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Review:Suunto Suunto 9 Baro 120時間をカバーする化け物GPSウォッチ。トレイルランでの最適な使い方を紹介する

日本屈指のトレランレース、UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ、約167km)制限時間は46時間。速いランナーでも20時間以上は確実に走り続ける。

近年ランナーにとって欠かせない存在になりつつある心拍数計測機能付きGPSウォッチも、ここまでの耐久レースとなると、高精度にトラッキング可能なモデルなどほとんど存在してこなかったというのが現実だ。

その意味で安心のバッテリーライフを備えたこのマルチスポーツ対応GPSウォッチSuunto Suunto 9 BAROは、ロングディスタンスを主戦場とするアスリートにとって待望の1本だ。

最長で120時間の駆動時間はまさにウルトラ級。とはいえ、複雑な機能の詰まった高機能ガジェットも、最適な使い方を知らないのでは宝の持ち腐れだ。

このレビューでは、歴代Suuntoウォッチを使い続けている筆者があらたにSuunto 9を使用してのインプレッション、気がついた点や、最適な設定や機能等について紹介する。アクティブ・アウトドアライフの参考としてもらえれば、幸いである。

長年愛用してきた私の歴代Suuntoコレクションに、また新しく相棒が仲間入りしてくれた。

SUUNTO GPSアウトドアウォッチの最高峰

Suunto 9をカンタンに説明すると、超ロングバッテリー、桁はずれの強固ボディ、手首式心拍計測、気圧高度計測機能などなど、トレイルランをはじめ、様々なアウトドアスポーツに対応したGPSウォッチ。特にGPSはより高精度な衛星電波が届けられる「みちびき衛星」に対応し、消費電力を抑えた状態でもGPSと加速度センサーを組み合わせた独自の機能「FusedTrack」により常に高い精度のGPS計測が可能となっている。SUUNTOが誇るフラッグシップシリーズがSuunto 9だ。

はじめにやっておくこと

PCとリンクさせる(SuuntoLink)

Suunto 9のデータ保存や設置管理等はMacやPCでもできるので、ぜひとも活用してほしい。

パーソナルデータや各種設定、アクテビティデータは、SuuntoのコミュニティサイトSuunto movescount.com(ウェブサービス)に集約され、設定管理できる。また、Suunto movescount.comとSunnto9とをリンクするアプリはSuuntoLink。

Mac版、Windows版ともにあるので、自分のPCにインストールしておこう。付属USBケーブルで、Suunto 9とPCとを接続する。SuuntoLinkは起動している場合、ソフトウェアは更新され、またアクティビティデータなどが同期される。

スマートフォンとリンクさせる(Suunto App)

スマートフォンに、iTunes App Store または Google Play から Suunto Appをダウンロードし、インストール。

モバイルアプリの導入1

そしてSuunto Appを起動し、アプリ画面の左上にある、アイコンをタップし、ペアリング。ウォッチ画面に表示されたコードをアプリに入力し、ペアリング完了を確認しよう。

モバイルアプリ2

これで、Suunto 9のデータがスマホにも、つど同期され、管理できることになった。

モバイルアプリ3

なお、これまでSuuntoのモバイルアプリとして展開されていたMovescountはSuunto Appに統合される予定だそうなので、現在使用中の方はご注意を。

基本的な使い方

トレイルランニング中にSuunto 9からどの情報を知りたいか……。距離、ペース、心拍数、高度、活動時間、日の出日の入、単純に今の時間といったところだろう。Suunto 9では各アクティビティごと、基本的な表示項目があらかじめ設定されたプリセットのなかから選べるようになっている。トレイルランの場合、「ベーシック」、「パワー」、「山」がそれだ。ベーシックはトレイルランニング向けとしての基本モード。このモードではラップタイムや距離、心拍数、継続時間などの主要な測定値を表示する。その他、パワーや山はよりハードなアスリート向けの項目があらかじめセットされている。

