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【忖度なしの自腹レビュー】最新テクノロジーと匠のデザインが凝縮した「PETZL スイフトRL」はパワー、実用性、ともに文句なしの傑作ヘッドランプ

夜間に行動するハイカーやランナーにとってヘッドランプは欠かせないアイテム。

安全面から山岳地帯で日中の活動をする際にも必携品です。

多くのクライミングギアを扱うPETZL(ペツル)から最新のテクノロジーが搭載されたヘッドランプ「スイフトRL」が登場しました。そのスイフトRLを使う機会をいただき、北アルプスや奥秩父で試してきたのでレビューをしていきたいと思います。

スイフトRLはハイカーやランナーをはじめ、アウトドアアクティビティをするすべての人におすすめなヘッドランプです。

ヘッドランプは明るさが正義。一般的には「明るさ」と言えばlm(ルーメン)やlx(ルクス)といった照射パワーの大きさで判断されがちですが、数値だけではない、スイフトRLのフィールドで実際に感じられる性能の高さも含めてしっかりとお伝えします。

PETZL スイフトRLの主な特徴

光センサーにより、状況に応じて光量とビームパターンが自動で調節されるリアクティブライティングテクノロジーが搭載れたヘッドランプ「スイフトRL」はその瞬間に最適な照射をするだけでなく、バッテリー消費を抑え、長時間の照射と快適な視界が得られます。

リアクティブライティングモードでは最大1100ルーメンの明るさにより155m先まで照射可能。スタンダードライティングモードでも700ルーメンの照射力を持ち、暗い場所での活動中も確実に照らしてくれます。

ミックスビームにより、近距離および遠距離をバランスよく照射してくれ、アウトドアアクティビティ中に求められる高いレベルの照射性能を発揮。

容量 2350 mAh のリチウムイオンバッテリーはUSB Type-C により再充電でき、インジケーターによる残量確認が可能になっていることで電池残量の不安を解消。モバイルバッテリーを携帯していれば山行中でも充電することができます。

エルゴノミクスデザインの調節型ヘッドバンドは特許取得済みで、二股に分かれていることによりフィット感が高められ、ハイカーにとってもランナーにとっても最適なフィットが得られるようになっており、取外しての洗浄も可能です。

上下どちらにも角度が調節できることより、首にかけての使用や、ヘルメットに装着して照射したい方向へ傾けることができるため、適切な照射が得られ、行動中やクライミング時だけでなく、キャンプやビレイの時にも使いやすくなっています。

お気に入りポイント

気になるポイント

主なスペックと評価

アイテム名 PETZL スイフトRL
重量 (g) 100g
バッテリー 2350 mAh のリチウムイオンバッテリー
防水等級 IPX4
ライト種類
  • リアクティブライティング
  • スタンダードライティング
  • 赤色
付属品
  • USB-Type C ケーブル
  • バッテリー
  • 収納袋
Outdoor Gearzine評価
遠距離照射 ★★★★★
近距離照射 ★★★★★
使いやすさ ★★★★☆
体感重量 ★★★★☆
バッテリー寿命 ★★★★☆
防水性 ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆

照射モード詳細

照射モード 照射力 照射距離 照射時間
リアクティブライティング
  • 強:30 ~ 1100 lm
  • 中:25 ~ 275 lm
  • 弱:18 ~ 100 lm
  • 強:155 m
  • 中:75m
  • 弱:35m
  • 強:2 ~ 35 h
  • 中:7 ~ 45 h
  • 弱:10 ~ 70 h
スタンダードライティング
  • 強:700 lm
  • 中:160 lm
  • 弱:10 lm
  • 強:115 m
  • 中:50m
  • 弱:12m
  • 強:2 h
  • 中:7h
  • 弱:100h
赤色灯 3 lm 50m 60h
赤色灯(点滅) 50 メートルの距離から 300 時間にわたり視認可能

満充電から5時間計測した時の明るさ減衰グラフ

※光源から約1m離れた壁に設置した照度計で計測された明るさ(単位はルクス)を10秒おきに計測。モードはスタンダードライティングモードの強出力。

詳細レビュー

北アルプスや奥秩父の山で実際にテストをしてきたことをお伝えしてきます。

最大で1100lmの強力な光量

スイフトRLは最大で1100ルーメンの明るさを提供してくれます。

普段300ルーメンほどのヘッドランプで行動することの多かった筆者にとっては昼間になったと感じるくらいの照射力!(言い過ぎとは思ってません!)

