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【2025-2026】雪山歩きの第一歩「スノーシュー・ワカン」はどう使い分ける?どう選ぶ? 後悔しない選び方のポイントと用途・こだわり別ベストモデル

スノーシューで雪を歩けば、ちょっとだけやさしい雪山の世界が見えてくる

深い雪に閉ざされた冬山の世界は、気軽には足を踏み入れることが許されない敷居の高い世界であることは確かです。ただそれだけに苦労して訪れたときの、その日常では決して出会うことのできない圧倒的な美しさと荘厳な空気の尊さは決して忘れることのできない思い出となるに違いありません。今まで見ていた自然がさらに奥深いものに見えてくるかのような、お世辞抜きで世界の見え方が変わる感覚。そんな雪の世界を最も手軽に体験させてくれるのがこのスノーシュー・ワカンです。

スノーシューは冬の森や里山歩きはもちろん、ウィンターランニング、そしてバックカントリーにおける急斜面のハイクアップまで、雪に覆われた場所を自由に移動するさまざまなウィンターアクティビティにフィットする多彩なモデルが存在し、快適・安全に遊ぶためにはそれぞれに適したタイプのスノーシューを選ぶことが大切です。

ここではスノーシューでのアクティビティを楽しむために必要な道具の最新情報を調査し、自分の経験なども踏まえて賢い選び方としてまとめてみました。さっそく紹介していきたいと思います。

そこで今回は、バックカントリースキー・スノーボードを存分に楽しみたい人々のために、前半でバックカントリースキー・スノーボード向けのバックパックのおすすめモデル、そして後半で選び方のコツについて書きます。一通り調べてみて分かったのですが、このスキーツアー向けバックパック、メーカーや人によってこだわりが実に多彩です。なのでここで書く選び方も、どうしてもぼく個人のこだわり・クセが反映されているので、玄人の皆さんと意見が違ってくる部分が多いかもしれません。今回はそんな気分で読み進めていただければ幸いです。

なお、ここでのおすすめモデル紹介は各部門で1点ないし2点しか紹介していませんが、その他のおすすめを含めたさまざまなベスト候補全49点の比較一覧表はメンバーシップになっていただくことで閲覧することができます。

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目次

【用途・こだわり別】ベスト・スノーシュー&ワカン ~スノーハイクから雪山登山・バックカントリーまで~

総合ベスト・スノーシュー:MSR ライトニング エクスプローラー/TSL SYMBIOZ instinct

ベタですいませんというか、いろいろな山道具があるけれど、これほどにカテゴリ内でずば抜けた存在のアイテムはなかなかない、というほど他のモデルと比べて明らかに図抜けたスノーシューはここ10年経っても変わらず「MSR ライトニング」シリーズです。

ただ細かい部分で今回「総合ベスト」に選んだのは、巷でいうところのトップモデル「ライトニング アッセント」ではなくこの「ライトニング エクスプローラー」です。

前回比較調査をした5年ほど前には、ライトニングシリーズの「アッセント」と「エクスプローラー」の間には細かいながらもバックルのタイプやクランポンの数など明確に分かる違いがありました。それが現状のモデルでは、パッと見た限りほとんど違いが無くなっています。あるのはつま先のパーツがアッセントの方が金属、エクスプローラーの方がプラスチックであることくらい。微妙ですが、差をつけるとすればより丈夫なアッセント、軽量なエクスプローラーという違いです。価格はエクスプローラーの方がちょっとだけ安い。そんなわけでこの総合ベストには、バランスと使いやすさという点で「エクスプローラー」に決まり。

ただ、とにかく数あるスノーシューの中でも最も高価な部類に入ります。それは覚悟しなければならない。そこさえ納得すれば、平地から急峻な斜面、テクニカルな地形まで対応するトップクラスの歩行安定性と、軽くて薄くてスムーズで緩みにくい高性能バインディングは唯一無二の魅力です。正直これを履いた後は、もう他のスノーシューは履けなくなります。山岳用のスノーシューとして必要な要素がすべて備わったライトニングは「安全に登る・下る」ことにかけてはほぼ欠点が見当たらず、雪山登山からバックカントリーに最適です。それは必然的にその他のあらゆる雪山に対応できるということでもあり、これを購入して後悔することはまずあり得ません。

