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OR Summer 2015で出会った気になるギアまとめ ~テント・スリーピングバッグ・マット編~

毎年夏冬の2回、アメリカ、ソルトレイクシティに世界中から集った何千ものアウトドアメーカーによるアウトドア・ギア展示会、Outdoor Retailer Summer Market 2015  のレポートはまだまだ続きます。3回目の今回は、来シーズン(2016年春以降)に登場予定のテント・マット・スリーピングバッグ(寝袋)の注目モデルをいくつかお伝えします。例によって発売までに内容が変更される可能性もあり、日本での発売も未定であることはご了承ください。それでは早速いってみましょう。

Outdoor Retailer Summer Market 2015 各カテゴリの注目ギア紹介はこちら

HILLEBERG(ヒルバーグ)

発売が待ち遠しい軽量3シーズンテント: NIAK 1.5

スウェーデン生まれ、優れた耐久性と徹底的に磨かれた機能性を併せ持つハイエンドなテントメーカーとして日本でも人気のヒルバーグが2016年に放つ新作は、何と自立式の1~2人用3シーズンテント!ヒルバーグの1人用3シーズンテントといえば、数々の受賞歴をもつ名作 ENAN(エナン)が有名。ただあちらはペグを張らないとテントが立てられない「非自立型」テントだったため、日本の山では張る場所を選ぶなど、多少使いづらい面もありました。しかし今回、1人用としては十分快適な広さをもちながら、ペグを含めて全体を1.6Kgに収めたという軽量かつ丈夫なテントは、新たなスタンダードを予感させてくれるには十分なスペックをもっているようです。・・・でも、きっとお高いんでしょうねぇ。

Big Agnes(ビッグアグネス)

自家発電・自家発光テント: Krumholtz UL2

今年のプレビューでも触れましたが、過酷な気候から命を守るものだったテントは、もちろんその方向性での進化は止めることなく、一方でキャンプやフェスで快適に過ごすための道具としての位置づけが大きくクローズアップされてきました。Krumholtz UL2 は、そうしたニーズへの回答として昨年登場したLEDライト内蔵テント(マウンテングロー・テント)をさらに推し進めた新モデル。見ての通り GOAL-ZERO のソーラーパネルが装着できるようになり、マメライトだけで無くランタンも、ファンも搭載されています。今はまだ飛び道具的な印象は正直ありますが、いつしかフライは全面ソーラーパネルに、テント内の明かりは当たり前なんて時代が来るのでしょうか。未来ヤバイ。

The North Face(ノースフェイス)

超軽量&スタイリッシュ: FUSE MICA FL 2

まったく詳細は不明ですが、ノースフェイスのウルトラライトテント MICA FL シリーズにグラデーション鮮やかな新しいモデルが展示されていました。ウルトラライトとはいいながらも左右についた出入り口など居住性も十分で、何よりこの見た目のインパクトでつい衝動買いしてしまいそうです。

Mountain Hardwear(マウンテンハードウェア)

シングル・ダブルウォールの”イイとこどり”テント: Hylo 2

画像:SNEWS

マウンテンハードウェアの新作 Hylo はシングルウォールでもありダブルウォールでもある、双方の”イイとこどり”を実現した、テクニカルかつ手頃な2人用テント。ハブによって効率的に連結されたポールに、フライシートを被せることなく設営できる簡単さはシングルウォールテント並。そして通気性と効果的なエアフローを可能にするベンチレーションの充実はダブルウォールテントならではのメリット。その2つのよさを併せ持ち、なおかつ軽量で高い居住性も実現しているのがますます興味をそそります。

SlingFin(スリングフィン)

4シーズン対応の軽量ダブルウォールテント: WindSaber

超軽量 or 超堅牢。スタイリッシュで突き抜けた品質が面白い新興テントメーカー、スリングフィンからは4シーズン対応の軽量ダブルウォールテント、WindSaber がデビューしています。これも詳細は不明ですが、見た感じはスリングフィンの強みである高い防風性と居住性を併せ持ったポールの構造と、何よりも個性的でスタイリッシュな外観が期待大です。

THERM-A-REST(サーマレスト)

やさしく吹きかけるだけでどんどん膨らむ驚きのマット: NEO AIR CAMPER SV

つい最近まで重たく、破れやすく、空気の出し入れが面倒だったスリーピングマット(テントマット)の進化は目を見張るものがあります。テントマットのトップシェアブランドであるサーマレストの新作 NEO AIR CAMPER SV は、従来よりもさらに快適になっただけでなく、驚くほど簡単に空気の出し入れを可能にした新しい吹き込み口 Speed Valve を備えたのが大きな特徴(下写真)。この大きな弁によって、これまでの弁での通気よりも最大で10倍程度速く吹き込むことが可能になったとのことです。

実演の様子を見たときにはあまりにも簡単に、素早く膨らむのが不思議でなりませんでした!百聞は一見にしかずということで、参考動画をシェアしておきます。

Kelty(ケルティー)

常に適度な快適さを可能に: TRU. COMFORT

画像:SNEWS

今年のスリーピングバッグの大きなトレンドのひとつは、ベッド同様の快適さへの追求でした。アメリカの老舗アウトドアメーカー、ケルティーの新作は、マミー型のクラシカルな形状ながら内側に取り外し可能なブランケットを内蔵。さらに必要に応じて足を外に出せるシェイプや、枕を入れられる大きめサイズの頭部など、まるで家のベッドで寝ているかのような快適さを実現。もちろん軽量コンパクトを追求する登山向けではありませんが、こうした温度に合わせたパーツ化、カスタマイズ化の流れは、昨年キックスターターで$118,545を獲得し、今年の展示会でも話題をさらっていた Kammok Thylacine など、スリーピングバッグ全体に及んでいるようです。

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