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秋冬登山向けインサレーション(保温着)選びの悩みを着比べて解決。MONTURA(モンチュラ)の最新インサレーションジャケット3アイテムレビュー&検証

秋冬向けのインサレーション(保温着・防寒着)はここ数年、行動中でも蒸れにくいアクティブ・インサレーションをはじめ、ダウン並みの軽さと断熱性能を備えた新タイプの中綿など、新しい素材が次々と登場するなど、山道具の中でも今最も進化の激しい、アツいカテゴリのひとつ。

ただその反面、どんなシーンで、どんな製品を、どのように着るのが最適なのか、たくさんの選択肢のなかから選ばなければならないのは悩ましくも厄介な問題と言えなくもありません。

自分は一体どのインサレーションを選べばよいのか——?

この疑問に応えるには実際にフィールドで着比べてみるのが一番。そんな要望に今回応えてくれたのが、徹底した高機能への追求にかけて絶対的な自信を誇り、このサイトでもたびたび登場するイタリアのアウトドアブランド、MONTURA(モンチュラ)でした。

モンチュラの今シーズン秋冬向けインサレーションジャケットでは今注目のアクティブ・インサレーションをはじめ、軽くて断熱性の高い化繊中綿など多彩な断熱素材を使い分け、秋冬のさまざまなアクティビティやシチュエーションに合わせた高機能かつ高品質なラインナップが用意されています。

そこで今回はそれらをまとめて秋の南アルプスという実際のフィールド・同じ状況でレビューさせてもらうことで、それぞれのインサレーションのパフォーマンスを評価するとともに、それぞれでどのような違いがあり、どのようなシーンに適しているか、どう使い分けるのが理想なのかを比較検証してみたいと思います。さまざまな化繊インサレーション素材の違いや使い分けのポイントが知りたかった人や、これから自分に合ったアクティブ・インサレーションを選ぼうと考えていた人の参考になれば幸いです。ではさっそくそれぞれのインサレーションジャケットの特徴を見ていきます。

1:EIGER LIGHT JACKET

主な特徴

表地に防風・撥水性のあるナイロン生地、裏地の断熱素材に「OCTA® Thermo Fly®」を採用したフード付きジャケット。軽量ながら程よい保温性と高い吸汗速乾・通気性を両立することで、低温環境で風から身を守りながら行動中の体温を一定に保ってくれます。内ポケットに丸めて収納できるパッカブル仕様。

おすすめポイント

気になったポイント

主なスペックと評価

項目 EIGER LIGHT JACKET
実測重量 318g(Mサイズ実測)
サイズ XS / S / M / L / XL
シェル DWR加工を施したダブルリップストップナイロン
ライニング 部分的にメッシュ裏地(88%ポリエステル 12%エラスタン)
インサレーション(断熱素材) OCTA®(100%ポリエステル)
ポケット 左右ハンドウォーマージッパーポケット
その他機能 裏ポケットを裏返して収納できるパッカブル仕様
Outdoor Gearzine 評価
快適性 ★★★★☆
耐候性・保温性 ★★★☆☆
ムレにくさ ★★★★☆
動きやすさ ★★★★☆
重量 ★★★★☆
耐久性 ★★★☆☆
収納性 ★★★★☆
汎用性 ★★★★★

軽くて断熱・通気・吸汗速乾機能を兼ね備えたOCTA®Thermo Fly®

EIGER LIGHT JACKETに採用されている断熱素材は帝人のOCTA®。ご存知の方も多いかと思いますがあらためてこの素材の特徴をおさらいすると、中空繊維の周りに8つの突起が放射状に並んだ断面を持つ非常にユニークな形状のポリエステル繊維。この形状のおかげで一般的なポリエステル繊維よりも軽量で、なおかつたくさんの隙間を作ることで多くのデッドエア(空気)を生地の間に溜め込むことができるため、重量当たりの優れた保温力を実現しています。さらにこのギザギザ繊維が絡み合ってできた生地は空気も通しやすく、水分も素早く吸い上げ拡散しやすくなっていることで激しい運動で汗をかいても蒸れや暑苦しさを抑えることができる。いわゆる寒い季節の防寒行動着に適したアクティブ・インサレーションの一種です。

帝人フロンティア株式会社HPより

またこのモデルでは、OCTA®の中でも特殊なニット生地を使って起毛しない嵩高立毛構造体に仕上げることにより吸汗速乾性を高めた「OCTA® Thermo Fly®」というタイプを採用しています。帝人フロンティア公式曰く、この「Thermo Fly®」は中間着(ミドラー)としての保温機能だけでなく、肌に直接触れるインナーとしての汗処理機能も兼ねることができるとのこと。

