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ALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTXレビュー:圧倒的な衝撃吸収性と踏破性の高さを兼ね備えたハイキングシューズは、山でも街でも足を踏み鳴らしたくなる快適さ【実践レビュー】

自然で快適な歩き心地と、高いレベルのパフォーマンスを提供することで、トレイルランナーやハイカーの間で人気のALTRA(アルトラ)から、定番ハイキングシューズ「OLYMPUS 6 HIKE LOW GTX」がこの秋アップデートして登場しました。

アルトラのハイキング向けラインナップの中でも最も厚底で、最もタフなボディを備えたこのモデルは、長距離でラフな地形のルートに行きがちなぼくにとってはまさにうってつけのモデルであり、ずっと試したかったモデルです。このまたとないタイミングにありがたく試させてもらうことができました。

そこでこの秋、丹沢から奥秩父、そして八ヶ岳の稜線など数回、数十キロのハイキングや日常使いでこのシューズをテストしましたので、さっそくその良いところ、気になったところ含めたインプレッションをお届けします。アルトラおなじみの魅力の他にも、このシューズならではの驚きがたくさん詰まったこのハイキングシューズ、注目していた方も、そうでない方もぜひ参考にしてみてください。

ALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTXの主な特徴

アップデートされたALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTX は、耐久性と快適性を兼ね備えたハイキング・トレッキング向けアドベンチャーシューズ。アッパーには耐久性に優れたレザー アッパーを採用。さらに GORE-TEX Invisible Fit ライニングを備え、防水シューズとしてはこれまでにない高いフィット感を実現。33 mmの高スタックハイトでクッション性・反発性を兼ね備えたミッドソールは長距離ハイキングでも疲れにくく軽快な行動を可能にします。また信頼性の高いVibram Megagripを搭載したアウトソールは接地面積も広くすることで、濡れた路面でも乾いた路面でも抜群に優れたグリップ力・トラクションを発揮します。足指が自由に動けるゆとりのあるつま先や人間の自然な歩行に近いゼロドロップの歩行感覚は、タフなハイキングルートから、毎日の長時間の立ち仕事まで、24時間365日を足の疲れから解放してくれます。

ちなみにアルトラのその他のアドベンチャーシューズラインナップ(LONE PEAK ALL-WTHR や TIMP GTX シリーズ)とのスペック的な比較では、重量では最も重いものの、最もアッパーの耐久性が高く、最もスタックハイトが高く、最も幅広(オリジナル フットシェイプ)のモデルとなっています。

おすすめポイント

気になったポイント

主なスペックと評価

項目 ALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTX
公式重量 473 g(Mens US10.5 / 28.5cm)
ドロップ 0mm(トゥ33mm / ヒール 33mm)
アッパー

Leather and GORE-TEX Invisible Fit

ミッドソール

圧縮成型EVAフォーム

アウトソール Vibram® Megagrip
フットシェイプ オリジナル
防水透湿 GORE-TEX®
Outdoor Gearzine評価
快適性 ★★★★★
重量 ★★★☆☆
グリップ ★★★★★
クッション性 ★★★★★
プロテクション ★★★★☆
安定性 ★★★☆☆

ALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTXで低山トレイルや岩の稜線を歩いてみた

履き心地と歩きやすさ

アルトラのシューズを履きなれた人ならば驚くことはないかもしれませんが、足を入れればすぐに、そのナチュラルに快適な履き心地にびっくりするでしょう。足の形そのものといっていい、無駄なくゆとりのある足形は、足が自然に靴の中に収まってくれ、踏み込み時に指が踏ん張るときの動きも妨げずに快適な歩き心地を提供してくれます。初めての人はその無理なく自然な履き心地にはきっと一目惚れしてしまうに違いありません。

OLYMPUS 6 HIKE LOW GTXのラスト形状は、アルトラの用意しているいくつかの微妙に異なる足形パターンの中でも最も幅広でゆとりのある「オリジナル・フットシェイプ」を採用しています。これは同社のLONE PEAKなどと同じシェイプで、アルトラシューズの原点ともいえる形。幅も十分な広さを持っているため幅広の足にも対応し、足のトラブルの原因となる厄介な擦れや圧迫とは無縁の快適さ・履き心地のよさを備えていました。

