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比較レビュー:いつもより少しだけ早く、遠くへ行くためのファストパッキング向けシューズ履き比べ

トレッキングシューズに求めるものは人によってまちまちですが、やはり根本的には歩くための道具なので、歩きやすいのか、長く履いても快適か、サポート性はどうか、疲れにくいか、重いものを背負っていても負けないか。などが主になってくるのではないでしょうか。では、ファストパッキングで履くシューズがどうだろうか、何が求められ、必要になるのだろうか?人によってはトレイルランシューズを使用する人もいますが、体力もあり慣れていないとなかなか難しいことから、相当限られてくるでしょう。

そこで今回は、ファストパッキング向けとしてリリースされているシューズから数点をピックアップし、実際に履いて比較レビューしてみました。各シューズどのような特徴があり、どのようなユーザーに向いたシューズなのか吟味しています。どのようなシューズがあるのか知るのにも、購入の手助けにもなると思います。じっくり読んでみてください。

目次

今回比較したファストパッキング向けシューズについて

以下は今回チョイスしたファストパッキング向けシューズ5モデルです。今回は全てミッドカットで400gを下回る軽量なものを選びました。その中にはトレッキングシューズもあれば、トレイルランシューズをベースにミッドカットにしたモデルも含まれています。

テスト環境

評価項目については、以下の5点を指標に設定しレビューしました。

  1. 快適性・・・アッパーのフィット感や通気性、全体的なしなやかさなど、履き心地に圧迫感やストレスがなく、一日履きっぱなしであったとしても気持ちよくケガがしにくいかどうか。
  2. 重量・・・実際の重さだけでなく、歩いたり走ったりした際の感覚も大事にしました。
  3. グリップ・・・様々なトレイルで着地時の滑りにくさ、蹴り出し時の食い込みなど、。
  4. クッション・・・長距離をハイスピードで走歩するファストパッキング。着地での衝撃の受けにくさは、疲れを抑えて行動し続けるには非常に重要な要素です。
  5. 安定性・・・かかとやソールのホールド力、そして外部からの刺激や衝撃から足を守るプロテクションなど。さまざまな地形を相手にし、比較的重い荷物を背負って行動するには欠かせません。

以上の5点を意識して、アップダウンの多めのトレイルで走歩を繰り返し、テストしました。

テスト結果&スペック比較表

スマホ向けの軽量表示で表が見づらいという方はこちら

ハイク評価 AAA AA AA AA AA
ラン評価 AA AAA AA AA A
アイテム adidas
テレックスフリーハイカー
Hoka one one
スピードゴートMID WP
inov8
ROCLITE G 345 GTX
ALTRA
ローンピーク4.0ミッドRSM
The North Face
シェイブドゥハイカーミッドGORE-TEX
参考価格(税抜) ¥24,000 ¥24,000 ¥21,000 ¥23,000 ¥18,000
ここが◎
  • 軽快な歩行感
  • クッション性と反発性のバランス
  • クッション性
  • 着地時の安定感
  • 高いグリップ力
  • 自然なはき心地
  • 足首のプロテクション
  • シューズ内の自由度
  • 高い安定感
ここが△
  • 防水性が乏しい
  • 足首のサポートが弱い
  • シューレースが細い
  • アッパーの柔軟性がない
  • 通気性がイマイチ
快適性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆
重量 ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
グリップ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆
クッション ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
安定性 ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★★
スペック
公式重量 385g 358g(27.0cm) 345g 384g
実測重量
(左右平均)
395g(27.0cm) 344g(27.0cm) 352g(27.0cm) 355g(27.0cm)  398g(27.0cm)
ドロップ 10mm
(23mm/33mm)
4mm
(28mm/32mm)
8mm
(8mm/16mm)
0mm
(25mm/25mm)
ミッドソール BOOST™ POWERFLOW Dual Layer EVA/A-Bound™ XTRAFOAM™・CRADLE™
アウトソール Continental™ Vibram® Mega Grip GRAPHENE GRIP DuraTread™ Rubber with TrailClaw™ EXTS™
透湿防水 撥水のみ SKYHEEL GORE-TEX eVent GORE-TEX