ということは、表地に防風性・撥水性を備えた薄くて丈夫なダブルリップストップナイロンを配しているこのEIGER LIGHT JACKETは、理論上、この一着を肌に直接着るだけで「ベース&ミドル&アウター」という3役のレイヤリング機能をまかなえてしまえるということになります(ちなみにこの使い方はメーカーが推奨している分けではありません)。いやはやスゴイ。

これまでの起毛構造から、インナーとして機能するまで吸汗速乾機能を高めることができたOCTA® Thermo Fly®

防風性とDWR耐久撥水加工を備えた表地。

とはいえ、さすがに着心地的に多少違和感がないわけでもないのは事実なので、より自然な肌触りと汗処理能力の強化を狙って、自分は肌に直接触れる部分に薄手の吸汗速乾メッシュインナー1枚(ここではたまたまFinetrackのドライレイヤーを着ましたが、他にもMILLETのアミアミやノースフェイスのドライドット等もアリでしょう)を着てみました。するとこれがかなり調子がイイ。

さまざまな重ね着を試してみて、まだそれほど寒さの厳しくない秋口の高山ではしっかりとしたベースレイヤーはむしろ暑すぎたため、メッシュインナーで十分だった。こうしたレイヤリングの工夫の幅が広いのもOCTA®の魅力

テストしたのはそれほど寒さの厳しくない15℃前後の樹林帯から稜線に至るトレイルでしたが、歩き始めの標高が低い場所ではさすがに暑すぎたものの、途中から稜線に至るまではこの組み合わせでも暑すぎることも冷えすぎることもなく、かなり心地よく着続けていられました(下写真)。歩いている最中はかいた汗がスーッと蒸発していくような感覚がつねにありつつ、また稜線の風がそよいでる場所では(風の直接的な冷気を防ぎつつ)涼しい空気が身体を通り抜けていく感覚も得られます。

ちなみに裏地全体を見てみると、OCTA®が張ってあるのは背中と上半身で、熱がこもりやすいサイドパネルや袖下部分、フードにはインサレーションではなくストレッチメッシュ素材が配置されています。蒸れにくさを重視しながらも適所には保温性を確保しており、スノートレッキングの行動着くらいまでならばカバーできるはず。

立体裁断とストレッチによる動きやすさ

モンチュラの真骨頂である、行動時における快適さ、抜群の動きやすさはこのモデルでも健在。身体のラインに沿いつつ動きやすさを考慮した無駄なくそして緩すぎない立体裁断に加え、表地は横ストレッチ、裏地にも適度なストレッチが効いており、上半身の自然な動きを妨げません。

使い勝手の良いポケットや便利なパッカブル仕様

ポケットは左右のハンドポケットに加えて裏地にインナーメッシュポケットも左右に。袖口などのディテールやバラクラバタイプのフードもフィット感と防寒性を考えた丁寧で見事な作りです(下写真)。

相変わらず調整要らずで無駄のない完璧なフィット感を提供する見事なフード。

右の内ポケットは裏返して全体を押し込むことで丸めて収納できるパッカブル仕様にもなっています(下写真)。

こんなシーンにおすすめ:これ一着で「ベース&ミドル&アウター」の役割を担える汎用性の高さは貴重

EIGER LIGHT JACKETは、行動中に暖め過ぎず冷やし過ぎないアクティブ・インサレーションの中でも「軽量で吸汗速乾性を備えたインナーとしての機能も持ち合わせる」というOCTA®の利点をうまく活かした作りになっていました。生地厚も比較的薄手の種類を採用されていることから、「冷えた身体を暖める」というよりも「行動中の冷えを抑える」ということに重点が置かれ、秋口から春の終わりの高山までといった幅広い季節での出番がありそうです。

おすすめの使い方として一番オーソドックスなのは当然ベースレイヤーの上にミドラー兼アウターとして羽織って行動着として着用することですが、先ほどのようにベースレイヤーの代わりに薄手のメッシュインナーや、あるいは思い切ってなにも着なければもっと気温が高いシーンでも快適に使えそうです。逆に厚手のベースレイヤーや、もう一枚OCTA®のレイヤーを重ね着すれば、冬山登山での行動着としても十分アリです。

アクティビティについても、ハイキング・トレッキング・ランニング・スキーなどはまず間違いなくフィットするかとは思いますが、アルパインクライミングでも不可能ということはなく、幅広く対応可能です。つまりはレイヤリングの仕方によって無限の使い方が創造できる、今回最も汎用性の高さを感じさせてくれる一着でした。

