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Review:気がついたら手放せない、カシオ PRO TREK Smart WSD-F20をアウトドアで100%使いこなすためのコツとポイント

カシオ初のGPS内蔵型PRO TREK『WSD-F20』が発売されてから約1ヵ月。

その期待以上のパフォーマンスと使い心地については前回記事で紹介したとおりですが、その後も引き続きトレッキングに日常にと使い続けていくうちにますます愛着が湧いていき、この新しい相棒はいつしか単なる趣味のガジェットからフィールドに欠かせないアウトドア・ギアへとなっていました。

今回はそんなガチなアウトドア好きを満足させてくれたアウトドア・スマートウォッチの魅力をあらためておさらいしながら、主にトレッキング用途での最適な使い方をあれこれと試してみた結果辿り着いた、使い方のコツやポイントを共有したいと思います。

目次

1ヵ月使ってみてあらためて実感した魅力と特徴のおさらい(詳細は前回レビューを参照

外観・ハードウェア

WSD-F20のハード的な特徴や使い勝手の評価についての、前回レビューからのおさらいです。

特にこの1ヵ月間も雨の中で使用したり、誤って地面に叩きつけたりしたこともありましたが特に問題もなく、よほど極限状況でなければ十分な耐久性能であることはこの1ヵ月の使用でも再確認されました。

機能・ソフトウェア

機能やソフトウェアの使い勝手についても使っていくうちに自分に合った環境を整えていった結果、ストレスや電池消費のムダもだいぶ解消されていきました。ハードの満足度が高いとAndroid Wearのこうした設定の自由度の高さが非常に頼もしく感じられます。

登山で100%使いこなすためのコツとポイント

前回レビューでも触れましたが、Android Wear端末は優れたハードウェアや標準機能を備えていたとしても、いつ・どんなユーザーでもすぐにストレスなく楽しめるというわけではありません。iPhone(Apple Watch)などと違い個々人がある程度自由にカスタマイズできる反面、100%快適に使うためにはハードの設定や利用アプリなどを自分なりにチューニングすることが必要です。

そこで、ここからはWSD-F20を登山やトレッキングで使用する際に快適に使うためにどのような設定・使い方が良いのかといったコツやポイントについて、基本的な設定から順番に見ていきます。

WSD-F20をアウトドアで利用するための準備

まずは地図や活動計、経過の通知機能を利用したりするために必要となる前準備について。この辺の手順はアウトドアで使いこなすためには必ず通る道なので押さえておく必要があります。詳細な手順については取扱説明書かカシオのサポートページを参照してください。

その他現時点(2017年6月8日)では必要ないものの、今後システム自体がアップデートされる可能性もありますので、Android Wearのシステムが最新かどうかもチェックし、必要であればアップデートを行っておくことも一応お忘れなく。

純正かそれ以外か、行動中に使うアプリは何がベスト?

Android Wear端末を使いこなす上でおそらく最も悩ましいのが、どのアプリを使用するのがベストなのかということでしょう。もちろんただ地図や高度を確かめるだけならば備え付けの機能だけで十分ですが、せっかくスマートウォッチを身につけているのであれば、さまざまな状況を把握し通知してくれたり、活動履歴を保存・共有したりといったより高度な機能を使わない手はありません。

ランニングなどの利用者が多いアクティビティであれば、それこそ数え切れないくらいのアプリが存在しているので、何を選ぶか正直萎えます。それに比べれば登山に便利なアプリは数える程なので、比較的検討は楽かもしれません。

とはいえ、正直未だに個人的にも「これ」といった決定打が無い現状では、万人におすすめのアプリを探すのは一筋縄ではいきません。やはり各アプリの強みと弱みを知ったうえで各人で自分に合ったアプリを選ぶのが後悔しない唯一の方法です。

ここではそんなトレッキングをより楽しく快適にしてくれるアプリの代表的なものをいくつかピックアップし、それらを日常からフィールドまでいろいろな条件で使ってみた寸評と特徴を比較してみました。

候補1:アクティビティアプリ(+ロケーションメモリー・MOMENT SETTER)

