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歩かずに死ねるか!アメリカ国立公園への旅(19)カリフォルニア ベイエリアの名峰へ マウント・ディアブロ州立公園

今回も前回に引き続き、サンフランシスコかから気軽に行け、1年を通していつでも楽しむことができるハイキングコースをご紹介します。まさにカリフォルニアならではの手軽で爽快なハイキングです!

サンフランシスコから約1時間程北へ向かうとMount Diablo State Park(マウント・ディアブロ州立公園)というエリアが広がり、そこにそびえ立つのがベイエリア(サンフランシスコ都市圏)のシンボル的存在、名峰ディアブロ山です。

マウント・ディアブロは昔から多くのネイティブアメリカンにとって神聖な場所とされていて、以前ミウォーク族のネイティブアメリカンによって、ここが創造の拠点と見なされていました。彼らががかつてドングリやその他のナッツを粉に砕いていた石の穴がいまでも残っていたりします。

そんな神聖な山、マウント・ディアブロがある州立公園は、サンフランシスコ・ベイエリアのコントラコスタ郡(ウォルナット クリーク近郊)にある20,000エーカーの州立公園。マウント・ディアブロは高さ3,849フィート(1,173 m)で、そこまで標高が高いわけではありませんが、周囲に高い山が無いため、晴れた日の頂上からの眺めは最高です。山頂からはベイエリアはもちろん周辺の雄大な景色、北側を見ると181マイル(約290km)先に広がるラッセン・ピークまでの雄大な景色を眺めることもできます。

そしてハイキング、サイクリング、乗馬、キャンプなどを楽しむことができるアウトドアにはもってこいの場所(1年を通して市民に親しまれているベイエリアの州立公園です)。

今回は麓のトレイルヘッドから山頂までの最も長いルートをご紹介しますが、長さや強度はスタート地点を変えたりすることで調整可能です(マウント・ディアブロの山頂まで車で行くことも可能です)。

ハイキングの良いところは、歩いていくことで途中途中に出てくるさまざまな大自然の景観を、その場の音や空気とともに心ゆくまで自分のペースで楽しむことができること。その時々でしか会えない動植物たちとの出会いもとても良い思い出になったり。ここは気温が上がる夏よりも、気温の低い季節の方がハイキングには適しています。特に雨が降った後の澄んだ空気の下では景色も綺麗に見えます。冬でも気軽にハイキングを楽しむことが出来るのはカリフォルニアならではですね。

マウント・ディアブロ トレイルのハイキング情報

ミッチェルクリークからディアブロサミットへのトレイル(Mt.Diablo : Mitchell Creek to Diablo Summit)の概要をまとめます。

ハイキングに携行すると便利な持ち物

持ち物に関してはこれまで同様、一般的なアメリカのハイキングと同じような装備を準備していきましょう。

トレイルデータ

アクセス(車でトレイルヘッドまで)

トレイルヘッド住所:Mitchell Canyon Visitor Center(96 Mitchell Canyon Rd, Clayton, CA 94517)(上地図の1)

GPSにこちらを入れれば、トレイルヘッドまで到着します。

トレイルヘッドの手前にビジターセンターと駐車場ががあり、お手洗いなども備わっています。1台につき$6駐車料金が必要です。8時からサンセットまでオープンしています。

トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発

準備を整えていよいよ出発です。トレイルヘッドががすぐ駐車場の横からでています。

こちらのMitchell Canyon Fire Road がトレイルヘッド。ここからから入っていきます。

*今回のルートはトレイルヘッドから大きく分けて「Mitchell Canyon Trail → Meridian Ridge Trail → Summit Trail → Juniper Trail → Deer Flat」というループ状に繋がったトレイルを順に辿っていきます。時計回り、反時計回りのどちらからでも歩くことはできますが、時計回りの方が景色ではおすすめですので、時計回りで向かいます。

トレイルヘッドのすぐ先の分岐を左へ。初めから急な坂が続きますが、朝日がキラキラとても気持ち良いです。

トレイルもとても分かりやすく舗装されています。基本砂利道の登山道です。

途中にイーグル・ピークという眺めの素晴らしいサミットも通っていくので分岐はまずはイーグル・ピーク方面へ向かって歩いていきましょう。

歩きながら太陽を見上げると綺麗に日傘、HALOが出ていました。天気が崩れるサインと言われていますが、この日は素晴らしい天候でハイキング日和です。歩き始めて約1時間後、ツインピークスに到着です。(上の地図2)

