冬の寒さも、夏の暑さも厳しいアウトドアシーン。そこで活躍するモバイルバッテリーはタフで安全が必須条件です。そこで、多くのアウトドアファンが注目しているのが準固体電池です。そんな準固体で20000mAhの大容量も選択できるグリーンハウス「GH-SSMBPA200」を試してみました。
目次
どうして、いま準固体(半固体)電池なのか?
モバイルバッテリーの安全性に注目が集まっているから
モバイルバッテリーの安全性に注目が集まっているから
スマートフォンの普及に伴って、急激に普及したモバイルバッテリー。充電環境の悪いアウトドアファンはもちろん、そうでない人もスマートフォンユーザーなら1つくらい持っている方が多いのではないでしょうか?
そして近年、その急激な普及に呼応するようにモバイルバッテリーなどの充電式バッテリーが原因とみられる火災や事故が増えており、ニュースでそれらを見聞きする機会も増えています。多くの場合、バッテリーの不適切な使用が原因です。
実は、充電式のバッテリーとして、現在一般的なリチウムイオンバッテリーは、暑さや寒さに弱いのです。例えば、今回紹介するグリーンハウス「GH-SSMBPA200」の商品ページには「一般的な従来のリチウムイオンモバイルバッテリー」の動作保証温度として0〜35℃と明記されています。
問題は、これ以下やこれ以上の温度になるとモバイルバッテリーが動作しなくなるわけではなく、条件が重なると発火や爆発のリスクが発生するのです。この点については過去記事「コバルト酸リチウム・リン酸鉄リチウム・ナトリウムイオン・準固体。4種類のモバイルバッテリーすべて使って比較してみた! アウトドアにベストなのは?」で詳細に紹介しているのでご覧いただけると幸いです。
多くのアウトドアファンが準固体(半固体)電池に注目しています。
ざっくりと説明するなら、ゲル状で水分の少ない準固体(半固体)の電解質を採用することで、準固体(半固体)電池は、動作保証温度が広く、リチウムデンドライトの発生によるショートなども少ないため、爆発や発火のリスクが低くなるというわけです。
そのため、雪の降り積もる冬のフィールドや夏の炎天下でもモバイルバッテリーを利用するアウトドアファンから準固体(半固体)電池は、非常に注目されています。本サイトの読者アンケート「【読者アンケート結果】今後、アウトドア用途で使ってみたいモバイルバッテリーの電池タイプは?」でも、約70%のユーザーが準固体(半固体)電池と回答しました。
そんななか、日本メーカー・グリーンハウスから発売されたのが「準固体(半固体)電池 モバイルバッテリー20000mAh PD20W GH-SSMBPA200シリーズ」(以下「GH-SSMBPA200」)です。実勢価格は9,880円。筆者は20000mAhの大容量とアースカラーのブラウンが選べることなどから、このモデルに注目し、実際に使ってみました。
おすすめのポイント
パッケージの裏に記載された細かなスペックにも目を通したい。
- 準固体(半固体)電池で20000mAhの大容量
- −10〜45℃と動作保証温度の広さ
- 発火・膨張リスクを大幅に低減
- サイクル寿命(充放電)が約2,000回と長寿命
- 3台同時充電が可能
- 大容量ながら1万円以下の価格
- アースカラーのブラウンがある
気になったポイント
- 動作保証温度がもうひと息広いとうれしい
- 防塵防滴や対ショック設計だったら……
スペックと評価
| 項目 | 準固体(半固体)電池モバイルバッテリー20000mAh PD20W GH-SSMBPA200 |
|---|---|
| 入力(USB Type-C1 or C2) | 5V/3A、9V/2A、12V/1.5A |
| 出力(USB Type-C1 or C2) | 5V/3A、9V/2.22A、12V/1.67A(合計20W) |
| 出力(USB Type-A) | 5V/3A、9V/2A、12V/1.5A(合計18W) |
| 入力端子 | USB Type-C(メス)×2 ※出力端子と兼用 |
| 充電時間(USB Type-C1 or C2) | 約10時間30分(通常モード)/ 約5時間30分 ※PDモード時 |
| 保護機能 | 過充電、過放電、過電流、短絡、過熱保護 |
| 外形寸法 | W62.5×D22×H130(mm) |
| 重量 | 約320g |
| 動作温度範囲 | −10℃~45℃ |
