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【忖度なしの自腹レビュー】DURSTON Iceline Trekking Poles:ありそうでなかった画期的デザイン。超軽量なのに強くて折れにくい、安心感抜群の最先端トレッキングポール

トレッキングポールは歩行時の足腰への負担を軽減するだけでなく、登りではより推進力を高めてペースを上げ、下りでは足運びを安定させるなど、ハイカーやランナーのスムーズで安全な行動をサポートしてくれる縁の下の力持ち。

もちろんトレッキングポールはずっと手に持っているギアなので軽いに越したことはないのですが、筆者は平均よりも大柄な80kgの体重。そんな自分が約10kgの装備を背負って荷重をかけた場合、現在市場にある1組300グラムを下回るような超軽量モデルでは(通常は問題ないものの)よろけてとっさに突いた拍子にポッキリと折れてしまってもおかしくありません。

強いのに軽い——。そんな喉から手が出るほどありがたい特徴を備えたトレッキングポールが、カナダ発、新進気鋭のアウトドアブランド、DURSTON(ダーストン)の Iceline Trekking Poles(アイスライントレッキングポール)です。世界最軽量クラスにして強度・耐久性も高く、長さ調節機能も備えた万能トレッキングポールをフィールドで使ってみて感じたことをレビューをします。

DURSTON Iceline Trekking Polesの主な特徴

Durston Iceline Trekking Poles は、革新的な構造によって非常に高い重量効率を可能にした、より軽量で、より強く、より信頼性の高い3ピース(セクション)の長さ調節機能付きトレッキングポール。軽量高耐久な高弾性カーボンポールを採用し、下部ポールの直径を太くすることで強度・耐久性を高めていながら、ワンタッチでポールを接続・分離可能な「クイックコネクトメカニズム」をはじめ徹底的に無駄を省いた新設計によって長さ調節機能付きポールとして世界最軽量クラスの重量を実現。収納サイズも従来の3セクションポールと比べて短くできるコンパクトさ。一本の重量はストラップ付きのタイプで145g。軽さと握りやすさを考慮したEVAフォームグリップを備え、超軽量スタイルのハイキングからスピードを求めるファストパッキング、数週間の本格トレッキングまで、幅広いアクティビティに対応できる無限の可能性を秘めたトレッキングポールです。

おすすめポイント

  • 驚くほど軽量
  • 重荷でも安心して体重をかけられる強度
  • 突いた時の程よい衝撃吸収性
  • 楽に長さ階調節が可能なフリックロック式
  • バックパックからはみ出ない収納サイズ

気になったポイント

  • 石突カバー・スノーバスケットが付属していない(自分で合うものを調達する必要あり)
  • 最大127cmは大きめのワンポールシェルターには対応できない
  • 購入するには本国公式ECサイトから個人輸入する必要がある

主なスペックと評価

項目DURSTON Iceline Trekking Poles
重量
  • ストラップあり:145g(1本)
  • ストラップなし:134g(1本)
ポール連結数3ピース
連結方法クイックコネクト(分離式)、フリックロック
材質
  • シャフト:高強度カーボン
  • グリップ:EVAフォーム
調整サイズ幅95cm〜127cm
収納サイズΦ5cm ×50cm(実測値)
ポール直径上18mm/中16mm/下16mm
付属品収納袋
Outdoor Gearzine評価
快適性★★★★★
重量★★★★★
固定・調整★★★★☆
収納性★★★★★
汎用性★★★☆☆
適したアクティビティハイキング・登山・ランニング・トレイルランニングなど軽さと機動性を必要とするアクティビティ全般

使用インプレッション

軽量ながら安心して体重をかけられる強度

Iceline Trekking Polesの重量は、ストラップ付きモデルで1本あたり145g(ストラップなし、2本で268g)

