パウダースノーと戯れたいなら、ボトムスはスノービブが一番
決して手を抜いているわけではないのですが、雪山用のアウターを選ぶときにジャケットに関してはめちゃくちゃ時間をかけて丁寧に探しまわるわりに、ボトムス選びの方は若干おろそかになりがちなあなた、お待たせしました。今回はずばりスノーパンツについてのお話です。
冬山と一口に言っても、雪山登山やスノーハイクから、アイスクライミング、スキーやスノーボード、クロスカントリースキーなどいろいろなわけで、スノーパンツについてもさまざまな種類があり、当然それぞれの特性に合ったモデルを選ぶとよりアクティビティが快適に楽しくなります。
自分はここ数年雪山アクティビティの重点が登山からバックカントリースキーにシフトしつつあるのですが、その際いろいろなスノーパンツを履いてみた結果、今では完全に「スノービブ(ビブパンツ)」教に入信しました。そこで今回は、バックカントリーにビブパンツがおすすめな理由と今シーズンおすすめのスノービブについて、そして後半はスノービブの上手な選び方について書きたいと思います。
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バックカントリーにスノービブがおすすめな5つの理由
はじめに、まだサスペンダーをつけてリフトの奥へとスキー(スノーボード)をしたことがない人のために、バックカントリーにはスノービブの方がパンツよりも快適だと考える5つの理由について書きます。
理由1:雪が入りにくい
1~2月のハイシーズンでも果敢にパウダースノーを狙っていくバックカントリースキーヤーにとって、スノービブを着用する最も分かり易い理由は、滑降時(自分の場合は転倒時ですが汗)に雪が隙間から入り込みにくいことです。
腰上まであるスノービブであれば、フカフカのパウダースノーを顔に受けながら滑っても、鬼ラッセルしても、雪洞を掘っても、腰部分からの雪の侵入を防ぐことができます。ジャケットに付属したパウダースカートでもある程度雪を防げるのは確かですが、経験上パウダースカートは動いているうちにずり上がっているのに気づかないことが多々ありました。そんなわけで個人的に雪の入りにくさではスノービブの方が安心なのではないかと思っています。
理由2:豊富なポケット
もちろん上に着ているジャケットとの組み合わせで考える必要がありますが、バックカントリースキーでは往々にしてたくさんの小物類を身の回りに身に着けた方が便利な活動であったりするので、ポケットは多いに越したことはありません。
スノービブはお腹・胸部分の広いスペースを活用して便利なポケットを提供していることが多く、一般的なスノーパンツよりもポケットの数が多い傾向にあります。そこにはスマートフォンから無線機、インナーグローブ、サングラス、雪払いブラシ、ゴーグルワイパー、財布、携帯ワックス、工具、リフトチケットなどなど(ちょっと考えただけですぐこんなに出てくる)パッと取り出したいモノたちを入れておくことができます。しかも最近のポケットの中には安全にビーコンが収納できる高機能ポケットもあり、ますますこうした多彩なポケットがたくさんあるメリットが増している気がします。
理由3:ストレスフリーなウェスト
ベースレイヤー・防寒パンツ・スノーシェルと、実際のところ冬山では下半身も結構重ね着が必要になってきます。そんな時、ぼくはウェストのゴムが重なっていけばいくほど苦痛を感じてしまいます。
冬山全般に言えることですが、少しでもベルトをやめてサスペンダーにできるのであればそれに越したことはないと思う自分は、このスノービブのサスペンダーが何よりも快適な行動にとって重要です。
理由4:背中の裾がずり上がりにくく、パンツがずり下がりにくい
無雪期の登山でもあることですが、バックパックを背負って長い時間行動すると、どうしても背中のシャツはずり上がりがちだし、パンツはずり下がりがちなのは僕だけでしょうか。
その正誤はともかく、背中の生地もある程度腰より高い位置まで来ているスノービブの場合、大きなバックパックを長時間背負って登ったり滑ったりしても上着がずり上がってきたり、パンツがずり下がったりしにくく、その意味で相性が(スキーパンツよりも)良いと感じています。
理由5:あったかい
スノービブは腹部と背中に当てられた生地の分だけより多く身体を覆います。当然その分衣服内の熱を逃しにくくなるため、一般的にはパンツタイプよりも保温性が高い傾向にあります。