MSR ライトニング エクスプローラーのお気に入りポイント

他にはない魅力で侮れない「TSL SYMBIOZ instinct」

 

一方もうひとつ、ライトニングに総合力ではわずかに及ばないものの、ライトニングにはない特長を備えた優秀な対抗馬がないわけではありません。それがこのTSL社の「SYMBIOZ instinct」です。日本ではマイナーなこのブランドは知る人ぞ知るスノーシュー大国、フランスの老舗メーカーのフラッグシップモデルです。

その一番の魅力は何と言っても独自構造のフレームによる抜群に快適な歩きやすさ。フレームの側面に小刻みに入れられた溝と特殊なプラスチックにより、スノーシューが驚くほどしなる。シューを履いているにも関わらず、普通の靴を履いているかのような自然な歩き方が可能です。

さらにこの最新モデルはつま先のBOAシステムによる着脱のしやすさもピカ一。前足部だけで(かかとや足首を留めることなく)しっかりと固定できる画期的なフィッティングシステムが素晴らしい。唯一パッキングでのかさ張りをのぞけばトップクラスのパフォーマンスといえます。価格も(MSRと比較すれば)なかなか魅力的ではないでしょうか。

TSL SYMBIOZ instinctのお気に入りポイント

ベスト・バックカントリー向けスノーシュー:MSR ライトニング アッセント/ATLAS レンジ BC 26

先ほど大半のことは書いてしまいましたが、性能・品質共に間違いなくトップクラスのスノーシュー「MSR ライトニング」シリーズのフラッグシップモデル「ライトニングアッセント」は、厳しい地形や急角度の斜面でもしっかりとグリップしてくれる頼もしいエッジとスピーディな着脱、緩みにくさ、そして容易には壊れにくい強靭なパーツを兼ね備え、最も厳しい山岳に持って行くことを考えたときに迷わず選択肢の筆頭に上がります。

おまけにコンパクトなボディは携行するのにも便利なため、タフな地形を登り、下るときには収納して持ち運ぶというバックカントリーでの使い方にはもってこいです。

MSR ライトニング アッセントのお気に入りポイント

強くてコンパクト、価格も魅力の「ATLAS レンジ BC 26」

ただ一方で、ここ数年に新たに登場した「ATLAS レンジ BC 26」もなかなか優秀です。同じ山岳向けというコンセプトで、ライトニングアッセントという疑いようのないベンチマークの良い部分を学習し、そこに彼らなりの「味」をつけたうえで差別化されたモデルです。T字のアルミフレームで外周にエッジを効かせたデザインは適度なしなりと確かな剛性とグリップ力を備え、歩きやすさを考えたスリムな縦長シルエット(細身の分、26インチと長さがややあるのが気になるといえば気になりますが)なども丁寧に仕上がってる。

そして薄くて軽量コンパクトなストラップ式のバインディングは、セッティングしやすさこそライトニングには及ばないものの、壊れたとしてもすぐに交換が可能という万が一の安心感はなかなか魅力です。そしてやはりMSRと比べておいしい価格も。

ATLAS レンジ BC 26のお気に入りポイント

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ベスト・低価格スノーシュー:mont-bell アルパイン スノーシュー 56

ここ数年で価格がかなり高騰したスノーシューは、現在まともに使える製品となると定価2万円以下で買えるものを探すのは難しくなってきたのが現状です。そんななか、昨年?登場したモンベルの新しいスノーシュー「アルパイン スノーシュー 56」は、2万円を切る価格に抑えながら、山岳愛好家が欲しい機能を一通り備えているといえる優等生です。