各モデルのインプレッション

adidas テレックス フリーハイカー

ここが◎

ここが△

アッパーにニット生地を採用し、靴下のように履具ことで高いフィット感を実現。普段でも違和感なく履けるスタイリッシュさも。

adidasのランニングシューズのファンには根強い人気があるBOOST™。恥ずかしながら、初めて見たときはなんだこの発泡スチロールは?子供騙しだろ…と思っていたのが懐かしいです。しかし徐々に今や多くのファンをもつadidasの真骨頂にまでなっています。このテレックスフリーハイカーは、そのBOOST™を初めてトレッキングシューズに採用したモデルです。

ストレッチ性の高いアッパーと、タンが一体化したソック構造のおかげでフィット感は非常に高く、足と靴との一体感が素晴らしい。それに加え、しっかりとしたヒールカップ、くるぶし周辺の厚いクッションのおかげでハイスピードなハイキングでも高い状態で、フィット感を維持してくれます。ミッドソールは高い耐久力・反発力を産む、ランニングシューズでは評価の高いBOOSTをトレッキングシューズに使用し、長時間歩き続けても適度な反発性のおかげで快適です。僕自身BOOSTフォームで長時間動いたのは初めてだったので、新境地を見出せて感動しました。ミッドカットではありますが、足首の自由度は高く、柔軟な動きができます。しかし、このシューズは走る。というよりも、パワーハイクのようにハイスピードで動き続けるような使い方がベストマッチです。

ソールはタイヤで有名なコンチネンタルのラバーを採用。ウェットな地形でも粘り強いグリップを発揮。

アウトソールには車のタイヤで有名なコンチネンタルが、シューズ用に開発したラバーを採用。最近のアディダズのアウトドアシューズラインには、このコンチネンタルが使われていて、もう定番です。ソールパターンは、フォア側は前向き、ヒール側は後ろ向きになっており、両方向にグリップします。結構粘着質なラバーで、グリップは良好ですが、柔らかさゆえ耐久性はちょっと低めです。

今回比較したシューズでは、唯一防水ではなく撥水加工のみ。そのおかげで通気性は非常に高く、快適です。多少の雨であれば浸水してくることはないのと、少しくらい濡れても高い通気性のおかげですぐドライになります。しかし気温が下がったり標高が高く風が強い環境では、やはり防風性の高い防水用ライニングが欲しくなります。テレックスフリーハイカーGTXをいう、GORE-TEXモデルも発売されているので、用途によって選択できます。このテレックスフリーハイカー、トレッキングシューズに新しい風を吹かせてくれそうです。

Hoka one one スピードゴートMID WP

HOKA ONE ONE/ホカオネオネ:SPEEDGOAT MID WATERPROOF:スニーカー シューズ スピードゴート ミッド ウォータープルーフ メンズ:27cm マルチ
HOKA ONE ONE [ホカオネオネ]

ここが◎

ここが△

もともともスピードゴートより、アッパーの補強を増やし、荷物が増えた時などの安定感を向上させています。

トレイルランニングやウルトラマラソンでは知らない人はいないほどの高いシェア率を誇るHoka one one。そんなHoka one oneのトレイルランシューズであるスピードゴート2をベースに、アッパー・ヒールはより強化、防水性素材であるSKYHEELをライニングし、ミッドカット化して足首の安定性を高めたファストパッキングシューズがスピードゴートMID WPです。本来のスピードゴートの高性能はそのままに、まさに走れるトレッキングシューズです。

これまでトレイルランニングで、Hoka one oneを履いたことのある方であれば説明は不要でしょう。あのクッショニングと足を包み込む形状のミッドソール「アクティブフレーム」、自然に足を前に進ませてくれるメタロッカーテクノロジーなど、Hoka one oneの特徴はそのままに、アッパー部の補強、足首周りをボリュームのあるクッションで包み込むなど、防御力を高めています。ミッドカットなので足首が窮屈そうで走れるのか心配になるかもしれませんが、とても柔軟なので気になりません。

