比較レビュー:登山をするなら一着は持っておきたいレインウェアのおすすめはどれだ!?

各項目詳細レビュー

防水性(生地の防水性やフード・カフ・ファスナーなどの浸水し難さを評価)

  1. MAMMUT 19
  2. finetrack 18
  3. mont-bell 18
  4. MHW 18
  5. OMM 17

まず生地に関して。流石に超軽量レインと比較すると、どれも生地も厚みがあり素材自体はGORE-TEX®・ドライQ・eVent・エバーブレスと評価の高い有名素材を使用し、すべてのモデルでシームテープ処理も施されているため、着用中に縫い目や生地の性能差による漏水はまったく見られません。あとは使用中における浸水性能に差が出る、フードの構造やカフの造りといった防止性能に着目していきます。比較の中でそれほど差が出なかったのはファスナー部分でした。全モデルが止水ファスナーを導入し、裏地のフラップがある部分においてどのモデルも高い耐水性能があり、この部分に関してはどのモデルもすべて高い評価でした。

フードの深さやカフの構造に着目していくといくつか造りの違いが見受けられました。まずMAMMUTフードの深さ(ヘルメット、帽子をかぶったままにも素早く対応できる点)、カフ部分の構造の丁寧さが目立ちました。そしてカフのベルクロも止めやすく素早く袖口をふさげました。MHWも似た作りで非常に評価は高かったですが、フードの深さがMAMMUTと比べるとすこし浅めだったので相対的に評価を下げた形になります。finetrackとモンベルに関しても標準的な構造で、モンベルに関してはカフ部分が半分伸縮性ゴム内蔵で袖口を止める作業は楽でした。finetrackのフードは深すぎず浅すぎず、生地が良く伸びるのでフードの対応幅は思ったより広く、どちらも違う部分での評価が高く同点としました。OMMは基本構造は問題ありませんでしたがカフ部分サムホールの空洞がやや浸水には弱い点とフードが頭に密着する形が気になりました。小さめのフード形状は、それはそれで非常に使いやすくはあるのですが、今回は他のモデルと比べると頭部の装備に対してゆとり幅がなく、フードをかぶる前にひと手間かかるためにやや低評価です。

ただ生地の防水性だけでなく、使用時に頻繁に使う部分ファスナー、フードや袖口などの防水構造も含めて総合的に判断しました。

透湿性(生地の透湿性だけでなく換気機能含めた総合的な蒸れへの対策を評価)

  1. finetrack 19
  2. MAMMUT 18
  3. mont-bell 17
  4. MHW 17
  5. OMM 17

全体的なウェアの蒸れにくさですが、eVentを採用したOMMは前提としてウェアが軽い=生地が薄いせいもあり、今回の比較中最も蒸れが少ない感覚がありました。一方透湿性と快適性を向上させたGORE® C-KNIT™ バッカ―テクノロジーも従来に比べて明らかな違いが感じられ、高評価でした。薄くしなやかなでサラサラとした肌触りが濡れに関しても有効な感覚を得られています。MAMMUT、モンベルの比較では、着た時の硬さがないせいかモンベルの方が蒸れ(暑さ)の感覚は少ないようです。その他素材については、MHWのドライQ、finetrackのエバーブレス共に行動中に大きな蒸れの不快感は無かったです。素材自体ではスペック表に数字上の差はあれど、ユーザーがハッキリ違いが分かるほど透湿性が劣るようなものはなくどれも防水性と同様に優秀であるといえます。ただ生地自体の厚さや硬さの部分も影響としてあるため今回はMAMMUT、MHWの順で少し蒸れやすくなり今回の比較評価では低めに設定してあります。

それをベースに換気機能があるなしを判断しまして、finetrack>MAMMUT>MHWの順に、それらがないモデルとは評価に差をつけています。finetrackは生地も薄くリンクベントで快適な換気が行うことができます。MAMMUTは生地は少し硬めですが比較の中では1番大きなベンチレーションがあり、MHWは小さいですがポケットの中に本体とつながるメッシュがありそこから換気ができる従来ならではといった具合の換気システムがあります。

これら3点を比較して、まず換気が大きく生地が薄いモデルから小さく厚めなものへと評価していきました。汗をかきやすいなど個人差も強く出る部分でもありますが、換気機能がない薄手のモデル2つが決して蒸れやすいということでもなく、生地が厚いながらも換気機能があるモデルと、薄く換気機能がないモデルは同程度と評価しています。

左(MAMMUT)は一番広いベンチレーションがあり、右(finetrack)ではザックに干渉しない開閉のしやすい配置であり、どちらも違うベクトルで換気性能は優秀です。

