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【忖度なしの自腹比較レビュー】まさに縁の下の力持ち。登山向けインソール8モデルを片っ端から履き比べてみた

インソールは、あなたの足裏とシューズのインターフェイス。

自らの足を使って前に進むしかない登山においてシューズの重要性は言わずもがなですが、そのシューズの性能を引き出し、自分の足や身体を支える重要なパーツがインソールです。

土台がしっかりしてないと、上物は不安定になりますよね?

自分の足に合ったインソールを使って足裏のアーチを支えることで、山で歩くときに感じるさまざまな問題も、結構解決できることがあるんです。その存在は、まさに縁の下の力持ち。これがなければ歩けないという訳ではありませんが、ここが変ると姿勢まで変わるから初めての人はびっくりしますよ!もしも気にしたこともないという人がいたならば、ぜひとも少しお付き合いください。

ただ、合わないインソールを使うと逆にもっと身体を傷めたりするので、その点は十分気を付けて。まずは街中でしっかり使い込んで、問題ないと分かってからフィールドで使用しましょう。

登山向けインソール比較レビューについて

比較候補を選ぶ

縦走もファストパッキングもトレランも、色々な形で山に入るので、出来る限りマルチに使えるインソールを見つけたい!そんな思いで現在手に入るインソールをネット中心に探し回りました。

今回紹介するのは足の骨格、その動きを元にそれぞれのメーカーが独自の理論でデザインしたインソールばかり。そんな中から8つもテストしてきました。プレートを使用してアーチを支えるタイプがメインですが、熱成型で自分のアーチにあった形を作れるタイプだったり、独自の理論でアーチをサポートするタイプなど、各ブランドさまざまな研究と工夫が凝らされています。

テスト環境

2021年6月~9月にかけて、まずは毎日のお仕事の時にスニーカーに入れて試履き。その後ファストパッキングの時のトレランシューズに入れてテスト。さらに北アルプスの縦走中心に登山で、山に行けない週末は10kのランニングの時などに履いてテスト。とにかく毎日、靴を履いて活動する時は必ずインソールを使いました。

評価のポイント

私自身は足に関して何の資格も持ち合わせていませんが、シューズの販売をしていることもあって一般の方よりは沢山の靴を履き、知識もあるつもりです。

それでも、インソールなどのフィッテイング関連商品は本当に個人差が大きく、私の評価と皆さんの感想は必ずしも一致しないかもしれません。その意味では、今回のレビュー結果がすべての人々に当てはまるとは決して考えていません。ただ、1個人がほぼ同じ条件で複数のモデルの比較をすることに多少なりとも意味はあると思うので、よければ参考にしていただけると幸いです。

ちなみに自分の足は実測25.2㎝。アーチの高さはハイアーチ寄りのミディアム。使用している靴のサイズは26.5㎝で今回使用しているインソールはすべて26.5㎝に合うように調整、アーチの高さが選べるものはミディアムを使用しています。

さっそく結果発表(各モデルのインプレッション)

総合1位!SIDAS ラン3DプロテクトJP

非常にバランスの良いアーチサポートタイプ

ここが〇

ここが△

フランスのインソールメーカー、シダス。

個人的にはスキー用として初めて出会い、ここ10年くらいは熱成型モデルを色々なアクティビティの時に入れて使っていました。今回は一般向けレディメイドのラン用インソールをピックアップしてテストしました。

衝撃吸収はかかと部分はゲル状のパット、フォアフット部分はEVA系のシート素材。フォアフット側は蹴りだしの時の反発も感じられて好印象。登山の際は踵のゲル状のパーツがしっかり働いて助かりました。アーチサポートは裏面に配置されたプレートで行っています。

今回テストした8アイテムの中で一番外アーチのサポートを感じたインソール。内アーチも比較的踵寄りのアーチ基部から持ち上げていてアーチ全体は多少余裕がある感じに。横アーチも踵寄りの基部を持ち上げてくれるのでフォアフット自体にスペースがあってしっかりとアーチが機能します。

横移動の際には外アーチがしっかりと足元を支えてくれるので上体がブレることなく無駄な疲労が軽減するし、内アーチは踵の寄りの基部を支えるので、下りの際に足が前にズレなくなるのと、ショックアブソーバーとしての土踏まずの動きも妨げません。

