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アウトドアだけじゃない、冬の生活を一変させたメリノウールの快適さ
山の上ではそろそろ冬支度がはじまるころ、過ごしやすい季候と色づく景色。キャンプやハイキング・トレッキング好きにとってはまさにベストシーズンがやってきました。これから山歩きをはじめるのにもぴったりの季節ですが、秋冬シーズンにすべての人に迷わず超絶おすすめしたいのが「メリノウール」のベースレイヤーです。従来のウールにあったチクチク感がなくなり、肌触りが気持ちよくて着心地抜群、適度な伸縮性で動きやすく、汗をかいても暖かさをキープ、さらに天然の防臭効果付き。冬の肌着として必要な機能をまんべんなく網羅した品質の高さは、アウトドアのようなシビアな環境ではもちろん、冬の日常着(アンダーウェア)としても大活躍。常に快適、重ね着不要、暖房不要で、冬の生活必需品と化しているアウトドア愛好家も続出しています。
掘れば掘るほど出てくるメリノウールの良作・新作
以前このサイトではメリノウールを含めたベースレイヤーの比較テストを行なってきました。ただ実際のところその比較レポートでは、物理的な問題でその他のメーカーからリリースされているさまざまな良品までカバーできていないのが現状です。そこで今回は、前回までに紹介できなかった、各メーカーで何十種類と発売されているなかから、編集部おすすめのメリノウール・ベースレイヤー10着を選んでみました。もちろん、ここからさらに横並び比較テストを行ない、近いうちにそのレポートも公開していきますのでお楽しみに。それでは行ってみましょう。
おすすめメリノウール・ベースレイヤー選定時の前提基準
- 基本的には街着よりも登山などのアクティビティでの使用をメインに想定
- メリノウールが最低でも約50%以上は混紡されているモデル
- 最低限の全体的な品質(完成度)の高さが認められるもののなかから、特徴によってタイプを選別
- 厚さや適応気温範囲は考慮せず
価格重視のエントリーモデルとしておすすめ
mont-bell スーパーメリノウール
特に文句のつけようがない一定以上の機能性と、驚くほど手頃な価格(公式価格4,381円+税)。これ以上に分かり易いメリットがあるでしょうか。何かが突出しているわけではないものの、メリノウールのもつ特性である「しなやかさ」「調温(保温)性」「防臭性」などはしっかり備えているので、これで十分なのではないか・・・ということは以前レビューしたとおりで、(個人的にはシルエットが残念ではあるものの)インナーとして割り切るのであれば非常にお買い得なことは間違いありません。
極上の着心地にこだわりたいという人におすすめ
Houdini Airborn Crew
着心地だけにこだわってみるならば、フーディニのメリノウールは外せません。何といってもシルクを若干混ぜることによって肌触りがさらに良く、伸縮性も抜群、素肌にも非常にやさしい~くなっています。シルクはウール同様調温性の高い素材なので夏は涼しく冬は暖かなので、もちろん着心地だけでなく機能的にも十分ハイスペックです。より寒い季節用に、保温性を高めた Altitude Crew などもラインナップされています。難点はやはり価格。コレ1着でモンベルが3着買えてしまいます。
SmartWool NTSマイクロ150パターンクルー
ぼくにメリノウールの素晴らしさを心底味わわせてくれた思いでの一着。1つ声を大にして言いたいのは、ここにピックアップしたからといって、決してこのモデルが「着心地」だけだとは思わないでください。正直、スマートウールのNTSシリーズは着心地・保温性・汗処理能力・防臭性、どれをとってもトップクラスの実力。ただ、機能的に優秀なメリノウール100%ベースレイヤーは数多あれど、特に「着心地」に関してここまで見事にまとめ上げてくれたのはスマートウールだけということでここにいます。詳しくはこのレビューをぜひ読んでみてください。
普段着としても使いたい、デザイン性重視という人におすすめ
SmartWool NTSミッド250カラーブロッククルー
機能的にトップクラスのスマートウールがさらにイケてるのは、単色もののスポーティな柄以外にさまざまなバリエーションが選べる点です。上で紹介したNTSマイクロ150の細かいストライプにしても、このNTSミッド250(厚手タイプ)にしても、アウトドア・ウェアにしてはかなり悪くない部類のデザインなのではないでしょうか。ただ、個人的には250の厚さがちょっと過剰なため、この柄で薄手のタイプがあればなぁという、どこまでも惜しいモデルではあります。冬の、あまり動かないシチュエーションならバッチリ。
