もはやハイカーにとって必要不可欠なモバイルバッテリー最新事情
ここ数年でアウトドアでのデジタル機器利用はもはや常識になりつつあり、もう持っていない人を見つけるのが難しいくらいです。スマートフォンをはじめ、スマートウォッチやGPS機器、充電式ヘッドランプやデジタルカメラといったハイテク機器によって、私たちは(良い悪いは別にして)厳しく危険なアウトドアでもこれまで以上により快適・安全でいることができるようになりました。
そうして電子機器が増えれば増えるほど困ってくるのがバッテリーの問題です。1泊以上の山行になってくるとどうしても2日目以降の電力が足りなくなってきてしまうため、予備バッテリーの準備は欠かせません。昔は単純にそれぞれの機器用に予備電池を用意していたものですが、現在では同じUSB端子を持った充電式のガジェットがほとんどなので、モバイルバッテリーを携帯するのがスマートなチョイスといえます。今やコンビニでも入手できるこの手軽な充電機器が1台あれば、それだけでたいていの場合は先ほど挙げたような電子機器の充電をすべてまかなうことができます。
ただ世の中に数多あるモバイルバッテリーも、粗悪なものから高機能モデルまで、性能や容量、特徴など含めて実際にはピンからキリまであり、またアウトドアという特殊な環境できちんと使えるモデルを選ぶためには当然何でもよいわけではなく、買って後悔しないためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
そこで今回は毎年のように最新モデルが登場するモバイルバッテリーのなかから「これは」と思うアイテムを実際に自腹で購入し、登山をはじめとしたハードなアクティビティで使用してみました。その結果便利に安心して使えた本気のおすすめモデルをご紹介するとともに、後半では最適なモバイルバッテリーを選ぶ際にチェックしておくべきポイントについて解説します。
【部門別】今シーズンおすすめの登山向けモバイルバッテリー
おすすめ1:エレコム NESTOUT DE-NEST-10000BE
お気に入りポイント
- 軽量コンパクト
- USB Power Deliveryによるデバイスへの急速充電
- バッテリー自体への急速充電
- IP67の防水・防塵性と優れた耐衝撃性
惜しいポイント
- 良くも悪くも余分な機能がない
- 端子が少ない(USB A×1、USB C×1)
おすすめ2:Goal Zero Venture 35 Power Bank
お気に入りポイント
- IP67の防水・防塵性と優れた耐衝撃性
- コンパクト
- USB Power Deliveryによるデバイスへの急速充電
- バッテリー自体への急速充電
- USB C×1とUSB A×2と豊富な端子
- LEDライト付き
惜しいポイント
- やや重い
- 若干高価
おすすめ3:多摩電子工業 Coleman CLM-TLP122UCAZ
お気に入りポイント
- 薄型で軽量コンパクト
- USB Power Deliveryによるデバイスへの急速充電
- IP67の防水・防塵性(衝撃にもそこそこ強い)
- カラビナとカラビナホール付き
- LEDライト付き
惜しいポイント
- 端子が少ない(USB A×1、USB C×1)
- 対応温度域は若干狭い(5℃~35℃)
おすすめ4(番外コスパ部門):Powerness U36 モバイルバッテリー
お気に入りポイント
- 驚きのコストパフォーマンス
- 軽量コンパクト
- USB Power Deliveryによるデバイスへの急速充電
- IP67の防水・防塵性と優れた耐衝撃性
- カラビナとカラビナホール付き
- LEDランタン付き
惜しいポイント
- カスタマーサポートがやや不安
- 端子が少ない(USB A×1、USB C×1)
【参考】今回テストしたアウトドア向けモバイルバッテリー候補のスペック一覧
種類 | ANKER PowerCore Solar 10000 | BUFFALO BMPB10000WPBK | Goal Zero Venture 35 Power Bank | INOVA 3R-BTC04BK | LUMENA LUMENAⅡ | エレコム NESTOUT DE-NEST-10000BE | Powerness U36 モバイルバッテリー | 多摩電子工業 Coleman CLM-TLP122UCAZ |
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イメージ | ||||||||
サイズ(mm) | 164×78×20 | 121×68×27 | 112×68×28 | 166×82×20.5 | 129×75×22.7 | 126×61×36 | 97×97×28 | 142×72×18 |
重量(g) | 267 | 272 | 286.9 | 375 | 約280 | 241 | 275 | 253 |
出力 |
