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【忖度なしの自腹レビュー】150g切りの最軽量クラスながら135cmまで伸びる。「EVERNEW Johnnie Hiker」トレッキングポールはUL志向の全ハイカーにおすすめの一本

装備の中ではわりと地味な「トレッキングポール」ですが、快適に山を歩くために重要な役割を果たしてくれます。

2本のトレッキングポールを使い、4足歩行のように歩くことで下半身にかかる負荷を軽減できるだけでなく、足場の不安定な場所や沢を渡渉するときなど転倒防止になり、安定感を高めることができます。登りではストックを介して上半身の力を使い、推進力を利用してぐいぐい進むこともできますし、トレッキングポールを利用して体を引き上げるように歩くことで軽快に歩くことができます。一本のトレッキングポールを持ち替えてバランスをとりながらのんびり山歩きに使うことも。

トレッキングポールは様々なシーンで歩行をサポートしてくれる重量なアイテムです。

最近ではトレッキングポールの役割は「歩行のサポート」だけにとどまりません。フレームレステントの支柱として代用することで装備を軽量化させることができるため、多くのULハイカーがトレッキングポールを積極的に活用し、軽量なシェルターやテントを使い山行を楽しんでいます。

ざっくり50種類ほどのトレッキングポールの重量を調べてみたところ、1本あたりの重量が250g前後のものが多く、200gを切るようであれば軽量な部類といえますが、今回は150gを切る最軽量クラスのトレッキングポール、エバニューの「Johnnie Hiker」を紹介します。(150gを切るトレッキングポールは数えるほどしかありません)

体を支えるようなシーンで使うこともあるトレッキングポール、「軽すぎるのは強度的にどうなんだろうか?」

筆者も購入前は心配に近い疑問を抱いていましたが、実際に使ってみたところ、その疑問は吹き飛びました。”超” 軽量なトレッキングポール「Johnnie Hiker」は装備の軽量化だけでなく、筋力の少ない人も腕の負担を最小限に使うことのできる超有能なアイテムでした。

EVERNEW Johnnie Hikerの主な特徴

Johnnie Hikerは創業100年を迎えた日本の老舗アウトドアメーカー「エバニュー」が2024年に発売した究極にシンプルなカーボン製のトレッキングポールです。素材に使われているCFRP(炭素繊維複合材料)は比重はアルミニウムの約2/3と軽量で、剛性、強度は鉄の約10倍の強さで「軽さ」と「耐久性」を高いレベルで両立させています。

極限までシンプルに設計されたJohnnie Hikerは伸縮式で、固定方法はスクリューロック式。多くのULハイカーが使用するフレームレスのテントに対応するため、長さは最大で135cmまで伸ばすことが可能。

トレッキングポールとしては無段階に60cm〜135cmで自由に調節することができるので身長や体型に関係なく、使う人を選ばないトレッキングポールです。

お気に入りポイント

  • 150gを切る軽さ
  • CFRP製で体重をかけても安心の頑丈さ
  • 握りやすいグリップの形状
  • ストラップ装着するか選択できる
  • 600〜1350mmまで無段階で調節可能
  • 1350mmまで伸ばせるのでシェルターの支柱として使用可能
  • だたの模様かと思ったらメッセージが込められているデザイン

気になるポイント

  • 長さが分かる目盛りがないので感覚的になる
  • フリップロック式に比べて固定に手間のかかるスクリューロック式
  • スノーバスケットのオプションがあるといい

主なスペックと評価

アイテム名Johnnie Hiker
重量145g
連結方法伸縮式
ロックスクリューロック
サイズ(cm)600mm〜1,350mm
収納サイズ(cm)600mm
シャフト素材CFRP
付属品・石突プロテクター
・バスケット
Outdoor Gearzine評価
操作性★★★☆☆
重量★★★★★
携帯性★★★★★
収納性★★★★☆
耐久性★★★☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆

詳細レビュー

150gを切る軽さ

Johnnie Hikerの最大の特徴であり、魅力が「軽さ」です。

冒頭でもお伝えした通り、一般的なトレッキングポールの重量は250g前後。150g以下のトレッキングポールは数えるほどしかありません。Johnnie Hikerはトレッキングポールの中でも最軽量クラスです。

仮に一般的なトレッキングポールを250gだったと想定すると、Johnnie Hikerは1本当たり100gほど軽量にすることができますから(2本なら200g)、装備の重量への影響は大きくなります。UL志向のハイカーにとっては200gと聞いたら無視できない重量なはずです。

トレッキングポールが軽い方がいいと感じた理由

トレッキングポールを使うことで下半身にかかる負担を軽減したり、衝撃を緩和してくれますが、それは言い換えれば上半身に負担を分散させているということです。

長時間の使用により上半身(特に腕)に負担がかかってきます。(歩行がメインの登山で、数日後に腕が筋肉痛になることって経験ありませんか?)