まずは端末に標準搭載されている、カシオ純正のアウトドア向けアプリ。ゴールとなる標高を設定して計測を開始すると、時速・時刻・ゴールまでの残り高度・経過時間・自分が歩いた地図上の軌跡などが行動中にすぐ確認できるのが便利。なおGPS軌跡の精度については後ほどお話しする「精度優先/バッテリー優先」によって調整することができます。バッテリー優先にしてしまってもそこまで大ざっぱにということはなく(下写真)、トレッキング程度のスピードであればそれで十分な気がします。

また、アクティビティアプリ起動中(計測中)はこちらもカシオの純正アプリ「MOMENT SETTER」が行動を見張ってくれていて、「ゴールまであと何m」や「何時間経過」などのタイミングで自動的に通知してくれます

このアプリの良いところは現時点では最もバッテリーの消費効率が良かった点。この辺は後ほどお話ししますが、最適な設定で地図閲覧の回数などを抑えれば1日8時間程度たっぷりと使用しても余裕を残す程度には安心して使えることが分かりました。動作も(若干もっさりすることもありますが)安定しており、さすがはハードに最適化されているだけあります。またトレッキングだけでなくサイクリング・フィッシング・パドルスポーツ・スノースポーツなど幅広いアクティビティに対応した動作設定・表示が可能であることも(試してはいませんが)嬉しい。

MOMENT SETTERによる行動中の自動通知はなかなか便利です。ただ使い始めの頃は楽しくて、残り高度・経過時間・歩数・規定の登攀高度などさまざまなタイミングに通知をセットしていましたが、結局通知がありすぎて何のタイミングなのか分からなくなりかえって混乱するという落とし穴がありました汗。考えてみれば距離や高度は他の基本的な表示から確認できるので、今のところは「1時間に気圧が1hPa以上変化した際に通知」「500kcal消費する毎に通知」のみに落ち着いています。

大きな難点としては、行動中の貴重な計測値や歩いた軌跡といった行動ログをネット上に保存・共有ができないという点。何も自前で運営しなくても、メジャーなSNSサービス・アプリなどにスムーズに連携してくれるだけでも良いのですが。純正というアドバンテージを活かした使いやすいアプリだけにそこは残念です。

また、Mapbox社の地図はクリアで見やすい、オフラインでは反応も早い一方で、登山地図としての情報量はYAMAPなどと比較すると少ない点が気になるといえば気になりますが、個人的には細かい情報量は腕時計には求めていませんので、紙の地図と併用で問題ないと思います。

候補2:YAMAP

日本の登山アプリとしては今やメジャーな存在であるYAMAPは、登山ルートやコースタイム、水場や山小屋など登山に必要な情報が記載された地図を無料で、制限なしにダウンロードして、電波の届かない場所でも使用することができるスグレモノ。WSD-F20の発売開始と共に対応しており、スマホアプリの時から使用はしていましたが、今回もかなりの期待をもって連携させてみました(ちなみに無料会員です)。

行動中に確認できる国土地理院の紙の地形図ベースの地図(プレミアムプランではフルカラー地図)はMapboxなどと比較すると多少粗くて見にくいのですが耐えられないほどではありません。それよりも紙の登山地図が手軽に時計で確認できるという意味ではやはり格別の便利さと安心感があります。

YAMAPのもうひとつの強みは行動後に活動記録を保存して共有できるSNS機能にあります。スマホやPC上にある自分のページに、軌跡・時間・距離はもちろん、写真・動画・道具リスト・日記などをまとめて記録し、それらを他人と共有することができます。これらの記録は自分の山行記録としても貴重ですが、他人の記録を参考に今後の計画を立てる際にも便利です。

ここまでならある意味理想的なアプリであるといえますが、そう手放しで喜べない点もいくつか。ひとつは動作が安定しているとは言い難いこと。自分の場合、省エネのため機内モードにしている際、スリープから復帰してアプリを立ち上げると起動しないことがしばしば※。その他現在地の更新に時間がかかったり。他にもかれこれ1年ほど細々と使い続けていると、ちょいちょいこうした原因不明の無反応状態が何度かあったりしました。ひとつひとつは何かしらの原因があるとは思うのですが、それらに対して毎回解決方法を探ったり、再起動したり、いざというときにこうしたトラブルにぶち当たるというのはやはりストレスです。