テキスタイルのトップシートが若干滑りやすい感じがあるのですが、しっかり凹凸もあり、通気孔も付いているので蒸れ感を感じることが少ないタイプです。

アーチサポートタイプのインソールを使ったことが無い人だと、内アーチ、外アーチの刺激に最初は驚くかもしれませんが、個人的には一番バランスの取れたインソール。トレイルランニングでも、登山でも安心しておすすめできるモデルでした。

総合2位:ZAMST Footcraft STANDARD CUSHION+

コスパNo.1!初めての人にはこれがおすすめ

ここが〇

ここが△

日本のブランドでサポーターやバンデージなどのケアアイテムが中心のザムスト。登山用品店ではあまり見かけませんが、総合スポーツ店などではコーナー展開しています。個人的には守備範囲外のブランドなのですが、使ってみたらあらま、良いじゃない!やっぱり視野は広くとらないといけませんね。

プレートのデザインや衝撃吸収材の使用の仕方はシダスと同じような感じですが、使われる素材はお値段の差になって現れる部分。特に衝撃吸収の部材はシダスには敵いません。

しかし、機能としては十分。しっかり体感できるのでそこはご安心を、多分長期間使用した時に大きな差になりそうな気がします。逆にプレートに関しては硬度の違う素材をプレートに使用しているのでこっちの方がお金かかっているような…。

アーチサポートに関しては3つのアーチを支える点ではシダスと変わりありませんが、それぞれが少しづつソフトな印象。逆にインソール初心者にはこちらの方が無理なく導入できるのではないかと思います。

トップシートのデザイン(織り方、凹凸の大きさ)が個人的には残念。乾きやすさ、蒸れにくさで差が出るので、ここが変ると大分印象が変わると思います。登山には十分おすすめできます。トレランでも使えますが、下りは少し不安かもしれません。アーチのフィット感が良いと思うなら大丈夫。トップシートが少し滑るので、アーチが合わないと前にズレやすいです。

総合3位:Bane インソール アスリートグリップ

グリップ力ならこのモデル。ホントにズレません!

ここが〇

ここが△

日本のインソールブランド。随分前からお店では見かけていたのですが、使用したのは今回初でした。

同じインソールでトップシートのデザインが違う2つのモデルのうち、今回はアスリートグリップをピックアップしたのですが、もしかしたらベーシックの方が比較するなら良かったのかも…。それでも、サポートの部分は変わらないので早速レビューを。

衝撃吸収はフォアフット全体と踵に配置してあり、しっかり機能しています。サポートに関してはシダスとほぼ同程度。しっかりとしたサポートを3つのアーチで感じられます。プレートのフレックス(柔軟性)はシダスよりも柔らかいので、プレートによる反発力が得られるのがバネのポイント。トップシートのグリップ力と合わせてランのときの感覚は力強い感じです。

非常に高いグリップ力で下りの着地はダイレクトに足に力がかかるぐらい。アスリートグリップというくらいだからアスリートなら耐えられるけど、一般的な人なら多少はズレながら靴全体で衝撃を吸収した方が良いのではないかと。そういった意味でベーシックの方がおすすめできるかもしれません。ただ、横移動や蹴りだしなどグリップの良さが活きる部分も多々あるので、元気にガンガンいける人ならアーチサポートもしっかりしているのでおすすめのモデルです。

もう一つ気になったのは蒸れ感。トップシートがこんな感じなので、長時間使うとかなり蒸れます。良く汗をかく人はソックスに気を使わないと厳しいと思います。

ベーシックモデルを使っていないので、何とも言えないのですが、蒸れ感がある程度解消されているなら登山でもトレランでもおすすめできるアイテムです。さまざまなアクティビティに対応したモデルがあり、スキーの時に使うなら一番おすすめかも。

Ba2ne バネインソール [ アスリートグリップ @5400] Bane Athlete grip
Ba2ne [ バネインソール ]

Superfeet COPPER

登山用品店でお馴染みの世界的トップブランド。ミッドカット以上の靴なら大丈夫。

ここが〇

ここが△

アメリカのインソールメーカーのスーパーフィート。登山用品店ではよく見るブランドで、実際に使っている人も多いのでは?個人的にも持っているのですが、正直あまり出番がない。でも、特許もいっぱい持ってるし、世界中の人々が使っている。合う人にはきっと良い商品です。