景色も美しくここで一呼吸おくように少し休憩します。

ツインピークスを過ぎて、次の目的地はイーグルピーク(722メートル)です。

青い空と雲がとても綺麗。周りの眺めはもちろん、刻々と変わる雲の形もとても美しい日でした。ここでもコヨーテにも出会いました。

そして出発から約1時間半後、イーグルピークに到着です(上の地図3)。

青い空の下に360度の素晴らしい眺めが広がります。ここで少し休憩して、また出発。

坂が続いてきましたが、この後は少し下りも始まるので、すこし楽になりますよ。

進んでいくと、車道に出ます。MRRIDIAN RIDGE RODE トレイル(上の地図4)はその道路を挟んだ奥に続くので、道路を渡り、引き続きトレイルを進みます。

また坂が始まり、標高も徐々に上がります。平日だったので他のハイカーもたまに会うくらいで、トレイルは空いています(人気トレイルなので週末は混むことが予想されます)。

空が澄んでとても気持ち良いハイキング日和。

更に進むと、MERIDIAN RIDGE とSUMMIT TRAILの分岐が出てきます。今日の目的地のマウント・ディアブロの山頂へむかうのでSUMMIT TRAILの方へ。今回のトレイルでは鹿とコヨーテに出会いましたよ。ハイキング中には野生動物との遭遇も楽しみの一つです。

その先に素晴らしい景観がまた広がります。時間的にランチタイムだったので見晴らしの良い場所を見つけて休憩しました。天気も良かったのではるか遠くの山々が見渡せ、カリフォルニア・コンドルなども気持ちよさそうに空を舞っていました。

ディアブロ山頂まではもう一息。休憩を終えて、ラストスパートで出発です。

山頂にはマウント・ディアブロ・ビーコンという歴史ある灯台があり、そこが今日の目的地になるのですが、その灯台はハイキングしている途中途中にも何度か遠くに見えていましたが、いよいよ目の前に迫ってきました。

そしてスタートから3時間45分後、、いよいよピークに到着です。

マウント・ディアブロ・ビーコン (上の地図5)

山頂からの眺め

山頂にはマウント・ディアブロ・ビーコンが。このビーコン(灯台)は元々、商用航空の初期の時代、毎晩、空を飛ぶ飛行機の目印になるためディアブロの頂上から点灯されていました。(まだナビゲーションが無い時代)1928年にチャールズリンドバーグによって点灯されます。

しかし1941年、真珠湾攻撃が起こり、その後、日本軍の本土の攻撃を恐れたアメリカはここのライトが日本軍への目印になってはいけないということで、ライトを消すことにしました。

終戦後、もう一度ビーコンに灯火を、、ということで、1964年12月7日、山頂のビジターセンターで式典が行われました。アメリカの艦隊提督であるチェスターW.ニミッツ提督は、スイッチを入れてビーコンをオンにし、戦争後、再びビーコンは灯火されました。

その後、戦争が終わった現在も毎年12月7日はパールハーバーで命を落とした人々に向けてライトを灯しています。第二次世界大戦で命を落とした多くの人々に捧げる光、、という感じでしょうか。そんな歴史がある場所です。

休憩しつつ、サミットから雄大な景色を堪能した後、いよいよ残り半分のトレイルに向け出発です。

マウント・ディアブロ・ビーコンの駐車場エリアには水を汲む水道やお手洗いなども備わっています。後半ルートは駐車場方面から繋がるサミット・トレイルからジュニファー・トレイル(Camp Ground Juniper 方面)に入って行きましょう。

復路も往路とはまた違う景色が広がります。

下っていくとキャンプ場が出てきます(Camp Ground Juniper 、上の地図6)。

そこをさらに進みディアフラット方面へ。

キャンプ場以降はディアフラットをひたすら進むという形です。とてもシンプルなのでわかりやすいです。スタートから約6時間後、トレイルヘッドに到着。ここのトレイルは天気の良い日に来ると本当に美しい景色が広がるので、ぜひ天気予報をチェックして来てください。

新型コロナウィルス感染拡大に関するご注意

2021年4月現在、各国では検疫体制強化に伴う入国制限をはじめ、国立公園への入園規制や国内の移動制限など、さまざまな状況があり得ます。そうした条件は予告なく変更になる場合がございますので、旅行の際には必ず各国の大使館・領事館及び外務省海外安全ホームページ(感染症危険情報)、国立公園ホームページをはじめとした現地情報を入手し、乗継地および渡航予定国、訪問予定地周辺の情報を確認してから無理のない計画・行動をしてください。

加藤 さやか

カリフォルニアのハイキング・旅行プランはお任せください。父の影響もあり昔からアウトドアアクティビティーが大好きで、日本にいた頃から登山、国立公園巡りをする中で、アメリカやカナダの大自然に魅了され、その結果念願だったアメリカに辿り着きました。現在は日本人ガイドと行く完全プライベートハイキングツアーなど、お客様と一緒に作る現地オプショナルツアーを提供するANAMI TOURSを営んでいます。現地在住だから知り得る、スペシャルなオプションをご紹介させて頂きます。ご興味ある方は下記HPから。

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