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軽量・快適・スタイリッシュ。春夏登山におすすめのトレッキングパンツ7+7着

パンツ選びは機能で選んで、直感で決める

登山やクライミングなどのアウトドア・アクティビティに最適なトレッキングパンツにもさまざまなタイプ・バリエーションがあることは以前のトレッキングパンツの選び方でお伝えしました。これからの季節、炎天下での長時間行動によってパンツは汗でぐっしょり、肌触りも不快になるだけでなく、重量も身体との摩擦も増えて疲れやすくなってしまいます。そんな季節に大活躍するのが、薄くてかるく、通気性・速乾性抜群なうえに動きやすい春夏向けのトレッキングパンツです。

そこで今回は、特にこれから夏のアウトドア(トレッキングやハイキング)にピッタリのトレッキングパンツをピックアップしました。ただ、これまで数多くのパンツを試着し履きつぶして実感するのは、パンツに関しては機能面での違いもさることながら、それよりも体型の違いによるフィット感の違いや、個々人の好みが適不適に密接に関わってくるものであるということ。もちろん機能的にしっかりして安全なモデルを選ぶことは前提ですが、アウトドアで最も大切な「歩く」楽しみを損なうようであればそれも本末転倒です。

このため今回のおすすめ紹介では機能性と動きやすさ重視の7着と、日常のカジュアルなシーンでも使えそうなスタイル重視の7着との2方向でピックアップしてみました。スタイル重視といっても登山に求められる最低限の機能は持ち合わせていますので、どのモデルも一般的な登山ならば十分に活躍してくるはずです。

一通り実際に足を通してみてどれも超おすすめであることは間違いないのですが、人によっては合わないモデルもあることは否定しません。やはり最終的には実際に足を通してみて、自身の五感で判断することが大切です。

秋冬シーズンのおすすめがみたいという方はこちらへ

目次

前半:動きやすさと機能重視で選ぶおすすめトレッキングパンツ7着

後半:シルエット重視で選ぶおすすめトレッキングパンツ7着

動きやすさと機能重視で選ぶおすすめトレッキングパンツ7着

選定にあたっての重視した点

以上のポイントを加味して選出。より機能性の高さが目立つモデルは前半の7着へ、デザイン性の高いモデルは後半7着へ振り分けました。

Arc’teryx Psiphon SL パンツ

2015年に新登場したクライミング向け、動きやすさ抜群のソフトシェルパンツ。当時元々ノーマークからの試着して一目惚れという珍しいパターンでしたが、それからというものハッキリいって相当お世話になってます。とにかく抜群に軽くて動きやすい。膝や股の余裕のもたせ方からストレッチの具合、さらっとした肌触りなど、クライミングに特化しているとはいえ日常生活からトレッキングまで十分に使えます。

ただ、2016年は春夏用トレッキングパンツの定番 Palisade Pant もリニューアルし、その意味で今年は非常に迷いました。あちらの良さはより軽くて通気性の高い素材ならではの清涼感とたくさんのポケットによる利便性であり、一方こちらの良さはその履き心地と機動性の高さ。どちらも甲乙つけがたい素晴らしさ。好みに応じて直感で選ぶべし。

HAGLOFS Lite Cross Pant

膝やヒップなど動きが重要な部分には人間工学に基づく裁断でストレッチ性の高い素材(FlexAble)を採用し、着心地と耐久性が必要な部分には肌触りと通気性・速乾性・耐久性に優れた素材(Climatic)を使用した、着心地と動きやすさを融合した完成度の高い軽量トレッキングパンツ。

2015年にこのサイトでも取り上げた LITE HYBRID PANT が今年に入ってリニューアルしたものと思われ、それとの比較でいうと、機能的にはほぼ同じながらカラーバリエーションとシルエットがより洗練された印象。相変わらず良くできてるわ。

Marmot PEAKUP PANT

マーモットの春夏定番トレッキングパンツといえば Act Easy Pant ですが、機能的には満足なものの、個人的にはあと一歩というところでおすすめ入りを見送っていました。しかしこの2016年新登場の PEAKUP PANT は足上げ時のつっぱり感を軽減する独自の裁断「ピークアップパターン」による機動性の向上だけでなく、履き心地、シルエットなど、マーモットのパンツに今ひとつ足りないと感じていた部分が見事に埋まったことで、あと一歩という印象を拭い去るのに十分な完成度に到達しています。

