前回はヘッドランプを比較したので、ライト比較レビュー第2弾はハンドライトです。今年も秋のトレイルレースが各地で開催される時期。もしハンドライトを何にするかで迷っている人がいたら参考にしてみてください。
目次
ハンドライトに求めること
ヘッドランプは高い位置からの照射するので遠くまで明るく照らしだすことができるナイトランにおいてはメインアイテム。しかし、ヘッドランプの拡散光は霧が出た時には視界が真っ白になってまったく使えないなんてことも起こります。そんな時にハンドライトのスポット光を使うことで、ヘッドランプの足りない部分を補うことが可能になります。霧の中はもちろんのこと、ヘッドランプよりも低い位置から照射することで岩や木の根など地面の凹凸に影が出て路面状況を把握しやすくなるメリットも。反面、手にライトを持つことが走る時の腕振り時にストレスとなる可能性もあります。そこで、明るさだけではなく重量や大きさも加味しながら3つのハンドライトを比較してみました。
注目ハンドライトの試走インプレッション
Ledlenser MT10
大きさ/重量★★★★☆ 照射力★★★★★ 機能性★★★★★
やや重厚感のあるボディ、スイッチを押した瞬間フワッと点灯するギミックに質感の高さを感じさせてくれる一品。明るさは3段階+ストロボの4モードで、驚くのが専用のリチウム電池によってパワーモード(1000lm)で6時間も使えるということ。ライトの先端部を伸ばすことでワイド/スポット光を切り替えることができます。ヘッド部にあるスイッチは握った時にちょうど指が重なるので操作性がよく、電池残量インジケーターにもなっています。
配光イメージ(ワイド光)
パワーモード(1000lm)でスポット光にすると果てしなく遠くまで光が届きます。ここまでくるともはやバイクのライトと遜色ないほどに明るい。ヘッドランプで紹介したMH10と同様にMT10もカラーフィルターを装着可能です。※MH10と互換性はないのでハンドライト用が別途必要
頭より低い位置から照射できるので、フィルターをつけてスポット光にすれば霧に包まれてもかなり心強い。ミドルモード(200lm)にすれば15時間も持ちますし、専用充電池(18650リチウムイオン電池)を1本ザックに入れておけばパワーモード(1000lm)で一晩中使うことも可能。
ここが◎
- 強烈な明るさ
- ロングライフバッテリー
- 調整可能な光量
- カラーフィルターを使えば簡単にライトの色を変更できる。
ここが惜しい
- やや重い。
GENTOS 閃シリーズ SG-405
大きさ/重量★★★★★ 照射力★★★☆☆ 機能性★★★☆☆
トレイルランナーのハンドライトと言えば閃シリーズ。手のひらに収まるサイズと軽さ、そしてコストパフォーマンスの良さから大会での使用率はダントツNO1。SG-325が有名ですが、その進化版とも言えるSG-405が登場。旧モデルと比較して明るさは150lm→250lmにUPしています。重量はほとんど変わらず、先端を回すことでワイド/スポット光を切り替えたり、本体後ろにON/OFFスイッチがあるのも同じです。
閃シリーズに限らずリーズナブルなライトの配光はレンズカットの関係で四角い光というイメージがありましたが、進化版はワイド光が丸くて自然だったのには驚きました。100lm上がっているというのもあってこれは正常進化だと感じます。ただし、代償として点灯時間が10時間→7時間と減ってしまったのをどう判断するか。なお、SG-405はON/OFFのみで明るさの調整はできません。
ここが◎
- コンパクトなサイズと軽さ
- コストパフォーマンス
ここが惜しい
- 点灯時間がやや短い
NATHAN Zephyr Fire 300 HAND TORCH
大きさ/重量★★★★☆ 照射力★★☆☆☆ 機能性★★★★☆
独特な形状と充電式ということから気になっていたNATHANのハンドライト。先端が24度傾斜しているおかげで、手首に負担をかけることなく足元を照らすことができるのはありがたい。ベルトに手を入れて固定するので、ライト本体を握る必要はありません。手を離しても落とすことがないので、走っている時のストレスは軽減されます。
ライト後部には赤色LED(点滅)が装備されていて、後方にも存在をアピール。
持った瞬間にわかる驚くほどの軽さ。そしてストラップで固定されることもあってライトを持っていることをほとんど意識することなく走ることが可能です。明るさは3段階+ストロボの4モードで、握った時にちょうど人差し指がスイッチに触れるので使い勝手も良好。メインスイッチ横にはエマージェンシーサイレンのボタンがあり、押すと甲高いサイレン音が鳴り響きます。後部の赤色LEDもそうですが、このライトは山よりも市街地で使う方が機能を活かせるかもしれません。
ここが◎
- 持っていることを忘れるぐらいの軽さと握りやすさ
- 足元を照らしやすい角度で快適
- 調整可能な光量
ここが惜しい
- 山で使うには明るさがやや心もとない。
結論
今回の3アイテムを比較してみて、NATHAN Zephyr Fire 300だけ少し毛色が違うかなという印象。Ledlenser MT10とSG-405は得意分野が異なるため、味方によってはかなりいい勝負だと感じましたが、最終的に出した結論はMT10。明るさだけ見るとご覧の通り、圧倒的な差でMT10に軍配が上がります。
左:Ledlenser MT10 右:閃シリーズSG-405
両者は値段が違うので当然の結果とも言えるんですが、選んだ理由はもう一つあるんです。それは操作性。MT10は片手に持ったまま明るさから配光パターンまで快適に切り替えることができるんです。霧が出たらスポット光にしたり、上りになったらライトのスイッチを切ってバッテリー消費を抑えたりと山では目まぐるしく変わる環境に合わせて頻繁にライトを操作します。そんな時に片手でストレスなく操作ができるというのは大きなアドバンテージ。もちろんSG-405も片手操作ができないわけではありませんが、使い比べてみるとその違いははっきりわかります。
最後となる第3回目は、腰ライトを比較してみます。
(参考)評価結果まとめ・スペック比較表
津島浩平
Blog:Because it is there
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