昨年末に米Backpacker誌が選出したベストギア(ザック編)についてお伝えしましたが、今回は第二弾「ウェア」編です。本誌ではハードシェル・ソフトシェル・インサレーション・ベースレイヤーなど多くのカテゴリがありますが、例によってアメリカ市場向けだからか、正直イマイチぴんとこない選出が多い(汗)ため、その中でもギアジン的に注目のアイテムをピックアップしてご紹介したいと思います。ご興味のある方はぜひ本誌をご購入ください。
それでは行ってみましょう。
目次
ハードシェル編
1年中使える!多目的ハードシェル:
Mammut Segnas(Silvretta) Advanced
テスター報告によりますと、スキーやバックカントリースキーにもばっちり対応でき、なおかつハイキングにも適応できる、つまり1年中使える多目的型ハードシェルがこのハードシェルの売りだとか。雪はそこまでやらないけど、スノーシューや山スキーを少し体験してみたい。だから1枚で雨具からハードシェルまで全対応できる1着が欲しいという方は結構いると思います。そんな方にはうってつけなのではないでしょうか。
確かにゴアテックス・アクティブ(3レイヤー)素材は耐風性・丈夫さよりも軽量で透湿性能重視、フードも本格的なヘルメットが入るほど大きくはないです。しかし、小さなヘルメットなら十分かぶれるし、取り外し可能なスノースカートなど、スキー登山に最適な仕様とハイキング用にも最適化できる使い回しのよさがとても魅力な一品。
ソフトシェル編
軽量・透湿・防水・防風のバックカントリースキーウェア:
Arc’teryx Lithic Comp
またしても値段以外まったく隙が無い製品をこのメーカーは出していました。一般的なソフトシェルの宿命は、より高い通気性能を得るために防風・防水性能を(ハードシェルと比較して)諦めなければならないということですが、Lithic Comp はその弱点を、防風性と通気性を備えた GORER ファブリックテクノロジーと Trusaro ソフトシェルの複合パネルというハイブリッド構造で克服しているとか。バックカントリースキーでは登りでは動きやすさと発汗による不快感を回避するための通気性が、滑降時は動きやすさと雪や風の侵入を防ぐ対天候性能が必要だと思いますが、解説を読む限りこのスキーウェアはそれらすべての課題に対して明確に応えています。相変わらず Arc’teryx 恐るべしです。でもやっぱ高いよ!
インサレーション編
1日中脱ぐ必要が無い、動きやすさ抜群の防寒着:
The North Face DNP JACKET
動けるインサレーション(防寒着)大好きなぼくの注目インサレーションは、このTNF日本未展開モデル。さっそく特徴を見てみましょう。えーと、脇から袖にかけての部分に伸縮性のある素材を使用して運動性を高め、中綿にはPrimaloftⓇ One 60g と保温性も十分。表地にはDWR(耐久性撥水)加工の極細ナイロン、そしてパッキング時には右ポケットに収納可能と・・・。これはどこかで覚えがある、そう、ぼくが最近購入してスタメンで使用している Montane Fireball Jacket とほぼ同じ! こちらはフード無しですが、中綿の量が多いのでより保温力が高そうです。それにしてもなぜ日本で発売されていないんでしょう。もったいないです。あ、ちなみにやはり Patagonia Nano-Air Jacket もきっちりと選出されており、こちらも引き続き注目です。
ベースレイヤー編
100%アメリカンメリノウール使用の最新高品質アンダーウェア:
Duckworth Hummingbird Rib LS Crew
画像が用意できず申し訳ないです。Duckworth は、ロッキー山脈とイエロースートンやグランドティトン国立公園など、超素敵な自然に囲まれた美しい街、モンタナ州ボーズマンで2014年に産声を上げたベンチャーウールウェアメーカー。彼らのポリシーは「トレーサビリティ」と「100%アメリカンウール」を徹底すること、つまり100%自分たちの管理するモンタナの牧場で育てたウールを使い、製造のすべてをアメリカ国内で、自分たちの手の届く範囲で責任を持って作り上げることだそうです。そんな素晴らしい理念を貫く新興メーカーとあれば、これは期待(応援)せずにはいられませんね!テスターの報告では温度調整力は抜群、化繊とほとんど変わらない速乾性らしいので、もちろん理念だけでなくモノも良さそうですよ。