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パタゴニア「リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ」レビュー:ハイクにも釣りにも必要な機能がすべてある。アウトドアを愛するすべての人におすすめの究極の山シャツ

夏のアウトドアアクティビティにおいて悩みとなるのが「暑さ対策」に加え「紫外線対策」。例えば登山では標高の高い山岳地帯は下界と比べれば夏でも気温は低いものの、標高が高なるほどに太陽に近づいているため紫外線は強くなり、気象庁の調べによれば標高が1000m高くなることで約15%強くなることが分かっているようで、無防備に強烈な日差しを浴びてしまっては皮膚はあっという間に炎症を起こしてしまうため紫外線対策はマストです。

紫外線対策として効果的な日焼け止めクリームは汗や水濡れにより効果は徐々に低下し、継続的に塗りなおさなければならず、めんどうに思うこともしばしば。そんな人に有効な対策が肌の露出を防ぐことです。何度も日焼け止めクリームを塗るよりもUVカット効果のあるウェアを着ることで肌の露出を防ぎ、紫外線を遮断させることができます。そこで登山や釣りの際に紫外線対策ができるウェアを探してたところ出会ったのがパタゴニアの「リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ」です。

フライフィッシングカテゴリーにラインナップされているアイテムですが、紫外線対策はもちろん、暑くなりにくい構造になっているだけでなく、使いやすいよう随所にギミックが仕込まれ、釣りだけでなく登山やハイキングシーンで大活躍してくれるウェアでした。

今回は万能な山シャツ「リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ」をレビューします(便宜上リバー・ランブラー・フーディと省略させていただきます)

パタゴニア リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディの主な特徴

リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディは、UPF40+のUVプロテクションを備えた取り外し可能なフード付きのボタンダウンシャツ。軽量で速乾性を備えたリサイクル・ポリエステルは動きに合わせて伸縮し、体をドライで快適に保つ吸湿発散性を発揮。身頃と袖の素材を変えていることで腕周りが特に動かしやすい構造になっています。

袖にはサムホールが設けられ、手の甲を保護するとともにロングスリーブのようになっているため、たくしあげるのも容易。両チェストには大型のポケットを配置し、フライボックスなどフィッシングギアを入れることが可能であり、ポケットの内側がメッシュになっていることでベンチレーションにもなるため、行動量多いシーンでは通気にも役立ちます。

サングラスやフォーセップを引っ掛けるのに便利なループを備え、裾にはサングラスなどの汚れを落とすレングクリーナー付きで、程よい余裕のあるレギュラーフィットのフォルムはアウトドアアクティビティだけでなく日常の着用にもマッチし、シーンを選ばずに活躍してくれます。

お気に入りポイント

気になるポイント

主なスペックと評価

項目 パタゴニア リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ
重量 294g(Mサイズ実測)
カラー Shelter Brown、Terrain Green、Crisp Grey
サイズ XS / S / M / L / XL
生地 吸湿発散性を備えたストレッチ平織りのリサイクル・ポリエステル100%
ポケット
  • 縦型チェストポケットが2つ
その他機能
  • 生地を二重にして高く立てられる襟
  • 取り外し可能なフード
  • 袖のサムホール
  • UPF(紫外線防止指数)40+のUVプロテクション
  • 裾のレンズクリーナー
Outdoor Gearzine 評価
快適さ ★★★★★
日焼け対策 ★★★★★
通気・速乾性 ★★★☆☆
汎用性 ★★★★★
機能性 ★★★★★
耐久性 ★★★☆☆
重量 ★★★☆☆

詳細レビュー

素肌に直接着てもOKなサラサラな着心地に濡れてもすぐに乾く速乾性

夏のアウトドアアクティティで紫外線対策がマストであることは冒頭でもお伝えしましたが、同時に暑さとの戦いでもある季節。太陽の日差しから肌を守るために暑い思いをしては快適とはいえません。そういった意味で快適さも重要になってくるサマーシーズンのレイヤリングですが、リバー・ランブラー・フーディは非常に着心地のいいウェアでした。

185cmでMサイズを着用。ほどよいゆとりがあり着心地がいい

伸縮性のある生地が動きの邪魔にならず、身頃と袖で素材が変わっていて、肩から腕周りにかけては特に自由度が高く、フライフィッシングでの使用を意識し設計されたフィッシングシャツであることを伺うことができます。登山においても歩行のサポートや推進力を得るためにトレッキングポールを持つことが多いため、腕周りの動かしやすさは着心地と直結します。

さらにサラサラとした生地の質感は直接肌に触れても不快感がなく、むしろ気持ちいいと感じるほど。実際にフィールドで何度かテストした際にアンダーなどを着ることなく、地肌に直接リバー・ランブラー・フーディを着用して行動してみたのですがこれがかなり調子がよく、汗をかいた状態でもベタベタとくっつかずにむしろ程よいゆとりがあることで吸水した汗をたちまち乾かしてくれるイメージで行動中に感じる不快感はかなり少なかったです。ロングスリーブということで半袖と比較するとしたらどうしても暑さは感じますが、その分UVカット効果は高いですし、袖はたくしあげやすくなっているため体温調節も容易でした。

