今回レビューをするエバニュー CORE REST zzz R5D92W59は長さ100cmのショートタイプで、幅59cmと一般的なスリーピングマットと比較して幅広な仕様になっていて、この「ショートサイズ」で「ワイド」という設計のエアマットは自分が調べた限りでは市場にはまだ無いエアマットです。この唯一無二な面白すぎるエアマットをフィールドで試してきましたのでレビューします。
軽量化を重視した(したい)ハイカーや登山者にとって痒いところに見事に手が届いているCORE REST zzz R5D92W59は快適な睡眠を犠牲にしているハイカーにとって魅力的なアイテムでした。
エバニュー CORE REST zzz R5D92W59の主な特徴
エバニューの「CORE REST zzz R5D92W59」は、メイン素材に20Dナイロンリップストップ を使用し、断熱にマイラ-フィルム2層を使用したエアマットです。
登山やハイキング用のエアマットで多く採用されている50cmという横幅ではなく、59cmという幅広設計により仰向けで寝た際に肘をマットの上に載せて眠ることが可能で、寝返りを打ってもマットから落ちにくいサイズになっています。2枚の断熱フィルムが入っているため、R値は5あり、使い方やクローズドセルマットとの組み合わせによって4シーズンの使用が可能で、肩口からお尻をカバーする100cmサイズにすることで274gという軽量化を実現。
頭の部分はポンプサックを枕のようにしてエアマットに連結させるギミックで段差の少ない状態を実現し、8cmある厚さのマットが地面の凸凹をフラットにしてくれることで体のコアをしっかりとカバーしてくれるミニマム設計のエアマットです。
お気に入りポイント
- 幅広設計、80mmある厚さで快適な寝心地
- R値5を誇る高い断熱性
- 高い断熱性能を誇りながら274gという軽量さ
- ショートサイズだからこそ組み合わせで広がる汎用性
- ショートサイズだから設営撤収が早い
- 付属のポンプサックが枕として接続できるギミック
- コストパフォーマンス
気になったポイント
- ショートサイズゆえに生まれる下半身との段差
- 傾斜があるとやや滑りやすい
主なスペックと評価
| アイテム名 | エバニュー CORE REST zzz R5D92W59 |
|---|---|
| サイズ | 長さ920mm × 幅590mm |
| 厚み | 80mm |
| 質量 | 274g |
| R値 | 5 |
| 素材 | 20Dナイロンリップストップ |
| 断熱素材 | マイラ-フィルム2層 |
| 対応季節 | 4シーズン(参考) |
| Outdoor Gearzine評価 | |
| 快適性 | ★★★☆☆ |
| 断熱性 | ★★★★★ |
| 収納性 | ★★★★☆ |
| 重量 | ★★★☆☆ |
| 耐久性 | ★★★★☆ |
| 汎用性 | ★★★★★ |
| 適したアクティビティ | 軽量化を重視した登山・ハイキング |
詳細レビュー
ここからは実際にフィールドで使ってみて感じたことをレビューしていきます。なお、ここからは製品名を便宜上「CORE REST」と省略させていただきます。
ミニマムなサイズながら凸凹を拾わない快適な寝心地、幅広設計で腕をマットに乗せて寝ることが可能
CORE RESTは長さが92cmで、だいたい肩からお尻までをカバーするサイズになっています。「ショートサイズ」のエアマットを初めて使う自分にとって、果たして快適に眠れるのか疑問に思っていましたが、上半身に凹凸を感じないようにするだけでぐっすりと眠れるようになるのは新鮮な発見でした。
横向きで寝ることが多い自分は、睡眠中に肩に荷重がかかりやすく、クローズドセルマットではどうしてもその負担を緩和しきれませんでした。これは軽量化を重視する上では仕方のないことだと割り切っていましたが、厚さが8cmあるCORE RESTは、横向きに寝ても肩が地面の硬さや凹凸を感じることがありません。
8cmある厚さは地面の景況を受けずにフラットにしてくれる
さらに、このマットのユニークなところは、ショートサイズ”なのに”ワイド設計になっている点です。一般的なスリーピングマット(レギュラーサイズ)は横幅が50〜51cmに設定されていることが多く、成人男性が寝るにはギリギリのサイズです。少し体格のいい人や肩幅がある人なら、はみ出してしまうでしょう。はみ出した先は冷たい大地ですので、寒さを感じずに眠るためには、はみ出さないように縮こまるしかありません。
フィールドでの快適な睡眠をコンセプトに設計されているCORE RESTは横幅が59cmあります。そのため、仰向けで寝た際にも腕や肘をしっかりマットの上に載せることができ、横向きに寝返りを打っても「気づいたら地面に落ちていた」という事態を回避できます。