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入力 | DC5.0V/2.1A | DC5.0V/2.0A | 最大18W、5~12V 最大3A | DC5V/2A(microUSB) | 5V/2.4A | 5V/3A、9V/2A 最大18W |
PD18W(5V/3A,9V/2A,12V/1.5A) | 5V/3A、9V/2A 最大18W |
USB PD | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||
スペック容量(mAh) | 10,000 | 10,050 | 9,600 | 16,000 | 10,000 | 10,000 | 10,050 | 10,000 |
充電時間(目安) | 約5.5時間 | 約6.9時間 | 約3時間 | 10時間 ※DC5V/2A ACアダプタ(別売)使用時 | 5時間※5V/2.4A | 2時間45分 ※USB PD18W以上のAC充電器を使用した場合 | 約3時間(出力がDC9V/2AのType-C PD機能があるAC充電器使用時) | 最短で約4時間 |
動作温度域(およそ) | 0℃~55℃ | 10℃~40℃ | 0~45℃ | ? | 0℃~40℃ | 0~40℃ | -10~60℃ | 5℃~35℃ |
インターフェース |
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防水・防塵機能 | IP64 | IP65 | IP67 | IP67 | IP67 | IP67 | IP67 | IP67 |
耐衝撃性 | 米国MIL規格 | ◯ | △ | △ | ◯ | ◯ | △ | |
ソーラー充電 | ◯ | ◯ | ||||||
ライト・ランタン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
付属品 |
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選び方:アウトドア向けモバイルバッテリーを賢く選ぶ6つのポイント
ポイント1:バッテリー容量 ~10,000 mAh程度のモデルがおすすめ~
モバイルバッテリーを準備するにあたってまず決めたいのは、いったいどのくらいのバッテリー容量を持っていくべきなのかということです。
バッテリーの容量とは一般的にそのバッテリーが蓄えることのできる電気エネルギーの総量のことで、「ミリアンペア・アワー(mAh)」という単位で表わすことができます。
この数字は車でいうところの燃料タンクの大きさのようなもので、当然数字が大きいほどたくさんの電力を備えており(=長く走れる)、より多くの電力を必要とするデバイスも満充電にすることができます。ただ、容量が大きければすべてよしという分けでもなく、その分物理的に重くて大きくなりがちで、さらに価格も高価になっていきますので、検討にはそれらのバランスを考慮する必要があります。
バッテリー容量の概念が理解できたところで次に、どれくらいの容量サイズが最適か検討する方法を説明していきます。
結論から先にいうと、2022年現在で1~2泊くらいまでの旅にちょうどよいバッテリー容量はカタログ表示値10,000 mAh程度のモデルがおすすめです。それ以上はちょっと重さ的に厳しい。もし1泊程度までの短い旅でスマホがギリギリ持てばよい程度、あるいはもしものバックアップとして持ち運ぶ(なるべく持ち運びやすさを優先したい)といった場合は5,000 mAh程度でもよいかもしれません。ちなみに3泊を超えるような長期旅行をモバイルバッテリーだけで賄うにはさらに大容量の大きくて重いモデルが必要となり、その際はソーラーチャージャーなどとの併用をおすすめします。
必要なバッテリー容量を知るには、まず携帯するデバイスのトータル電池容量を測る
その山行に必要なバッテリー容量は、シンプルに携帯するデバイスのトータル電池容量に依存します。
たとえばその昔、iPhone 6のバッテリー容量は約1,800 mAhでした。それが現在ではiPhone 14 Pro Maxで約4,000 mAh以上と倍以上。AndroidスマホのPixel 6 proとなるとなんと約5,000 mAhです。またアクションカメラの代表モデルであるGoPro HERO11 Blackの電池容量は1,720mAh。360°カメラであるinsta360 X3 は1,800 mAh。ミラーレス一眼レフデジカメのSONY α7 IIIの純正バッテリーが2,280 mAh。このような感じで現在1つの電子デバイスを満充電するためには最低でも約2,000程度、大きくて5,000 mAhもの容量が必要となります。
昔のようにスマホの充電だけを考えてよい時代ではなく、スマホをはじめデジカメやスマートウォッチ、ヘッドランプなど多くの電子デバイスを持ち歩くようになった今では、当然それら全体をカバーする容量が必要となってきます。