縁にまでエッジの効いたアルミフレームや、軽量コンパクトになるバインディングはさすがモンベル。ただしそれ以上の飛び抜けた個性が薄く、またバインディングもひと昔前の長時間の使用で緩みやすい作りなのはまだ改善の余地があります。

以前はこの低価格おすすめモデルとしてキャプテンスタッグのスノーシューを選出したことがありましたが、2年使ってみて(価格でいえばこのモンベルのモデルと変わらない程度なのに)ストラップを固定するバックルが緩みやすかったり、壊れやすかったりといった作りの甘さが目立つことが分かり、今回選から外す運びとなりました。

mont-bell アルパイン スノーシュー 56のお気に入りポイント

ベスト・ワカン:エキスパート オブ ジャパン HS スノーシューズ フラットタイプ

平地を歩いたり、乾いた深い雪をラッセルする必要がある場合はスノーシューの方が有利ですが、起伏が激しく、湿った重たい雪が多い日本の登山では昔から雪山登山者の必需品であるワカンの方が正直使いやすい場合が多い。クランポンとの併用もできるという点もスノーシューにはない利点です。

そんなワカンも日本のさまざまなメーカーから工夫を凝らした製品がいくつか出ていますが、あらためてベスト・モデルを選ぶとなると、やはり一周回って(?)この慣れ親しんだ「エキスパート オブ ジャパン HS スノーシューズ」が筆頭に挙がります。

まず何といっても軽い。色々な競合モデルが出ているなかでまだまだ最軽量。この軽さとコンパクトさはスノーシューとは比べ物にならないバックパックへの取り付けの容易さを備えています。

そしてワカンを裏返してクランポンを装着することができるので、深い雪と滑りやすい硬い斜面が交互に現れてくるようなテクニカルな日本の雪山でも使いやすいという柔軟性の高さも見逃せない(その意味でも裏返して使いやすい「フラットタイプ」がおすすめ)。

競合モデルには、従来のワカンにラチェット式のバインディングなどによる着脱のしやすさを追加してみたり、面積を大きくして爪をつけたりしてスノーシューとのいいところ取りをしてみたり、といった工夫を凝らしたモデルが確かに見られます。

ただそれらは、いずれも「軽量コンパクトさ」と「機動性の高さ」という本来のワカンのメリットを消してしまっていて、正直乗り換えたいという気になれるものはまだありませんでした。

エキスパート オブ ジャパン HS スノーシューズ フラットタイプのお気に入りポイント

初心者におすすめのスノーシュー:Atlas ヘリウム TRAIL 23

実績のある扱いやすい材質とシンプルな構造をベースに、用途を選ばないクセのない作り。そのうえで細部に使いやすさが考えられ、そのうえできる限り手に取りやすい価格にまとめた初心者向けのモデルはいくつか候補がありますが、最も安心しておすすめできるバランスの良いモデルがこの「ATRAS ヘリウム TRAIL 23」です。

軽量で、着脱がしやすいシンプルかつ固定力の高いバインディングがいい感じです。初心者向けではありますが、ある程度信頼できるトラクション、ヒールリフトも付いて傾斜がある地形まで幅広く対応してくれるため、そこまできわどいルートでなければ十分使えるクオリティを備えています。

ATRAS ヘリウム TRAIL 23のお気に入りポイント

ベスト・ライトウェイト:oxtos SNOW PLAK Approach oxtos Ver.

ここ数年で登場したスノーシュー・ワカン製品の中では最も注目したアイテムがこの「SNOW PLAK」です。ANENA(フランス国立雪氷研究協会)のプロジェクトとして開発され、2018年のドイツISPOでGOLD WINNERを獲得したというその革新的なスノーシュー(ワカン?)は、通常の登山靴やクランポンを履いたブーツの前半分に固定する構造。これだけシンプルでコンパクトながら、販売店の動画を見た限りワカンと比べても浮力は同レベルであるようでした。

もともとはエバニューが輸入して販売しているモデルが本来のモデルですが、今回選出したのはオクトスという大阪の山専門店の別注モデル。こちらの方が部品のメンテナンス性やブーツの固定しやすさなどが改善されています。

ワカンのメリットである軽量コンパクトさを維持しながら、より軽量コンパクトで着脱しやすく、歩きやすくなっているという点で、これまでの常識を覆すほどの可能性を感じました。唯一の難点は価格でしょう。

oxtos SNOW PLAK Approach oxtos Ver.のお気に入りポイント

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選び方:スノーシューとは?ワカンとは?それぞれどんなもので、どう使い分ければいい?

