆとりを持たせることで締め付けを緩和し、スパッツのようなフィット感を維持しつつも履き心地が高められています。

山に持って行きたくなるパタゴニア プロビジョンズのオリジナル自然酒も注目

携帯しやすいよう150mlの飲みきりサイズも販売がスタートする

最後に、パタゴニアが手がける食のコレクション「パタゴニア プロビジョンズ」から日本酒を紹介。

ビールや食品を作っていたことは知っていましたが、それらに続き、日本酒も手がけています。試飲させていただいたのは「やまもり」と「繁土(ハンド)」という名の日本酒。

やまもりはまろやかな口当たり、それに比べると繁土はやや辛口な印象。それぞれ2023年に醸造したものと、2024年に醸造したものを試飲させてもらったのですが、1年寝かせることで熟成した日本酒はより深みをました味わいになり、楽しむことができました。

非常においしい日本酒だったため、日本酒好きの方は要チェックです。これまでは720mlの販売のみでしたが、3月からは150mlの飲みきりサイズも販売がスタートしますので、山に持って行って楽しみたい人や日本酒にトライしたい人におすすめです。

アウトドアギアの世界も沼が広がっていますが、日本酒の世界も沼になっているようです。こちらも奥は深そうです。。

まとめ

テクニカルウエアを中心に紹介しました。

この記事で紹介した新製品に関しては、パタゴニアウェブサイトは2/6(木)から順次販売がスタートされ、パタゴニア直営店 では2/20(木)から2025年、春夏シーズン展開がスタートされるようです。

ハイクカテゴリーやマウンテンバイク、トレイルランニング、フライフィッシングなどカテゴリーは分類されていても、さまざまなアウトドアシーンをシームレスに活躍してくれる製品が多くなっていると感じました。

OutdoorGearzineではパタゴニアが2025年に発売する新製品についてテストしていきたいと思っていますので今後の情報もお見逃しなく!

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