アクティビティごとに、表示項目がある程度設定されている、ベーシックとパワーのMac画面。

使い慣れるまではベーシックで十分だし、表示設定は各モードのなかでもある程度カスタマイズできる。まずはベーシックモードで日頃、使ってみて、慣れてきたら自分が知りたい情報をカスタマイズするというやり方でたいていの人は OK。アクティビティに入る前、ちゃんとモードを選択しよう。

アクティビティ前にベーシックモードを選ぶ。

ちなみにベーシックモードで設定されている表示項目は以下。全5画面、これだけでもいかに豊富なデータが確認可能かが分かるだろう。

5フィールド画面

  • ペース
  • 心拍数
  • 上昇高度
  • 現在のアクティビティの距離
  • 現在のアクティビティの継続時間

2列画面

  • 現在のアクティビティの継続時間
  • ラップ平均ペース
  • ラップ平均心拍数

心拍数ゾーン画面

  • ペース
  • 心拍数
  • 現在のアクティビティの継続時間

グラフ画面

  • 心拍数
  • 現在のアクティビティの継続時間

インターバル、3項目画面

  • 現在のインターバル距離
  • ペース
  • 現在のインターバル継続時間

ベーシックモードはアクティビティに基本的な表示設定となっている。

とはいえ、使い慣れてくると、ベーシックでは物足りなくなる、あるいは余計な情報が多いと感じる方も多くいるだろう。またアクティビティによっては、ユーザーが知りたい情報なのに、選択項目に存在しない場合もある。実際、自分はベーシックで「標高」が表示されない、カスタマイズで設定することもできないという厄介な事態を非常に不満に思っていた(上昇高度は表示されるが)。

そんなときは、あとで紹介する“新しいスポーツモード”を活用し、自分オリジナルの表示項目を作成しよう。

実際の使い心地

運動時でも目視しやすい視認性、タッチパネルなどでの直感的な操作性は文句なし。だが、約72gの重さがやや気になる。SPARTAN TRAINER WRIST HRが約56gに対し、Suunto 9は76g。AMBIT3 RUNは72g。AMBITシリーズからSPARTANシリーズに乗り換えたユーザーもいることだろう。正直、私はT3C/D → AMBIT2 S → AMBIT3 RUN → SPARTAN TRAINER WRIST HRと使い継いできたので、大きさ・重さには慣れが必要だった。

大きさ比較

Suunto9 BARO(左)とSUUNTO SPARTAN TRAINER(右)。許容範囲だが、Suunto9 BAROの方がやや大きめ。

ベルトは柔らかく伸縮性がある。穴もこまめに開いているため繊細な調節が可能でフィット感が高い。少ししっかりとしめた方が、腕との密着度が増し、安定する。

ダイアモンドの次に硬いとされるサファイアガラスを採用したフェイスの耐久性はピカイチ。ぶつけても、落としても、投げてもヘッチャラ。実際、私は基本的に左利きのため、右手首に時計をつける習慣がある。でも、物を取ったり、投げたりするのは右手といった具合で、利き手がバラバラ。つまり、人一倍に腕時計を傷つけることになる。よくあるのが、自動販売機でドリンクを取り上げるとき。右腕にはめた腕時計を取り出し口にぶつけます。でも、Suunto 9なら、気にすることが一切ナシ。もちろん、トレイルランニング中に、木の枝などの障害物にぶつかったとしても、問題ナシの強固さだ。

頼りになる超ロングバッテリー

Suunto 9の特徴の一つ、バッテリーについても触れておきたい。バッテリーモードは、エキササイズの駆動時間 パフォーマンス25時間、エンデュランス40時間、ウルトラ120時間が基準とされているようだ。

実際にアクティビティをセットしたら、バッテリーモードを確認しよう。右上のボタンでバッテリーモードをセレクトが可能だ。充電状況にもよると思うが、実際に試してみたところ、トレイルランニングで、パフォーマンス25時間、エンデュランス38時間、ウルトラ138時間と表示された。

