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Review:Mountain Hardwear チョックストンフーディー どんなシーンでも使える万能ソフトシェル
「ソフトシェル」普段よく登山へ行く人であれば、他のウェアで代用できるし中途半端だから使わないよ!なんて人も多くいるかと思います。確かに防水ではないし、保温力も高くなく、いつ使うウェアなのかピンとこないかもしれません。しかし、ストレッチが効いて動きやすく、浸透性が高い。そして撥水性もあり防風と、個々の性能は突出しているわけではありませんが、全体のバランスが良い万能ウェアです。
春・秋、冬の低山や、夏の高山では、そこまで性能の高いウェアはいらないかもしれません。そんな時にソフトシェルを着れば、家から登山口、さらに登り始めても透湿性も高いので、大雨が降らない限りずっと着られるでしょう。
そんなソフトシェルの中でも、特に軽量・透湿性・耐久性の高いMountain Hardwear チョックストンフーディーはソフトシェルの良さを存分に体感できる作りになっています。ソフトシェルってどうなの?なんて思ってる人はこのレビューを読んでみてください!ソフトシェルの魅力に気づくはずです。
目次
チョックストンフーディーの大まかな特徴
Mountain Hardwear のチョックストンフーディーは軽量で防風性と通気性を併せ持つ、汎用性の高いソフトシェルジャケットです。生地にはMontain Hardwear独自の撥水加工されたソフトシェル用生地を採用し、耐候性・耐久性・ストレッチ性を両立させています。上半身をダイナミックに使うクライミングや、肌寒い時のアウター、悪天候時のミッドレイヤーにと様々な使い道があるので、登山では年間を通して使用できる心強い味方になってくれます。
おすすめポイント
- 二重織の生地で高い耐久性
- 動きを妨げないストレッチ性
- 軽量でパッカブル
気になったポイント
- 冬が深まる頃には物足りなくなる保温性
主なスペックと評価
項目 | スペック・評価 |
---|---|
公式重量 | 392g(Mサイズ) |
実測重量 | 374g(Sサイズ実測) |
素材 | Chockstone™ 76D x 70D Double Weave Softshell |
ポケット | ・左胸ジップポケット(内側メッシュ仕様) ・両腰ハンドポケット(右ポケットがパッカブル仕様用) |
快適性 | ★★★★☆ |
機動性 | ★★★★★ |
機能性 | ★★★☆☆ |
重量 | ★★★★☆ |
汎用性 | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★★☆ |
アイテム外観
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フロント
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バック
詳細レビュー
無雪期全般にちょうどいい、絶妙なボリューム感と快適さ
ジャケットの生地はMountain Hardwear 独自の二重織り生地、Chockstone™ 76D x 70D Double Weave を採用。裏地は起毛はサラッとした肌触り。微妙な凹凸があるので汗をかいてもある程度ベトつきを抑えてくれます。
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裏地は過度な起毛もなく、厳冬期以外幅広く対応しそう。
フィッティングは、緩すぎずタイトすぎずといった感じ。ベースレイヤーやミッドレイヤーの上からも着られ、フィット感は非常に高いです。
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絶妙なフィット感はアウターとしてもミドルレイヤーとしてもちょうどいい。
生地自体がとてもしなやかで、ストレッチはどの方向にも十分きくので、どんな動きに対してもツッパリ感は感じずストレスなく軽快です。
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耐候性・保温性を備えつつ、伸縮の良さも抜群。
表面にはDWR(耐久撥水)加工がされているので、少々の雨や雪は問題ありません。UPF50+加工もされているので、高山や雪山での使用でも安心です。
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表地にはDWR加工が施されており、ちょっとした小雨ならば心配はない。
