今回は今シーズン個人的に掘り下げている、「エアマット用小型電動ポンプ」についての話題を。
簡単に言うと、エア注入式のスリーピングパッド(エアマットレス)はこれまで、口あるいはポンプサックによって手動で空気を入れなければなりませんでしたが、それをモーター式のファンによって自動で注入してくれるギア。
ここ最近各社から新製品が続々と登場していましたが、先日海外のKICKSTERTERでのプロジェクト投票期間が終了し、今か今かと到着を待ち望んでいた超軽量エアポンプ、AEROGOGO社の「GIGA PUMP Air」がついに到着。小さな箱に、これまた小さな本体とポンプのアダプターがいくつか。いたってシンプルな梱包でポロっと送られてきました。
持ってみると噂通り、重さなんてあってないような軽さ(28グラム)、本体は親指大、ケーブルを含めても手のひらに収まるサイズです。
構造を見てみると、本体は片面がそれ自体もノズルとして機能する注入用の口(下写真)、
片面が排出用の口(下写真)となっています。
本体には短いUSB-Cケーブルが標準で付いています。通常はこのケーブルを何らかのモバイルバッテリーにつなげば、即座に空気の注入(or排出)が始まります。
この備え付けのケーブルで万が一届かない場合などには、もう一つ見えるUSB-Cポートに自前のUSB-Cケーブルをつなぐことでも操作ができます。
持ち運び時には、このUSB-Cポートにケーブルを差し込んで、カラビナにひかっけて持ち運べたりするみたい(下写真真ん中)。
マットレスのノズル形状に合わせてアダプターがいくつか用意されています。
ただ、何もつけていない状態では「NEMO」のマットレスに対応、のはずなのに、注入はできるものの、注入中は手で押さえていないと抜けてしまうというまさかの仕様。全体的にこの注入口のアダプターとノズルの作りも甘く、個人的にはここは悲しすぎました。
ちなみに、Ther-ma-restは問題なし(下写真)。
Rabやarataのマットレスも、放置状態で注入OKでした(下写真)。
さっそくエアマット注入。威力ヤバすぎた。
何はともあれ、この製品の価値はエアを自動注入できること。
さっそくNEMOのテンサートレイルで使用感を試してみました。
やり方はいたって簡単。
エアマットの注入口にGIGA PUMP Airの注入ノズルを差し込み、モバイルバッテリーを接続するだけ。
するとこれまでのもっと大きなサイズのポンプと遜色のない強力な風力がヤバすぎました。
あっという間の43秒足らずで、NEMOのエアマットがマックスの空気圧までフルに充填できてしまいました。
※その一連の様子はこちらの動画から確認することができます。
この種の電動ポンプ、超小型を謳っている製品でよくあるのが、出力が弱くて充填が遅いことなのですが、このモデルはまったくそんなことはありません。下手したら電池内蔵型の本格モデルと同等レベルでの高出力を実現しています。
ただ、その分音は「静か」というには若干憚られるほどで、静寂の中でのテント場で使うにはちょっと気を遣うかもしれません。とはいえ数十秒程度のことなので、テント内で使用していればそこまで気にすることもないとは思います。
そしてもう一つ気になる消費電力ですが、約1分間の膨張でわずか40mAhしか消費しませんので、エアマット1回で約25mAh程度。つまり標準的な10,000mAhのモバイルバッテリーでエアマットが400回注入できる計算。あるいは、iPhone 16 Proのバッテリーが3,582mAhですから、スマホ電池の約0.7%程度の電力量と考えると分かりやすいか。いずれにせよ電力消費量もほんの微々たるものだということです。
ちなみにこの電動ポンプは、エアマットの空気入れの他にも、ブロワーとして火吹き棒の代わりにもなるとか。
これでエアマットレスに付属しているポンプサックを削減すれば、重量と荷物の削減にもつながる。結論として、これまで使用してきた中でも最も使い勝手のいい電動ポンプサック。今のところテント泊ハイキング・沢登りでの標準装備リスト入り確定です。
現在、日本でもMAKUAKEにてプロジェクトがまだ進行中のようですので、気になる方はチェックしてみては。
【2025年11月17日追記】またも新たな注目モデルが登場
と、この記事を書いていた途中に、またもこのモデルを上回るパフォーマンスの予感をにおわせる新作モデルが登場していることが分かりました。
ここまで来たらもう後戻りはできません。さっそくプロジェクトにバックしちゃいました。こいつも届いたら近日中にレポートしてみたいと思います。