幸いにして掲示板などを見る限りサポートも親身にしてくれているようで、不穏に感じた時の窓口は開かれていますので最終的には安心していいとは思います(この辺はSuuntoなど海外製品サポートの突き放しっぷりとは違いますね・・)。

もうひとつの難点は、登山だけでなくランニングなど多様なアクティビティを管理したいという場合、どうしてもこの登山に特化した機能やインターフェース、デザイン(世界観)は居心地の悪さを感じてしまいます。登山向けSNSから発展しているのでこれはしょうがない部分もありますが、自分のような登山もトレランもとなると、後でいろいろと細かくデータをとって解析したりしていじりたくなるのはランニングの方であって、そうなってくるとよりランニング系管理・共有機能が充実したアプリを選びたくなってきてしまうのが実際のところ。さらにはモチベーションを上げてくれるようなデザインのトーン&マナーも重要な要素です。

※2016年6月14日現在、機内モードでスリープ復帰から上手く起動しない件について、最新版のアップデートでほぼ解消されたように思われます。

候補3:STRAVA(+ロケーションメモリー)

そこで自分が現在のところ辿り着いて実践しているのは、ランニングからカヌーやスキーなど幅広いスポーツ・アウトドア系アクティビティの記録・分析・共有などを一元的に行えるアプリであるSTRAVAとロケーションメモリー(標準オフライン地図)との併用です。このアプリ、スマートウォッチ上で表示されるのは経過時間と移動距離だけ。ほとんどGPS情報を記録するだけのアプリです。これだけならば前述の多彩な表示・通知機能をもったアクティビティアプリやリッチな地図表示のあるYAMAPの方がハッキリいって便利です。

ただ、このアプリには幅広いアクティビティやデバイスに対応する「汎用性」と、SunntoやGarminの独自サービスに見劣りしないデータの詳細な「分析力」、グループでの共有しやすさといった「モチベート力」という他のアプリにはない強みがあります。

そこでこのアプリは後々管理するためのログ取得用としてほぼ立ち上げておくだけ、そして現在地や歩いた軌跡の確認はロケーションメモリーをその都度立ち上げて使います。ある意味最低限の機能ですが、実際には行動中何度も歩く速度を確認しないという人もいるはずで、これで十分という人も多いはず。

しかも多少のバッテリー消費を覚悟の上でアクティビティアプリとも併用すれば、行動中の通知・地図機能から行動後の充実した分析・SNS機能まで、隙のない快適な環境が構築できます

自分の場合、SuuntoやGarminのアウトドアウォッチも使うことがあり、これらの時計にはそれぞれで記録した活動ログを自動的にSTRAVAにアップロードしてくれる機能が備わっているため、こうした点からもいろいろなデバイスでの記録をこのアプリ(SNS)上で一元的に管理ができ非常に助かっています。