ソールはハイグリップのVibram MegaGripで、信頼性の高いグリップ力を保証してくれます。ミッドカットの足入れ部分はややボリュームがあります。

逆にこれまで通常のトレッキングシューズしか履いてこなかった人が、ファストハイクを始める時にこのシューズを選ぶと、圧倒的な違いに違和感を感じるでしょう。まずは持った時に軽く感じるのと同様に、履いた時に感じる軽量感には不安を感じるかでしょう。ミッドソールハイトはフォア28mm・ヒール32mmと分厚くクッションはフワッフワ。これまでに感じたことない世界が待っています。最初はこの違和感に戸惑うと思いますが、ただ柔らかいだけではなく、押し込んだ力を適度な反発生で返してくれますし、台形状のミッドソールのおかげで安定性も抜群。そしてアウトソールのビブラム・メガグリップはこれまで感じたことのないグリップ感を味わえるはずです。もとのシューズ自体が100マイルを走破するために設計されているシューズなので、気持ちよく快適に長時間履き続けられるでしょう。しかし、ハイキングシューズのような足首のサポートはないので、そこに過剰な期待は禁物ですが、これまでとは違い、よりスピーディーにより遠くへ足を運ばせてくれるでしょう!

 

inov8 ROCLITE G 345 GTX

ここが◎

ここが△

inov8 ROCLITE G 345 GTX ミッドソールは他のシューズと比べるとやや薄め。より低重心で安定感は高め。

inov8は、比較的早い時期から軽量トレッキングシューズの開発に取り組んできました。そんなinov8もその軽量性を生かした、ファストパッキング用のシューズの開発にも力を入れています。このROCLITE G 345 GTXは、アウトソールにグラフェンを使用したGグリップ、透湿防水にはGORE-TEXを使用した軽量なファストハイク向けのトレッキングシューズです。

まず履いて歩いてみた感想は、まるで履いていないかのような、といえば少し大げさですが、とても自然なフィーリングを受けました。そのフィット感は、レースシューズのようにピチッと決めてくるのでもなく、指先に余裕があるのでもなく、自分の足に馴染んでいるような感覚です。これは「ADAPTERWEB」という人の解剖学的構造に合わせて考案された、inov8独自のシューレースシステムのおかげで、とても自然なはき心地を提供してくれます。そして人の解剖学的構造を考慮しているために、長時間行動して足がむくんでも、それに合わせて対応してくれ違和感はありません。そんな自然なフィーリングを与えてくれるのは、フィット感だけではなく、ミッドソール「POWERFLOW」のおかげでもありそうです。ミッドソールのクッションはフィット感と同様、Hoka one one のようにフワフワではなく、全くなくもないマイルドなクッション感。反発力もある程度あるので、軽快に歩き続けられます。その分、ランニングに関しては、ハイスピードで走り続けるのではなく、自分のフィーリングに合わせて小走りをしたくなるような小気味の良いシューズです。

アウトソールはinov8の専売特許 グラフェンを使ったグリップ力・耐久性のとても高い「G-GRIP」採用

グリップはさすがグラフェンを使用した「G-GRIP」です。ウェットなコンディションでもしっかりとグリップしてくれるので、下りも安心して気持ちよくスピードを上げられます。グリップに関しては、何も心配せず選んでも全く問題はありません。それほどG-GRIPの完成度は高いです。そしてミッドカットのおかげで安定感は非常に高く、厳しい下りが多いトレイルランレースなら、思わずこの靴を選びたくなるなるくらいです。

 

ALTRAローンピーク4.0ミッドRSM

ここが◎

ここが△

アッパーは透湿防水素材であるeVentを採用。モデル名のRSMは、Rain/Snow/Mudの略で、悪環境での使用を想定した作りとなっています。

ALTRAでも人気の高いトレイルランシューズ、ローンピーク4.0をベースに、アッパーには防水・透湿素材eVentを採用し、ミッドカットで足首のプロテクションを高めたモデルが、ローンピーク4.0ミッドRSMです。RSMは、Rain/Snow/Mudの略で、悪環境での使用を考慮したモデルです。ローンピークをベースとはしていますが、通常のALTRAには採用されていないヒールカップや、アッパーの補強、シューレースの変更など、より強度を上げるための変更が加えられています。

ALTRA独特のつま先部分の「FOOT SHAPE」は、前足部にかなり余裕ができるので、足の指を自由に動かせてストレスがありません。前足部がフリーにも関わらず、フィッティングに関しては足の甲をシューレースで固定すれば滑ったりしません。これは長時間歩くのには非常に快適です。足首部分は今回比較したシューズではもっとも柔らかく、履くときは潰れてしまうほどです。しかしそれは悪いことではなく、登り下りでは動きが制限されず快適です。一番上の金具にシューレースを通さなければ、トレランシューズとしても十分使用できます。