59cmある横幅は体格のいい人もしっかりとカバーできる
CORE RESTは上半身しかカバーできないため、マットのある上半身と、ない下半身との間に「段差」が発生します。この段差は少し厄介で、気が付くともお尻がずり落ちてしまったり、横になった際のポジショニングがうまくいかなかったりすることにも繋がります。
自分の体型だと、92cmのマットサイズで頭からお尻までカバーするのはギリギリです。そのため、少し動くだけでお尻がずり落ちやすくなっていました。そこで私は、CORE RESTには肩からお尻、太ももの付け根あたりまでをカバーしてもらうことで、この「ずり落ち」問題を解消しました。
頭部に関しては、横向き派の自分には外せない「横向き対応のピロー」を使用。バックパックや着用しないウェアを下敷きにして高さを出すことでカバーしています。また、下半身には、万が一ずり落ちたとしても地面からの冷えを感じないよう、薄手のクローズドセルマットなどを併用し、フィールドで快適に眠るためのベッドシステムを構築しました。
ちなみに、付属しているポンプサックはピローとしても使える仕様です。さらに、バンドなどでCORE RESTと接続できるようになっているため、単に枕になるだけでなく、「寝ている間にマットとピローがずれてしまう問題」も解消できる優れたギミックが備わっています。
※ただ一つ注意として、ポンプサックを枕として使う場合はポンプサックの中に着替えなどを入れて高さを出して使うのがよいです。中身を空気だけで使用すると、寝ている間に空気が抜けて途中から枕として機能しなくなってしまいます。
マットの表裏両面はサラサラとした生地感のため、傾斜がある場所ではやや滑りやすい点が少し気になりましたが、工夫次第でショートサイズとは思えないほど、フィールドでの睡眠を快適にしてくれます。
エアマット特有のボヨンボヨンした感じはない
エアマットは厚みがあって地面の影響を受けにくいというメリットがある反面、特有の「ボヨンボヨン」とした寝心地が苦手だという人も少なくありません。
実は自分もその一人で、これまではもっぱらクローズドセルマットを愛用してきたため、初めてエアマットを使った時は、まるで浮き輪の上に寝ているかのような独特の浮遊感に強い違和感を覚えたものです。動くたびにボヨンボヨンと揺れる感覚を、お世辞にも「寝心地が良い」とは感じられなかったのが本音でした。
しかし、現代のエアマットは最新のテクノロジーによってその弱点を克服しています。CORE RESTも例外ではなく、内部構造とマット表面を工夫することでエアマット特有の不快な振動をシャットアウトし、横になった際にかかる荷重を上手に分散。体が動いても振動が周囲に伝わりにくいよう設計されています。空気を注入するバルブは空気の量を調整できる弁がついた構造になっているため、硬さも好みに合わせて調整できます。
ショートサイズだから設営撤収が早く、収納サイズはコンパクト
エアマットは快適な睡眠を提供してくれる反面、設営や撤収に時間がかかる点はデメリットと言えます。快適な睡眠を確保するためには空気を入れる作業も仕方のないことですが、何度も息を吹き込んだり、専用ポンプを使ったとしても、やはり手間がかかるのも事実です。それは撤収時にも言えることで、空気を抜きながらきれいに折りたたむ必要のあるエアマットは、丸めるだけのクローズドセルマットと比べて手間も時間もかかります。
総じて手間がかかりがちなエアマットですが、ショートサイズであるCORE RESTは、その設営・撤収にかかる手間も「ショート(短縮)」にできました。まず設営時ですが、付属のポンプサックを使えば、わずか3回ほどでパンパンになります。レギュラーサイズの半分のサイズになっているCORE RESTは作業も半分で済みます。
撤収時も、空気を抜いて折りたたむステップは同じですが、サイズ自体がコンパクトなため狭いテント内でも作業がしやすく、レギュラーサイズと比較して圧倒的に早く、容易に収納することができました。
レギュラーサイズのエアマットのように「無条件に全身をカバーする快適さ」と引き換えに、CORE RESTは設営・撤収の手間を半分に抑えられます。さらに、重量は274gと軽量で、収納時は畳むと350mlの缶くらいのサイズになり、非常にコンパクトになります。ただ一般的なマットと違い、このマットの場合は丸めて収納よりも、4つくらいに折りたたんでザックの背面やあるいはザックの底に差し込む感じがいい気がします。
R値5。使い方次第で4シーズン使える高い断熱性。クローズドセルマットとの併用で広がる汎用性