WSD-F20でのアプリ選びのポイント

アプリ アクティビティ(標準搭載) YAMAP STRAVA(+ロケーションメモリー)
ここが◎
  • 地図が見やすい。
  • 動作が安定している。
  • バッテリー消費が比較的少ない。
  • 歩く速度や残り高度など行動中データが分かる。
  • 自動通知機能でタイミングを逃さない。
  • 地図は登山向けで最も情報量が多い。
  • 軌跡データや日記、写真、装備などを記録し、公開できる。
  • コミュニティの交流が盛ん。
  • サポートもしっかりしている。
  • 登山・ラン・バイクなど異なるアクティビティをまとめて管理しやすい。
  • 異なるメーカーのスマートウォッチを使用していても一元的に管理できる。
  • デザイン・インターフェースがシンプルで使いやすい。
  • 目標管理、グループでの共有しやすさなどモチベートが上手い。
  • シンプルで動作が安定している。
ここが△
  • 地図の情報量が相対的に少ない。
  • ログの記録ができない。
  • 動作が若干不安定(起動しない・GPSが表示されないなど)
  • 登山以外のアクティビティの記録・分析が相対的に弱い
  • 行動中の表示内容が経過時間と移動距離だけで少ない。
  • 地図は標準アプリ頼み(軌跡データは記録している)。
地図表示 MAPBOX社の地図をオフラインで表示可能(事前に毎回ダウンロードが必要)。さらに地図は「ストリート・衛星・アウトドア」などビジュアルも選べる。 国土地理院の地形図ベースの登山地図がオフラインで使用可能(ダウンロードした地図は容量の許す限り時計内に保存可能)。 地図の表示機能はこのアプリ自体にはない。
行動ログの記録・保存 行動中は時速・時刻・ゴールまでの残り高度・経過時間・地図上の軌跡などが確認できるが、終了しても記録は保存できない。※ 行動中の各種データは記録し、公開・共有が可能。 行動中の各種データは記録し、公開・共有が可能。
通知・お知らせ 設定したさまざまな条件にマッチした時に時計が通知する機能が利用可能。 特になし。 特になし。
アクティビティ履歴管理・SNS機能 行動ログの保存ができないため機能なし。 保存したアクティビティはPC・スマホ上で確認したり共有したりできる。公開範囲も個別に設定可能。有料プランでは他人の歩いた軌跡を地図上に表示させる機能などが利用可能。 保存したアクティビティはPC・スマホ上で確認したり共有したりできる。公開範囲も個別に設定可能。有料プランではより細かいデータ分析やトレーニングプランの設計なども可能。
他デバイス・アプリとの連携 特になし。 軌跡データ(GPXファイル)のインポート・エクスポートが可能。 軌跡データのインポート・エクスポートはもちろん、SuuntoやGarminなど他デバイスで記録したアクティビティも自動でアップロードすることが可能。
バッテリー消費効率

※ロケーションメモリーアプリを使用してKMLファイルをエクスポートすれば、Google Earthでは閲覧できます。

次ページ:バッテリー省エネ設定のポイントへ

バッテリー省エネ設定のポイント

バッテリーの持ちに関しては、はじめこそ減りが早い気がしましたが、いろいろと調整・工夫した結果、そこまで悪くはないのではないか、よくやっているというのが正直なところです。もちろん無計画に機能を使いまくっていたときは半日程度でみるみるうちにバッテリー切れ寸前までいってましたが、それは基本的にはどのメーカーのデバイスも現時点ではあまり変わりません。ちなみに日常使っている限りでは1~2日は持っていたので、日常利用の範囲では気にする程のことでもないというのがとりあえずの認識です。

この1ヵ月間さまざまな条件でアプリを起動させてみて(30パターンほど)、実際どんな設定が省エネに効果アリだったのか検証してみました。ハッキリと効果が見られた設定から、あまり結果がハッキリとでなかったものまでありましたので、推測込みで省エネ設定のコツとポイントをまとめてみました。

GPSのトラッキング設定を「精度優先」から「バッテリー優先」に → 効果は限定的?

この設定でアクティビティアプリまたはロケーションメモリーでのトラッキング間隔を調整できます。バッテリー優先ではトラッキング精度は多少落ちますが登山のスピードであればそこまで気にすることはないでしょう。さらにマニュアルによればアクティビティアプリ起動中は通常時よりもトラッキング間隔が狭くなるので、「バッテリー優先かつ都度ロケーションメモリーで地図を確認するのみ」が最もバッテリー消費が抑えられるはず。ただ実際のところ今回いろいろなアプリや設定パターンで試してみた限りでは、そこまでハッキリとした効果は見られずでした。

画面の明るさを「1(最低)」に → 確実に効果アリ

画面表示系の設定はバッテリー消費に対する効果は予想通りてきめんでした。節約のためには迷わず最低の「1」に設定しましょう。

「常に画面をON」を無効に設定 → 確実に効果アリ

この設定によって操作が一定時間ない場合すぐにカラー液晶表示を切ることができます。これを「有効」に設定してテストした場合、もれなく消費効率は悪かったので、これも効果があると考えてよいでしょう。

本機のウォッチフェイスの種類を「2レイヤー」に切り替え → おそらく効果アリ

この情報はカシオのサポートページ「充電・電源」Q4から。確かにこのシンプルなウォッチフェイスにしてから極端な消費効率の悪さはなくなった気がしますが、厳密に毎回効果がハッキリと出たわけではなかったため、確実とは言い切れませんでした。

