気軽にトレイルランニング・登山道具を試せるイベントとしておなじみ『TRAIL OPEN AIR DEMO 5(TOAD5)』が今年も青梅で行われました。
その年の新作がリリースされるタイミングと重なるこの時期、各ブランドが今年は何をプッシュしてくるのかを見るのが楽しみであることはもちろんですが、これまで知らなかった新しいブランドにも会える日本では貴重な機会として、個人的に毎年外せないイベントとして定着しつつあります。
一方、ウルトラライト・ハイキングやキャンプなどのガレージブランドを中心とした展示会として急成長しつつある『Off The Grid 2019』も町田市で行われ、ここでしか販売されない限定グッズを求めて、今年もオープン前から長蛇の列ができるほどの賑わいを見せていました。
めずらしく開催日が重なった今年、OGZではこの2つのイベントに無謀にも1日ではしご取材を慣行。
抜けるような青空の下、首筋をじりじりと日に焼かれながら駆け足でめぐって見つけた、今シーズンの注目・新顔をまとめてみます。
#1:TRAIL OPEN AIR DEMO 5 で見つけた2019シーズン注目ブランド・アイテム
La Sportiva BUSHIDO 2
毎年新作が盛りだくさんのイタリア老舗マウンテンシューズブランド、スポルティバからは、アスリートの要望に応えたスピード系のトレイルランシューズとして定評のあるBUSHIDOがアップデート。軽さと安定性という利点を残しながら、新しいミッドソールによってさらなるレスポンスの高さと反発力を生んでいるというから期待大。
RaidLight REVOLUTIV SHOES
フランスのトレイルランニング・ブランドでは人気のレイドライトから、全面リニューアルされたというシューズたちが注目。中でもフラッグシップのこのモデルは2層構造のアッパーによってフィット感向上と小石など侵入を防ぐ一石二鳥の構造。食い込みが強く目詰まりしにくそうなラグパターンなど、タフなコンディションに強く、日本のトレイルとの相性もよさそうです。
MERRELL MTL CIRRUS/MOMENTOUS
メレルの新しいトレイルラン向けシューズも注目。どちらもビブラムのメガグリップを採用してグリップ力は間違いなし。アンバサダーのフィードバックから作られたスピード重視のMTLシーラス(写真右)と、着地の安定性とクッション性を備えたロングディスタンスもいけるモーメンタス(写真左)。どちらも楽しみ。
Black Diamond ディスタンス15
今シーズンは個人的に20L前後のベスト型バックパックが熱い。走っている時でもブレずに安定性を保ち、長旅の使用にも耐えうる収納性・利便性を両立させるという課題は、現代のバックパック職人たちにとっての新しいチャレンジになっているようで、最近各ブランドから興味深い新作が登場している気がします。本作はBlack Diamondらしくクライミングパックからのアプローチであるのが面白いだけでなく、ルックスもいけています。今年絶対試す。
エバニュー フォクープ
一見何の変哲もないスプーンとフォークの一体型カトラリー(いわゆるスポーク)。エバニューがこだわったのは木の質感、ではなく、なんとクッカーの縁に隙間なくフィットするスプーンのカーブでした。山での食器洗いは水を使わずペーパーなどで拭き取りますが、「少しでもふき取りやすいようにまずスプーンで食べ残しを必死にこそぎがち」という登山あるあるを知っていないと絶対に出てこないこの発想をもつブランドは、これからもずっと見守っていきたい。
GORE WEAR GORE® R7 GORE-TEX SHAKEDRY™ Trail Hooded Jacket
素材メーカーであるゴアテックスのオリジナルアパレルブランドが初?出展。サイクリング系中心だったというラインナップに、いつの間にかランニング方面にも興味深いモデルが多数出てきました。このモデルの注目ポイントはカラーリング。他ブランドが開発しているGORE-TEX SHAKEDRY™のジャケットが黒一色で見た目はあまり差がないのに対し、カラーモデルが作れているのは現時点ではGORE WEARだけなのです。なるほど、そう来たか。これから目が離せないブランドです。
PaaGo WORKS RUSHシリーズ
日本発のアウトドアブランド、PaaGo WORKSの開発した「日本人のためのトレランパック」RUSHシリーズ(写真は新作5R)は使いやすいと特にランナーからの信頼が厚く、28Lモデルは個人的にもスピードハイキングに愛用しています。それが今シーズン満を持してリニューアル。背面の背負い心地から、ポケットをはじめとした使い勝手までいろいろなところが改善されていて、こりゃ待ちきれない。
NATHAN VaporKrar 2.0
世界的なエンデュランスランナー「Rob Krar」と共同開発のレースベストがアップデート。見ただけで分かる軽さもそうですが、伸縮生地によるフィット感がめちゃくちゃ高い。ポケット類の配置がより使いやすくなって、ますます注目のパックです。
Vibram ファイブフィンガーズ V-Trail 2.0
一度は見たことがあるかもしれない「裸足より裸足らしい履き心地」のビブラム社製5本指シューズ。今さら?という感じがするかもしれませんが、初出展していたこと、そして気が付いたらラインナップがとんでもないことになっていたことに驚いたので。写真のモデルはメガグリップを採用しているトレイルラン向けモデル。ファイブフィンガーズならではの柔軟性と、不整地から足を守るプロテクションをバランスよく設計したとあって、俄然興味がわきました。ちなみにこれ以外にもハイキングモデルなど含めて20種類近くラインナップが広がっています。
SKINS A400 COMPRESSION
SKINSのフラッグシップモデルA400は、独自の動的段階的着圧機能はもちろん、最新の人間工学に基づいて性質の異なる生地を細かにマッピングすることによって、ハードな運動に安定感をもたらし、長時間の運動をサポートしてくれます。驚きなのは女性と男性、それぞれ独自のパターニングで設計している部分。男性と女性の骨格や筋肉の付き方の違いによって、サポートされるべき方法が異なるという研究から生まれています。こういうの聞くとめちゃくちゃ試したくなる性分。
R×L WILD WOOL ソックス
左右別立体製法ソックスの生みの親、武田レッグウェアーが、快適だけど耐久性に弱点のあったメリノウールに耐久性のあるコーデュラナイロンを混紡した最新モデルをリリース。あの『TJAR(トランスジャパンアルプスレース)』4連覇の望月将悟も太鼓判を押すその完成度の高さは今から楽しみでしょうがありません。
ULTRA LUNCH ビバークレーション
Veganフードの製造やケータリングを展開しているULTRA LUNCHさんが、趣味の山でも安心・満足なご飯をと開発されたのがこのビバークレーション。1食あたり400キロカロリーを超える十分なボリューム、Vegan仕様のヘルシーさ。それでいて熱湯2分という簡単さ。まさに「山ごはんの新スタンダード」。スパイシーな「トマトキック」、爽やかで身体がしっかり温まる「ホッター・ザン・カレー」、芳醇な香りが嬉しい「ポルチーニクリーム」、 日本人で良かった「海苔茶漬け」と4味あるのもうれしい。
『Trail Open Air Demo 5』『Off The Grid 2019』レポートPart2 公開しました!詳細はこちら