高い光量を維持できるのは短く、公式照射時間は約2時間ほどですが、岩稜帯や鎖場など不安のある場所では最大光量にすることで視認性が上がり、より安全に行動することができます。

実際に燕岳でテストした時は難所こそなかったものの、山頂付近では足元の狭い場所を通過するタイミングで最大光量にしたことで安心して山頂を目指すことができました。

明るさは3段階で調整することができるのでキャンプ地などでは弱モードで、樹林帯など比較的安全な場所での行動中は中モード、岩稜帯などシビアなシーンでは強モードを使い分けることができます。

状況に応じて光量とビームパターンが自動で調節されるリアクティブライティングテクノロジー

矢印の部分が光センサー

ただ光量が高いヘッドランプなら他にもありますし、より高出力のヘッドランプも存在します。

スイフトRLの優れている機能がリアクティブライティングモードです。

光センサーが明るさを判断し、状況に応じた光量とビームパターンを自動調整してくれることにより、視界を確保してくれ、最適な照射をしてくれ、バッテリー消費も節約してくれます。

これによりリアクティブライティングモードでは照射時間は「強モード」で2〜35時間と幅があり、長時間の照射と最適な視界を確保することが可能になることで長時間のアウトドアアクティビティでの使用にも適しています。

光センサーで光量を自動調整してくれるリアクティブライティングモードとは別に、明るさが固定のスタンダードライティングモードもありますので、一定の明るさを求めている時にはスタンダードライティングモードにすれば常に同じ光量の照射ができます。

実験:光センサーを手で覆うとどうなるか

右が光センサーを覆った状態で、瞬時に光量がアップする

リアクティブライティングモードで光センサーによる光量の自動調整を確認するため、実験をしてみました。点灯した状態でセンサーを手で覆い暗くすると、即座に光量が上がります。

実際に北アルプスで使用した時は、リアクティブライティングモードで撮影をしたり、明るくなる前の登山道を歩いたのですが、光センサーは感度が高く、携帯で時間を確認する時などにはスマートフォンのバックライトに反応し、すぐに光量が下がり、また歩き出すと光量が上がることで視界を確保してくれました。

動きと共に光量を調整してくれるため、意識していないと変化には気づけないほどなめらかなで、首をブンブン振ってみることで変化を感じることはできました(真似しないほうがいいです)

ボタンひとつで操作するのには慣れが必要

スイフトRLはリアクティブライティング、スタンダードライティング、赤色灯に加え、偶発的な点灯を防ぐためのロック機能をひとつのボタン操作でおこないます。

そのためボタンを押す時間を変えることでモード切り替え、ロックをしますが、慣れが必要になりますので山へと持ち出す前にしっかりと練習をしておきましょう。

筆者は出発前に偶発的な点灯を防ぐためにロック(ボタン長押し6秒)し、使おうと思った時にロックの解除を忘れてしまい、点灯できずに苦戦してしまいました。(ロック解除はボタン長押し4秒か、ボタンを4回)

点灯できなかった時は焦りました、ボタンの長押しで解除できるのでことなきを得ましたが、恥ずかしい失敗談です。

ミックスビームにより近距離と長距離の照射バランスの良さ

スイフトRLは強力な光量で照射でき、光量を自動で調整できる明るいヘッドランプではありません(いや、これだけでも十分すごいのですが)

ミックスビームにより遠距離をしっかりと照射しつつも近距離もバランスよく照らしてくれるので安心感が段違いに高いです。

トレイルランニングやスピードハイクでは遠くを照らすことに重視されがちですが、実際に行動してみると足元もしっかりと照射してくれないと次の一歩を踏み出す時に不安が生まれます。足元に不安があると、行動しながら近距離と遠距離を把握するため頭を動かす頻度が上がり、余分なエネルギーを消費してしまいます。

スイフトRLは遠距離と近距離をバランスよく照射してくれるので、夜間も遠距離と近距離の状況把握がしやすく、安心して行動できます。真っ暗な中で一人で行動するときなどにははどうしても精神的な不安も付きまといますが、スイフトRLは実際の照射力以上の安心感を得ることができました。