NORRONA bitihorn lightweight Pants

ハイカーやトレイルランナーに親しまれたノルウェーの有名な山名からとられた、ノローナ最軽量のトレッキングパンツ。全体的にはパリっとして伸縮性のない生地を使っていますが、膝とヒップ部分に補強ストレッチパネルを配置してあり、動きにくさは感じません。通気性・速乾性と高い防風性を備えている一方で、両脇には大胆に開閉するベンチレーションが暑い季節での汗の発散に大きく役立ちます。ウェストを調整するベルクロや足首を拡げるジッパーなど便利な機能も数多く、北欧ブランドらしく上品で綺麗なシルエットも含めてかなり仕上がってます。

OUTDOOR RESEARCH FERROSI CRAG PANTS

薄くて軽量なのに丈夫で透湿性・速乾性・耐風性に優れた OR の春夏定番ソフトシェルパンツ FERROSI PANTS は、抜群のストレッチ性によってクライミングからトレッキングまで汎用性の高いモデルであることは今でも変わりません。ただ2016年は、さらに動きやすさと要所の補強を施したこちらのモデルがよりおすすめ。

ストレッチ性をはじめ主な特徴はそのままに、マチの入った股下はクライミングをはじめとした大きな身体の動きにも自然に対応してくれますし、ひざ周りとお尻には耐摩耗性を向上させたコーデュラ素材が配置され長期の行動でも安心。さらにウェスト内側には長さ調節可能なドローコードが付いてより使いやすくなっています。

patagonia RPS Rock Pants

2015年の初登場時からお気に入りの1つで、今年はカラーの変更のみ。クライミングでのムーブを想定した大胆な立体裁断からパタゴニアのラインナップではクライミングパンツとして位置づけられていますが、このフォルムと機能から、むしろとてつもなく軽量で動きやすいトレッキングパンツとして十分活躍してくれます。脚を通してすぐに感じられる自然なフィットと適度な伸縮性による動きやすさだけでなく、シンプルかつ簡単なウェストのサイズ調整システム、少々の雨なら弾いてくれる(DWR加工)など、優れた機能が満載です。

Phenix Repel Pants

なぜかトレッキングパンツに優れたモデルが多いフェニックスですが、なかでも際だって使えるパンツがこちら。昨年から機能面は継続、カラーリングのみ変更された模様。腿とヒップに配置されたベンチレーションや各所に配されたメッシュ生地による通気性の高さや発汗時の快適さに加え、日帰りならば雨具は要らないとすらいえる驚異的な撥水性の高さ(100洗80点)は他にはない魅力。スリムながらも立体裁断のきいたムダの無いシルエットは、適度なストレッチと立体裁断により動きやすさも問題なしです。

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シルエットで選ぶおすすめトレッキングパンツ7着

動きやすさを確保するためにゆとりをもったフォルムにしなければならなかったのは過去の話。今やポリウレタン繊維(スパンデックス)によってストレッチ性が格段に向上し、十分な機能でなおかつスリムでスタイリッシュなモデルも増えてきました。このストレッチ生地は時間とともに劣化する耐久性や、薄くできないといった面でまだデメリットがないわけではないですが、それでも使い方によって必要十分な機能とともに、着る楽しみという新たな可能性をアウトドア・ウェアにも与えてくれるという意味で、今後も益々積極的に採り入れられていくと思われます。

Arc’teryx LEFROY パンツ

2016年新登場のトレッキング向けパンツである LEFROY パンツはアークテリクスのなかでも特にタイトでスタイリッシュなフォルムにもかかわらず、その窮屈さをまったく感じさせない動きやすさを実現。その要因として考えられるのは伸縮素材(ポリウレタン)を14%も混紡した生地構成と、ガゼットクロッチ(股下のマチ)を備えた立体構造の裁断仕様。ポケットは両脇と片腿の3つのみですが、ぶっちゃけ、あればあったでポケットに物を入れすぎてあまりいいことは無いし。とにかく、こういうの待ってましたって感じです。