ちなみにぼくが泊まりの山行で持っていく充電の必要なデバイスを(ありったけ)リストアップしてみるとこんな感じ。
- スマートフォン「Google Pixel 6 pro」・・・5,000 mAh
- スマートウォッチ「Garmin fēnix 6X Pro 」・・・500 mAh以下(推測)
- ヘッドランプ「Black Diamond リボルト350」・・・1,800 mAh
- カメラ「SONY α7 III」・・・2,280 mAh
- Goproなどのビデオカメラ「insta360 X3」・・・1,800 mAh
ざっと挙げてみただけでも充電の必要な電子機器がこれほどあります。その合計なんと11,383 mAh!。もちろんこれらすべてが毎日100%の充電が必要になるわけではありませんので、その辺は考慮したとしても、5,000 mAhではさすがに心許ない……。
ならば、ということで「容量10,000 Ahのモバイルバッテリーなら安心と一直線にいかない」のがモバイルバッテリーの注意したいところです。
決してスペックに騙されてはいけない、バッテリー容量の実際と必要容量の目安計算法
モバイルバッテリーでは、たとえば「スペック容量2,000 mAhのモバイルバッテリーで1,000 mAhのデバイスを2回充電できると計算するのは間違い」です(実際には足りない)。
実際に2,000 mAhのモバイルバッテリーの場合、1,000 mAhのデバイスを充電できる回数はメーカーや製品によって多少の差はあるものの最大でも1.4回分程度。なぜそのようなことになるかというと、それは以下の2つの要因が影響しています。
- 昇圧による出力容量の低下
- モバイルバッテリー自体の電力消費
理系音痴ががんばってできる限り詳しく説明すると、モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池(バッテリーセル)の出力電圧は3.7V。これに対してUSBポートの電圧は5.0V。デバイスを充電する際には、この3.7Vを5.0Vに変換するという作業がどうしても必要で、これが3.7Vから5.0Vへの「昇圧」という手続きです。このとき「3.7 / 5.0 = 0.74」という計算式によって、3.7V出力時にあった能力は5.0出力時には74%になってしまうのだとか。つまりモバイルバッテリーが実際に充電可能な電力量は、理論上どうがんばってもスペック容量の74%の量にしかならないというのがまず第一の現実です。
さらにもうひとつ、この昇圧という変換の際にはいくばくかの電力ロスが生じます。またモバイルバッテリーを正常に動作させるためのその他さまざまな電力が必要とされます。こうしたモバイルバッテリー自体の電力消費も全体容量の中から使用されるため、これらすべてを総合すると、モバイルバッテリーが実際に充電できる容量は公称値の6~7割しかないのが現実です。
驚いたことにそうした実態を各メーカーはまったくちゃんと説明していません。少し良心的なメーカーの場合「スマホ◯回充電可能」と表示する際にしれっと実際の充電可能回数を記載していますが(それでも基準となるスマホのバッテリー容量を記載していないところが多い)、ひどいメーカーになるとスペック上の理論値のまま単純に割り算しただけの値を充電可能回数として記載しているところまでありました(例えば10,000 mAhで約3,000 mAhのiPhone11が3.3回充電可能とか)。いずれにせよ、この不都合な真実に対してはユーザー側で配慮しなければなりません。
自分にとって最適な容量を計算する方法
このような事情から、モバイルバッテリーの実際の充電能力を購入前に見積もるときにはだいたいスペック表示容量に66%を掛けて検討することをおすすめします。そして自分にとって適当なバッテリー容量を割り出すには、以下のような手順で計算するとよいでしょう。
- 持参する各機器の1日当たりの消費mAh量を集計します。
- この数値に、山行の泊数(または補給までの充電回数)を掛けます。
- 2で出てきた数字を0.66で割ると、必要な容量(スペック表示されているmAh値)の目安が算出されます。
例:1泊のハイキングでスマホ(5,000 mAh)とスマートウォッチ(500 mAh)を充電するために必要なバッテリー容量は
(5,000 + 500) mAh × 1泊 / 0.66 = 8,333 mAh
ちなみに自分の場合上にリストアップしたすべてのデバイスを100%充電するとすれば合計は「11,383 mAh」ですが、実際にはその6~7割程度あれば十分という想定で、7,000 / 0.66 = 約10,000 mAh(1泊山行)という計算です。
ポイント2:充電スピード(出力・入力) ~USB PD(USB Power Delivery)規格は欠かせない~
高出力・スピーディに充電するための条件
いくら十分な容量をもったモバイルバッテリーでも、いざ繋いで充電してみたら、いつまでたっても充電が終わらないでやきもきする。そんな経験をしたことはありませんか?