Icebreaker Oasis LS Crewe Stripe
スマートウールと並んでメリノウール・ベースレイヤーのトップメーカーであるアイスブレーカーも、昔から高い完成度のモデルを数多くリリースしています。なかでも定番のオアシスシリーズは秋からのシーズンにちょうどよい厚さと非常に滑らかな着心地、そしてスタイリッシュなフォルムとデザインと、日常着としてまで含めた総合力では最強なのではと密かに思っています(詳しくはここのレビューを参考に)。今年のモデルでも、より日常で違和感のないストライプ柄が用意されていて安心しましたが、本国アメリカではもっと多様なお洒落柄があるので興味のある方はどうぞ。
ibex ウーリーズ1 クルー ストライプ
ニュージーランド産の極細な良質メリノウールを使用し、厳しいアウトドアから日常生活までさまざまなシーンにメリノウールの可能性を拡げていく、メリノウール・アパレルメーカーのibexは、生活に溶け込むシンプルかつスタイリッシュなシルエットやデザインが非常に多く揃っています。機能的にも、透湿性や運動性ではスマートウールやアイスブレーカーに(編集部評価としては)劣るものの、身体へのフィットや伸縮性などの着心地では十分な快適さをもち、上質なアウトドア体験のお供にはピッタリ。なお、上で挙げたベースレイヤーモデルよりもゆったりと着られるタイプ(下写真)もあるようで、日常向けにはこちらの方がよりしっくりくるかもしれません。
激しいウィンタースポーツでの吸汗発散性重視という人におすすめ
Teton Bros. Power Wool Base L/S
多くのアイテムで他社に先駆けて新素材を導入してきた実績のあるティートンブロスが採用したのは、フリースをはじめとして数々のアウトドア・ファブリックを開発する最大手ハイテクメーカー、ポーラテック社が手がけた最新のウール混紡素材である「パワーウール」(国内では今期独占的に使用出来るらしい)。通常の混紡とは違い、保温性・着心地の滑らかさがメリットのメリノウール素材を裏地に配置し、優れた吸汗発散性・速乾性・通気性がメリットの化繊を表地に配置するという、新しい方法でベースレイヤーとしての機能性を高めています。
MILLET ROSEG WOOL ZIP LS
表面は保温性と吸湿性に優れたウール、肌面(裏地)は吸水・速乾性に優れて柔らかなポリエステルを合わせることにより、保温性と快適性に優れたハイブリッド構造が実現。そう、上で紹介したパワーウールが「裏地:ウール・表地:化繊」だとしたらこちらのモデルは「裏地:化繊・表地:ウール」という、まったく逆のアプローチでありながら同じ効果(ウールと化繊のいいとこ取り)に着地しているという、2つ合わせて興味深いモデルということでピックアップしてみました。もちろんこちらもより運動時の快適さを追求しており、脇下にポリエステル100%を配置するなどかなり発汗に強そうなモデルであることが窺えます。
SmartWool PhDライトロングスリーブ
スマートウールでもウール100%のノーマルラインよりちょっとだけゆったりさせたセミフォームフィット、脇下のメッシュなど、冬のアクティブなスポーツに最適化したこのPhDシリーズでも全体的な完成度は相変わらず。これ一枚にジャケットで冬のトレラン等には使えそうな1枚です。
フィット感と動きやすさ重視!という人におすすめ
patagonia Merino Air
公式オンラインショップで見る patagonia Merino Air Crew
今シーズンパタゴニアが新開発した「メリノ・エア」シリーズは、パタゴニア地方から調達された極細のメリノウールとキャプリーン(化繊)を、ジグザグの溝が這うようにしながらシームレスに編み上げることによって、軽量で保温性と通気性を両立させた斬新なモデル。その新しさと品質の高さもさることながら、この革新的な紡績技術で特にインパクトがあったのは来たときのフィット感の素晴らしさ。まだ実践では未使用ですが、身体に吸いつくようにフィットしながら決して窮屈な感じをさせないあたり、これまでにない着心地が来た瞬間から分かりました(こちらで試着レポートをしています)。
さて、今回は以上です。次回のベースレイヤー特集では上に挙げたおすすめ以外も含めて、10着以上のメリノウール・ベースレイヤーを大々的に比較レポートしていきますのでお楽しみに!