HAGLOFS DRACO PANT

スッキリとした綺麗なシルエットの多いホグロフスですが、なかでも DRACO PANT のカッコよさは段違い。腿のポケットがなければ間違いなく普段使いのパンツとしてヘビロテ間違いなしだったでしょう。その細身のシルエットを可能にしているのが、高い伸縮性のソフトシェル素材(Bluesign 認証済)。こちらもポリウレタン系素材を15%ほど使用しており、ストレッチ性は抜群です。先ほど紹介した同ブランドの Lite Cross Pant に比べると清涼感や透湿性といった点では劣りますが、それを補うような動きやすさとスタイリッシュさ、耐久性を備えています。

MILLET LES DRUS XTREM PANT

機能的には優れているものの昔からの伝統的なフォルムが多く、その意味で個人的に惜しいモデルがたくさんあるミレーのパンツですが、ようやくこの1着というモデルが見つかりました。決め手はやはり履き心地の良さに妥協しない、圧倒的なシルエットの良さ。フランス企画のモデルらしく、腰から腿のあたりが見事に引き締まり、コレを穿けば誰もが足長さん間違いなし。もちろんストレッチは十分効いているので窮屈さは少ないです。

しかもスゴイのはそこだけでは終わらず、吸汗速乾性に優れたドライナミック素材にコーデュラナイロンを混紡した生地は軽量ながらも高い耐久性と快適さを備えているという曲者です。

Mountain Equipment Granite Bottom

この一着に関しては申し訳ないけど機能面での過度な期待はしないでください。でも「これがトレッキングパンツ?」と目を疑うほどのデザイン的な素晴らしさは、それだけでここに紹介する価値があると思わせてくれるのに十分です。

厳密にいうとこのモデルはトレッキングというよりもボルダリング向けなので、その意味でも長く厳しい登山に最適とは言いがたいかも知れません。それでもタイトなのに立体裁断とストレッチ素材による動きやすさ、ナイロン地の通気性・速乾性の高さ、撥水処理など基本的な機能については一通り備えているようなので、この心地よさは軽めのハイキングにもってこないのではないでしょうか。

patagonia Tribune Pants

パタゴニアにはスリムでスタイリッシュかつ高機能という隙のない優秀なモデルが多く、そのなかでもシルエット的に一番のお気に入りがこちら。4方向の高い伸縮性と立体形状がアウトドア全般に最適なのはもちろんのこと、コットンのような肌触りの良さから日常のリラックスしたシーンにも驚くほどマッチします。1人1枚は持っていたい逸品。

Phenix Fine Slim Pants

日本人の体型に合わせつつもファッション性の高いモデルを多く揃えたフェニックスのなかでも最もスリムでスタイリッシュなのがその名も Fine Slim Pants。クライミングを想定しているだけあって、シルエットの美しさに加えた立体裁断と股マチ構造による可動性は抜群。さらに腰裏に配されたベンチレーションやベルト裏、腰裏の撥水メッシュなどによりトレッキングにも十分活躍してくれそうです。

THE NORTH FACE アクセルライトパンツ

TNF のパンツというとラインナップは豊富なものの、良くも悪くも日本の伝統的な登山ウェアっぽいゆったりめのモデルや、極端に機能重視の(行きの電車内でも穿きづらいような)モデルが多く、個人的にはあまり琴線に触れることは正直無かったのですが、今年は違います。

2016年に力を入れているファストパッキング向けラインナップの1つであるこちらは春~夏の登山に適した極薄・超軽量ソフトシェルパンツ。タイトなシルエットと縫い目のまったく目立たないシャープな見た目が斬新。その上高いストレッチ性、サラサラと快適な肌触り、速乾性、撥水性など、外見だけに終わらない全般的な使い勝手の良さから、登山だけでなく多くの用途に使えそうです。1つだけお願いしたいのは、ウェストと丈のサイズ展開をもっと拡大してくれということ(残念ながら自分の体型には合わず・・)。

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