毎シーズン新機能追加とアップデートされるワークマンウェア。
カタログにもランニングシーンのカット写真が多く使われているので期待も膨らんでしまいます。増税後もコスパ最高で練習用なら問題なしですが、今回はレースでも使えるレベルにあるのかどうかも含めて、秋冬モデルをランナーの視点から厳しくテストしてみました。
目次
ワークマンのトレラン向けウェアレビュー
1275 MOVE FLASH(ムーブフラッシュ)ブロックフリースハイネック (ランニングオススメ度★★★★☆) 980円
保温調湿性◯ 吸汗速乾性◯ 伸縮性◎ 肌触り◎ 通気性◯ 撥水性× 耐風性×
メーカーポイント
- 裏地のブロックフリースの保温性は高い
- 両肩の反射プリント
ブロックフリースの恩恵を格安で体感できるベースレイヤー。自分は3シーズン前のワークマンブロックフリースをいまでも愛用しています。
比較するとより寒さに強くなった印象があります。例えば脇下のメッシュ素材がなくなりました。またブロック目が大きくなり肌に接する部分が増えました。
トレランで使用するには重め270g(旧型ブロックフリースモデル230g)。動きやすさはルーズな作りの旧型より好印象でレイヤリングもしやすいです。地味に進化したフラットステッチにより擦れる心配がなくなり着心地が良くなっています。厚手生地の保温性を活かすには8℃以下の環境下のほうが扱いやいから冬トレイル向きといえます。吸汗速乾性は普通レベルですが13℃の小春日和の街ランでも十分に使用できました。本当に重宝するオススメの1着なのです。
オールワークマンとはいきませんがアンダーにドライウェアを着用すると汗戻りは軽減されより快適でした。ここからはアンバサダーとして期待をこめてズラズラと…。幅広い季節で使いたいからジッパーモデルとブロックサイズを数通り用意したラインナップがあれば最高のベースレイヤーになりそう。トレランであればハイネックのクローズタイプで全開ランを決めこむと熱発散が間に合わないときもありました。それと反射テープは身頃下部にあればザックで削れたり見えないことがなくなりそう。と今後にも期待できる1着がMOVE FLASHでした。
11583 ライジングトレイルタイツ (アウトドアオススメ度★★☆☆☆) 980円
保温調湿性◯ 吸汗速乾性△ 伸縮性△ 肌触り◯ 通気性△ 撥水性× 耐風性×
メーカーポイント
- 裏毛のピーチ起毛の保温性は高い
- 筋肉の揺れを軽減するサポート
冬場のトレランで悩ましいのがパンツ類のレイヤリング。特にタイツ系は着脱が不便で体温調整がむずかしい。だから最近はレッグカバーをチョイスするひとも多い。それでも本当に寒い時期ならタイツをチョイスしたい。自分はレースでファイントラックのタイツを愛用しているが練習中に破いてしまった経験があります。それから練習ではコスパの良い製品ばかり使用しています。アウトドアメーカーのハイスペック製品には機能面で敵わないものの、冬場のトレランを気軽に楽しめるのかどうか。
裏毛のピーチ起毛。ワークマン製品の冬モデルでは多く採用されてるポカポカ素材。ただ、残念ながらトレランにはあまり向いていませんでした。まず温かすぎる(1)。山での寒暖差に対応できないのがネック。常に10℃以下で日が差さない天候であれば問題ありません。次に、起毛とコンプレッションにより肌滑りがわるくツッパリ感があります(2)。そしてムレやすい(3)。またウエストのゴム幅が広い(4)。さらにピーチ起毛は濡れてしまうと乾きが遅い(5)。これなら寒くても春夏モデルのMOVE ACTIVEレギンスを選択したい。
おっと、これではコスパ最強ワークマンのレイヤリング計画が頓挫してしまう(泣)うん、そうだ、こうなれば裏返しで履いてみよう。すると、なんと(1)(2)(3)の弱点を克服してしまったではないか。まさしく裏技(笑)。これであれば動きやすさは標準的で問題なく春夏モデルより温かいし走りやすい。ただファイントラック スキンメッシュのようなドライレイヤーと組みあわせてみましたが、吸汗速乾性の改善効果はなかった。裏技は正しい使用法ではないが道具は使い切ってこそ価値がある。気になる方は是非お試しあれ。
2092 MOVE ACTIVE WIND フーディ (アウトドアオススメ度★★★☆☆) 980円
保温調湿性◯ 吸汗速乾性◯ 伸縮性× 肌触り◯ 通気性◯ 撥水性× 耐風性◎
メーカーポイント
- 軽量でも冷気を通しにくい高密度生地
- カードや小銭入れに便利な左胸ファスナーポケット
冬トレランのレイヤリングにこだわるからこそ選択できた夏秋モデル。
ベースレイヤーをMOVE FLASHにしたことで、適当なミッドシェルに悩まされました。正直、一般的な秋冬モデルでは保温性がオーバースペックなのです。ウインタートレイルを走破するにはコンパクトで軽量なギア選択もポイントなのですが、これがなんと155g。十分な軽さです。肌触りは一般的な基準でいえばソフトな方、伸縮性はないが腕振りしやすいシルエットが秀逸。長時間の着用でもストレスを感じませんでした。
高密度な生地は程よい通気性を備えているから耐風性と調湿性に優れている。これがベースレイヤーとベストマッチ。ワークマンでもできた本気のレイヤリングに満足でした。
気になった点はポケット類。(1)胸ポケのサイズが少し小さい。今どきの大型スマホは納まりません。(2)両サイドのポケットにもジッパーがほしい。できればポケッタブルモデル。
ワークマン商品は在庫がなくなれば再販なし。今回のテスト商品は12月に仕入れましたが店舗に在庫あったらラッキーです。ただ走りやすさを少し我慢できればワークマンの高撥水マウンテンパーカーでも代用可能です。
まとめ
短期間で完成度をあげてきたワークマンウェアは期待できる要素が盛りだくさん。今後も目が離せないのは間違いない。もっとも感心したのは縫製技術の向上だった。着心地の改善は細かいところの仕上げに関わっていると感じました。まだまだレースで積極的に使用したいモノではないが昨年までのレベルからは脱しているのは間違いない。ランニングシリーズではこれからアウターシエルも考察するので、お楽しみに!