| 動作湿度範囲 | 20~80%(結露なきこと) |
| 材質 | アルミ+PC |
| RoHS指令 | 対応 |
| PSE | 適合 |
| 保証期間 | 6カ月間 |
| Outdoor Gearzine 評価 | |
| 大容量 | ★★★★☆ |
| 広温度対応 | ★★★★☆ |
| 安全安心感 | ★★★★☆ |
| 使いやすさ | ★★★★☆ |
| 携帯性 | ★★★★☆ |
| コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
準固体(半固体)電池の大容量モデルがほしかった
ノートパソコンのサブバッテリーとしては20000mAhが必須
付属品は充電用のUSBケーブルのみとシンプルな商品構成です。
おそらく現在、多くのアウトドア好き、ガジェット好きの多くが、これまでの一般的なリチウムイオンモバイルバッテリーから、準固体(半固体)電池を採用したモバイルバッテリーに移行していることでしょう。
理由のほとんどは安全性。北海道に住むアウトドア好きで、ガジェット好きの筆者にとっては、動作保証温度の下限が0℃のモバイルバッテリーは、ほぼ冬は使うなといわれている状態です。自宅の周りですら、普通に1日中気温が0度以下の真冬日も珍しくありません。
また、夏になれば車中泊の車の中やキャンピングカーの中も簡単に40℃を超えます。ある意味、アウトドア好きにとって季節を問わずに、安心して使えるモバイルバッテリーの選択肢は現状準固体(半固体)しかない状況です。
筆者がもっとも注目したポイントは容量が20000mAhという点です。
しかし、筆者は日常的に電源のないカフェや温泉の休憩場で原稿を書く習慣があるため、ノートパソコンに接続して使うサブバッテリー的なモバイルバッテリーが必要なのです。これについては、サブモニターも接続する関係から10000mAhでは心もとなく、やはり20000mAhクラスがほしくて探していました。
ですが、日本メーカーの準固体(半固体)のモバイルバッテリーはほとんどが10000mAh程度までで「GH-SSMBPA200」のような老舗日本メーカー・グリーンハウスの20000mAhは非常に希少な存在です。筆者はこの点に強く引かれました。
アウトドアシーンにマッチするアースカラーのブラウン
リン酸鉄リチウムに比べて小さく、アルミ製ボディはスタイリッシュ
リン酸鉄リチウム採用の「GH-LFMBPA200」よりも完全ひとまわりコンパクトです。
「GH-SSMBPA200」の存在を知ったときから、使うなら筆者はブラウンと決めていたのですが、「GH-SSMBPA200」にはブルーとブラウンがラインアップされています。一般的にブラックやホワイトといったカラーリングが多く、アウトドアシーンにマッチするアースカラーは希少なので、筆者はブラウンに強く引かれていたのです。
また、インターネットの商品写真では気が付かなかったのですが、ボディの大部分がアルミ製で、単純なブラウンというよりも、ブラウンメタリックといった色合いと質感。高級感がある点も気に入っています。
さらにいうなら、筆者は一般的に高温に強く、安全性が高いといわれている同社のリン酸鉄リチウムのモバイルバッテリー「GH-LFMBPA200」も愛用しています。この「GH-LFMBPA200」も20000mAhモデルなのですが、サイズはW69×D28.5×H140mmで約375g。準固体(半固体)の「GH-SSMBPA200」はW62.5×D22×H130mm、約320gと完全にひと回り小さく、15%近く軽いのも大きな特徴です。
動作保証温度は−10〜45℃と少し控えめな印象
真夏の車内や真冬の北海道を考えるともうひと息ほしいところ
USB Type-C×2とUSB Type-A×1のコネクタが装備されています。
準固体(半固体)の電解質を採用した「GH-SSMBPA200」は、リチウムデンドライトの形成を抑制しショートからの発火を防ぎ、真夏の車内での超高温環境や持ち運び時の落下などによる衝撃によって発生するショートからの発火を防止する構造になっています。
また過充電、過放電、過電流、短絡、過熱保護といった5種類の保護装置を搭載。電気用品安全法の技術基準に適合確認済(PSE適合)するなど、高い安全性が確保されたモバイルバッテリーに仕上がっています。
