これまで4回にわたり、世界初の8K・360度全景ドローン「Antigravity A1」の直感的なモーションコントロール操作、持ち運びの容易さ、山岳エリアでの安全運用テクニック、そして自動撮影機能の検証を行ってきました。
第5回目となる今回はこの秋、新たに登場した Antigravity A1 の追加オプション・コントローラーキット「Follow Me Kit」を一足早く実践で試してきたので、その模様をお伝えします。それは端的にいって、これまで見てきたどんなドローン撮影よりも未来を感じさせる、驚きの革新的なコントローラーでした。
ついにプロポだけでなくゴーグルからも解放された操作で、山岳自撮り空撮が捗りまくる
従来の Antigravity A1 は頭部に装着する「Visionゴーグル」と手元に握る「モーションコントローラー」を組み合わせて操縦することで、まるで鳥になったかのような圧倒的な没入フライト体験での空撮を実現していました。360度カメラによる撮影負担の軽減や自動追尾による簡単な自撮り撮影など、その直感的な操作性の高さはまさに感動モノでした。
しかし一方で、例えばソロ登山の途中で自分自身を被写体として自撮り空撮を行いたいと思った場合、被写体である自分はゴーグルを装着していると視界が完全に遮られるのでそもそも行動ができなかったり、手に持ったモーションコントローラーがわずらわしさかったりと、非常にもどかしさを感じていたことも事実で、そう思っていたのは自分だけではないはずです。特に個人的に最も楽しみにしていたのがスキー滑走の自撮りでしたが、このままではどうやってスキー滑走シーンを自撮りすることができるのだろうかと悩んでいたところでした。
今回新たに開発された「Follow Me Kit」は、まさにこれらの課題を解消するために開発された新しい自撮り撮影用コントローラーです。
簡単に言うと、このキットがあれば Visionゴーグルや大型のモーションコントローラーを使用せず、スマートウォッチ型の「ウォッチリモコン」と指先に装着する「リングリモコン」という2つのウェアラブルデバイスによってドローンを制御することができます。これにより、視界を一切塞がれることなく、目の前の絶景や歩行中の安全に意識を向けたまま、自然なスタイルの自撮り空撮が可能となりました。
新オプション「Follow Me Kit」とは? ~このキットで何ができるのか?~
このキットで実現できること
はじめにはっきりとさせておきたいのは、「Follow Me Kit」であらゆるドローン操作が手首と指先で操作できるようになるわけではないこと。このキットの最大の価値は、「ほぼ手ぶらの状態で行動しながらダイナミックな自撮り空撮が完結できる」という点にあります。
両手を巨大な送信機で塞がれることがなく、手首に装着した画面でリアルタイムの構図を確認し、指先のリング操作でドローンへ直感的に位置調整の指示を出すことができます。トレイルを歩いたり、岩場を登ったり、そして斜面を滑降したりといったアクティビティをそのまま継続しながら、高精度の自動追尾撮影(ディープトラック)を実行できるのが大きな特徴です。
主なパッケージ構成と各デバイスの役割
キットは主に以下のパーツで構成されています。※セット内容にもよりますが、キット自体に機体本体は含まれていません。
ウォッチリモコン
カラータッチスクリーンを備えた腕時計型コントローラー。ドローンからのリアルタイム映像(ライブビュー)を表示し、被写体のロックオン、追尾モードの選択、各種設定、離着陸操作などを手元で操作可能にします。
リングリモコン
指に巻いて装着するタイプの超小型ウェアラブルデバイス。ボタンや手のジェスチャー運動を感知して「Drag to Fly(ドラッグして飛行)」機能による直感的な自撮りポジション調整を可能にします。
レンズ保護カバー & フルカバープロペラガード
機体全体を強固に保護する全周型ガード。木々の枝や狭い岩壁が迫る山岳フィールドにおいて、機体と周囲の安全を確保します。
両デバイスは出荷時点でペアリング設定が完了しており、電源を入れるだけでドローン本体とスムーズに接続されます。目を一切塞がないオープンなスタイルにより、周囲のハイカーへの配慮や足元の安全確保が極めて容易になりました。
クロスボディバッグ
フルカバープロペラガードとウォッチリモコン、リングリモコン、レンズガード付きの本体、さらには予備バッテリーなどがすっぽりと収まるボディバッグ。ベルトの取り外しが可能であれば最高でしたが、このまま登山用のバックパックに収納するのにもちょうどいい細長い直方体フォルムはなかなかいい感じです。