スノーシューとは、踏み固められていない深い雪で覆われた地面を埋まらずに歩くための歩行器具。その歴史は遡ること数千年前に、人類が厳しい冬の大地で生活するために編み出した道具が原点であるといわれています。

スノーシューがなぜ雪上を簡単に歩くことができるのか、その仕組みを理解するためには「ボート」を思い浮かべてみるとよいでしょう。水面に浮かぶボートと同じように、スノーシューは靴の底面積を広げる構造になっています。雪上に接する広い面によって大きな「浮力」を得ることができ、これによって雪の上でも身体が沈まずに浮いていることができるのです。一般的に、荷重が大きければ大きいほど、または雪質が軽く乾いていればいるほど人は沈みやすいため、より大きな表面積のスノーシューが必要とされます。

スノーシューとワカンは別物? ~似ているようでちょっと違う~

スノーシューは中央アジアを起源としながら世界中に伝播し、各地域に適応していったといわれいてるわけですが、ここ日本でも独自の進化を遂げてきました。それが日本の雪国に伝わる民具「ワカン(カンジキ)」です。

ワカンスノーシューも同じ雪上を歩きやすくするためのものですが、西洋と日本での環境・用途が異なるため、どちらが優れていると一概には言えません。ただ経験から言うと、日本での「冬山登山」のために利用するという場合においてはワカンの方が効果的で使いやすいが多いと思います。なぜかという理由も含めたその辺りの違いを以下の比較表にまとめてみます(あくまでも一般論での比較です)。

素材 スノーシュー ワカン
代表イメージ
特徴 基本的に乾雪・深雪・傾斜の緩い平坦な地形を歩く場合に有効 湿雪や(アイゼンと併用しての)急峻な斜面など、複雑な地形で重い雪の上を歩く場合に有効
メリット
  • 表面精機が大きく大きく浮力が大きい
  • かかとが上下に動いてより自由な分歩きやすい
  • 取り付けが簡単なモデルが多い
  • 雪質や地形に対応したさまざまなモデルが選べる
  • 軽量・コンパクトでパッキングが楽
  • 面積が小さいので足運びがしやすい
  • クランポンの上から重ねて履ける(推奨していないモデルも一部ある)
  • 浮力が少ない分、テント設営時などで雪を踏み固めたい時に楽
  • 柔軟なバインディングによってトラバースや下りでも歩きやすい
デメリット
  • 重くて大きいためパッキングしにくい
  • 面積が大きいため足運びがしにくい
  • クランポンと一緒には履けない(一部併用できるモデルもある)
  • 浮力が大きい分雪を踏み固めにくい
  • トラバースや下り斜面で歩きにくい
  • 浮力が小さい
  • 平地ではかかとが固定されている分、スノーシューよりも歩きにくい
  • 取り付けが面倒で比較的ずれて緩みやすい
  • 地形や雪質などに対応した選択肢が少ない

まとめると、地形の変化が激しく、湿った重たい雪が多い日本の登山では、昔からワカンとクランポンの組み合わせの方が何かと使いやすくて多用されてきました。ただ浮力の大きさではパウダースノーを滑るバックカントリー・スノーボードでは、スノーシューが適している場合が多いのも事実で、その場合はMSR ライトニング アッセントのように、軽量コンパクトで急斜面にも強いスノーシューが適しています。

深雪でも高い浮力で歩きやすいスノーシュー、小回りが利いて厄介な雪質にも融通が利きやすい機動力のワカン。

クランポンの上からワカンを履けば、深雪・氷など幅広い地形に柔軟に対応できて安心。

スノーシューってどんな靴に合わせるの?