 

快適性(肌触りや着心地の良さを評価)

  1. finetrack 9
  2. MAMMUT 8
  3. mont-bell 8
  4. OMM 7
  5. MHW 6

ここでは主に裏地が着始めから蒸れたときでもベタつきがないか、つっぱりやゴワゴワ感など着心地で気になる箇所はないかを判断、評価しています。

finetrackの新作は前モデルからやや細身になったにもかかわらず、シルエットと着心地を両立させた絶妙な身幅を実現していると感じました。元々ニット状の裏地は肌触りも抜群で、全体的な生地の柔らかさも高く、総合的に高い水準でまとまっています。一方MAMMUT・mont-bellもGORE® C-KNIT™裏地のサラサラ感は負けず劣らずですが、厚手の中間着を着てもいいようにやや太めの身幅が若干のマイナスとしています。この辺は体型による好みもあるかもしれません。

全体的に良くできているなかですが、その他2着に関しては少し気になる部分がありました。MHWは生地が2.5レイヤーなので仕方ない部分もありますが、相対的には蒸れてきたときに多少のべたつきが感じられました。単体使用ならこんなものかと割り切れるのですが他のモデルが優秀なことから比較して評価は低めです。もうひとつはOMMですが、手首にベルクロ留めから余った部分が手のひらに干渉してしまうことが多々ありました。もちろん注意して止めれば問題ないのですが、意識しないとこのような形なってしまいます。これで少し評価を下げています。

左(MHW)の裏地は単体では気にならないのですが、他と比べるとべたつきが気になってしまいました。 右(OMM)このように意識しないで普通に止めると袖部分がはみ出てしまいます。

機動性(行動中の動きやすさ・カバーできる活動の範囲の広さを評価)

  1. MAMMUT 9
  2. OMM 9
  3. finetrack 9
  4. MHW 8
  5. mont-bell 7

具体的には、肩の上げやすさと肘を曲げやすいか、手を動かした際に身幅部分が突っ張ったりしないかを試してみます。その際に岩稜や鎖を少し取り入れたテストを行いました。MAMMUTは比較の中では一番細かい立体裁断がされており、ウェアの隙間を生まないようなカッテングと動きやすさをかなり高く追及しています。finetrackは立体裁断はもちろんですが、やはりストレッチ性能による動きやすさが飛び抜けています。MHWはMAMMUTとfinetrackの丁度中間といった感じで重量感に反して非常に動きやすいです。OMMは元々に激しい動き(トレランなど)も想定されるのでしっかりと体にフィットしながらも動きにくさはまったく感じられませんでした。

mont-bellに関してはもちろん歩くときに動きを妨げるようなこともありませんでしたが、意識して動きを多く激しくすると上半身、肩、肘が若干突っ張るようなところがあり、他のモデルと比べれば標準的なレインウェア構造なので評価が低めになりました。

この点に関してはそれぞれに良さが垣間見られ、OMMはトレラン系にMAMMUTは登攀系にとベクトルは違いますが同じように機動性があるとしています。

左(OMM)はフィット感も高めながら、動かしやすい裁断がなされています。(胸から腕に向かって肩に干渉しない構造が見られます)右(finetrack)は素材のストレッチ性能に甘えることなく、トルネードスリーブという独自の動きやすさを追求した裁断を施しています。

重量(軽ければその分高評価)

  1. OMM 10
  2. mont-bell 9
  3. finetrack 8
  4. MAMMUT 6
  5. MHW 5

重量に関しては、持ち運びを考慮した評価で、ただシンプルに軽さを検証、評価しています。まず軽量を意識したOMMが200gと突出しています。携帯性ならダントツといえます。次が意外だったのがモンベル。もう少し重いかと偏見がありましたが、このクオリティでこの重量をだせるのもそうそう見られません。こちらもかなり携帯性能は高いでしょう。そしてfinetrackと続きますが300gをギリギリ切る重さは市場全体で見ればそれでも軽い方といっていいでしょう。MAMMUT・MHWは使用時期がほかのモデルより広く設定されているため生地の剛性が高く、より長い季節で使える一方、近年のレインウェアとしてはやや重めです。

機能性(ポケットなどの機能の数、配置・ほか独自機能を評価)

  1. MHW 9
  2. MAMMUT 8
  3. OMM 8
  4. finetrack 7
  5. mont-bell 6

こちらは純粋な収納(ポケット)の数と機能箇所の配置が使いやすいかどうか、フードの調整のしやすさ、その他共通はしていない独自の機能が使いやすいかどうかを評価しました。