心臓部のプレートが大きすぎてローカットのシューズの場合はシューズのヒールカップに踵が収まらないことが多いスーパーフィート。プレートが小さめのカッパーをテストモデルとして試してみました。

小さいとは言えそれでも大きなプレートの踵部分には高さがあり、そのおかげで衝撃の吸収力は高いが、ローカットのシューズ場合は踵が脱げるような感じがして使えない。

ドロップも2mm程度はあるので、シューズ自体のドロップが大きなモデルを使っている場合はかなり前のめりになる感じが出てしまいます。

カッパーはフォアフット部分は6mmもの厚みがあり、自分の指の形を記憶してくれる素材が配置されているので、蹴りだしの感じは非常に良好。衝撃吸収に関しても全体的に厚みがあってしっかり機能しています。

アーチサポートを感じるのは内アーチのみで、アーチの踵側の基部を持ち上げてくるタイプ。土踏まずはしっかり動きます。ただ、外アーチや横アーチはあるんですけど上記のタイプのようには感じられませんでした。

トップシートはテキスタイルの素材や織り方は素晴らしく、蒸れ感は少なく好印象です。個人的にはこのブランドの商品をローカットのモデルにはあまりおすすめできません。靴のフィット感を変えてしまうようなインソールは影の存在ではなく、立派な主役の一人になってしまうから。それでも足首以上までアッパーがあるようなミッドカット、ハイカットのシューズなら主役をしっかりと活かせる舞台になると思います。インソール単体では素晴らしい製品の一つなので、使いどころを間違えなければおすすめできるブランドです。

Spenco グラウンドコントロール

人工足底筋!!! パワーアップしちゃったかも

ここが〇

ここが△

アメリカのインソールブランド、スペンコ。あんまり知られてないかもしれませんが、色々なタイプのインソールを発売しています。個人的にも知ってはいたけど、使ったことがないブランドだったので新鮮でした!

正直言ってアーチサポートという意味では一番弱いモデルです。でも、そうと分かって使う場所を選ぶとこれはこれで面白い。元々一般スポーツ向けのアイテムなので薄目でどんなタイプのシューズにも無理なくフィットします。

衝撃吸収という意味ではフォアフットは一番反発力もあり、プレートも柔らかくししなります。踵もしっかり衝撃を吸収してくれます。アーチサポートは3つともありますが、インソール全体が柔らかいので強力なサポートは得られません。トップシートの素材や凹凸は良好、インソール全体に通気孔があるので、今回テストした中では一番通気性が高いモデルです。

アーチのサポート力は弱くても持ち上げてくれます。逆にアーチの動き自体は妨げないので長時間使用するならこちらの方が良いのかもしれません。サポートが強すぎると疲れてきたときは逆にそこが痛く感じる人もいるので。

トレランの下りではサポートが弱くて足が前にズレてしまいました。でも、高い通気性とクッション性の良さは長時間履き続ける登山靴なら好印象。アジリティが高くなるようなインソールはちょっとドキドキする面白いモデルでした。

Formthotics Hike Dual

あなた色に染め上げて、どこまでもあなたについていきます。

ここが〇

ここが△

Formthotics(フォームソティックス)はニュージーランドのインソールメーカー。お医者さんのお墨付き。ネットで見つけたメーカーでもちろん初めて使いました。

熱成型で自分の足形に合わせるインソールは医療方面ではよくあるタイプなのですが、スポーツ方面では最近めっきり見なくなりました。この手のインソールをスポーツで使うとどうなるのか、早速レビューします。

とにかく軽いが第一印象。それでいて潰れずにしっかりと形を保持してくれる基部と熱によって形を変える表面部分。衝撃吸収という点ではあまり感じることは無く、反発力は無い。アーチサポートは内アーチ、外アーチはしっかり、横アーチは無し。トップシートはざらついていてグリップ力は高く、熱成型によって足の指が沈み込んでいるので指の力もしっかりと伝わります。

登山用となっているこのモデルですが、実際に登山で使ったらクッション性が弱く、アーチサポートは後半になると土踏まずを下から突き上げるように感じで痛いくらいでした。普通に街中で使っている時には気にならなかったのですが、長時間運動する場合は適度にあそびが無いと厳しいのかもしれません。

街履きやランニングの時は蹴りだしが強くて良い印象ですよ。

フォームソティックス Formthotics Sports インソール Hike Dual 緑/青 Mサイズ 26-27cm
FORMTHOTICS

BMZ カルパワースマートスポーツ CL-K364

独自理論CCLPによるインソール。アーチは骨で支えますよ!