これは調節機能無しのポールや荷物を背負う前提のないトレイルランニング用ポールなどを含めれば最軽量ではないとはいえ、メーカーによると、何泊分もの荷物を入れてのスルーハイキングでも安心して使えるような「長さ調節機能付き・3ピース構造」としては世界最軽量(2025年3月現在)です

驚きなのはこれだけ軽いにも関わらず、10kgの荷を背負った状態で安心して体重をかけることができる強度です。100年以上にわたってポールを製造しているオーストラリアのポールメーカー、KOMPERDELL(コンパーデル)が DURSTONのために特注で設計されたというトレッキングポールは、しっかりと体重をかけてもたわむようなことなく支えてくれます。そして突いた時もがっちりとトレイルを捉え、突いた瞬間の衝撃による反動もありません。

軽量さと頑丈さを両立させるためにIceline Trekking Polesは大きな直径のカーボンポールを使用しています。上部には18mm(競合ポールだと14〜16mm)の太さ、中央、下部は16mm(12〜14mmと比較して)にするこにより軽さと頑丈さのバランスをとっています。一般的に高弾性カーボンは強度が低いというデメリットがあると言われていますが、より大きな直径のポールを採用することで強度を確保することができています。

グリップには硬すぎず柔らかすぎないEVAフォームが使用され直径は約3cm(実測)あり、握った時にしっかりと力が入るような形状で体重をかけやすくなっています。

Iceline Trekking Polesはストラップの有無をオプションで選択することができます。ストラップはフィット感の調整ができ、トレイルランニングやファストパッキングでのシーンや、しっかりとトレイルをプッシュしたい時はストラップが活躍してくれます。しかしハイキングにおいてストラップが必要かどうかは賛否が分かれるところ。落下防止などの理由からストラップを使うこともありますし、ストラップをしていることで転んだ時に危ない。という指摘も間違いではありません。

ストラップを使うかどうかはどちらも正解のため、用途や好みに合わせて臨機応変に対応すればいいと思いますが、ストラップの有無で生じる重量差はわずか4.5gです。普段はストラップをあまり使用しない筆者ですが、メッシュタイプの軽量なストラップは使っていても邪魔に感じることはありませんでした。

メッシュタイプのストラップ。重量はわずか4.5g

長さは95〜127cmで無段階調節が可能なフリックロック式

95cmからMAXで127cmまで無段階で調節可能なフリックロック式の金具は長さを容易に調節でき、調節のストレスがないことで登りや下りでの長さ調節を積極的におこなえます。

95〜127cmで調整可能。5cm刻みで目盛りがついているのも使いやすい

長さ調節のできるトレッキングポールは、一般的に大きく「スクリューロック式」と「フリックロック式」の2種類が存在します。

スクリューロック式は、余計な金具が付いていていない分、シンプルで軽量ですが、調節の際にくるくるとポールを回し、ロックする必要があるため、調節に手間がかかります。固定が甘いと体重をかけた時に縮んでしまうことがあることから力をいれて固定する必要があるのもデメリット。

一方でIceline Trekking Polesに採用されているフリックロック式は指一本でロックを解除でき、好みの長さに合わせたらレバーを押し込むだけで調節が完了するため手間がかかりません。金具が見えていることでメンテナンスのしやすさもメリットです。

長さ調整が1箇所でできるから楽

アジャスターはフリックロック式で、シングルアジャスター。部品にアルミニウムを使用することで強度も確保されている

伸縮式のトレッキングポールの多くは長さ調節のアジャスターが2つ付いていますが、Iceline Trekking Polesはそのアジャスターを1つにすることで調節の容易さを得た上に、固定金具を少なくしたことにより軽量化が図られています。

ポール下部の接続には「クイックコネクトメカニズム」が採用され、ワンタッチで接続、解除が可能。このタイプのポールを初めて使う筆者、安定感や強度に若干の不安がありましたが心配は無用でした。グラグラするようなこともなければ、強度への影響もなく、数回のフィールドテストではトラブルもありませんでした。

