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どう使うかはあなた次第。シンプルデザインの「エバニュー SENDER 01」は山から街、日帰りも泊りもこなす、実はマルチなバックパック【実践レビュー】

あのエバニューから2026年、突然リリースされた新作「バックパック」。ただそれを一目見た人は、ともすればそのシンプル過ぎる見た目に何気なくスルーしてしまったかもしれません。正直、この新しいデイパック「SENDER 01」はそれくらいに「地味」なルックスであることは確かです。

ところが、いざ実際に使ってみると、重荷を背負っての一般的な登山から軽量スタイルのハイキング、さらにはクライミングや渓流釣り、そして日常使いまで、アクティビティやスタイルに応じて変幻自在にフィットしてくれる高い汎用性と底知れないポテンシャルを秘めたバックパックでした。

今回はそんな一見素朴な見た目ながら、山を歩き倒している人がデザインしたであろう細部まで考え抜かれた機能が詰め込まれた「SENDER 01」をさまざまなシーンで使用してみましたので、早速レビューしていきます。

エバニュー SENDER 01の主な特徴

エバニューのSENDER 01は、croster dragonとタッグを組み、デザイン設計されたバックパックです。メインにECOPAK社のリサイクル素材「ULTRA 200TX」が採用され、アラミド繊維を織り込むことで、圧倒的な高耐久性を実現。フレームレスであることで650gという軽量な仕様になっています。
縦に細く設計されたシルエットは、ハイキングのみならずクライミングにも最適で、アクティビティを問わずマルチに活躍します。容量は23〜30Lで、ULTRA Grid素材を用いた長めの吹き流しは、荷物の増減へ柔軟に対応。両サイドには、ボトルを縦横どちらからでも収納できるULTRA stretch素材のユニークなポケットを備え、背負ったままでのアクセスを可能になっています。
外側にはコンプレッションストラップやギアホルダー、ピッケル等を外付けできるループを9か所に配置し、自分好みのカスタムを自在に楽しめます。内部の背面側にはPCや小物を整理できる3つのオープンポケットを用意。ショルダーハーネスには幅広で圧力を分散する設計と、ヘタリにくいPORONフォームを採用し、長時間の行動でも極めて快適な背負い心地をキープします。

お気に入りポイント

気になったポイント

主なスペックと評価

アイテム名エバニュー SENDER 01
サイズ幅230mm × 奥行170mm × 高さ:480mm(+吹き流し:350mm)
容量23~30L
質量650g
素材
  • 本体メイン:ULTRA 200TX
  • 吹き流し:ULTRA Grid
  • サイドポケット:ULTRA strech
  • ショルダーパッド:熱可塑性エラストマービーズ発泡体
推奨荷重非公開
背面長450mm
背面幅230mm
機能
  • ボトルを縦でも横でも収容できる左右サイドポケット
  • 容量の拡張が可能な吹き流し
  • コンプレッションストラップなど取付可能な9箇所のループ
  • 内部に3つのオープンポケット
  • 取り外し可能なヒップベルト
  • 故障が少ないAustrialpin社製アルミバックル
Outdoor Gearzine評価
快適性★★★★☆
安定性★★★★☆
収納性★★★★☆
機能性★★★☆☆
重量★★★★☆
耐久性★★★★★
汎用性・拡張性★★★★★
適したアクティビティ
  • 軽量化を重視した登山・ハイキング
  • 沢登り、渓流釣り
  • クライミング

詳細レビュー

幅広のショルダーハーネスによる荷重分散で快適な背負い心地

SENDER 01に装備をパッキングし、フィールドに出てみてまず驚いたのは、想像以上に背負い心地がよかったことです。腰荷重で背負う構造ではないSENDER 01は、背負った時の負担が肩にかかりますが、ショルダーハーネスの幅が広めに設計されているため、肩に加わる負担を面で分散させ、痛みを軽減してくれました。

幅広に設計されたショルダーハーネス

このショルダーハーネスは、単に幅広なだけではありません。なで肩の多い日本人の体形に合わせて取付角度が緻密に調整されており、肩のラインに対してストラップがフラットに接地するため、痛みを防いでくれます。
内蔵パッドの厚み自体は最小限なので、ダイレクトに荷重はかかりますが、そのぶん「幅」を持たせることで見事に圧力を分散させています。自分ももれなくなで肩ですが、SENDER 01のショルダーストラップは驚くほどフィッティングが良く、相性抜群でした。