驚きの重量とコンパクトさ
前回までのレビューでも触れましたが、高性能ドローンにもかかわらずかなり軽くてコンパクト。1Lのナルゲンボトル大、片手に乗るほどの大きさです。
しかもVisionゴーグルとグリップコントローラーを持っていかず、「本体・バッテリー・プロペラガード・ウォッチ・リングリモコン」というほぼ最小キットでいけば重さはなんと約400gちょっとという驚きの軽さで、下手したら一眼レフカメラを持っていくよりも手軽です。これなら登山の邪魔にはなりません。
「Follow Me Kit」を実際に山で装着して自動追尾「ディープトラック」してみた
新しいコントローラーを開封したら、例によってまずは各デバイスを充電し、ドローン本体とペアリング、そしてスマホアプリともペアリングして、すべてのデバイスのファームウェアを最新版にアップデートしておきます。すべての準備が整ったらいよいよ実践試用すべく、ホームグラウンドである紅葉真っ盛りの巻機山へと向かいました。
ウォッチ画面での基本的な操作(セッティングから基本追尾・直感コントロールまで)
「Follow Me Kit」にある2つのコントローラーは、下の写真のように左右どちらかの同じ手に装着します。
「フルカバープロペラガード」は4つのプロペラそれぞれにしっかりと固定します。
必ず装着しなければならない訳ではありませんが、自動追尾での撮影では、特に登山の場合、着陸場所が常に凸凹のないフラットな場所とは限りませんので、できる限り装着して飛行することがおすすめです。
1:起動からドローンとの接続まで
まずはリングリモコンは使わず、ウォッチリモコンのみを使って自動追尾機能「ディープトラック」の開始、およびウォッチの画面タッチによるドローンの操作について試してみます。
ドローンの電源を入れた後、ウォッチリモコンの電源ボタンを長押しして起動します。もちろんこの時、これまで使用していた Visionゴーグルやコントローラーは不要です。
ウォッチ画面を覗くと、そこには大きく「CONNECT」の文字が。タップするとあっさりとペアリングが完了しました。するとウォッチが振動し、手元にはドローンのカメラから見えているクリアなライブビューが表示されます。
2:ターゲット選択と追尾開始
ウォッチ画面右下の緑色の離陸ボタンを長押しすると、「3,2,1」という音声カウントダウンの後に、ドローンが高度1.2mの高さまで上昇(離陸)、安定ホバリングを開始します。
その後、自分がカメラの前に立つと、ライブビュー上で、AI が自動検出した被写体(自分自身)に白い枠が現れるので、それをタップします。枠が緑色に変化すればロックオン完了です。
ロックオンが完了して画面中央の「Start」ボタンをタップすると「ディープトラック」が有効化され、被写体をフレーム中央に収めたまま自動追尾が始まります。
ディープトラックで追尾する際は、ドローンのポジションをウォッチ上で調節することができます。設定画面では「前後左右8方角」と「遠近」、「高低」を細かく設定することができます。
下の動画では、実際にウォッチリモコンで離陸させてから、被写体のセット → ディープトラックスタート → ドローンのポジションを「左斜め後ろ」から「右斜め後ろ」に変更して撮影継続までの一連の様子を撮影しています。
Antigravity A1自体の機能として、ディープトラック中でも全方向障害物回避機能は生きているので、下の動画のように樹林帯のトレイルを歩いても(走っても)ドローンは自動的に障害物を避けながら追い撮り撮影を続けてくれました(細い枝が多すぎる場所や葉が密集している場所は避けてください)。さらに今回のキットにある「フルカバープロペラガード」を装着すれば、万が一の時でも安心です。
タッチコントロール(Touch Control)による画角調整
「ディープトラック」以外でも、少しだけならばウォッチリモコンだけでドローンを操作することも可能です。
飛行中に画面左側のアイコンをタップすると、「タッチ操作モード」に入って、画面上のスライダー操作でドローンを「前進後退・上昇下降」の制御ができるようになります。画面内をスワイプすることで向きを左右旋回することも可能です。撮影中に少し高度を上げたい場合や、引きの画角を作りたい場合などの微調整が可能です。ただしこの操作では「斜め前に移動する」といった複雑な方向への移動ができるわけではないので、あくまでも少し動かしたい場合に限ります。