GORE-TEX Invisible Fitでさらにフィット感が向上

サイズ感は(アルトラを含めて)他のシューズでもいつも履いている27.0cm(US9サイズ)で今回も問題ありませんでした。この一見クセのあるフォルムに好き嫌いや賛否両論があることはもちろん認めますが、やや幅広の自分の足には案の定うまく馴染んでくれ、シューレースを締めると、ふっくらとしたクッションのシュータンが甲全体を優しく包み込むように挟んでくれ、非常に高いフィット感を得られました。

さらに今回のアップデートでは、このバージョンからアッパーの内側に配置されている防水透湿メンブレンに「GORE-TEX Invisible Fit」テクノロジーが採用されています。これはアッパー生地とメンブレンをぴったり密着させることができるため、よりフィット感を高めたり、履いているときに生地がズレたりするといったケガや不快感の元になりかねない要因を防止してくれます。実際履いてみると、GORE-TEXのような防水透湿生地を重ねていながら、まるで一枚生地のようにスムースで自然なフィット感を得られるのでとても快適です。

33mmの厚底ソールとゼロドロップによる疲れ知らずの幸せな乗り心地

ソールの厚さはかかとからつま先まですべて33ミリのゼロドロップという、アルトラトレイルカテゴリーの中でも最厚クラスのスタックハイトを誇り、これが想像通り抜群のクッション性を提供してくれます。しかもただぶ厚いだけだと得てしてフワフワして不安定な感じになりがちですが、このシューズに採用されている圧縮成形EVAフォームは最低限の硬さを残してあるため適度な剛性を残し、歩いている限りそこまで悪い意味での「厚底感」を感じさせません。

しかもソールの立体的な構造に着目してみると、靴底にいくにしたがって幅広になっている台形フォルムをしているため、着地時に力が横に逃げにくく(=着地がブレにくく)なってもいました(下写真)。

つま先からかかとにかけて靴底が微妙にカーブを描き、クッション性と相まって歩行時に足が自然と前に出ていくような感覚になり、軽快なステップをサポートしてくれます(下写真)。

アッパー前後には、5には非搭載だったゲイター装着用の「GAITER TRAP」が取り付けられ、対応したゲイターならスマートに装着できるようになりました。

プロテクションと耐久性

OLYMPUS HIKE シリーズのさらに大きな魅力のひとつは、何といってもタフな地形に強い、圧倒的なプロテクションの高さです。

十分な厚さのレザーが前面~側面に大きく配置され、つま先にはたっぷりとしたゴムのキャップで補強されたアッパーは、ランニングモデルのOLYMPUSやその他のラインナップに比べても抜群に高い保護力を備えています(下写真)。

この十分すぎるほど堅牢なアッパーは、岩稜帯や藪の中を歩いたときに大いに実力を見せつけてくれました。ちょっと油断して岩にぶつけても、擦れても、木の根やポールの先が突き刺さっても、靴も、足も傷つくことなく、まったく心配する必要がないということがわかりました。その強さはぼくがこれまで履いたほとんどの軽量ハイキングシューズよりも高いほどで、オフロードシューズとして誰にでもおすすめできるものといえます。

ただボディの強靭さは間違いないといえるものの、あえてひとつ気になるとすれば、耐久性という面でソールを形成している側面のEVAフォームは傷がつきやすく、それがやや露出しているつま先内側面部分が若干すり減りやすかったことは指摘しておきます。この部分から大きく破損が広がるとも思えませんが、あまり過信しすぎるのにも注意が必要です。

牽引力・グリップ

高クッションによる快適さとレザーアッパーによるプロテクションはある程度予想していましたが、今回まったく予想外に感動したのがこのシューズのトラクション・グリップ力の高さでした。過去一滑りにくいハイキングシューズかも。

アウトソールに採用されたラバーは、濡れた岩や路面からぬかるみまで、その悪路での強さは誰もが認める安定の Vibram Megagrip アウトソール。といっても全面がMegagripではなく中足部に配置された柔らかめのフォームとのハイブリッド。それについては履く前にやや不安があったのですが、結論的にその心配はまったく不要でした。

実際に履いてみると、乾いた土や砂利のトレイルはもちろん、岩やガレ場、そして木の根やぬかるんだ泥、濡れた岩場、そして雪や霜まで、あらゆる場所で驚くほど優れたグリップ力を発揮しました。オフロードタイヤのような深い溝のラグパターンと足の大きさよりもかなり広く形作られた接地面が、Megagripの強さをさらにブーストしているかのようです。