携帯にも便利な軽量性
公式重量は、392g(Mサイズ)、実測値は378g(Sサイズ)と、ソフトシェルとしては軽量で着心地もとても軽快です。
ポケットは両腰にファスナー式のハンドポケットが1つづつ、左胸に1つの合計3つ。全てのポケットがメッシュ仕様となっているので、ファスナーを開けておけばベンチレーションの役割も果たしてくれます。腰の2つのポケットは、ハーネスなどが干渉しないように少し高めの位置に付いています。
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ポケットは全部で3つ。ジッパーの滑りもよく、使い勝手は悪くない。
右腰のポケットはパッカブル仕様となっていて、ソフトシェルとは思えないほどのコンパクトさになり、携帯性が高まります。
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ポケッタブルになっているので、ちょっとパックの外側に忍ばせるなんてことも簡単。
軽さとフィット感を両立したフード・袖・裾
フードはドローコードなどフィットを調整する機能はありませんが、ゴムで伸縮性を高めているので、フィット感は高いです。あご部分内側にはマイクロフリースが配置してあるので、肌あたりは良好です。また袖口も手の甲側にのみゴムを使用していますが、手のひら側も生地自体のストレッチのおかげで適当なフィット感です。脱ぎ着の際もストレスを感じさせません。
裾にもドローコードなどのアジャスターはなく、フード・袖と同様にゴムでフィットさせています。
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フードや袖・裾の調節はゴム式で、最小限の作りになっている。
袖の手のひら裏側は、生地を二重にしてあります。ここはクライミングでの使用を考え、耐久性を高めているのでしょう。
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クライミングを意識したつくりはブランドを通していえる特徴だ。
実際使ってみたインプレッション
着心地はコットンのようにしなやかで軽め。比較的薄手の生地を使用しているのと、動きやすさ重視の設計のおかげでしょう。フィット感は比較的ゆったり目。私は173cmでSサイズを着用しましたが、下に薄手のフリースやセーターを着ても余裕のあるサイズ感です。しかし、どこか生地が余って風でバタつくほどルーズな訳でもなく、ちょうど良いフィット感です。それとともに、どの方向にも伸縮するストレッチ性のおかげで、どんな動きをしても窮屈さを感じません。この辺りは本当によくできています。
このフィット感のおかげで、上にレインシェル・ハードシェルを着ても全く邪魔にはならず、アウターとしてだけでなく、ミッドレイヤーとしての役割も十分果たしてくれます。保温性はそこまで高くないので、冬の登山は厳しいですがかなり汎用性は高そうです。
生地の裏は凹凸があり肌触りがとてもよく、汗をかいてもベトベトすることはありません。通気性も程よくあるので、ハイキングやトレッキングなどでは脱ぎ着する必要がなく常に快適に着続けることができました。通気性は良いですが、防風性も高いので強風でない限り問題はありません。
フードのフィットもよくできています。ドローコードなどはないので調整はできないですが、フィット感は高いです。フードというよりも、バラクラバの様な感覚。この様にフィット感は高いのですが、しっかりストレッチがきくおかげで、フードを脱ぐ時ファスナーを下げなくても無理なく脱げます。ここはポイント高めです。
重量は378gとソフトシェルでは軽量な分類に入ります。その分生地は生地ですが、ナイロン糸を高密度に編み込んでいるので耐久性も高く、枝やイバラなどに引っ掛かっても破れることはありませんでした。
まとめ:こんな人におすすめ
春夏の登山、夏の高山、そしてハードシェルと組み合わせて冬も使える。と、全てのシーズンで使える汎用性が高いジャケット。登山やハイキングなど、比較的活動量が抑えられたアクティビティーで防風性・通気性のバランスが生かされ、通年使用できます。軽量でパッカブルでもあるので、気軽にリュックに入れて持っていけますが、それ以上の価値があるでしょう。
ここまで高性能ですが、値段がお手頃なので、コストパフォーマンスも非常に高いです。いろんな場面で着回せるジャケットが欲しい!という人にはうってつけの一着。ぜひ普段の装備に加えてみて下さい。後悔はしないはずですよ。