CORE RESTは、ショートサイズながらも高い断熱性を備えている点も大きな魅力です。R値5を誇るCORE RESTは、カバーできるのは上半身のみのサイズですが、経験上、これだけの断熱性があれば下半身側のマットとの組み合わせ次第で積雪期にも十分対応可能だと感じました。実際、私が雪山でテント泊をする際は、R値4.5のマットとクローズドセルマットを重ねて使用していますが、この組み合わせでマイナス20℃の環境でも寒さを感じずに夜を過ごすことができました。(寒さの耐性には個人差があるため参考程度にお考えください)
クローズドセルマットと組み合わせで4シーズン使用可能
ショートサイズゆえに「全身をカバーできない」というデメリットはありますが、裏を返せば「ショート(上半身)+ショート(下半身)」の自由な組み合わせが可能になるということ。
例えば夏であれば、CORE RESTの下半身側に5mmほどの薄いマットを敷くだけでも十分に快適ですし、カリカリに軽量化を図るなら、下半身はバックパックを敷いてカバーするのも手でしょう。逆に寒さが心配な時期や、雪の上で野営をするのであれば、下半身に1.5〜2cmの厚めのマットを用意する。このように、季節や環境に合わせて下半身のマットの厚さや長さを変えることで、スリーピングシステムの汎用性は大きく広がります。
残念ながら積雪期が終わってしまっていることで実際に雪の上で寝てみてどうかを実践してみることは来季にお預けになってしまいますが、上半身と下半身で別のマットを併用する使い方は汎用性を高め、多様な使い方をすることができます。
断熱フィルムのガサガサ音はまったく気にならなかった
エアマットは断熱性を高めるために内部に断熱フィルムを内蔵していますが、その素材によっては動くたびに「ガサガサ」と不快な音が発生します。寝返りを打つたびに鳴るこの乾いた音は、時に眠りの質を低下させてしまうほどです。
そのため、ガサガサ音の有無はエアマットを選ぶ際の一つの重要な指標と言っても過言ではなく、フィールドで深く眠るためには、音のストレスがないに越したことはありません。CORE RESTの内部には、タイベックなどでも知られる米デュポン社が開発した「マイラーフィルム」が内蔵されています。この断熱材は、エアマット特有のガサガサ音がほぼ皆無でした。
高い断熱性を備えている上での「軽さ」
CORE RESTの重量は274gという軽量な仕様ですが、ただ軽量なのではなく、R値5を誇る上での重量であることが大きな魅力になっています。夏用の断熱材が入っていないマットなら全身用でも非常に軽量なモデルはいくつも存在しますが、高い断熱性能を備えるマットほど重量は重たくなります。「上半身限定」という制限はあるものの、断熱性能と重量、幅広であることの快適さのバランスを考えるとCORE RESTは非常に軽量なマットです。
1万円でお釣りが来る衝撃のコストパフォーマンス
ここまでCORE RESTの特徴や性能、使い心地に関してレビューしてきましたが、最後にもう一つ。快適な寝心地、高い断熱性、携帯性の高さを備えた上で、価格は税込で9,900円です。1万円でお釣りが来てしまうという物価高が加速する時期に衝撃の価格設定には驚きました。
ショートサイズのマットが市場に少ないため、比較しにくいですが、例えば180cmほどのレギュラーサイズであればR値5ほどのマットだとざっと調べても3万円からという価格設定になっています。コンセプトも仕様も尖ったCORE RESTですが、全ギアの価格が高騰している中でこの価格は非常に優しい設定になっています。
まとめ:100cmという短さが生み出す汎用性は無限大。4シーズン活躍すること間違いなしのエアマット
ショートサイズなのに幅広。軽さを求めつつも快適さを損なわない設計になったエアマットは今のエアマット市場において尖ったアイテムでありつつ、その使い方はユーザーによって何通りにもなります。誰にでも使いやすい、万能アイテムではないにしても、「ショートサイズ」であることがデメリットなのではなく、汎用性の高さというポテンシャルを存分に感じることができたエアマットでした。
※2026/07/12現在は売り切れ続出らしいですが、秋頃に入荷予定だそうです。興味のある方はぜひ。
ソロ登山やロングトレイル・ハイキングが学べる『トレイルの学校』やプレミアムコンテンツが楽しめる「Outdoor Gearzine メンバーシップ」やってます
執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)
不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。
春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。
20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。