もちろんこれも上に着ている衣服との兼ね合いですが、ビブを穿くことで上着を0.5枚分重ね着しなくても必要な暖かさを確保でき、これが特に厳冬期などでありがたみが増してくるのです。
知っておきたいスノービブの落とし穴
バックカントリーでスノービブを着用することは、もちろんメリットばかりではありません。そこでデメリットについてもいくつか説明しておきます。
「おトイレ」問題
サスペンダーの抱える一番の構造的な問題はずばり「脱ぎ着」です。一度着たら1日中脱がないと言いきれれば問題ないのですが、人間である以上、排泄だけはどうしても避けられません。その時は必ずシェルジャケットを脱いで、人によっては中間着も脱いで、サスペンダーを外さなければならないかもしれません。
ただ幸いなことに、一部のビブパンツはこれらの問題を解決しているものもあります。サスペンダーの接続位置を変え、サイドジッパーによって後面だけを脱げるようにすることで、脱がなくてもトイレに入れるようになっています。
ただそれでも、暑い(寒い)ときなどで脱ぎ着しにくい問題から完全に逃れることは難しく、それらはサスペンダーである以上どうしようもない点といえるでしょう。
「暑すぎ」問題
暑さやハイクアップ時の発汗が気になってくる春先のアクティビティなどでは、たった0.5枚分ですら余計に思えてくることがあります。そんな時は、スノービブよりもパンツが恋しくなることもしばしば。このようにスノーパンツの方がレイヤリングで温度調節できる幅が広いのは確かなので、スノービブパンツを選ぶ際にはその点を留意しておく必要があることを知っておいてください。
今年欲しいスノービブ 2021-2022
今年の新作スノービブをできる限り実際にお店でチェックしたりしながら、特にびびびときたモデルをピックアップしてみました。例によって大まかな特徴を示す★★★はあくまでも目安程度です。これから冬本番に向けて、ぜひ頼れるビブパンツ選びの参考にしてみてください。
Patagonia スノードリフター・ビブ
耐候性★★☆ 保温性★★☆ フィット感・動きやすさ★★★ ベンチレーション★★☆ ポケット類★☆☆ トイレ◯
極端にスリムでもバギーでもない、パタゴニアらしい品のあるシルエットに、ストレッチ性を備えた軽くて動きやすく丈夫な3レイヤーの防水透湿生地を採用と、理想的なスペックを備えたスノービブ。足を通した際のフィット感も緩すぎずきつすぎず快適です。外側のベンチレーションはやや短いものの、ビブ生地はソフトシェル素材、ポケットはストレッチメッシュでムレにくさにもほぼ問題なし。しかもサスペンダーの作りは着たままトイレに行けるドロップシート構造なので脱ぎ着についてもストレスはありません。
唯一の難点は若干ポケットが少ないことですが、大き目のカンガルーポケットがあるので使い勝手的には十分許容範囲です。個人的なエース候補No.1。
MILLET メイジュ 3L リムーバブル ビブ
耐候性★★☆ 保温性★★★ フィット感・動きやすさ★★★ ベンチレーション★★☆ ポケット類★☆☆ トイレ◯
本場フランスの老舗アウトドアブランドだけあって、ヨーロッパスタイルの細めシルエットがまず目を引きます。だからといってストレッチ性を備えた独自の3レイヤー防水透湿生地は、計算された立体裁断もあって動きにくさはまったくありません。ウェストにも調節のベルクロが付いており、自分の体型に合わせて気持ちよくフィットさせることができます。
大き目のビブは生地もしっかりしているため保温性は高め。長めのベンチレーションジッパーが両サイドにしっかりとついておりムレに対しての対応もばっちり。ビブ自体が着脱可能なので、多少の手間はかかるけどトイレも概ねスムーズにいけそうです。胸ポケットがやや小さいことを除けば非常に使い勝手のよいビブパンツといえるでしょう。
Teton Bros. TB Pant
耐候性★★☆ 保温性★★☆ フィット感・動きやすさ★★★ ベンチレーション★★★ ポケット類★★☆ トイレ◯
