山は登山シーズン真っ只中、多くの登山者が山へと出かけているかと思います(私も山へ行きたい)。下界では猛暑日が続く毎日ですが、早くも2024年秋冬シーズンがスタートしています。
今回は一足早く行われたPatagonia(パタゴニア)の2024年秋冬の展示会にお邪魔させてもらってきた時の様子や新製品情報についてお伝えします。
ざっくりとした感想としては、最先端をいくクライマーのために作られた軽量アルパインシェル、一度着たら病みつきになるジャケットや、保温性抜群のフリース、ギミック盛りだくさんなシャツなどなど、着てみたくなるアイテムがたくさんありワクワクしてしまいました。
それでは早速、展示会の様子を見ていきましょう。
目次
最先端をいくクライマーのために作られたアルパインシェルジャケット「M10」
展示会の中でもメインの場所にあり、見ただけでも注目の製品だということが分かる「M10」アルパインシェルジャケット(実際にスペックを聞いたらすごかった)。
「M10」とは、岩と氷が次々に入れ替わるミックスクライミングにおいての難易度を示す「グレード」を意味します。
難易度「M10」はミックスクライミングにおいて一部のトップアスリートしか挑むことのできない高難度のフィールド。
製品にM10と名付けられたアルパインシェルジャケットは第一線で活躍するクライマーがテストを繰り返し、必要ないものは全て排除された究極にシンプルなジャケットです。
若干の仕様が異なるハーフジップのアノラックとフルジップのストームジャケット
ラインナップにはハーフジップで被るように着るM10 アノラックと、フルジッパーになっているM10 ストーム・ジャケットの2種類(ウィメンズはM10 ストーム・ジャケットのみ)。
M10 アノラックに関しては、今までと比較して孔の径が非常に小さい新メンブレンが使用されており、高透湿性を可能としたPFASフリーの3層構造のH2No素材で、製造時の溶剤もPFASフリーとなっています。
また、フルジップのM10ストーム・ジャケット、M10ストーム・パンツに関しては、PFASフリーの3層構造のH2No素材を使用していますが、裏地にそれぞれ厚さの違った生地を使用することで透湿性が高められています。
生地の厚さは、M10アノラックが20デニール、M10ストーム・ジャケットの表は30デニール、裏地が7D、 M10ストーム・パンツの表地は30デニール、裏地は20デニールとなっていて、モデルによって厚さを変えています。
M10 アノラックの方が薄い生地を使っていることから重量にも違いが生まれています(アノラックが300g、ストーム・ジャケットは310g)。
このまま詳細まで説明を始めてしまうと、それだけでかなり長くなってしまうので詳細は割愛させていただきますが、このクライマーのために作られたこのM10シリーズは、必要なものだけを残し、必要でないものは一切無くし、パタゴニアというブランド理念を象徴した製品です。
R1シリーズにNEWラインナップ!もっとも保温性に優れたアクティブフリース「R1 Thermal」
アクティブフリースとして名高い「R1」シリーズ。
R1シリーズに新ラインナップの登場です。「R1 Thermal」はR1シリーズの中で最も保温性に優れ、かつ、熱を放出してくれる構造になっています。
裏地を見てみると、これまでのR1ジャケットよりも細かいグリッド構造になっていて、しっかりと保温はしつつ、熱や水分を効率よく放出できるようになっています。
実際に着てみると、着心地の良さにびっくり。とは言ってもR1が着心地がいいのはすでに知っている人も多いかと思いますが。。スリムフィットで高いフィット感があるにも関わらず、伸縮性があるので圧迫感はゼロです。
フードはバラクラバのようになっているので環境に応じて口の周りを覆うこともできます。
それと、これまでR1シリーズでサムホールがついていたのはR1プルオーバーフーディーだけだったと認識している筆者ですが、R1 サーマルフーディーはフルジップでサムホール付きです(これ待ってた人多いのではないでしょうか)。
R1サーマルシリーズのラインナップはトップスがフーディー、ジャケット、プルオーバー(ウィメンズのみ)クルー(メンズのみ)。
ボトムスはメンズ、ウィメンズそれぞれあります。
現在では廃盤になってしまったR2ジャケットを愛用している筆者。R2もすごく気に入っていますが、アクティブなシーンでは暑いと感じることも。
R1サーマルはR1とR2(現在のテックタイプ)のちょうど間に位置する保温力で、R1よりは保温力があり、R2よりもアクティブなシーンでの着用に優れたシリーズです。
ダウンのように軽量で保温性抜群の化繊ジャケット「DAS Light Foody」
着てみて最初に驚いたのは「軽さ」
見た目からも保温力が抜群なのは一目瞭然で、ってことはその分着た時の重量感もあるんだろうと想像していましたが、驚きの軽さにびっくり。