夜間に活動する時には非常に頼りになる最新テクノロジーを搭載しているスイフトRLですが、ネックなのは価格。

価格に見合った機能が備わっているとはいえ、初期投資としてはなかなか高額です。

USB-Type Cで充電が可能

「USB-Type Cで充電できるなんて別に普通じゃん」と言われてしまうかもしれませんが少し説明させてください。

スマホが普及し、現代では山行にあたってモバイルバッテリーの携帯はマストと言えます。モバイルバッテリーを持っていれば行動中の充電も可能になりますから。ですが、充電端子が特殊なタイプだと専用のケーブルを携帯する必要があり、その分だけ装備点数は増えてしまいます。できるだけスマートに装備をまとめるにはケーブルは使いまわせるように充電端子を統一させたほうがベターです。

スイフトRLはUSB-Type Cで充電することができるのでinsta360など、USB-Type Cで充電できる機器をケーブルを共有でき、持っていくケーブルの本数を少なくさせることができます(カメラや撮影機器を持っていく人にとっては結構重要なポイントです)

使う機材などで個人差は生まれてしまいますが、筆者の場合、充電端子の形状は道具選びの条件に入っています。

高いフィット感の調節バンド

後頭部で二股に分かれているヘッドバンドは見た目よりもずっと高いフィット感を得ることができます。

筆者はこれまでシンプルな1本のヘッドバンドを使ったヘッドランプを使っていたのですが、スイフトRLを使ってみるとフィット感の高さに驚きました。たかが、二股と侮るなかれ。後頭部で二股に分かれていることにより激しい行動をしてもずれたりすることなくしっかりとフィットしくれます。

額に当たるところにはクッションの入ったバンドが使われており、長時間の装着もストレスを感じにくくしてくれ、汗の染み込んでしまったヘッドバンドは取り外して洗濯することもできるので衛生面もGOOD。

バッテリー残量が一目で分かるインジケーター

電池式のヘッドランプを使用したことのある人なら誰でも経験がある「バッテリー残量問題」

使い捨ての電池は残量が分からないため、一度使用してしまうとあとどのくらい照射してくれるのかが分かりません。そのため山へ入る前に新しい電池に変更しますが、家には中途半端な電池が溜まってしまいます。

スイフトRLは5段階のインジケーターにより、より正確なバッテリー残量を把握することができます。

使用後に充電をしておけば次の山行にはフルバッテリーで出かけることができますし、わざわざ電池を購入する手間もなくなります。

電池との併用はできない

少し気になったポイントとしては電池との併用ができないこと。電池との併用が可能なハイブリッドなヘッドランプであれば、バッテリーにトラブルが発生した時などでは電池に切り替えることでトラブルシューティングが可能ですが、スイフトRLは専用のバッテリーのみ。別売でバッテリーを追加することはできますが、購入するには初期投資のコストがかかってきます。

モバイルバッテリーに接続し、充電しながらの点灯ができるがテストしましたが、充電中は点灯ができないため、使用前の充電をしっかりと行うことと、万が一のトラブルに備えてバックアップをとる必要があります。

ランタンにもなる付属のポーチ

付属のポーチは照射した状態でポーチの中に入れることで置き型のランタンとして使うことも可能。

長期縦走の時などは別でランタンを持っていき、バッテリー消費を抑えるために併用しますが、1泊など短い期間であればスイフトRLをテント内でランタンとして使用することでランタンを持っていく必要がなくなり、装備点数を減らすことができます。

おまけみたいな機能だと思っていましたが、これが思った以上に便利、1泊の山行ならこれで十分。モバイルバッテリーを持てば2泊、3泊にも対応することができます。

まとめ:最新のテクノロジーが搭載されたヘッドランプは伊達じゃなかった!スピード感が重要なすべてのアクティビティで無敵の使いやすさを誇る超おすすめヘッドランプ

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夜間に行動するハイカーやランナーにとってヘッドランプは命綱とも言えるアイテムです。そして万が一の時には命運を分ける可能性のあるギアといっても言い過ぎではありません。

特にスピードを求める行動をする時などには遠距離と近距離をバランスよく照射してくれるヘッドランプが活躍してくれます。

スイフトRLのような最新のテクノロジーを搭載したヘッドランプは幅広いアウトドアアクティビティで多用途に使用できる究極のヘッドランプと言えるでしょう。

ただ明るいだけでなく、安心感のあるヘッドランプを相棒に山へと冒険に出かけましょう!

Yosuke(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

一年中アウトドアを楽しんでいるフリーのライター。 自身の経験や使ってみて良かった道具を発信しています。

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