話題の通気防水素材「Täsmä」を採用した今シーズンの新作ビブパンツ。この素材については実際に現場で試していないため、正直なところ耐候性や保温性については未知数に近いですが、生地厚からして寒すぎる(暑すぎる)ことはないでしょう。やや太めなシルエット(個人的にはぎりぎりOK)に加えて、膝と股には屈曲を計算に入れた立体裁断がしっかりと入っています。加えて4方向へのストレッチ性もあるので、動きやすさに関しては言うことなし。もともと通気性を備えた生地と外側に配置されたベンチレーションジッパーによってムレにくい作りになっており、激しいバックカントリーでもストレスを軽減する仕組みが抜かりなく整っています。
ポケット類については基本的な左右ポケットも形状を工夫して使いやすくなっており、さらにビーコンや無線機の取り扱いに便利な仕様など、実際にフィールドで使いこまないと気がつかないような使い手にとってありがたいポケットが潤沢に配置されています。
ここまでほぼ100点といいたいところですが、個人的にはかなりユルユルなウェスト周りが調節できないのはどうなのかと(自分でベルトを追加する必要あり)。フィット部分に若干の疑問符はありますが、機能面では申し分ない実力を備えたビブパンツといえそうです。
PeakPerformance Vertical Pro Pants
耐候性★★★ 保温性★★★ フィット感・動きやすさ★★☆ ベンチレーション★★☆ ポケット類★☆☆ トイレ◯
前回のハードシェルジャケット特集でも取り上げた、FWT 2018年間チャンピオンのKristofer Turdell監修モデルのセットアップ(ボトムス)がこちら。生地にはジャケットと同じくGORE-TEX PROの高透湿バージョンを採用することで、汗ばんだ時や悪天・寒冷時への対応もまず心配はなし。さらに膝部分は適度な伸縮性を実現したGoreTex PRO Strechにし、ゴワゴワして動きにくいといった従来のGORE-TEXの弱点をも克服しています。
自分にとってはっきりとした難点はポケットの少なさで、両腿のポケットは大きいながら、ビブ周りの収納が個人的にはもうちょっと欲しいところです。またやはりちょっと重すぎな点や高価格な点もスルーしずらく悩ましい。ただ素材使いは言うことなし。
THE NORTH FACE フューチャーライトエーキャドビブ
耐候性★★☆ 保温性★★☆ フィット感・動きやすさ★★★ ベンチレーション★★★ ポケット類★★★ トイレ◯
ノースフェイスが新素材の「フューチャーライト」を発表したとき、この素材の持っている「通気防水・ストレッチ」という特徴が最も活きる場所はきっとパンツに違いないと直感的に思っていました。2年前に発売されたフューチャーライト初搭載のバックカントリー向けスノービブ、ピューリストビブは、その期待通り、抜群の通気性と動きやすさでどんなシーンにおいても軽快な行動を約束してくれる、今なお現役のお気に入りパンツです。
このフューチャーライトエーキャドビブは、ピューリストビブに比べてより幅広いシーンでの快適さが配慮されているところに注目。まずは素材のもつ高い通気性による若干の涼しさを軽減するよう裏地が微起毛生地になっています。ただそのうえで、外側・内側両方にベンチレーションが配置されているため、暑すぎるといった心配はほぼないといえるでしょう。ポケットの数も文句なしの6個。つまりゲレンデ・サイドカントリーからバックカントリーまで幅広く使いやすい。
唯一弱点があるとすればフューチャーライト自身の難点である撥水力低下の早さ(すぐに表生地が水を吸ってしまいがち)でしょうか。経験上、フューチャーライトは撥水機能がすぐに低下しがちのため、維持するためにはこまめな手入れが必要となります。とはいえ全体的なパフォーマンスは素晴らしく、色のバリエーションが合っていれば間違いなく手を出していたでしょう。
Burton [ak] ジャパン GORE-TEX PRO ガイド ハイトップ パンツ
耐候性★★★ 保温性★★☆ フィット感・動きやすさ★★☆ ベンチレーション★★★ ポケット類★★☆ トイレ◯
基本的にはスノーボードブランドのBurtonですので、このモデルもスノーボーダー向けではあります。ただ、身体の使い方の違いは多少あれど、シルエットも無駄にバギーなわけでもなく、同じバックカントリーという意味ではスキーヤーが着てもまったく問題ないと(試着した限りでは)思います。何よりスキーヤーの自分でもぜひ使いたくなるような、細部まで丁寧に設計された作りが本当に素晴らしいので、あえて取り上げてみました。