スノーシューを履くための靴は、必ずしも堅牢で保温材の入った冬用登山靴である必要はありません。

極端な話、固定さえできれば何を履いても構わないのですが、一般的には「防水透湿素材のハイキング・トレッキングブーツ」や「ウィンターブーツ」または「冬用登山靴」を履くことが多いです。ただ春~秋用のトレッキングブーツや、あまりグレードの高くない革製の登山靴で使用するには足が冷えてしまう恐れがあるため、その場合には下の画像リンクのような「オーバーシューズ」という、ブーツの上から履く防水透湿性のシューズカバーを使うとより万全です。

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スノーシューハイキングを楽しむのに他に必要な装備は?

一般的にスノーシューで遊ぶ時には、スキーやハイキングと同じようにポール(ストック)を使います。

ストックを使わなくても歩けないことはないですが、雪の上でバランスを崩せばすぐに転倒してしまいます。ストック無しでスノーシューをすることはまったくおすすめできません。安定して疲れずに歩くために、トレッキングポールとは違う、スノーバスケットが広い雪用のストックを準備しましょう。

スノーシュー用の長さ調節ができて、スノーバスケットが広いストックがおすすめ。

また雪の上を歩くときには、ブーツの中に雪が入らないよう足から脛までを覆う「スノーゲイター(スパッツ)」を装着します。これがないと万が一深い雪にハマったとき、靴の中に冷たい雪が容赦なく入ってきてしまします。スタート前に忘れずに装着しましょう。

深い雪を歩くときにはゲイターが必要不可欠。

最適なスノーシューを選ぶときにチェックしたい5つのポイント

ポイント1:用途や目的に適したスノーシューの種類・タイプを知る

現在のスノーシューは、用途によって大まかに3つくらいのタイプに分かれています。それぞれメリット・デメリットがあり、極力オールラウンドな比較的バランスの良いモデルはあれど、どれも完璧にカバーできる万能モデルというものはなかなかありません。まずはそれぞれのタイプのモデルの特徴を押さえておき、自分の買うべきタイプを把握しましょう。

タイプ 平地・緩斜面向け 山岳地形・バックカントリー向け ランニング(レース)向け
代表イメージ
用途 平地~緩斜面までを歩くのに最適化されたモデル 急斜面の登下降を前提とした登山・バックカントリーに最適化されたモデル 基本的に圧雪された地面で走るシーンに最適化されたモデル
特徴 初心者に最適 バックカントリーや冬山登山に最適 雪上ランニング・レースに最適
強み
  • シンプルな作り
  • どんな靴にも合わせやすい
  • 簡単な着脱
  • クランポン(爪)は控え目で歩行中に引っかかりにくい
  • 価格帯
  • 雪面に食い込みやすい強力なグリップ
  • 急坂を登りやすくするヒールリフト
  • 強い荷重にもズレにくいバインディング
  • 耐久性の高い素材
  • 軽量かつコンパクト
  • とにかく軽い
  • 必要以上の浮力は不要なためフレームが極力小さくなっている
  • 左右の足が走っても干渉しにくいフォルム
  • 最小限のグリップで足の運びが楽
  • 柔らかいシューズにも取り付けやすいバインディング
弱み
  • グリップが弱く急斜面や硬い雪で滑りやすい
  • ヒールリフトが無いモデルは急斜面で登りにくい
  • 重荷では緩みやすいバインディング
  • 耐久性
  • 歩きなれていないとクランポンに足を引っかけやすい
  • 高価なモデルが多い
  • 急斜面や深い雪、複雑な地形は登りにくい
  • 耐久性
  • 重荷では緩みやすいバインディング