さらに左右のショルダーハーネスをチェストストラップで繋ぐことでバランスよく荷重がかかるようになり、さらにロードリフターがバックパックを体に密着させてくれることで、体感的な重さを和らげてくれます。
幅広のショルダーハーネスであっても、長時間背負い続けることによる肩の痛みはゼロではありません。しかし、フィールドでのテストでは装備に加え、食料と飲料水、撮影機材合わせて11kgを6時間ほど背負いましたが、これまで背負ってきたULバックパックのように苦痛に思えるほどの痛みは感じませんでした。

取り外し可能なウエストベルトは荷重を載せることはできませんが、行動中の揺れによるバックパックのブレを抑えてくれる効果があり、体の動きに追従してくれました。

チェストストラップにロードリフター

気になった点としてはバックパックと接地する背中に汗を排出する構造になっておらず、背中がメッシュ構造になっているバックパックと比べ、通気することができないSENDER 01は汗だまりができやすいことです。シンプル化されていることで軽量さを得ている分、快適さを犠牲にしているため、夏場の大汗が予想されるような山行では汎用パッドを取り付けるなど必要に応じて対策が必要です。

SENDER 01はフレームレス構造のため、綺麗に背負うにはパッキングに少しコツが必要です。背面部には最低限の保形性を保つための極薄プラスチックプレートが内蔵されていますが、これ単体では荷重を支えるフレームとしては心もとないのが正直なところ。
そのため、パッキング時にスリーピングマットを筒状に広げてフレーム代わりにしたり、背面にフォームパッドを挿入したりして「疑似フレーム」を作るのが基本です。これにより背負った際の安定感が向上するため、荷物が重くなるシーンでは必ず実践したいテクニックです。

細型なため動きの邪魔にならない

SENDER 01はスタイリッシュな細型のフォルムもメリットがあります。横幅が抑えられているため、岩場や藪漕ぎ(やぶこぎ)のシーンでも引っかかりにくく、腕を上下したり、足運びや上半身のひねりといった大きな動きを一切妨げません。身体と一体化するような追従性があり、テクニカルなフィールドでもアクティブに行動できます。

一般的なハイキングや登山では気にならないバックパックのフォルムですが、岩稜帯や狭小エリアを歩くときは思った以上に引っかかったりすることもあるため、細型のSENDER 01は渓流釣りで藪漕ぎが日常だったり、アルプスの岩稜帯を歩くことが多い自分にっては非常に使いやすいバックパックでした。

控えめなサイドポケット。容量は少ないが思いのほか便利に使える形状

サイドポケットの設計は非常にユニーク。500mlのボトルを縦横・どちらでも入れられる形状になっています。縦置きにすれば空いたスペースに別の道具を追加できますし、横置きにすればバックパックを背負ったままでも劇的にボトルが取り出しやすくなります。
高ストレッチな生地が採用されているものの、ポケット自体のサイズはやや小ぶりなため、大容量の収納力があるわけではありません。しかし、そのタイトさが絶妙です。ハイキングではボトルやトレッキングポールがしっかりとホールドされ、渓流釣りではチェーンスパイクなど「今すぐ使いたいアイテム」を素早く出し入れするのに重宝しました。

横にも入る形状のポケットは取り出しやすい

長い吹き流しで日帰りから泊まりまで対応できる拡張性の高さ

SENDER 01は極限まで無駄を排除した筒形のシンプルなバックパックですが、山行の規模や訪れる場所に対応できるだけの拡張性はしっかりと備えています。

容量が23〜30Lですが、35cmの吹き流しが用意されており、食料の増減に柔軟に対応することができます。この吹き流しがあるおかげで、UL装備であれば日帰りはもちろん、1泊以上の山行にも対応することが可能です。長い吹き流しを覆うように用意されているトップベルトはSENDER 01のアクセントにもなっているクライミングギアメーカーのAustrialpin社のバックルが使用されていて、このアルミバックルは故障などトラブルとは無縁なクラシカルな構造です。、しなやかな素材で幅広なベルトで、スリーピングマットなどをくくりつけた際も安定しやすく、ベルトの長さに余裕があるため、容量が足りないときに拡張する際に活躍してくれました。

