今回も前回のイースト・シエラネバダに引き続き、同じエリアにある登山コースをご紹介します。
ヨセミテ国立公園の中で2番目に高い山、マウント・デーナ(Mount Dana) 3,981 m。公園東側のタイオガロード沿いから始まるトレイルです。
ヨセミテ国立公園の最高峰マウント・デーナ。
デイハイクで日帰り可能なハイキングコース、そして東側ゲート入ってすぐの所からトレイルが始まるので、アクセスの良さもバッチリな事から大人気のトレイルの一つです。
標高3,981 m(13,061フィート)と富士山より高い山になり勾配を含め、しっかりと歩くコースになり中級者以上向けレベルになっています。
健脚の方、そしてヨセミテをしっかり歩きたい方にぴったりのトレイルです。
★タイオガロード沿いのトレイル(東側エントランスに続く道)
ヨセミテ公園の入り口ゲートは全部で5ヶ所あり、西側に3つ南側に1つ、そして東側に1つあり、どこの入り口から入る場合でもエントランスフィー(公園入場料)が必要です。
サンフランシスコ方面からいらっしゃる方は、西側のエントランスを利用して公園内に入っていきます。
限られた時間の中でヨセミテ公園の観光となると場所を絞る必要があり、初めてヨセミテへ訪れる人々の大半はヨセミテバレーと言われるエリアで観光、時間を過ごされる方が多いはず。ヨセミテバレーの渓谷内には絶景スポットを始め、宿泊地、カフェやお土産やさんなどもあることから沢山の観光客が憩いの場所として訪れます。
しかしヨセミテ公園へハイキングへ来られる方々に必見なのは、タイオガパスロード(Tioga Pass Road120号線)と呼ばれるヨセミテ公園の東側へと抜ける道沿いに広がるトレイル、山々です。(下記Tioga pass 地図の紫のライン)
タイオガロードは歴史的に有名で、絶景が続く州道120号線としてヨセミテの東側ゲートの奥にあるリーバイニングの町やシエラ・ネバダ山脈東側のパノラマ街道(395号線)を南下してローン・パインの町へ行く時などにも利用される道です。
これが有名なハイカーたちの憧れシエラネバダだ!という事が納得出来る絶景が広がる道です。東側のヨセミテ公園の外にあるマンモスレイクスやモノレイクをはじめとする周辺には、美しい山や湖が多く、ハイキングや、キャンプ、釣りなどを楽しむ人のアウトドアのメッカとして、夏には多くの人々がここの大自然の中でアウトドアライフを楽しんでいます。
タイオガロードは標高3000メートル超 ( 9,943 ft ) のシエラネバダ山脈の高地を通り抜ける道のため、冬は積雪が多く夏季限定でオープンされる道となり、その年の積雪状況により多少時期は前後しますが、雪解け後の大体5月後半から冬前の10月末頃までオープンし利用できる期間限定の道です。(随時オフィシャルサイトにて確認が必要です)
そしてタイオガパス沿いにも沢山の絶景ビューポイントなどもありますので、ドライブがてらビューポイントなどに停まり景色を楽しみながらドライブも出来ます。
オルムステッド ポイント (Olmsted Point)、テナヤ・レイク (Tenaya Lake)、トゥオルム・メドウ (Tuolumne Meadows)、レンバート・ドーム (Lembert Dome):などなど
Mount Dana のハイキング情報(写真は2022年8月)
アクセス(車でトレイルヘッドまで)
トレイルヘッド住所: Googole マップに「ヨセミテ・エントランス・ゲート タイオガ・パス」と入れる
※電波状況が悪いので事前に地図をダウンロードしておくことをお勧めします。
持ち物
ハイキングに携行すると便利な持ち物 関してはこれまで同様、一般的なアメリカのハイキングと同じような装備を準備して いきましょう。
- 飲み物(夏は多めに、2リットル位)
- 気温の調整できる防寒着
- 帽子
- サングラス
- 日焼け止め
- ハイキング中に食べるスナックなど
- 常備薬などがある場合は薬やバンドエイドなどのファーストエイド
トレイルデータ
- 中級者から上級者向け
- シーズン : ベストシーズンは5月から10月(その年の積雪にもよります)