そうならないために、モバイルバッテリーがデバイスを充電するときの「充電スピード(=出力)」性能をチェックすることも失敗しない製品選びには重要です。一般的にモバイルバッテリーの充電スピードを決めるのは「ワット(W)」という単位によって表わされる電力の大きさで、下の計算式で表されている通り電流と電圧をかけ算して算出されます。
電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)
つまり電圧(V)と電流(A)が大きければ出力電力(W)も大きいという関係にあります。
充電の際に選べる電圧や電流の値は、各デバイスの許容する最低・最高出力などの性能や決められた規格などに従って選ばれ、それによって出力電力(=充電速度)が決まるという仕組みです。
ここ数年の電子機器の高機能化に伴って電池容量はどんどん大きくなっていき、さらに急速充電への需要が高まっていったことなどによってモバイルバッテリーの高出力・急速充電技術も年々進歩を続けています。そんななか、2022年現在でぜひとも知っておくとよい技術が「USB PD(USB Power Delivery)」という規格。これからモバイルバッテリーを検討する際にはこの規格に対応している機器を選ぶことを強くおすすめします。
この辺の内容は細かなルールや例外まで触れているとややこしくなりすぎるのであくまでも必要と思われる概要だけ説明しますが「USB PD」とはUSB関連の仕様標準化団体が策定したUSB Type-C(コネクタ・ケーブル)にまつわる規格で、従来のUSB (Micro-USB) 接続(Type AやB)に比べてはるかに高出力の充電を可能にします。少し前までの各メーカーによる独自規格と違ってデバイス間の互換性も高く、将来性的にも今後はさらに一般化していくであろう注目の規格です。USB PD規格の外観の特徴としては、各デバイスの端子(コネクタ)は「USB Type-C」タイプであり、USB PDでの充電には両端がともにUSB Type-Cのケーブルを使用することです(iPhoneだけはまだ片方がLightning端子ですが)。
なお、USB PDに限らず充電スピードで注意したいのは、いくらモバイルバッテリーが高出力だったとしても、高速で充電できるとは限らないということ。なぜかというと、高速で充電できるかできないかはバッテリーの性能の他に受け手のデバイス性能、さらにはそれらを繋ぐケーブルの性能の3つによって決められるからです。
充電スピードが決まるための3条件
- モバイルバッテリーの出力性能
- 受け手デバイスの出力性能
- ケーブルの出力性能
また、もし充電ポート(USB差し込み口)が複数あるモデルで2台以上を同時に充電している場合には、それぞれの出力値は制限され個々の充電は通常よりもはるかに遅くなるということも忘れてはいけません。高い電力を必要とするタブレットを2台接続していたりしたら、その充電は腹立たしいほど遅くなるので覚悟が必要です。
モバイルバッテリー自体の充電スピードもUSB PD(USB Power Delivery)規格が最速
モバイルバッテリーからデバイスへの充電スピードと同じように、モバイルバッテリー自体への充電スピードも、コネクタの規格によって異なります。より速く充電したければ、現在の最適解はやはりUSB PD対応のUSB Type-C端子で充電することです。そうすることで、これまで10,000 mAh で5時間以上かかっていた充電時間が、3時間以内にまで早めることができます(このときも対応した品質のケーブルを使用していることは大前提です)。毎回家でゆっくり充電できる人にとってはあまりありがたくもないかもしれませんが、補給のために街に滞在する時間を少しでも節約したいスルーハイカーたちにとっては重要です。