装備を軽くして、体にかかる負担を軽減させることと、重たい装備を背負って長時間行動することができる筋力・体力を身につけることはどちらも真理です。

筆者の場合は装備は軽くして、体への負担を少なく歩きたいタイプ。

これまで一本250gほどのトレッキングポールをあまり疑問も感じずに使用してきましたが、Johnnie Hikerを使ってみて、上半身への負担を最小限に、下半身の衝撃を緩和してくれることのありがたさを実感しました(長時間の行動の後でも上半身の疲労は目に見えて分かるほど少ないことに感動したほどです)

体にかかる負担が少ない方が余裕が生まれ、厳しい登りの最中でも景色がよければカメラを向け、シャッターを切ることができます。

トレッキングポールを使う以上、腕にかかる負担はゼロにはなりません。最低限の筋力は必要ですが、ポールそのものが軽量な方が身軽な方がかかる負担は少なくなります。

CFRP製で体重をかけても安心の頑丈さ

軽量であるということは何かを犠牲にしているケースもあるのがULギア。作りをチープにしているものや、生地を極限まで薄くすることで強度や耐久性と引き換えに軽さを得ていることもめずらしくはありません。

筆者がJohnnie Hikerを使う前に懸念したのが「強度面」。トレッキングポールは時に体を支えたり、引き上げるために体重をかけたりしますから、強度が高いことは必須です。150gを切る魅力的な重量の反面、強度は大丈夫なのかと心配しましたが、実際に使用してみるとその心配はまったく無用でした。

トレッキングポールに全体重をかけてみたりしましたが、まったく問題はありませんでした。

横からの強い衝撃などに対してはテストはしていないため分かりませんが、少なくともこれまで使ってきたトレッキングポールと差を感じることなく使えます。

握りやすいグリップの形状

グリップの素材についてはカタログや公式HPに記載がないので正確なことは分かりませんが、高反発のスポンジが使用されており、滑りにくく、握りやすくなっています。太さも絶妙で、筆者は手は大きいと自負していますがグリップの太さは細すぎず、太すぎず。ちょうどよかったです。

グリップには凹凸があるので少ない力で握っていてもしっかりとポールに荷重をかけることができました。

溝が切ってあるため、汗をかいた時も滑りにくく、長時間の使用でも不快感を感じませんでした。

ストラップを装着するかオプションで選択できる

トレッキングポールは通常、ストラップが付属していることがほとんどです。ストラップは落下防止や、ダブルストックで推進力を利用してして進む時に活用します。Johnnie Hikerはオプション(別売)で装着するか選択できるため必要に応じて取り付けることが可能。

筆者は基本的に登山やハイキングでは1本のポールを左右持ち替えながらバランスをとるように使うことが多く、ストラップは不要でオプションになっているのはありがたいポイントでした。

スノーバスケットのオプションも欲しいところ

購入時に付属しているバスケットは雪山で使用するには少し小さめ。雪山にも登る筆者としては深い雪の中でもしっかり使えるよう大きめのスノーバスケットもオプションで欲しいところです。

600〜1350mmまで無段階で調節可能

Johnnie Hikerは60〜135cmで自由に調節が可能。どんな身長や体格の人でも使うことができます。

平坦な道を歩く分には長さの調節は必要ありませんが、山道では平坦な場所の方が少ないですよね。登りや下りの多い登山で岩が大く、一歩を大きく踏み出すシーンが多い時や、階段など一定の間隔で下るシーンに合わせて長さを変えることでより効果的に歩行のサポートができます。

軽量なトレッキングポールには長さが変更できないタイプのポールがあります。これは長さ調節できる機能を取り払うことで軽さに特化しているのですが、Johnnie Hikerはトレッキングポールの利便さを損なわずに「軽さ」を実現させているポールです。