グリップはしっかり体重をかければ良好。蹴り出しもよく引っかかってくれます。トレイルクローと名付けられているだけはあります。

アッパーに使用しているeVentは、透湿・防水性は高いので、雨風の強い時や寒い気候でも気にせず使用できるタフさを持っていますが、通常のメッシュなどのアッパーに比べ、伸縮性がほとんどありません。加えて表面を樹脂でかなり補強しているので、いつもの感覚で選ぶと小さいかもしれません。サイズを選ぶときはしっかり試し履きをしてください。

ALTRAのコンセプトであるゼロドロップはこのシューズにも生かされています。トレッキングシューズでは珍しいので、普段からゼロドロップシューズを履いている方は、それだけで飛びついてしまいますね!しかし、慣れていないと違和感を結構感じますが、慣れてしまえば、気持ちよく歩き続けられるシューズです。

 

The North Face シェイブドゥハイカーミッドGORE-TEX

THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)SHAVED HIKER MID GORE-TEX シェイブドゥハイカーミッド メンズ NF51930 KGTNFブラ 26.5
THE NORTH FACE(ザノースフェイス)

ここが◎

ここが△

厚めのミッドソールでクッション性は良好。形状も台型状にし、着地時の安定感を高めています。アッパーにはファッション性の高いニット素材。

The North FaceのシェイブドゥハイカーミッドGORE-TEXは、The North Face Japanが独自に開発したアウトソール、クッション性の高いミッドソールを採用し、GORE-TEXによる防水性を備えたスピードハイキング用トレッキングシューズです。同型でミッドソール・ローカットモデルがあります。

やはり特徴的なのは、日本独自開発のアウトソール「EXTS™」。フォア・ヒール側には柔らかめのコンパウンドを混ぜたグリップ力の高いラバー、センターには耐久性の高いラバーを配置し、グリップ力・耐久性のバランスをうまく両立させています。フォア・ヒール側の粘性の高いソールのおかげで、着地時のグリップ、鋭い蹴り出しを実現させてくれます。ただ、センターのソールは耐久性を高めているため硬く、この部分で濡れた岩などをグリップしてしまうと結構簡単に滑るので、フォア側のグリップ力にかまけていると、思わぬ転倒を招くかもしれません…そこは注意が必要。

アウとソールは、グリップ重視・耐久性重視2種類のラバーを配置し、両バランスを両立させています。

ミッドソールは厚めなのでクッション性は心地よくなかなか良好。長時間の歩行でも、足の疲れを低減させてくれます。ミッドソールの形状は接地側が広く台形状なので、着地時のブレは少なく安定感を向上させてくれます。

フィット感は可もなく不可もなくといったところ。しかし比較した中では足首の安定感はもっともよく、安心して入られます。その分、走るのはやや苦手。歩行・走行ではなく、安定感が高いので、やや重量物を担いでのテンポ・スピードの早いトレッキングには最も適しているシューズです。

 

次ページ:各項目の詳細レビューへ

前ページでは比較したモデルのランキングと、評価・スペックの一覧、そしてそれに基づくおすすめを紹介しました。ここからはその評価について、どのような基準で評価したのか、なぜそのような評価になったのかについて補足していきます。

各項目詳細レビュー

快適性

やはり今回の比較したシューズの中では、テレックスフリーハイカーは透湿防水素材を使っていないことから、通気性がよく蒸れずに快適に過ごすことができました。次点で通気性が確保されていたのはROCLITE G 345 GTX、スピードゴートMID WPでした。ローンピーク4.0ミッドはeVentを使用しているので、透湿性も高く蒸すことはないかと思っていましたが、表面を樹脂で補強している箇所が多いからか、恩恵を感じられませんでした。防水性はしっかりしていますので安心してください。

歩行時の快適性は僕がゼロドロップに慣れているからか、ローンピーク4.0ミッドは軽快に歩き続けられました。僕の志向性を抜けば、テレックスフリーハイカーはソック構造のおかげか優しいフィット感で、ミッドソールの適度なクッション・反発性のおかげで軽快に歩けられ、楽しく快適に履き続けられました。