OSの設定で「傾けて画面をON」を無効に設定 → おそらく効果アリ

この情報も同じくカシオのサポートページ「充電・電源」Q4から。これがあると手首を振るだけで液晶画面が表示されるので便利ではありますが、省エネのためには切った方がいいようです(効果は正直微妙でしたが)。

機内モードをONに → 確実に効果アリ

機内モードにすることでBluetoothとWi-Fi通信を切断し、勝手にバックグラウンドでスマホと時計とが通信しないようにすることで電力の節約に。通信の遮断は日常使いでは現実的でないものの、そもそも繋がりがなくて当たり前のアウトドアならばほぼ問題ありません。テストではバッテリー効率の高かったパターンの多くが機内モードであったことから、効果は確実にあると考えられます。

「毎日の位置情報を保存」をOFFに → おそらく効果アリ

この設定をOFFにすることで、何もしていないときの「GPS現在地取得および記録」動作が制限されると思われます。ただ今回のテストではすべてのケースで高い効果が見られたわけではなかったため「やらないよりはやった方がいい」程度か。

Android Wearに通知しないアプリを登録する → おそらく効果アリ

この辺は定量的に確認できませんが、スマホで設定している通知のうち、特定のアプリからの通知を制限することで、少しでも動作を減らそうという設定。

余計なアプリのアンインストール → おそらく効果アリ

これも定量的な効果は確認できませんが、一般的なAndroid端末では常識ということで、これも効果がないわけではないと思われます。

その他の快適な使い方 ~EX-FRシリーズとの連携でアウトドアでの撮影がより楽しく~

なにやらせこい話が続いてしまいましたが、WSD-F20にはもっとアウトドアでの時計の新たな可能性を拡げてくれるような楽しいな機能も。カシオのEXILIMアウトドアレコーダー EX-FRシリーズとの連携もその一つ。

今回はショルダーストラップに付けたホルダーにFR-200をセット。

WSD-F20にインストールした「EXILIM Controller」からBluetooth経由でシャッターを切りました(分かるようにあえて自分が見切れるように撮影しています)。このような全天周写真がコントローラー不要で手元の時計に映し出されたビューを見ながらピンポイント撮影できます。もちろん動画の撮影も、さらにセルフタイマーや一定間隔でシャッターを切り続けるインターバル撮影なども時計から操作可能です。ただ写真の種類は全天周写真のみということで、それ以外の超広角サイズなども選べれば良かったなと。

まとめと今後への期待

まず補足ですが、今回のバッテリーの減りやすさに関してはまだこちらで関知できないさまざまな変数が存在しているはずで、その面では正確な比較テストはできていません。例えばGPS情報はスマホから取得してる場合と時計が独自に取得している場合があるはずで、どちらで取得しているかなどまで細かく把握できないため今回のテストではその辺曖昧だったりします。その辺はもう少し様子を見て分かり次第追記していこうと思います。

今回のレビューではアプリの種類や設定の工夫次第で、使い勝手からバッテリーの持ちまで、ユーザー自身がある程度納得のいくレベルにバランス調整できるということをお伝えしました。スマートウォッチにしては母艦であるハードウェアのつくりが飛び抜けてしっかりしているこの最新PRO TREKは、こうやって細かくいじり倒すだけの価値がある、安定性とカスタマイズ性のバランスがとれた素晴らしいギアだといえます。

さらにソフトウェアが自由にチューニングができ、進化していくことができるというAndroid端末ならではの良さが存分に活かされた設計は、これからの進化にも十分期待できます。個人的にはハードの性能向上については(未だ十分とはいえないまでも)優先順位を一旦後回しにしていいので、この端末を使い続けたくなるようなアプリケーションないしサービスの充実に期待したいです。前モデルでも指摘しましたが、結局ハードの性能なんてすぐ追いつかれてしまう昨今のタフな競争環境において、ユーザーにとって選ぶポイントはそれを使っていったい何ができるか(何がしたくなるか)に尽きるわけで。そんな飛躍に期待しつつ、さらに自分好みの使い方を模索していこうかと思います。

ラインナップや主なスペック、付属品等についてはこちら(公式製品ページ)を、さらにメーカーによるお役立ち情報や最新情報などはPRO TREKのFacebookページで発信中です。

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