着陸の際には、右下画面の「着陸」ボタンを押すことで「その場で着陸」か「RTH(Return to Home ホームポジションに帰還)」を選ぶことができます。ホームポジションはGPSによって捕捉されているウォッチリモコンの場所なので、いつでも自分のもとに帰ってきてくれるので安心です。
なお、飛行中の緊急時にはウォッチの多機能ボタンを短押しするか、リングリモコンのボタンをダブルクリックすることで、即座に緊急ブレーキがかかりその場でホバリング停止するなど、万が一の安全機能も配慮されています。
リングリモコンを使ったさらに自由自在な自撮り撮影操作
これだけでも十分画期的なのですが、本番はここからです。次はウォッチリモコン以上に山岳撮影で威力を発揮するポテンシャルを秘めた、「リングリモコン」を活用したジェスチャー操作による自撮り空撮のコントロール機能を試してみます。
自分の手の上から離陸させる「パーム離陸」でラフな地形でも安心して離陸可能
足場の悪いガレ場や平らな広い場所が確保しにくい斜面など、フィールドではドローンを地面に置いて離陸させることが難しい場面が多々あります。
そんなとき、Follow Me Kit のリングリモコンを装着していれば、片手に A1 本体を持ち、もう一方の手に装着したリングリモコンのボタンを長押しするだけで、なんと手の上からダイレクトに離陸させることが可能です。これならばトレイルで広い場所を探す手間も、雪山で寒さに凍えながら離陸場所を設営する手間も省けます。どんなに厳しい環境でも撮りたい瞬間を逃しません。いや、これはほんとにすごいことだよ。下に実際の離着陸の様子を撮影した動画を載せておきます。
ただ、着陸の際にはさすがに手の上に着陸させることはできないので、着陸させる場所はどうしても平らで広めの場所を確保しておかなくてはなりません。
ちなみにまた、リングリモコンでドローンを操作する前に、あらかじめ設定画面で「右手装着」か「左手装着」かを正確に選択しておくことが重要です。この設定が正しく行われていることで、手首の動きとドローンの誘導方向が正確に同期します。
空間を直接つかむ「Drag to Fly(ドラッグして飛行)」
離陸させた後、先ほどと同じように被写体を選択してロックオンします。その状態でリングリモコンのボタンを短押しすると、ディープトラックがスタート。
さらにリングリモコンのボタンを長押しすると、振動と音声ガイダンスとともにいよいよ「Drag to Fly」モードが起動します。これは、ドローンにかざした手の手首の角度と手の前後左右の動きによって、あたかも見えない自撮り棒でドローンを直接動かしているかのような操作感を実現する操作モードです。
トレイルを歩きながら自撮りをスタートさせ、途中で景色を見ながら「Drag to Fly」モードでドローンのポジションを操作性、画角を調整している様子は下の動画のような感じです。
これはもう、あれだ。まるでスター・ウォーズで言うところの「フォース」の力で離れた機体を自分の思うがままに動かすダースベイダー的な感覚だ。「Drag to Fly」操作モードは、そのほどまでに自分が魔法や超能力を持ったかのような、今まで味わったことのない快感が得られました。
ちなみに「Drag to Fly(ドラッグして飛行)」の操作は2つの動作を覚えるだけ
- 位置調整(上下・左右):リングボタンを押し続けたまま腕を上下左右に動かすと、ドローンが手の動きに正確に追従し、被写体を中心とした球面上をスムーズに移動します。
- 距離調整(接近・遠ざかり):手首を内側にひねるとドローンが自分へ近づき、外側にひねると遠ざかります。
- 調節ができたらボタンを離すことで、ドローンがその位置で固定され、そこから自動追尾に戻ります。
ただし注意したいのは、誤操作を防ぐため、1回の長押し操作で制御できるのは「位置調節」または「距離調節」のいずれかのみとなっており、位置と距離感を同時に調節しようとすると、そのどちらかが反応しないという事態が起きます。使いはじめで慣れていなかった時、腕の操作にドローンが反応していない瞬間が多々あったのですが、それは反応しない動作を一生懸命していたからです。
なお、ジェスチャー操作中に誤って機体を自分に近づけすぎてしまった場合でも、システム側で操作者を中心とした「直径3m×高さ2m」の円柱エリア内にドローンは侵入できませんので、自撮り操作時もある程度の安全性が担保されています。