ポイント2:最適な大きさ(長さ)と形状のフレームを選ぶ

雪質・深さに合わせた大きさ(長さ)を選ぶ

自分に最適なタイプが分ったところで、次は各モデルの構造についてチェックしておきたいポイント、まずはフレームとデッキ部分についてです。

「フレーム」とはスノーシューを取り囲んでいる枠の部分、さらにフレームの内側に膜が張ってある場合、その部分のことを「デッキ」と呼んでいます。

スノーシューのフレーム・デッキは主な用途によってさまざまな材質・大きさ・形状から選ぶ必要がある。

ふかふかの雪の上でしっかりと浮くためには、何をおいてもフレーム全体面積の大きさ、あるいは全長が重要です。当然のことながらフレームが大きければ大きいほど浮力は大きいため、深い雪でも浮力を得られ、大柄な人や荷物の多い人でも歩きやすいといえますただし一方で重量は重くなります。このため、むやみやたらに大きいモデルを選べば良いという分けではありません。

パウダースノーの中をラッセルして進むためには、大きなフレームでないと足が深く沈んで歩きにくい。

メーカーによっては同じ型でも大きさ(全長)の異なるバリエーションが用意されているので、どのくらいの長さが適切なのか分らない場合には店員さんなどと相談し、「自分の体重 + 荷物」がそのスノーシューの「適合荷重」に収まるかどうか、そして使用する場所での雪の状況などを総合的に検討して選ぶのがよいでしょう。

歩くルートの地形に適した材質・形状のフレームを選ぶ

そしてもうひとつ、選ぶときに注目するのはフレームの材質とエッジの形状です。

チューブタイプ

もともとスノーシューのフレームは木や竹でできていましたが、現在ほとんどがアルミ等の金属またはプラスチックに取って代わられています。木や竹、そしてアルミフレームの場合、多くは丸いチューブ状のため、大きくなっても軽さと剛性のバランスがよくソールの滑りもよいため、平らな深雪で歩きやすい一方、より急な斜面でのグリップ力は弱いというデメリットがあります(下写真)。

エッジタイプ

その他のフレーム形状には、プラスチックや角のあるアルミ板などを成型して、外周にエッジが効くように作られたモデルがあります(下の写真はプラスチック製のエッジタイプフレーム)。

主に氷河歩きが主流だったヨーロッパ系ブランドのスノーシューに多く、エッジの強いグリップ力によって斜面の上り下りやトラバース、硬い雪質での歩行に適しているという利点があります。その代わり耐久性はチューブと比較すれば弱く、またエッジが効いているため深い雪での(滑らせるような)スムーズな歩行は、相対的には得意な方ではありません。

ポイント3:着脱しやすく、緩みにくいバインディングを選ぶ

バインディングとはシューズをスノーシューに固定する部分をいいます。メーカーによっても、タイプによっても固定方法はさまざま。こればかりは実際に試着して試してみるのが一番早いのですが、いずれにせよここでチェックすべきポイントは以下の2点です。

ひとつは「着脱・調節が簡単かどうか」。グローブをしながらの着脱は意外と不自由なことが多く、素手ならば難なくできるものでも実際の現場では難しいということがあります。

バインディングの違いで着脱のスピード、フィット感がぜんぜん違う。実際に試履きして比べたい。

もうひとつは「長時間歩いても緩みにくいかどうか」が重要なポイントです。こればかりは実際に長く歩かないと本当のところは分かりませんが、試履き時でも最低限、足をぐりぐり動かしてみたり、つま先を突いてみても簡単に緩まないかどうかである程度はチェックできます。スペックでしか確認できない場合でも、この2点がしっかりとしてるバインディングかどうかをできる限りきちんと確認しておくようにしましょう。

バインディングが足全体をしっかりと固定できているかは、作りも大事だが、メーカーの推奨する正しい履き方で履くことも大切。

なお本格的な登山に使う想定であれば、踵に急斜面での登高を助けるヒールリフトがついているかどうかも要チェックです(下写真)。

入門用にはヒールリフトがないモデルがあり、そうしたスノーシューの場合、急斜面は歩きにくい。

ポイント4:用途に合わせた強さのクランポンかどうかをチェック

大きく深い爪はより急峻な斜面に必要

クランポンとは、シューズの裏にあるギザギザした爪(スパイク・エッジ・クリート)の部分のことをいいます。

多くの皆さんのご想像の通り、これは雪面にスノーシューを食い込ませ、スリップしにくくする、グリップ力を高める役割を果たし、形・大きさ・材質等によって大きく違ってきます。やはりこれも実際に雪の斜面を歩いてみないことには真の実力は分かりませんが、ここでは購入前にどのようにしてチェックすればよいかを説明します。