上質なダウンジャケットを想像してしまいますが、DASライトフーディーは化繊ジャケットです。
中綿にプルマフィルインサレーションが使用され、着た瞬間から温かく(夏だったので暑かったです)、都心など、標高の低い場所ならTシャツにこのDASライトフーディーだけでも平気そうなくらいです。
しなやかな着心地で、しかも軽いので山でも街でもシームレスに着用できます。
グローブがらくらく入る巨大な内ポケットを備え、パッカブルなので、冬のスキースノーボードや雪山登山だけでなく、旅行などでも活躍してくれるジャケットです。
カラーリングの配色もブランドらしさが出ていてよかったです。
便利なギミックが盛りだくさん!「River Rambler Hybrid Sun Foody」
タイムリーにすぐ着用できそうということもあってか、すごく魅力を感じた「リバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディ」。
ちょっと覚えられないくらい名前が長いのが難点ではありますが、このシャツに隠されたギミックは使ってみたいと思わせてくれるシャツでした。
フィッシングウエアのカテゴリーにラインナップされているリバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディですが、釣りだけでなく、登山などでも活躍してくれること間違いなしのアイテムです。
形状はシャツですが、取り外し可能なフードがついていて、日差しの強い時や、風から守ってくれます。
さらに、シャツの裾を裏返してみると、サングラスを拭くためのクロスが縫い付けられています。
釣りでは偏光サングラスの使用はマストですが、登山だってサングラスはマストアイテムですよね。汚れてもサッと拭くことができるギミックに思わず唸ってしまいました。
他にも両胸にポケットが付いていたり、サングラスやフォーセップを引っ掛けておけるループなど細部にわたって使いやすい機能が盛りだくさん。
メイン素材にはストレッチ織りのリサイクル・ポリエステル100% ですが、肩から手首にかけて袖の生地が異なります。速乾性に優れ、多用途に使用することができます。
袖口にはボタンがなく、ロングスリーブのようになっているので簡単にたくしあげることが可能になっていました。
スナップボタンで脱ぎ着は容易で、伸縮性が高く着心地はピカイチでした。秋冬のアイテムではありますが、暑い季節にも活躍してくれそうです。
その他の注目アイテム
ナノエア・ライト・ボトムは高い保温性がありながらも通気性もあるので行動着としても、防寒着としても活躍してくれるアイテム。ナノエア・シリーズはどれも着心地が抜群によく、一度着たら手放せなくなるアイテムです。
先ほど紹介したリバー・ランブラー・ハイブリッド・サン・フーディの他にもトレイルシャツとして活用できるロングスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツも注目です。
通気性、速乾性に優れているので釣りや山だけでなくマルチスポーツでの着用に適した機能的なシャツで、カジュアルに街での着用も違和感のないデザインです。
冬季のスノートリップで活躍するブラックホール・ウィールド・ダッフルシリーズは中のワイヤーを外すことで折りたため、クローゼットに収納しておく際にかさばらなくなっています(収納スペースが限られているのでこれはありがたい)。
Snowカテゴリではバックカントリー系で興味深いアップデート
他にもあいにく写真が撮影できていないのですが、スキー・スノーボードなどの滑走系冬山ギア「Snow」カテゴリでは、PFASフリーで100%リサイクル GORE-TEX3レイヤー素材を採用したバックカントリー用スノーウェア「Untracked」に新作のPantsが登場。
また前モデルからお気に入りの軽くて動きやすいアクティブなバックカントリー向けハードシェルの「Stormstride Jacket」がサステナブルな生地でアップデート。また同じく愛用中のバックカントリー向けバックパック「Decensionist Snow Pack」もより実用性が向上してリニューアルするなど、この冬も注目の新作が盛りだくさんのようです。
まとめ
個人的にも大好きなブランドである「Patagonia」の展示会ということもあり、いつもよりも若干、前のめり状態で参加してきました。
2024年秋冬シーズンでは大規模なアップデートはなかったものの、ハイカーやランナー、スキーヤーにボーダー、そしてクライマーのために「こんなのほしかった」を叶えたアイテムが多かったように感じます。
紹介した新商品以外にもさまざまなアウトドアシーンをシームレスに活躍してくれるアイテムがたくさん。
新しい情報が入り次第、いろいろと試していきたいと思っていますので今後もお見逃しなく!