ここが〇

ここが△

日本のインソールメーカー。独自の理論は特許も取ってます。その昔、入門モデルを試しに買って使ったときにはその効果を実感できず、今回はお値段高めをチョイスして再度検証してみました。

詳しくはメーカーのWEBサイトをご確認ください。自分の理解だと足の骨の一部(踵の骨とその隣)を下から持ち上げることで足の骨全体を支えます。3つのアーチもそれで支えられるということらしい。実際にインソールの上に足を乗せると、あら不思議、内アーチはしっかり持ち上がります。

衝撃吸収はインソール全体にわたって配置してあり、しっかりその効果を感じられます。アーチサポートは確かに履いた瞬間は感じられるのですが、動き出すとなんだかあいまいに。私の足がダメなのか、シューズとの相性が悪いのか、靴の履き方が悪いのか…。シューレースを締めるまではあったはずが、しばらくするとなんだが分からなくなってしまいました。結局、指の爪には青痣が…。表面のグリップ感は非常に良好。しっかりとくいつく感じは今回の中でもトップクラス。

通気孔もあって激しく蒸れる感じはありませんでした。

このモデルの場合、確実にある一点がその場所にとどまり続けないと機能しません。使う靴や履き方などちょっと練習が必要なのかも、単に自分の勉強不足なら本当に申し訳ございません。ただ、今回の自分の場合はその効果をアーチサポートとしてはあまり感じられませんでした。

SHOCK DOCTOR  ウルトラ2

なんだが凄くハイスペックな感じがするんです。

ここが〇

ここが△

アメリカのインソールブランド ショックドックター。こちらも色々なインソールを出してます。こちらもスペンコ同様知ってるけど、使ったことないブランドの一つ。

初めにお断りしておくと、このインソールはかかと部分のサイズが大きくて自分の足だとヒールの部分がズレてしまって登山靴での評価は対象外です。同じアメリカブランドでもスペンコは問題なかったのですが、このモデルは隙間が出来てしまって山で使う気がしませんでした。それでも街履きやランでは使ったのでその時の印象を。

衝撃吸収はフォアフット、踵ともにきちんと機能しています。アーチサポートですが、この部分もサイズが合っていないからか内アーチ、横アーチはOKですが、外アーチは?という感じ。トップシートは良好で、指の力を伝える突起が良い感じで蹴りだしの時に機能します。

テスト結果&スペック比較表

総合評価 AAA AAA AAA AAA AA AA AA AA
アイテム SIDAS ラン3DプロテクトJP ZAMST Footcraft STANDARD CUSHION+ Bane インソール アスリートグリップ Superfeet COPPER Spenco グラウンドコントロール Formthotics フォームソティックス Hike Dual BMZ カルパワースマートスポーツ CL-K364 SHOCK DOCTOR ウルトラ2
ここが◎
  • サポート力
  • 衝撃吸収力
  • サポート力
  • コストパフォーマンス
  • アーチのサポート力
  • 高い衝撃吸収力
  • 内アーチのサポート
  • 通気性
  • 反発力
  • 熱成型による一体感
  • 独自理論によるサポート。
  • 多機能性
ここが△
  • やや滑りやすい
  • トップシートの材質や凹凸
  • 通気性
  • ヒールピースが高すぎる
  • サポート力
  • 衝撃吸収力
  • 効果が分かりにくい
  • サイズ感
サポート力 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
衝撃吸収 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
フィット感 ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆
快適性 ★★★★☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆

評価項目詳細レビュー

ここからは評価項目ごとに各モデルを比較してレビューします。

サポート力

アーチサポートタイプのインソールは足の裏にある3点(踵、母指球、小指の付根)を結んだ3つのアーチを支えることで足裏の全体をその人の足本来あるべき形に支えます。

そうすることで身体のズレや傾き補正して無理のない形で身体が動くことをサポートします。このタイプのインソールを使うと身長が伸びたような感じがするのは内アーチが潰れて膝が内側に傾いていたのが補正されることで起こります。内アーチを支えると足首の動きや膝の動きが本来の動きに近づくので痛みを感じていた人はそれが軽減されたりすることもあります。

このサポート感を一番感じるのがシダス、その次がBane、ZAMSTと続きます。Formthticsもかなりサポート自体は強いのですが、サポートだけだと運動時には不具合が。

アーチはショックアブソーバーとしての役割があるのでアーチが動くスペースが無いとそれが痛みとなって返ってきてしまうのです。その辺まで考慮すると今のところプレートタイプのインソールがベターな選択となるのではないでしょうか?