クランポンの強さ、何をおいてもまずは「深さ・大きさ(鋭さ)」

当然ですが、クランポンの深さ・大きさ(鋭さ)は、グリップの強さに大きく影響します。大きく鋭い爪は、より硬く急な斜面でも地面にしっかり食い込み、安全に歩くことができます。

多様な地形で安定したグリップを生み出す「爪の配置と向き」

次にクランポンがシューズ裏のどの部分にどれだけついているか、その配置と方向性をチェックします。モデルによって足のつま先部分にしかついていないものから、足裏全体、さらにはフレームの外周にまで配置されているものまでさまざまあることが分ります。もちろんここはより広範囲に、たくさんの爪が配置されているモデルを選ぶ方が、足の置き方にかかわらずグリップが効いてくれるという意味で安定感は上と考えられます。

爪の数・大きさでグリップ力は上がるが、その分重くなってしまう。目的に適した必要最低限の数が望ましい。

また爪の向きについても、爪の食い込む方向性によって、単に前後方向の踏ん張りだけしか考えられていないか、それとも(斜面トラバース等を想定して)横滑りしにくく、横方向へのズレに対しても踏ん張りがきくかどうかまで考えられているかという違いが出てきます。

例えばクランポンがつま先だけにしかついていないと、斜面のトラバースなどで踏み込みが安定しにくかったりする。

最後に、クランポンの構造によっては、湿雪などの重たい雪が歩いているうちに詰まってくることがあります(下写真)。特にサラサラの乾雪が多い北米系のメーカーに多いのですが、クランポン同士の間隔が密着していたり、雪の抜けが良くなさそうな配置であるモデルには注意しましょう。

クランポンが大きく密すぎると、重たい雪の場合、歩いていてクランポンの間に雪が詰まってしまうこともある。

ポイント5:用途によっては重量と携帯性も重要

ここまで押さえておけばもう大きく間違えることはないと思いますが、最後にそれでも万が一絞り切れない、そんな時はこの最後のチェックポイントである「重量と携帯性」を検討してみてください。

登山・バックカントリー向きのスノーシュー選びでは、軽量でパッキングしやすいかどうかが重要なポイント。

数時間の日帰りスノーハイクであれば、スタートからゴールまでスノーシューを脱ぐことはないでしょうが、もし深雪の森を抜けて稜線に出るような雪山登山となると、途中でスノーシューを脱ぎバックパックに取り付ける、そして下山時にはまた履き直すといったシーンは往々にしてあります。そうなってくると、モデルによっては意外とかさ張るスノーシューですから、バックパックに取り付けてもかさ張らず、そして持ち運んでも苦にならない軽さの方がよいに越したことはありません。今はその予定はないとしても後々になって後悔するとも限りませんので、必要な機能を備えた中でも、予算の許す限り軽量コンパクトなモデルを選ぶことをおすすめします。

いくら履きやすいスノーシューでも、持ち運ぶ可能性がある場合には携帯性も考慮しよう。

まとめ

スノーシューは「深雪の上を歩くもの」といった単純な考えでいると、一見どれを選んでも同じのように思えてしまいますが、意外と小さくない落とし穴が空いています。かつてハイキング向けのモデルでバックカントリーに臨んだ知人は、みんながスイスイと進んでいるなか、自分だけかなり足が埋まってしまい、ひとり体力を消耗してしまっていました。そんなこともありますので、安易に価格だけで選ばず、目的とシーンに合わせて間違いのないモデルを賢く選びたいものです。

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