故障の少ないクラシカルなバックル。幅広ベルトは安定して固定できる

一方で、気になったのはメインコンパートメントへのアクセスのしにくさです。
吹き流し(開口部)の形状が上に向かって広がっているわけではないため、パッキング時や奥の荷物を取り出す際に、やや窮屈さを感じました。出入り口がテーパー状(逆ハの字)に少しでも広がっていれば扱いやすいのですが、SENDER 01はボトムからトップまで均一なストレート構造になっています。
とはいえ、入り口を広げるということは、それだけ使用する生地の量が増えて重量増に繋がります。あえてここを寸胴な形状にとどめているのは、無駄な重量を削ぎ落とすための「最低限の割り切り」によるものだと推測できます。

吹き流しの長いメインコンパートメントや荷物の増減には柔軟に対応するがやや取り出しにくさはある

バックパックの外側に設けられたループはカスタムしやすい

さらに、バックパックの正面パネルに4つ、サイドパネルに各2つ、計8つのループが配置されています。これらのループにベルトやバンジーコードを組み合わせることで、自分好みにカスタムして必要な機能を追加できます。

各所に全部で8つ設けられたループと下部のデイジーチェーン。このループがバックパックのポテンシャルを最大まで引き上げてくれる

バンジーコードを通せば、行動着やレインウェアを外部に固定できますし、サイドと正面のループを連携させてバックパック全体をコンプレッション(圧縮)したり、テントポールやストックをホールドしたりするのにも便利です。
また、バックパック下部に配置されているデイジーチェーンを使えば、ピッケルやアイスアックスなどのアタッチメントとしても活用できます。

バックパック内部にあるポケットで日常使いにも◯

バックパックの内部(背面側)には、PCスリーブを含めた計3つのポケットが配置されています。ルックス自体が非常にクラシカルでシンプルなため、アウトドア特有のギア感が強すぎず、日常使いにも違和感なく馴染んでくれます。

前述の通り、メインコンパートメントからの荷物の出し入れには多少の手間がかかりますが、そこはアクセス性の高いサイドポケットを活用すればカバー可能。何より、ショルダーハーネスに余計な装飾や機能が一切ないため、普段着のスタイリングを邪魔しません。

背面に用意されたポケットはパソコンと小物を入れておける

近年の登山用バックパックはショルダーハーネスにスマホ用のメッシュポケットなどが標準装備されているケースが多いですが、街中ではオーバースペックでデザイン的にも浮いてしまいがちです。この「あえて削ぎ落とされたシンプルさ」があるからこそ、フィールドから都市部までシームレスに使い回せる万能な相棒になってくれます。

高耐久なULTRA 200TX採用で藪漕ぎも岩稜帯もOK。サイドポケットにも耐摩耗性の高い素材を採用

本体素材には高耐久な「ULTRA 200TX」が採用されています。超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を使用した非常に強度の高いこの素材のおかげで、鋭い枝が突き出すタフな藪漕ぎ(やぶこぎ)や、擦れが気になるハードな岩稜帯(がんりょうたい)でも、破れを気ににすることなくガシガシ使い倒せました。このタフさがありながら、本体重量は650gで、バックパックとしての軽さを追求しているところも大きな魅力です。

渓流でも気兼ねなく使える耐久性はGood

サイドポケットも摩耗に強いULTRA strechを使用しており、本体素材と同様にバックパックの損傷を気にすることなく行動することができました。

まとめ:山でも街にも溶け込む万能バックパック!シンプルだけどアイデアしたいで使い方は無限大に広がる

デザインがシンプルであるということは、便利な機能すらを削ぎ落としているようにも思えます。しかしその反面、使う場所を選ばず、これひとつあれば本格的な山行から渓流釣り、クライミングまで、日帰りでも泊まりでもマルチに活躍してくれます。もちろん普段使いもこなせるデザインであるため、一つのバックパックで街と山を行き来するような使い方をしたい人にとっておすすめできるバックパックでした。
多機能なバックパックの便利さも重々理解していますが、SENDER 01のように自分好みに使いやすくアレンジし、育てていくようなバックパックは、一度ハマれば人一倍の愛着が湧くバックパックです。

執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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