- トレイルヘッド標高:約 3031m ( 9,945 ft )
- 往復:約 11.2km ( 7.0 mi )
- 高低差:約 946m ( 3,103 ft )
- コースタイム: 往復時間5から7時間 (休憩含む)
トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発
ヨセミテバレー方面から東側のゲートへ向かい、ゲート手前の左手に駐車場があります。そこに車を停めます。
私が到着した時間は11時頃でしたが車のスペースに余裕がありました。(この時期は2022年の8月で入園パーミットが必要な時期で公園入場者数を制限していたからかもしれません。)
駐車場の道を挟んだ奥にはこれから登るマウント・デーナが美しく見えています。トレイルヘッドも駐車場から道を挟んだ側から始まります。
11時過ぎにいよいよ出発です。
歩きはじめて5分後にまず小さな湖が見えてきます。
最初は割と平坦な簡単な道になっています。その後も小さな湖がまたあったりとメドウなどを通りながら進んでいきます。
緑が青々と美しく、歩きながらとても気持ちの良い空間です。
少し時期が遅かったかもしれませんが場所によっては高山植物、花々もまだまだ咲いていてとても綺麗でした。
もう少し早くきていたらもっと咲いていたはず。
こんな美しい山々を見ながら更に進んでいきます。
スタートから30分頃から少しずつ坂が始まりスイッチバックが始まります。
スタートから約1.5時間後、2.5km 地点( 1.5 miles )くらいで一度フラットなオープンになっているエリアに到着。ここが大体往路の半分地点です。見晴らしがよく休憩には持って来いの場所。
ここで一息休憩。
この後、急坂が始まるのでその前にスナック、水分補給をして休憩します。
景色も天気も素晴らしいのですが風が強く冷たいので風よけシェルが役立ちましたよ。
どこを見ても爽快な景色。
上を見上げると奥にはマウントデーナが見えています。ここからあそこまで登って行きます。
至る所にトレイル上に目印になるケルンが。トレイルが分かりずらい時もこのケルンに沿っていけば大丈夫。
休憩後、奥にあるマウント・デーナに向けてまた出発です。
ここからが頑張りどころ。いよいよ勾配の激しいスイッチバックが始まります。岩岩しい道になり、所々トレイルが分かりずらいのですが目印となるケルンをフォローしながらマウント・デーナの頂上方面へ進んでいきましょう。
森林限界も過ぎ、酸素もどんどん薄くなっていきます。ゆっくり歩きながら休憩もこまめに取って上へ上へと進んでいきます。
美しい周りの景色を見ながらなかなか歩きごたえのある勾配を登り、ついにスタートから約3時間後に山頂に到着。
このトレイルは間違いなく後半が頑張りどころ。最後の最後がきつい。最後の1時間に体力をしっかり使います。
山頂から360度見える景色に感動です。
あの大きなモノレイクが目の前に見えます。
デーナ・メドウズやタイオガピークなどなど雄大すぎる景色を見て達成感に浸ります。
最高峰レベルの山だけあって距離は短いのですが、勾配や標高からかなりの体力が必要となりますが、とても景色の良い、登り甲斐のあるトレイルです。
休憩後、復路はまたきた道を下りていく形になります。
ここはヨセミテ国立公園の東側で、ここから一番近い町がリーバイニングという場所で東側のゲートを出て約30分ほどで到着します。
リーバイニングには宿泊施設はもちろん、キャンプサイトやRVパークなどもありますので、宿泊が必要な場合はそちらを利用すると近くて便利だと思います。
ここからヨセミテバレーまでは80マイル近くあり、約2時間ほど車でかかってしまうので、マウント・デーナのハイキングをする場合や前回のTwenty Lakes Basin Loop Trailなどは東側にある宿泊施設を利用することで移動距離が少なく、時間のセーブになりますよ。
ちなみに私はリーバイニングにあるRVパークをこの時は利用しました。モノレイクのすぐ前、とても便利なロケーションです。
是非次回カリフォルニアが誇るイースタン・シエラネバダでハイキングはいかがですか。
加藤 さやか