形状はシャツであるが、たくし上げやすいロングスリーブ

長袖+フードで紫外線をプロテクト&程よい通気性

長袖でフード付きのため紫外線のプロテクト力は高い

リバー・ランブラー・フーディはフードが付いていることで首周りや耳、頭部への紫外線を遮断してくれる高いプロテクト能力を備えています。露出を減らすだけでなく、生地そのものも紫外線の保護効果が高く、UPF40+のUVプロテクション効果を備えます。UPFは紫外線防止指数を表し、数値が高いほど保護効果は高く、例えばUPF40+であれば、紫外線を40分の1までカットしてくれます。

リバー・ランブラー・フーディの魅力はただ紫外線を防ぐだけでなく、シーンや用途に応じて最適な状態にトランスフォームさせることができることです。レイヤリングにおいてフードが渋滞してしまうようなシーンではフードを取り外し、プレーンシャツとして使用すればOKですし、フードを取り外した状態であってもしっかりと自立する襟が首回りを保護してくれます。フードを取り外した状態であれば普通のプレーンシャツと変わらないため、日常でも違和感なく着用することができることで山と町をシームレスに行き来するトレイルでも活躍してくれるでしょう。

フードを取り外している時は襟を立てれば首回りをプロテクトできる

身頃と袖で違う素材が採用されているリバー・ランブラー・フーディ。胴部にあたる身頃の生地はしっかりめの縫製で通気性は高いというわけではありませんが、機密性の低いボタンダウンシャツであることと、程よいゆとりが風を通すことで通気性を高めてくれます。さらに肩から袖にかけてはより通気性が高い素材が使われていることで汗をかいている時でも蒸れを逃すハイブリッド構造になっています。暑さに応じてボタンを外すことで調整もできるため、行動中の体温調節も容易に行えます。身頃(と背面も)は多少の風を防いでくれる効果もあるため、ウインドシェルを着るか迷うようなシーンでもリバー・ランブラー・フーディを着用していることでそのまま行動することができました。

身頃と肩から袖にかけて違い素材を使用し、ハイブリッド構造になっている

フードがボタン留めで取り外しに手間がかかる

使ってみて気になった点としてはフードの取り付けがボタン留めであること。スナップボタンであればもっと容易に脱着ができより便利だったかなと思わざるをえません。耐久性を考慮しての設計になっていると考えられますが、フードの脱着にはやや手間がかかります。

フードを取り付けるボタン。脱着には少し時間がかかかる

ベンチレーションを備えたチェストポケット

ボタンダウンシャツであることで体温調節が容易であることと、肩から袖にかけて通気性の高い生地が使われていることはお伝えしましたが、両胸に備えられた大型のチェストポケットはポケット内がメッシュになっており、開放することでベンチレーションになり通気を高めることができます。登山中などはこのベンチレーションが空気を取り入れてくれるとともに熱を放出してくれ、オーバーヒートを防いでくれます。

ポケットの内側はメッシュになっていて、開放することで通気性を高められる

ポケットは大きめで、釣りの時にはフライボックスや仕掛け巻きなど行動中に必要なものを収納でき、登山などではベンチレーションとして活用することでいつでも快適に過ごせます。ベンチレーションとして使用する際にはポケットとしての機能は使えませんが、片側だけベンチレーションにしたりすることで便利な機能として活用することができました。

大きめのポケットはフライボックスを入れるのにぴったり

レンズクリーナーやサムホール、襟元のスナップボタンなど実用性が考えられた各種ディテール

着心地のよさに通気性、速乾性のバランスがいいリバー・ランブラー・フーディですが、より使いやすくするために細部にもこだわりが詰まっています。袖口にサムホールが設けられ手の甲を保護したり、寒さを感じる時は保温力を高めたりするすることができます。暑さとの戦いになる季節は保温力はいらないと思われますが、標高の高いエリアの特に稜線などでは常に風が吹き付ける環境ではサムホールが活躍してくれます。また襟の裏側には小さい襟が隠されており、それを立てることで首回りをしっかりブロックすることができます。

2重構造になっている襟を立てると耳の近くまでプロテクトできる。左が2重襟を立てた状態

チェストポケットの横にはサングラスや釣具のフォーセップを引っ掛けておくのに便利なループが備えられています。さらに裾の裏側には汚れたレンズを拭けるレンズクリーナーが取り付けてあり、サングラスやメガネなど汗などが付着してしまった際には素早く吹き上げることで視界を確保することができます。

チェストポケットの近くのループはサングラスをかけておくのにちょうどいい

裾の裏にはサングラスを拭けるレンズクリーナー付き

まとめ:便利なギミックが詰め込まれたオールマイティなフィッシングシャツはハイカー心を魅了する一枚

フライフィッシングカテゴリーから登場したリバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディは便利な機能が満載で通気性と速乾性を併せ持ち、登山やハイキング、釣りなどでテストをしましたが、あらゆるアウトドアアクティビティにおいてマッチしてくれ、手放せない一着になりました。暑さ対策に紫外線対策が気になるサマーシーズンはリバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディを着用し楽しみたいと思います!

Yosuke C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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