ポイント3:防水・防塵・耐衝撃性・対応温度域
アウトドアでは埃や雨・雪、猛暑や厳寒、さらには水没や地面への落下など、普通の生活では想像できないさまざまなリスクがすぐ隣に転がっています。このためよりハードなフィールドに連れ出す人ほど、シビアにこのリスクと向き合い対策をとっておかなければ、万が一の際に手痛い目にあってしまいます。このためアウトドアに適したバッテリーには、外的環境に対する保護と堅牢性を備えたモデルを選ぶことをおすすめします。
防水・防塵
まずバッテリーが塵や浸水への強さを表す客観的指標が「IP保護等級」と呼ばれるもの。ヘッドランプなどでも表示されている例のやつです。悪天候に耐えられるモデルを探しているなら、IP67の等級以上のモデルが理想です。このとき「67」は塵埃の侵入を完全に防ぎ、なおかつ多少水没しても有害な影響を受けないというもので、これだけあれば雨に打たれても川の中に落としてもまず大丈夫。
耐衝撃性
耐衝撃性能については全世界共通の客観的な指標はありませんが(あっても「米軍MIL規格」など)、最低限、衝撃を緩和する構造になっていること、何らかの形で「耐衝撃」を謳っているモデルを選ぶことをおすすめします。
対応温度域
そして最後に「対応温度域」についてはやや注意が必要です。現在ほとんどのモバイルバッテリーはリチウムイオン電池製であり、細かな違いはあるものの放電時の安全な動作温度はおおよそ5℃~45℃前後と言われています(寒いスキー場でiPhoneがすぐバッテリー切れを起こした経験の人は多いと思います)。今回調べた限りでは多少の強弱はあれど、一般的な製品で氷点下や猛暑の下での安全動作を保証したモデルはまだ無いようです。このため極端な炎天下や発熱状況では正常に動作しない可能性が高いので使用しない、また雪山などの厳寒状況ではどうしようもないので服やシュラフの中に入れるなどしてできる限り高い温度になるようにするといった対応が必要です。
ポイント4:重さ・サイズ
モバイルバッテリーはそれなりの重さがあるため軽量・コンパクトなほど好ましいのは当然ですが、充電容量を確保しようとするとどうしても重さ・体積ともに増えていってしまうので、その最適なバランスを見つけることが重要です。さらには防水・防塵・耐衝撃モデルは同じ電力容量のモデルと比べてどうしてもゴツくなりがちなので、必要な容量と堅牢性を備えたうえでできる限り軽量のモデルを選ぶように心がけたいものです。
ポイント5:インターフェイスの種類と数
これまでほとんどのモバイルバッテリーのインターフェイス(コネクタ)は充電にUSB または Micro USB の端子のみでしたが、より最新モデルでは最近の多くのスマホに使われている USB Type-C の端子を備えたモデルが増えてきました。これから購入を検討している人は迷わずこのUSB C端子を備えたモデルを選ぶべき(理由は先ほど散々説明したように急速充電が可能なUSB PDを備えていることに尽きます)。
また端子の数についても、複数同時に充電するとスピードが落ちるという弱点は確かにありますが、寝ている間に複数のデバイスを充電しておきたい場面はよくあるので、なるべく必要な種類で2つ以上のポートを備えたモデルが望ましいでしょう。
まとめ
スマホやタブレットの周辺機器であるモバイルバッテリーは、とにかく得体のしれないメーカーの怪しい製品だらけで、なかなかアウトドアで本当に「使える」製品リストが見当たらなかったので作ってみました。もはや「日本製ならば」「このメーカーならば」安心ということもいえなくなってきているこの世界、ここで取り上げた製品は実際にフィールドでしっかりと使えたものばかりなので、選び方のコツとともにぜひ参考にしてみてください。それでは素晴らしい山旅を~。