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ウィンドシェル?ソフトシェル?まったく新しい防風ジャケットが登場
冷たい風よけのために軽く羽織るジャケット、いわゆるウィンドシェルを着ることは昔からよくありました。
ただ軽量・コンパクトで着やすくはあるものの、基本的にはゴワっとした着心地でシャカシャカ音がする。そして汗を大量にかきはじめると衣服内の蒸れがどうしても気になります。そういうものだと割り切ってはいたものの、結果的にその種のジャケットが活躍する場面は寒い冬などに限られ、さらにレインウェアなども超軽量になってきていたこともあって、自分の中ではいつしか出番が減ってきていたのが現状でした。
しかし、この春Mountain Hardwearから発売されたコアプレシェルフーディー(Kor Preshell Hoody)は、そんなイメージを見事に覆すほどの衝撃を与えてくれました。ウィンドシェルのように軽量で風を防ぐジャケットにもかかわらず、ソフトシェルのように驚くほど動きやすく、快適で蒸れにくい。走りはじめから、登りの発汗時、そして強風時など、トレイルランニングでのあらゆるシーンで通して着続けられる。ウィンドシェルなのか、ソフトシェルなのか、そんなカテゴリ分けをまったく不要にする新しいタイプのシェルです。もはや手放せなくなったこの一着を早速実際に着用してみたレビューをお届けします。
コアプレシェルフーディーの大まかな特徴
コアプレシェルフーディーはこの春Mountain Hardwear からリリースされた、ウィンドシェルとソフトシェルの特徴をミックスした新しいタイプのマウンテンシェルです。生地には20デニールの極細糸を高密度に編み込んだ、しなやかでストレッチ性のあるPERTEXのQuantum Airを使用し、活動時にも自然な着心地を実現。防風性と通気性のバランスを高め、ランニングをはじめとする負荷の高いアクティビティで常に快適な状態を保ってくれます。ロッククライミングなどにも耐えうる丈夫さも兼ね備え、幅広いシーンで活躍してくれます。
おすすめポイント
- しなやかな肌触りとふわっと軽い着心地
- 風を防ぎながら同時に通気性もあって衣服内は常に快適
- 適度なストレッチで、動いてもストレスなし
主なスペックと評価
項目 | スペック・評価 |
---|---|
公式重量 | 140g(Mサイズ) |
実測重量 | 123g(Sサイズ実測) |
素材 | PERTEX QuantumAir TM 20D ストレッチリップストッ プ |
ポケット | ・両腰(ジップ仕様) ・右腰内側(パッカブル用) |
快適性 | ★★★★★ |
機動性 | ★★★★☆ |
機能性 | ★★★☆☆ |
重量 | ★★★★☆ |
汎用性 | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★★★ |
アイテム外観
詳細レビュー
軽量・防風・通気・耐水・ストレッチ・耐久性をバランスよく備えた生地
このジャケットに採用されているPERTEXのQUANTUM AIRは、短時間で高負荷の活動に必要な要素を、高い次元でバランスよく備えているのが特徴。光が透過してくるほどの薄い生地は、軽量でなおかつ高い通気性を実現。20デニール以下の糸を高密度で編み込むことにより、防風性と耐久性を備えます。
DWR(耐久撥水)加工されているので、多少の雨や雪では問題なく使用できます。
絶妙に効いたストレッチは、バタつきを押さえたタイトなシルエットにもかかわらず動きが妨げられることはありません。
着ていることを気にさせない軽さ
公式重量は、140g(Mサイズ)となっています。実際に計量したところ、123g(Sサイズ)でした。
必要十分なポケット
ポケットは合計3つ。両腰にファスナー式のハンドポケットが1つづつ。ファスナーにはYKKのコンシールファスナーを使用し、見た目のスマートさに寄与しています。
右内側にはパッカブル用の内ポケットがあり、そこに本体を仕舞えば手のひらサイズに収まります。
内ポケットに収納すると、手のひら大のサイズに。最近のウィンドシェルのなかでは小さい方ではないかもしれませんが、パックに入れておくには十分の小ささです。ループもあるので、カラビナなどで留めておくこともできます。
フィット感と防風性を配慮した袖やフード
フードは顔にピッタリとフィットし、風の侵入を防いでいでくれます。ドローコードなどの絞りはなく、一部にゴムを仕様することにより、伸縮性を持たせています。あごの部分にはチンガードが付いているので、ファスナーが顔に当たることはありません。
袖口はややタイトですが、ゴムが入っているのと、生地自体のストレッチのおかげで気にならず、風の侵入も防いでくれます。
実際使ってみたインプレッション
まず袖に腕を通した瞬間、その軽さとしなやかさに驚かされます。これまでウィンドシェルを着る機会は多かったのですが、生地自体の防風性を高める加工などによって、袖通りがよくなかったり、汗でベトついて腕振りが突っ張るなどストレスになっていました。しかしコアプレシェルフーディーは袖を通した時の滑りはとてもよく、スーッと腕が通っていく感じ。軽量なソフトシェルに近い感覚です。体験してみないと分からないと思いますが、自分がこれまで見てきた中でも飛び抜けて気持ちのよいものでした。
全体的にタイトな作りですが、生地全体がよく伸びるので、腕を振ったり体をひねったりという動作で突っ張ることもなく、ストレスなく着られます。私は173cmですが、Sサイズがピッタリでした。しかしタイトフィットなので、少しルーズに着たい方はMサイズくらいがちょうど良さそうです。また走っている際の腕振りなどでよくあるシャカシャカ音もなく、しっかりと走りに集中できます。
高い防風性があるにもかかわらず、汗抜け感は抜群。今のような季節、防風性が高すぎるウィンドシェルだと、肌寒さを感じた時に着て動き出すと、すぐに蒸れて脱ぎたくなってしまいます。しかし生地に使用されているQuantum Airは20Dの糸を高密度に編み込んだ素材であるため、適度に湿気を逃がしてくれとても快適です。坂路などではフロントジッパーを下げて湿気を逃すくらいの調節で足りてしまいます。裏生地も凹凸がありべとつきません。
その分、本格的なウィンドシェルに比べると、糸を高密度に編み込んでいるとはいえ強風が吹くシーンではやや防風性は劣る印象です。撥水は程よく、当然長時間雨に打たれていると染みてきますが、小雨ほどでは問題なく弾きます。
実測重量はSサイズで123gと、軽量ウィンドシェルと比較してしまうと、軽い!とまではいきません。しかし、丈夫でしなやかな生地、抜群の汗抜けやストレッチ性を考えると、ただ軽いナイロン製のウィンドシェルと比べると、とても価値のある数10gとなるでしょう。
まとめ:こんな人におすすめ
軽くてしなやか、ストレッチがきいて動きやすい、さらに風を防ぐいで汗抜けも良いという、ウィンドシェルとソフトシェルのいいところを融合したような、まったく新しいジャケットは、自分のようなトレイルランナーには手放せない一着となりそうです。もちろんランニングだけでなく、スピードハイキング、自転車、クライミングなどストップ&ゴーを繰り返す高負荷で発汗量の多いアクティビティには最もパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。夏でも標高が高くなり風が吹く山では十分使えるし、使い方はあなた次第。非常に汎用性の高いジャケットです。カラーバリエーションが多いのも尚良し。
この新感覚のウィンドシェル、一度袖を通したら病みつきになりますよ。ぜひ試してみてください。