ディープトラック撮影中は、自分は普段通り行動するだけいいんです。ドローンを飛ばして、撮影セットするだけ。それだけで、ドローンは勝手に自分を「最高のアングルから」ずっと自分を撮影し続けてくれる。もう一人の空飛ぶカメラマンが最高の風景とともに自分を撮り続けてくれるなんて、これまで考えられただろうか。
しかもこの自動追尾撮影も、ただ自分の設定した距離感で追い続けてくれるというだけではありません。リモコン内にあらかじめ設定されたいくつかのモードによって、被写体(自分)を中心に、ドローンが以下のようなシーンに最適化された軌道が予めデザインされており、そのモードを選んでトラッキングをスタートさせると、その軌道を描きながら空撮を実行してくれるとか(まだ試せていませんが、早く雪山で試していみたい!)。
- Auto Follow(オートトラック)
- Manual Follow(マニュアルフォロー)
- Orbit Follow(オービットフォロー)
- Ski Mode(スキー)
- Cycling Mode(サイクリング)
- Sky Genie Templates(スカイ・ジーニー テンプレート)
・・・なんだかもうできることが未来過ぎて脳がバグりそう。
まとめ:「Antigravity A1 × Follow Me Kit」は間違いなくソロ登山自撮り撮影のゲームチェンジャー
まだ1~2回試しただけですが、Antigravity A1 の追加オプション「Follow Me Kit」は、これまでドローン撮影につきまとっていたハードルをさらに大きく引き下げてくれました。
ウォッチリモコンと指先のリングという最小限のウェアラブルデバイスで、高精度でドラマチックな自動追尾撮影と繊細な構図調整が可能になる(しかも360度カメラでとりあえず飛んでおいて、あとから編集可能な)撮影システムは、専門的な資格と大掛かりな機材を持ったプロにしか許されていなかった高度なドローン撮影を、自分のような一般の山岳愛好家にも門戸を開いたという意味で、まさに山岳撮影のゲームチェンジャーといってよいのではないでしょうか。障害物の多いアウトドア環境においては「フルカバープロペラガード」がついたのもありがたい。
とにかく、この新しいキットと Antigravity A1 でこれからどんなものすごい映像が撮れるのか、今から楽しみでなりません。
このキットの登場によって、ゴーグルを装着しないで自然な行動のまま自分をカメラに収まることができるようになった一方で、冷静な話をすると、今回の「Follow Me Kit」によってこれまでの「Visionゴーグル」や「グリップコントローラー」の代わりになるものではないということは注意が必要です。ドローンで自撮り撮影のみでよいのであればウォッチとリングだけでも撮影可能ですが、従来のようにドローンを高く遠くまで飛ばして鳥のように様々な景色を撮影したいと思ったら、やはりゴーグルとグリップは必要。やりようによっては荷物の軽量化が可能ですが、欲張りをすると両方持っていく必要があり、そこは悩ましいところです。
ただ、今回試してみて「Follow Me Kit」が、ソロ登山での山行記録をより豊かに残したい方はもちろん、操縦技術への不安からドローン導入を躊躇していたアウトドアファンにとって、非常に魅力的な選択肢となるのは間違いないと実感しました。あなたがもし自然のなかで度々訪れる、かけがえのない瞬間を(スマホカメラでは決して収められない)最高の形で残したいと思うならば、この革新的なドローンを撮影キットのなかに加えることをぜひともおすすめします。
現在発売記念キャンペーン中(2026年10月16日~25日)
「Follow Me Kit」は、2026年10月20日22時から、Antigravityの公式サイト、Amazon、正規販売店で販売されています。
Antigravityの公式通販サイトで購入の場合
| 製品 | 参考価格(税込) | 発売記念価格・特典 |
|---|---|---|
| Follow Me キット(ドローン本体付き) | 115,900円から | 最大10%OFF、高容量フライトバッテリー1個 |
| Follow Me アクセサリーキット(本体なし) | 57,000円 | 45,600円(20%OFF) |
特典は、Follow Me キット、従来のA1のキットが対象です。
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