差し込むだけで接続が可能なクイックコネクト

気になった点としては最大まで伸ばせる長さです。127cmまで伸びるため、歩行時に困ることはまずないですが、ワンポールテントなどでテントポールとして使用する際、ポールの長さが足りなくなる可能性があり、高さが125cm以上あるテントを使用しているハイカーは注意が必要です。

バックパックからはみ出ない収納サイズ

他のトレッキングポールと比べてみると収納サイズが短い

3セクションの伸縮式トレッキングポールは折りたたみ式のタイプに比べ収納時の長さあり、バックパックからはみ出してしまうこともありますが、Iceline Trekking Polesは収納時は2分割になるため、一般的な伸縮式のトレッキングポールよりも収納サイズが短くすることができます。

サイドポケットに収納hした際、バックパックからはみ出さないため、上部にスリーピングマットなど取り付けても干渉しない

収納サイズが短くなることにより、バックパックのサイドポケットに収容した際にバックパックからはみ出ることがなくなることでトレッキングポールを頭上の木に引っかけることがありません。

Iceline Trekking Polesには付属品として軽量なDyneema®の素材の収納袋が付属しています。トレッキングポールをバックパックの外部に丸裸の状態で取り付けると、ストラップが木に枝に引っかかりやすく注意が必要ですが、収納袋があれば気を使わなくて済みます。

専用の収納袋。重量はわずか5g

石突カバー、スノーバスケットは付属していない

日本の山岳地帯では植生保護や木道など登山道へのダメージを軽減させる目的から石突カバーが推奨されていて、基本的にはどのトレッキングポールにも付属されていますが、Iceline Trekking Polesは石付きカバーが付属していません。(スノーバスケットも)このため、必要に応じて自分で用意する必要があります。

石突カバーやバスケットは状況に応じて用意が必要。

これらのパーツは北米や欧州では、実際に生産をしているメーカーである「コンパーデル」のアクセサリを使用するように推奨されていますが、日本では残念ながらコンパ―デルの販売代理店が無いという問題があります(以前はあったようなのですが、残念ながら現在は撤退してしまっている模様)。このため、石突カバーやバスケットなどのアクセサリーを日本で入手するのは難しく、他メーカーの同サイズの部品などを探すしかありません。

まず石突カバーですが、Iceline Trekking Polesのポール先端サイズは一般的なトレッキングポールよりもやや径が小さい「約8mm」と、自分の持っている他モデルでは代用できないものでした。そこで先端が8mmのポール用の製品を探したところ、シナノに内径が8mmの「交換用先ゴム」がありましたので、それを代用しました。

一方スノーバスケットに関してはネットショッピングを探してみると、何とかコンパーデル純正の5cmのスノーバスケットをバラ売りしているサイトを発見。試しに購入してみると、何とか取り付けができたためそちらを使用することはできます。ただ、サイズ的には問題ないはずなのに実際の取り付けにはかなりの力が必要でした。

もっとも筆者は無雪期のハイキングに関していうと、バスケットは必須ではないし、むしろ時々岩や木の根の間などにはまって抜けなくなったりしてリズムが崩れることの方がストレスなので、こちらは無理に使わないつもりです。

まとめ:Iceline Trekking Polesは「軽量・頑丈・機能・コンパクトさ」の揃ったトレッキングポール

市場では数えきれないほどのトレッキングポールがラインナップされ、用途に応じて材質もさまざまですが、ざっと比べてみると一本250gほどのトレッキングポールが平均値。200g前後で軽量と言えます。さらに150gほどになると最軽量クラスです。DURSTON Iceline Trekking Pole は145gと超軽量トレッキングポールで、軽さだけでなく、強度面も高く、さらに実用性も備わっており、ファストパッキングやUL志向のハイカーだけでなく、しっかりと体重をかけてトレイルをプッシュしたいランナーにとっても自信を持っておすすめできるトレッキングポールでした。

Yosuke C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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