ただし、少し気になるのが動作保証温度です。「GH-SSMBPA200」の公式スペックは動作”保証”温度が−10〜45℃となっています。かなり健闘しているのですが、北海道に住む筆者は、冬になると自宅の外気温が−20度を下回ることがあるので、ちょっともの足りない印象です。
一方、高温についても45℃。温暖化の続く最近の日本では、北海道ですら、直射日光の当たる日なたや、閉めきった車の中などは簡単に45℃を超えてきます。「一般的な従来のリチウムイオンモバイルバッテリー」の動作保証温度35℃に比べると、かなり安心感は増しましたが、少し物足りない数値といわざるを得ないでしょう。
大容量の割には意外とリーズナブル
サイクル回数が約2,000回のためランニングコストは安い
本体は裏面までしっかりアルミ合金製。ブラウンのカラーも映えます。
「GH-SSMBPA200」をみつけたときに、筆者が喜んだ理由は準固体(半固体)でありながら、容量が20000mAhであること。現在、販売されている準固体(半固体)のモバイルバッテリーはほとんどが5000〜10000mAhです。
普段、スマートフォンを充電するだけなら十分なのですが、アウトドアフィールドでのさまざまなアイテムの充電やノートパソコンのサブバッテリーと考えると、容量不足が否めないのです。ただし、大容量になったからといって、あまりにも高価でも困ります。
その点「GH-SSMBPA200」は20000mAhで実勢価格は1万円以下。決して安くはありませんが20000mAhの準固体(半固体)モバイルバッテリーとしては、かなり現実的なお値段です。さらに準固体(半固体)電池の特徴の1つともいえますが、サイクル回数=充放電可能な回数が多い。
一般的なリチウムイオン電池のサイクル回数が約500回といわれているので、約2,000回充放電可能な「GH-SSMBPA200」はランニングコストが¼になるわけです。毎日のようにモバイルバッテリーを使う筆者にとっては、これは見逃せないポイントといえます。
普段使いのメインは電源は「準固体(半固体)」に
ノートパソコンのサブバッテリーとしては「GH-SSMBPA200」がメイン
ノートパソコンのサブバッテリーとしては「GH-SSMBPA200」がすでにメインです。
はっきりいってしまうなら、北海道在住のアウトドア好きで、キャンピングカーでの車中泊が多い筆者としては「GH-SSMBPA200」の動作保証温度の−10〜45℃はちょっと物足りません。低温度帯も、高温度帯も、もう10℃くらい幅がほしいです。
しかしながら、動作保証温度だけでなく、準固体(半固体)の安全性の高さは1度使いはじめると手放すことができません。そのうえ、毎日モバイル環境でノートパソコンを使う筆者にとって20000mAhという大容量は非常に魅力的です。
しかも、20000mAhクラスになると、それなりの大きさになるため、屋内での大型アイテムの充電がメインになるので、動作保証温度が−10〜45℃でもなんとか許容できることが多いのです。
リン酸鉄リチウム電池の「GH-LFMBPA200」といっしょに使っています。
結果「GH-SSMBPA200」と同社のリン酸鉄リチウム電池を採用した「GH-LFMBPA200」の20000mAhモバイルバッテリーが、現在、筆者のモバイル環境でのノートパソコンのサブバッテリーのメインになっています。
動作保証温度が広い準固体(半固体)で統一したいところですが、導入コストの問題もあり、徐々に安全性の低い一般的なリチウムイオン電池を入れ替えていくのが現実的といえるでしょう。「GH-SSMBPA200」と「GH-LFMBPA200」の2本の20000mAhモバイルバッテリーがあれば、筆者の場合、外付けモニターといっしょでもMacBook Airをほぼ1日問題なく使うことができます。
理想は、持っているモバイルバッテリーすべて入れ替えかもしれませんが、実際には多くのユーザーが、徐々に一般的なリチウムイオン電池から準固体(半固体)への移行期に差し掛かっているのです。そんな時期に20000mAhが選択できる「GH-LFMBPA200」シリーズは安全性と大容量を両立した現実的な選択肢として、多くのユーザーにとって導入しやすいモデルといえます。
製品の詳細と購入について
グリーンハウスの「準固体(半固体)電池モバイルバッテリー20000mAh PD20W GH-SSMBPA200シリーズ」の詳細と購入については、製品の詳細についてはグリーンハウスの公式サイト(https://www.green-house.co.jp/)をご覧ください。