アクティビティの時間に合わせて、バッテリーモードを選択だ。

GPSと加速度センサーを組み合わせた独自の機能「FusedTrack」により、GPS消費電力を抑えながら、距離と軌跡の記録精度が向上しているという。また、バッテリー寿命が20%、10%になった際には、通知してくるのも嬉しい機能だ。

なお、別モデルのSUUNTO SPARTAN ULTRAでは、GPSを使用するトレーニングモードで最長が140時間。Suunto 9の最長120時間に比べるとバッテリー持久力はSUUNTO SPARTAN ULTRAの方が20時間長く見える。しかし、前述したようにSuunto 9はみちびき衛星受信機能とFusedTrackによって、ウルトラモードでのGPS精度が格段に向上しているということをお忘れなく。

ユーザビリティに長けた外観と操作性

ウォッチフェイスの直径は約5cm。従来のGPSウィッチよりやや大きい印象を受ける。とはいえ、その分視認性がアップしているし、タッチパネル操作もしやすい。

きめ細かい文字と画面表示は明るい場所でも視認性ばっちり。

グローブしたままでも、側面のボタン操作がストレスフリー。

液晶パネルにはダイヤモンドの次に硬いとされる「サファイアクリスタル」を採用しているため、どんなに激しいアクティビティでも、傷がつかないという強靭さを誇る。自然相手のアウトドアで使用することがほとんどのSuunto 9。少々オーバースペックかもしれないが、桁外れなバッテリーと耐久性は絶大な信頼につながる。

もちろん、日常使いでも大活躍だ。

トレイルランナーのためのより実践的な使用方法

ベーシックに慣れてきて、表示項目等をより自分好みにカスタマイズしたいと思ったら、表示項目が自在に選べる「新しいスポーツモード」を選ぼう。表示方法や表示項目数は、フィールド(画面)に応じて選べる項目のなかからセレクトしていく。ちなみに、新しいスポーツモードの作成とウォッチへの書き込みはPC上のMovescount.comウェブサービスで作成可能だ。

NEW SPORTS MODE3

新しいスポーツモードなら、自由自在に表示設定が可能。

筆者の設定

個々の好みもあると思うが、やはり、距離、心拍数、標高、時間(オンタイム、活動時間)の確認は、都度したいもの。表示切り替え(フィールド、列)では、自分が知りたいデータを常に表示しておくことをおすすめする。シンプルな表示を心がけ、切り替えは画面パターンは3つ以内に収めたいところだ。アクティビティを想定して、シンプルな表示設定にしよう。

参考までに、筆者は今のところ、最もよく見るフィールド画面に「距離・心拍数・標高・活動時間」の4項目をセットし、隣の画面にペース関連の数字、現在時刻、活動距離をセット。普段のトレーニングでは必要と思う表示項目以外は極力少なくして3画面に収めている(下写真)。

まとめ:どんな人におすすめ?

強靭な耐久性と超ロングバッテリーを備えたマルチスポーツGPSウォッチ「Suunto 9」。価格こそ少々高めではあるが、それ以上の価値はあると思う。アウトドアで、バッテリー切れやヤワな時計は、正直、心もとない。胸部のベルトつけずに手首式心拍計測や、より正確な軌道と距離のGPS計測も嬉しいポイントだ。長時間のアクティビティを好む方はもちろん、いつまでもロングトレイルを走りたい方、時計をぶつけやすい方(利き手がバラバラな方)、こまめに充電するのが面倒くさがりな方などなど、ぜひとも使ってみてほしい。使い慣れたら、新しいスポーツモードでの自在にカスタマイズ。世界で一つだけのマイウォッチとして仕上げてしまおう。

NEWS:SUUNTO 9 シリーズに新色登場

2019 年5 月23 日(木)発売開始!

発売後およそ1 年近く経った今、人気を持続するSuunto 9 BARO にGraphite カラーが追加。
上品で落ち着いたカラーは、スポーツ計測器としてだけではなく、腕時計として日常を彩ること間違いなしだ。