テスト中はかなりギリギリの斜面を責めたりしましたが、これまでなら「滑るかな?」と思われるような地形も、ピタッと足裏が吸い付いてくれたのには驚きました。どんな地形でもとりあえず安心して足を踏み込める、その踏破性の高さは圧倒的といえます。

安定性とサポート

アルトラで最も幅広の「オリジナル フットシェイプ」プラットフォーム、適度な硬さで高スタックハイトのミッドソール、自然な歩行に近づけるゼロドロップ設計を採用したOLYMPUS 6 HIKE LOW GTXは、幅広い足型に対してフィットし、そして緩やかな低山ハイクではまったく不安のない快適な歩行を可能にしてくれました。足首をひねりやすい自分でも不安はありません。

ただ一方でその適度なゆとりと柔軟なフィットは、急すぎる斜面や速すぎるスピード、重すぎる荷物などの強い負荷に対しては、若干の不安を感じないでもありませんでした。どうしても強い重力に対して思い切り踏ん張ろうとすると、靴の中で足が動きやすいのが(大事には至らない程度に)気になるのです。特にヒールカップは気持ち浅めに感じられ、いつもと同じ感覚で靴紐を締めると、かかとが浮きぎみなのが気になりました。

そこでできる限りシューレースをしっかりと締めようと思うのですが、ここでまた気になったのが丸い靴紐。他のアルトラシューズと違って、より耐久性の高い丸くて太い靴紐が採用されていますが、これがどうしても締めにくく緩みやすいのです。

このシューズで自分のようにかかとのホールド感が気になる場合、「ヒールロック」と呼ばれるよりかかとを固定しやすい結び方にすることをおすすめします(下写真)。ただそうするとこの靴ひもの長さが足りなくて、またもや苦労しました。いっそのこと靴紐を十分な長さに付け替えた方がいいかもしれません。

※ヒールロックでの結び方は、「ヒールロック 結び方」でググるといろいろと解説が出てきます

靴紐をヒールロックでしっかりと結びなおすと、かなりかかとも固定され、強い負荷に対しても足が動きにくくなりました。同じように感じる人や、少しフィットに余裕がある人がいたら、是非とも試してみてはいかがでしょう。最初に感じていたような不安はほぼなくなり、着地時の安定感がまったく違います。

まとめ:快適・丈夫・滑りにくいと三拍子そろった安心感は、まるで戦車を足に履いているかのよう。

丈夫で堅牢なシューズというと、どうしてもシューズは硬くて重くて…となりがちですが、このOLYMPUS 6 HIKE LOW GTXはその常識を結構な具合で覆してくれました。心地よいフィット感と自然な歩きやすさ、柔らかくそれでいて強くて滑りにくくて重くない。ある意味軽量ハイキングシューズと登山靴の良いところ取りをしながら、クセなく、どんなルートにも持ち出せるようにバランスよく仕上げているという点でかなりの好感触でした。普通に歩く速さで楽しむハイキング、軽い荷物でのロングトレイル、スルーハイキングなどで履けば、足のトラブルや疲労をどこまでも小さくしてくれるはず。その副次的なメリットとして普段履きとしても使いやすく、長時間の歩き仕事・立ち仕事をする人にもぜひおすすめしたいくらいです。

本文で触れた、強い負荷に対して足が落ち着きにくい点については、靴紐の結び方を工夫し、ゼロドロップでの歩き方に慣れることによって気にならなくもなりますので、その点は(それぞれの足の形にもよりますが)大きな問題にはならないと思われます。ちなみに自分は靴紐をより長めで滑りにくいものに交換して使っていますが、そうしたのは「そこまでして履きたくなる」ほどのシューズとしての総合的な魅力がこのシューズにあるからです。

また万が一軽快さよりも安定感と保護性を高めたいという人には「ミッドカットモデル」が用意されています。そちらを選べばもう文句なしです。

優れたプロテクションとトラクション、そしてそのタフさからは想像できない優しい乗り心地を提供してくれるALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTXでぜひ「歩く楽しさ」を再発見してみてください!

「ALTRA OLYMPUS 6 HIKE LOW GTX」の詳細と購入について

最新モデルの入荷情報や製品の詳細については公式通販サイトをご確認ください。

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