メイン素材に採用されているのはGORE-TEX PRO。まず耐久性・防水透湿性といった品質の高さは疑いようが無いとして、さらに臀部と膝にGORE-TEX PRO stretch technologyをふんだんに取り入れることによって動きやすさがさらに向上。シルエットの良さと動きやすさを両立した見事な立体裁断にもうっとりです。しかもビブの形状がまた凝っていて、胸部まで覆うような暑苦しさを回避しながら、収納ポケットはしっかりと付けるという、ミニマルかつ便利という一石二鳥の作り。
内・外両方に取り付けられたベンチレーションジッパー、ビーコン専用ポケットをはじめとした十分なポケット類、ドロップシート構造でトイレなどでの脱ぎ着もスムーズと、欠点がほぼないといっていい作り(唯一欠点といえるのはやはり価格・・)。これほどまで完成度の高いパンツであれば10年は穿きつぶせるし、穿きつぶしてほしい一品です。
Salomon S/LAB QST GORE-TEX PRO 3L PANT
耐候性★★★ 保温性★★☆ フィット感・動きやすさ★☆☆ ベンチレーション★★★ ポケット類★★★ トイレ×
ここまで取り上げた6着はいずれも生地自体に何らかの伸縮性が備わっていましたが、このサロモンのバックカントリー向けスノービブだけは、生地にストレッチ性がありません。ただその1点を除けばこのモデルは他に負けず劣らずの魅力を備えており、実際のところでかなりおすすめです。
何より強調したいのがそのコスパの良さ。今回の7着中で最安値ながら、なんとGORE-TEX PROをがっつりと採用しています。もちろんSALOMONのパンツですから仕立ては間違いなし。シルエットもきれいだし、たとえストレッチしなかったとしても立体裁断によって動きやすさは十分です。ポケットの数も5個と多めだし、そのうちの1つはビーコン対応。ビブ部分は控えめなメッシュで過熱することも少ない。おまけに内・外側に配置されたジッパーによってベンチレーションも万全です。
腹部分のポケットがやや小さいのが個人的な難点ですが、それを補って余りある総合力とコストパフォーマンスでベストバイ間違いなしの一押しビブパンツです。
最適なスノービブスを選ぶときにチェックしたい7つのポイント
ここまでバックカントリーにおすすめのスノービブについて触れてきましたが、自分でもスノービブを選びたいという方のために、選ぶにあたって自分が気をつけている「スノービブの選び方」についてまとめてみます。
ポイント1:素材・生地
基本的には完全防水でなおかつ透湿性のある、レインウェアと同じような防水透湿素材を選ぶのがよいと思います(この生地を使ったパンツのことをハードシェルパンツといったりしています)。ただ雪のシーズンも長いので、天候が安定していたり、気温が高く汗の量が尋常じゃないと予想されるケースでは、多少の防水性を犠牲にしてもより通気性の高さが特徴のソフトシェル素材のパンツの方が快適な場合があります。その辺は好みといったところですが、個人的にはやはり耐久性があって着心地もよくなってきている3レイヤーの防水透湿素材がシーズン通して着られるのでおすすめです。
生地の厚みに関しては、耐久性と重量・動きやすさがトレードオフの関係にあり、厚手であればより丈夫なのは確かですが、その分重くゴワゴワして動きにくくなりがちなので、そのバランスが大事です。パンツは動きやすさが重要なので、個人的に分厚い生地は好みではありません。
ポイント2:中綿の有無
結論から言うと、バックカントリーに使うスノービブを選ぶ場合には、中綿が多く入っているモデルは避けた方がよいでしょう。
もちろん冬山では暖かさは重要な要素ですが、バックカントリースキーの場合、登りで激しく動けば気温が低くても大量の発汗は避けられません。このため、ジャケットのように簡単に脱ぎ着するわけにもいかないパンツは、暑いからといって簡単にシェルを脱ぐという訳にもいかないため、1枚で保温性の高すぎるモデルはかえって不便になります。
パンツといえどもレイヤリングの考え方を基本に、アウターはシェルのみ、もしくは裏地に起毛がある程度のモデルの方が使い勝手がよいでしょう。厚手のアウターウェアに頼るよりも、質の高いベースレイヤーやミッドレイヤーに頼る方が、はるかに汎用性が高く好ましい戦略といえます。
モコモコの中綿入りビブは、リゾートでのゲレンデスキーやヘリスキーなど、自動で登れるケースに取っておくのがベストです。