純粋にポケットの数で言えばMHWが一番多く、加えてベンチレーターが腹部ポケットの内側にあり換気もできる点をまず評価しました。MAMMUTは収納の数とベンチレーションの大きさを、finetrackは出し入れの便利な胸ポケットとザックに干渉しにくいベンチレーションの位置を高評価としています。OMMに関してはOMMのサムホールになるカフ部分が特徴的で、続いてスタンダードな機能が付いたモンベルは配置などもかんがえられて使いやすいのですが、他のモデルと比べると特徴的な部分はありませんでしたので。

胸ポケット、あまり使わない人も多いと思いますが、失くしたくないものを収納する時には大変重宝します。

耐久性(テスト中の目に見えるダメージ・撥水の強弱・汚れの付き具合と生地の剛性を評価)

  1. MHW 10
  2. finetrack 9
  3. MAMMUT 9
  4. mont-bell 8
  5. OMM 7

使い始め期による撥水性に関してですがどのモデルも良くどれも使用に大きな影響が出るような印象は受けません、その時点での印象はfinetrackとMHWの2着はかなり撥水が際立っていました。そして長時間の使用と何回かの雨天での使用を繰り返した状態(2時間程度の雨天での使用と暴風雨時着用)で再度同じ比較をしてみると、驚きましたがfinetrackが強い撥水性をそのまま維持。ダメージ、汚れも目立たない程度の状態をキープしていました。次点でMHWのモデル。こちらも撥水力は強く維持されていて、汚れや摩耗具合もそれほど気にならない程度でした。そしてMAMMUT・モンベルの方は少し撥水性が悪くなっており水の膜ができやすくなっていました。OMMの場合は生地も若干薄めなため仕方ない部分もありますが経過による撥水低下とダメージはでていました。

続いて純粋な着た状態も考慮したウェアの信頼感ですが、この部分は重量に比例するところでもあり(心理的な部分もありますが)、MHWとMAMMUTの2つが比較の中では厚みと剛性があり、この辺りは純粋に重みがある方が頼りがいがあるところでしょうか、使用による安心感は高く感じられました。

finetrack エバーブレスフォトンの持続する撥水力。ある程度使用を繰り返した後でのこの水はじきは驚き。

使い勝手(ファスナーその他パーツの操作性・羽織りやすさ・パッキング性能を評価)

  1. MAMMUT 9
  2. finetrack 8
  3. mont-bell 7
  4. MHW 6
  5. OMM 4

まずファスナーの使いやすさ、動かしやすさは生地が厚め、硬めなものが動かしやすくもあり、形も崩れにくくとっさの時にサッと羽織りやすくもあります。その他調整ドローコードパーツにおいても使いやすさのテストを重ねたうえで、ファスナーの動かしやすさ、羽織りやすい、それら含めた調整パーツの操作性等を含めたMAMMUTの細部にわたる完成度の高さが目立ちました。

finetrackも生地の薄さ、柔らかさに対してパーツの操作性もよく迅速に着たり脱いだりが出来ました。モンベルはこの項目の中ではどれも平均的な使いやすさというところですが、特に軽さの面からパッキング性能は非常に高くその部分での評価は高いと判断しました。そしてMHWは若干ファスナーが留めずらさを感じましたが、それ以外の点は問題なく生地の厚みから一番羽織りやすくもありました。残念ながらパッキング性能は重いため評価は低めにしています。

ただ一つ、OMMですが着心地、パーツの操作性は問題ないものの、やや評価を落とした点は、前腕部分がタイトに作られているのでその部分に手のひらが引っ掛かり、迅速な脱ぎ着きに影響がありその点が非常に惜しいところでした。

OMM 袖を通す際に手のひらがこのように引っかかってしまい、もどかしさを感じてしまいました。惜しいところです。

まとめ

汎用性の高いスタンダードなモデルの比較とあって、用途や季節によって若干評価が分かれることもあるかと思います。もちろん感覚的な部分も捨てきれないため、この部分が自分にとっては使いやすい、使いずらい、もっと薄い方が良い、厚い方が良いと各個人のこだわりは大いにあるでしょう。今回ご紹介したモデルは比較で優越こそつけましたが、どれも素晴らしい性能であることは間違いありません。せっかく高い買い物をするのだから少しでも後悔しないようにと色々な情報を見比べている方がこちらの記事をご覧になられていることだと思いますが、これらの情報をひとつの参考にご自身の満足いくレインウェア選びの参考にしてみてください。私は全部欲しいですが・・。

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