特定のトレイルコースを走ったGPSデータをFKT(Fastest Known Time)サイトにアップロード。 その区間での個人レコードを競うアクティビティが、トレランの新たな楽しみ方になりつつあります。
今回ご紹介するメンズ フリューイッドフレックスF.K.T.はスピードを求め、記録に挑戦するランナーのためのFKTモデル。そんな軽量で俊敏なトレイルシューズをレビューします。
詳細レビュー
アイテム名
montrail メンズ フリューイッドフレックスF.K.T.
主なスペックと評価
項目 | スペック・評価 |
---|---|
重量 | 272g(片足) |
アッパー生地 | サーモプラスティック溶着によるミッドフットのケージ設計 |
アウトソール | ヒールと前足部のトラクションゾーンに3ポイントラグのグリプトナイト。前足部のトレイルシールド。 |
快適性 | ★★★★☆ |
重量 | ★★★☆☆ |
グリップ | ★★☆☆☆ |
プロテクション | ★★★☆☆ |
安定性 | ★★★☆☆ |
総合点 | ★★★☆☆ |
ここがGood!
柔らかくしなやかなソールが走りをサポート
走るという動作をする上で欠かすことができないのがシューズの軽快さ。トレイルという不整地を走る特性上、プロテクション能力は欠かすことができません。しかし、そうした機能を高めるほどに重量が増して軽快感は失われてしまいます。今回ご紹介するフリューイッドフレックスF.K.T.は、記録に挑戦するランナー向けとうたうだけあって走りやすさは文句なし。適度にしなるソールが蹴り出しをしっかりサポートしてくれ、前足部と後足部に配置されたブロックは様々な方向に力が加わってもしっかりグリップします。
抜群のフィット感が生みシューズとの一体感
これまでmontrailのバハダを使っていましたが、このフリューイッドフレックスF.K.T.は足を入れた瞬間からフィット感の違いを感じることができます。これはインナーソールの両サイドに高さをもたせることで、土踏まずからかかとにかけての足裏全体が包み込まれるようになっていて、シューズと足の一体感がかなり増しました。バハダのインソール(画像左)と比較してみるとその違いは一目瞭然。両サイドの薄いブルーの部分は布素材ではないために滑りづらくなっている点もよくできています。
アッパーにはサーモプラスチックが溶着されていて、シューレースを締めるほどに足のサイドから甲にかけてしっかりフィットします。シームレスにして足当たりを良くしているというのもフィット感の向上には一役買っている。
荒れた路面から足を守るプロテクション能力の高さ
アウターソールに使われているFluidFoamは、従来のEVAと比較して衝撃吸収、柔軟性、クッション性に優れた素材。岩肌など硬い路面に着地した時も地面からくる突き上げはかなりマイルドな印象です。また、中足部に厚みをもたせることでアーチの低下も防いでくれる。トレイルでは木の根や石など突起物を中足部で踏んでしまうことがありますが、そんな時に足裏をしっかりサポートしてくれる安心感はこのシューズならでは。
タンの両サイドが一体型になっているので砂利が入ってくるのを防止。この辺はバハダにはなかった装備で、トレイルシューズには必須にしてもらいたいぐらい。
ここが惜しい
グリップの甘さ
バハダよりも軽快に走ることができる反面、若干グリップ力は弱いと感じました。蹴り出しはそこまで違いを感じませんが、急斜面を駆け下りている時にコントロールを失うことが何度かあり、特にウェットコンディションでシューズが地面に沈みこむような場面では要注意。中足部分は足をプロテクトしてくれる反面、ほぼフラットなので滑りやすい突起物に足をかけるような時にも注意が必要です。
まとめ:こんなシーンで使いたい!
トレイルシューズでありながら軽快感と柔軟性を持ち合わせているので、ロード感覚で山を走ることができる一足。ハイレベルなランナー向けに見えますが、ソールの柔らかさとプロテクション能力の高さからあらゆるレベルのランナーに適応すると思います。アウターソールの溝はそれほど深くないので、路面がそこまで荒れていない縦走路や、トレイルとロードが入り混じったコースにぴったりの一足です。