ポイント3:フィット感と動きやすさ
そのビブのフィッティングが自分にとって心地よいのかどうかは好みの問題も大きいのですが、スキー向けパンツの場合、より登山用に近い身体にフィットしたスリムなものからよりフリースタイルスキーヤー好みの太めのモデルまでさまざまなタイプがあります。いずれにしても、一番どうしようもないのがきつすぎるビブで、激しく動くバックカントリースキーでこれだけは避けたいものです。で、次に重要なのは、裾の太さ。バックカントリーといえどスキーを脱いでクランポンを使用する場合がありますので、裾が土管のように太すぎるモデルも、爪が裾に引っかかって転倒する危険がありますので避けた方がいい。
また動きやすさについて、最終的には試着して屈伸などをしてみないと実際のところは分からないものですが、パンツの動きやすさを決める重要な要素は「立体裁断であるかどうか」あるいは「ストレッチ素材を使用しているかどうか」の2つです。両方備わっていれば万々歳、どちらかがあったとしたら動きやすいパンツである可能性は十分にありです。
ポイント4:通気性・ベンチレーション
急坂のハイクアップや春先の日差しの下では、パンツの内部は汗で湿気が充満してしまうため、(たとえ透湿性のの高い生地であっても)通気(換気)が必要になってきます。
その解決方法にはいくつかの方法がありますが、ひとつはある程度の通気性を備えた生地を採用することです。シンプルに生地自体が(風は防いだとしても)空気を通すため、より汗抜けしやすいといえます。
もうひとつ、多くのモデルで標準なのが、ベンチレーション(換気)ジッパーがあることです。バックカントリー用のパンツやビブには、通気性を高めるために、主に側面にジッパーが付いており、それを解放することで一気に空気の通りがよくなります。太腿の外側についているのが一般的ですが、シルエットが悪くなるのを気にして内腿に着けていたりするおしゃれなモデルもあります。あるいは両方に付けて通気性をMAXまで高めているモデルもあります。
ポイント5:ポケット
最初に述べたように、バックカントリーでは身の回りに携帯しておきたい小物がたくさんあり、ポケットに数も大いに越したことはありません。ビブはその作り上、ポケットをたくさん配置することができるため、各モデルその利点を上手く活かして効果的な収納を備えてくれているかどうかをチェックします。もちろん多すぎて重量が重くなるのも考え物だし、使いにくいポケットがあっても意味がないわけで、自分が想定するアイテムを入れるためのポケットが、必要十分な数だけ、適切な位置についているかどうかが重要です。そんな自分が何をおいても欲しいポケットは、胸のカンガルースタイルのポーチです。
ポイント6:ビブの作り
ビブ部分(胸位置)の大きさ・形状・材質などによって保温性や通気性、機能性に影響してきます。ここも好みの分かれるところで、どうあるべきといった共通の物差しがないため、各ブランドの各モデルでかなりばらつきが大きいところではあります。
自分の場合はあまり大きすぎたり通気性の少ないビブは好みではなく、ほどほどの高さで、メッシュ地の控えめな作りの方が好きです。とはいえきちんと大き目のポケットは欲しい。どちらも兼ねてくれるとありがたいですが、どちらかが満足できればそれでもいいかなくらいに考えています。
ポイント7:その他の特徴
ポケットやベンチレーション、ビブの作りの他にも、トイレ対応サスペンダーの有無や、裾内側のエッジガード、トランシーバー対応・ビーコン対応のポケット、RECCOシステムの搭載、重量、もちろんデザインや価格もですが、細かい特徴の違いがあります。ただ、どれも上で説明したポイントに比べれば致命的な要素とはいえませんので、それぞれのこだわりに従って選んでよいでしょう。
まとめ
スノービブといえどもさまざまな特徴の違いがあり、ビブパンツなら何でもいいかというとそうでもなく、性能や機能で細かな違いがあり、どこを比べればよいのかについておぼろげながら分かっていただけたかと思います。ただパンツは特にサイズ感が自分に合うかどうかがシビアな問題だったりしますので、やはりスペックだけでなく、パンツ選びでは実際に試着してみるのが一番だと思います。性能・フィット・デザインと、すべてが満足いくスノービブに出会えるよう、この記事が参考になれば幸いです。それではよい冬を。