重量

実際の重量では、ROCLITE G 345 GTX、スピードゴートMID WPが軽く、350gを下回る超軽量。特にスピードゴート MID WPは、見た目のボリューム感があるので実際手にした時のに感じる軽量感はとても驚きます。実際に履いて歩いた時の軽快感はまた異なり、実際の重量400g弱のテレックスフリーハイカーはとても軽快でこんなに軽いのか!と驚かされました。スピードゴートMID WPもとても軽快な足運びができます。軽いに越したことはありませんが、とはいえ全てのシューズで400g以下と、普通のミッドカットトレッキングシューズと比較すると軽量なので、今回に限ってはそこまで慎重にならなくても良さそうです。

グリップ

やはりアウトソールの定番、ビブラム・メガグリップ採用スピードーゴート MID WPのグリップはよく、スピードが出ていてもしっかりとした安定感を与えてくれます。そしてグラフェンを使用しているG-GripのROCLITE G 345 GTXもグリップは高く耐久性も両立しているので、高い評価です。テレックスフリーハイカーは普段は問題ありませんでしたが、濡れた岩などでは滑りがちでした。しかし、トレイルランとは違い一歩一歩踏みしめて歩くことが多いので、トレイルランほど神経質にはならなくても良いのかなと思いました。

クッション

クッション性といえば、やはりスピードゴート MID WPが圧倒的なクッション感です。このクッション、これまでトレッキングを主にしてきた人には受け入れられないものかもしれません。僕自身も初めて履いたときは、違和感ありすぎて一時履くのをやめてしまったほどです。しかしただ衝撃を吸収するだけでなく、力を反発させ推進力としてくれるので、走りを積極的に織り交ぜグイグイ進みたいファストハイカーにはぜひ試してほしい一足です。テレックスフリーハイカーのBOOSTミッドソールはファストハイクにもぴったりハマり、適度なクッション性で疲労を軽減してくれます。反発性はスピードゴートMID WP以上でクッション性と反発性のバランスは良好で、今後もファストハイク・トレランシューズに積極的に採用してきそうです。

安定性

シェーブドゥハイカーミッドはミッドソールがかなりしっかりとした作りで、着地時の安定感はとても高く、自信を持って前へと前へ進ませてくれます。ガレ場など不安定な路面でも横にぶれることなく安心して歩を進められます。スピードゴート MID WPも台形状なのと内側は足を包むような形状なミッドソールのおかげでハイスピードでも安定感を得られます。アルトラはゼロドロップのおかげで、着地の際も足全体でバランスを取れるので、シューズに頼らない安定感を感じられます。しかし岩などの突き上げを感じやすかったです。

まとめ

今回紹介した中で、Hoka one one スピードゴート MID WPALTRA ローンピーク MID RSM は、特にランニングメインになりそうな人にオススメの2足です。両方とも各メーカーの看板トレランシューズをベースに、補強などを加えて防水仕様したもの。やはり走りやすさや、走るための機能性はお墨付き。今回実際使用した際も、やはり他のシューズと比べると走りやすさが際立ちました。ファストパッキングだけでなく、寒い時期や雪山のトレランでも活躍しそう。

adidas テレックスフリーハイカー、inov8 ROCLITE G 345 GTXはスピーディーに歩行しランニングも織り交ぜるハイスピードなハイキングで活躍してくれます。両方とも足運びは軽快で疲れも減らすことができるので、これまでハイキングシューズで歩いていたような方には、こんなに軽くて疲れない靴があるんだ!と驚くはずです。特にテレックスフリーハイカーの軽快さは、ファストパッキング経験者でも感動します。

The North FaceシェイブドゥハイカーミッドGORE-TEXは軽量トレッキングシューズといった感じ。重量は軽いのでもちろん普通のトレッキングシューズに比べると疲れも少なくのですが、他の4足と比べると足首周りのプロテクションが強く自由度が低目なので、やや走りずらさがあります。しかし安定感は非常に高く、安心して踏み込んでいけるので、普段より軽快なハイキングを楽しめるでしょう。トレラン寄りのシューズに不安を感じる人には、初めての1足にはふさわしいシューズです。

短い時間で通常の日程では行けないようなルートもこなすことができるので、通常のトレッキング・登山とは違った楽しみ方を発見できるはず。今回の記事を参考に、ぜひファストパッキングを初めてみてはどうでしょうか?今まで見えなかった景色が見えるようになるはずです。

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