衝撃吸収

衝撃吸収力を高めるのもインソールを替えるインセンティブの一つです。各モデルともフォアフットと踵にはそれぞれ衝撃吸収材が配置されています。最近では吸収するだけでなく、その力を反発力としてアウトプットする素材も多く、それを採用しているモデルも存在します。この点ではSpenco、シダスは衝撃吸収と反発力がうまく機能しており、衝撃吸収のみ考慮するならBMZやsuperfeetの効果がしっかりと実感できます。

フィット感

実際に足とインソールの接点となるトップシートの素材はフィット感に大きく関係してきます。蹴りだす時に力がしっかりと伝わらなければ無駄に疲れてしまうからです。自分の足形に近ければそれだけ指先の力がそのまま伝わるのでロスが減ります。SuperfeetやFormthotics、Schock doctorは指の力がそのまま伝わるタイプ。Bane,やformthoticsのトップシートの素材はグリップ力が強くて蹴りだし感覚に違いを感じられると思います。

快適性

最後は快適性に関して。長時間履き続けることが多い場合はどうしても蒸れの問題が発生します。何よりも通気性の良いトレランシューズならそこまで神経質にならなくてもよいのですが、GORE-TEXのメンブレンが入ったトレッキングシューズになどではインソールもできる限り通気性の良いモノをおすすめします。蒸れて足裏の表面が弱くなり、まめが出来やすくなるのを少しでも防いで楽しく歩きたいですよね。今回通気性のよかったモデルはSpenco、シダス、superfeetなど。

その他臭いといった点も気になっている人がいると思うのですが、その話をする前提として確認です。皆さんインソールを外してしっかりと乾かしているのでしょうか?

太陽光に当ててしっかり乾かすと抗菌処理はしていなくてもそんなに気にならないと思います。自分の場合はとりあえず山から下りてきたらまず靴からインソールを抜き出して、太陽が出ているならそのまま乾かすくらいです。湿気はすべての劣化の原因ですので出来る限り小まめに乾かしてあげてください。

まとめ

今回8つのモデルを履き比べましたが、大まかに3つのタイプに分かれます。自分の体感ではプレートを使用したモデルが一番満足できる結果を得ることが出来ました。プレート使用のモデルでも、モデル毎のコンセプトの違いで実際には随分と印象が違うと分かりました。このレビューの内容がそのまま皆さんの感じ方になることは無いと思いますが、それぞれのモデルの違いに関してはある程度理解していただけたなら幸いです。

個人的にも膝の痛みから興味を持って色々なインソールを試してきたのですが、本当に個人差が大きな製品です。今回のレビューはあくまでも参考に、ご自分の足で確かめながら少しづつ慣らして使ってみてください。皆さんの山旅の一助となれれば本当にありがたいです。

それでは、新しい道具と楽しい山旅を!

けろっぱ

山に興味を持ってふらふら入り始めてはや30年以上。山岳会には入らず、本や雑誌、webの情報を自分の身体で検証しながら楽しんでいたら何故か某アウトドアギアメーカーで働くようになっていました。一年中週末は山で遊ぶスタイルで、ピークハント、縦走登山はもちろん、源流域のフライフィッシング、沢登、BCスキー、トレラン、ファストパッキング、オリエンテーリング等々季節に合わせて楽しんでいます。ギアが大好き、気になるアイテムはついついサンプル!と言い訳しながら買っていたのですが、この度縁あってこちらで書かせてもらうことになりました。この業界でお世話になっているのですが、忖度なしで1ユーザー目線でレビューさせていただきます。 新しいギアから広がる皆さんのアクティビティに多少なりとも貢献できるように頑張ります!

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