長さが分かる目盛りがないため感覚的になる

気になるというか、慣れるまで時間がかかった点としては、長さが分かる目盛りが無いこと。

これまで使ってきたトレッキングポールはどれも長さが一目で分かるように目盛りがついていたので、登る時は◯cm、下りの時は◯cmと基準にする長さを決めていたのですが、Johnnie Hikerには目盛りが無いため、長さを決める時は感覚的になります。

目盛りがあることで長さが一目瞭然だった時に比べると、感覚的に長さを決めることに慣れるまで少しムズムズします。

慣れてくると体感でちょうどいい長さがわかってくるので目盛りが無いことが気にならなくなりました。

フリップロック式に比べて固定に手間のかかるスクリューロック式

Johnnie Hikerはスクリューロック式で、ポール本体をクルクルと回すことでロックしますが、しっかりと固定しないと体重をかけた時に縮んでしまいます。

ワンタッチで固定・解除ができるフリップロック式のトレッキングポールの使い手にとってはストレスを感じてしまうでしょう。

筆者もスクリューロックの固定には正直ストレスを感じてしまいます。

実測値で148.5gまで軽量になっているトレッキングポールなので文句は言えませんが、長さ調節などの実用性はフリックロック式のトレッキングポールに軍配が上がるのではないでしょうか。

ローカスギアのトレッキングポールCP3は筆者が最後までJohnnie Hikerとどちらにするか迷ったトレッキングポールです。Cp3は重量が155gとJohnnie Hikerに比べ若干重いものの、Cp3はフリップロック式なので長さ調節のしやすく実用性は高いと言えそうです。

ではなぜJohnnie Hikerにしたのかというと、収納時の「寸法」です。ローカスギアのCp3は65cm、Johnnie Hiker60cmと収納時の長さが短かったのが最終的な決め手でした。

重量も実用性も関係ないじゃんと思った方、もう少し話を聞いてください。

筆者は身長が180cmを超えており、登山道ではたびたびというか頻繁に木に頭をぶつけます。そしてトレッキングポールをバックパックに取り付けている時には頻繁にトレッキングポールの飛び出した部分を木に引っ掛けます。そんな理由から、固定に手間のかかるスクリューロック式であっても、とにかく収納サイズが小さくなるJohnnie Hikerを選びました。

1350mmまで伸ばせるのでシェルターの支柱として使用可能

八ヶ岳・青年小屋でテント泊した時の写真

Johnnie Hikerは最大で135cmまで伸ばすことができるため、多くのワンポールシェルターの支柱として使うことができます。

UL志向のハイカーであるならドーム型のテントよりもワンポールシェルターやツェルトなどを愛用している人も多いかと思います。1〜2人用のワンポールテントであれば、135cmまで伸ばすことができれば大体カバーすることができるでしょう。

テントの支柱として使う時もテントによって支柱の長さが決まっているので、目盛りのないJohnnie Hikerは長さ調節で多少の手間が発生します。支柱として使用する時に長さをすぐに知りたいのであれば、目印としてポールにステッカーなど貼ることで調節がしやすくなります。

だたの模様かと思ったらメッセージが込められているデザイン

Johnnie Hikerにプリントされているデザイン。なんなくかっこいい模様だなと思っていたのですが、よくよく見てみるとメッセージが込められています。

かっこいいなと思っていたデザインもメッセージを読み取れた時に愛着に変わり、お気に入りのポイントになりました。

道具は用途に合わせた機能や性能で選ぶのが基本ではありますが、ユーモアやユニークさを取り入れた遊び心は個人的に道具を長く使う時に重要になってくる要素です。

筆者は個人的にエバニューのファンでもありますが、最近のエバニュー製品はこういった遊び心やユーモアもセンスの光るネーミングのものや、詩が書いてあるアイテムもあったりして、思わず所有したくなってしまうところがあります。

まとめ:強度も問題なしの最軽量クラスのトレッキングポールはULハイカーの最適解!

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エバニューの軽量トレッキングポールJohnnie Hikerを紹介しました。

軽量な道具は強度や耐久性とトレードオフになっている事が多く、初心者向けとしてはおすすめできない道具も多々あります。

ですがJohnnie Hikerは別。軽量でありながらも強度もあり、使う人を選ばずにしっかりと歩行のサポートをしてくれ、UL志向のハイカーにおすすめの一本です!

軽量なトレッキングポールJohnnie Hikerを使って山を軽快に歩きましょう!

Yosuke(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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