2:INSIGHT PLUS HYBRID JACKET

主な特徴

裏地中綿にPOLARTEC® ALPHA® DIRECTを採用し、前身頃から肩周りの表地にダブルリップストップ構造のコーデュラ®ナイロン、サイドパネルから背面にDWR耐久撥水処理を施したソフトシェル素材を使用した、フード付きハイブリッドインサレーションジャケット。厳しい寒さでの行動にも耐え得る防風性と耐久性、適度な保温性と通気速乾性、そして抜群の動きやすさをすべて高いレベルで備えています。

おすすめポイント

気になったポイント

主なスペックと評価

項目 INSIGHT PLUS HYBRID JACKET
重量 464g(Mサイズ実測)
サイズ S / M / L
シェル DWR加工を施したダブルリップストップコーデュラ®ナイロン、ソフトシェル素材
ライニング 100%ポリエステルフリース / ストレッチ起毛素材(88% ポリエステル 12% エラスタン)
インサレーション(断熱素材) POLARTEC® ALPHA® DIRECT
ポケット 左右ハンドウォーマージップポケット、チェストジップポケット
Outdoor Gearzine 評価
快適性 ★★★☆☆
耐候性・保温性 ★★★★☆
ムレにくさ ★★★★☆
動きやすさ ★★★★★
重量 ★★★☆☆
耐久性 ★★★★★
収納性 ★★★☆☆
汎用性 ★★★☆☆

POLARTEC® ALPHA® DIRECTを使用

INSIGHT PLUS HYBRID JACKETが採用している断熱素材は、アクティブ・インサレーションの草分け的存在ともいえる、おなじみのPOLARTEC® ALPHA®(厳密には中綿をあえて剥き出しにしたタイプのPOLARTEC® ALPHA® DIRECT)。かれこれ10年以上前から現在までずっと最前線で売れ続けている驚異の高機能中綿は、寒さを防ぐ適度な保温性と発汗時に衣服内のオーバーヒートさせない優れた通気速乾性を両立させるという、寒くて過酷な場所で行動する際に理想的なの保温着の特徴を備えた、今でこそ当たり前になりつつあるアクティブ・インサレーションの先駆けでした。

今回このアルファをあらためてOCTA®と同時に着比べてみましたが、保温着としての性能だけでいえば、正直なところ明確な優劣の差は無いように個人的には思いました。すなわちどちらも同じくらい保温性と通気速乾性があって、行動中「暖め過ぎず・冷やし過ぎない」便利な行動保温着としての機能を持ち合わせていると。

その代わり保温力の差は、素材の種類よりも各モデルで採用されている生地厚(単位面積当たりの重量)の方が大きく影響している気がします。今回でいえば、カタログ情報によるとEIGER LIGHT JACKETで採用されているOCTA®は「69g/sqm」の厚みで、INSIGHT PLUS HYBRID JACKETで採用されているPOLARTEC® ALPHA®は「139g/sqm」の厚みであり、実際の暖かさもINSIGHT PLUS HYBRID JACKETの方が明らかに保温性が高く感じられました。さらに言うと、INSIGHT PLUS HYBRID JACKETではアルファ中綿が当てられている部分以外の裏地にもフリースや起毛素材が配置され、表地もより防風性の高い生地になっているため(蒸れにくさを維持しつつも)全体的にかなりの寒さの中でも暖かくいられるようにデザインされています(下写真)。

一方で、POLARTEC® ALPHA®はそもそも中間着としての役割が想定されていたことや、繊維自体が水を吸わないポリエステルであるため、OCTA®ほどには生地自体の吸汗性が高いとはいえません(下写真)。つまりOCTA®は肌の上から直接着てもインナーとして機能するけど、POLARTEC® ALPHA® DIRECTは肌に直接着てもインナーとしてはさほど効果的には機能しにくく、ここがOCTA®との大きな違いといえます。

ただまったく吸わない(肌に直接着てはいけない)というわけではなく、疎水性のある生地は速乾性があり、水蒸気となった水分は外へと素早く排出されるため、中間着としてベースレイヤーなどの上に着ていれば素早く乾燥を促してくれることは間違いありません。このため常に寒い季節に中間着として着ている限りは特に不便はないはずです。

動きを妨げず、蒸れを最大限解消する生地のハイブリッド構造と立体裁断、ストレッチ

行動中の保温着としてデザインされたINSIGHT PLUS HYBRID JACKETの動きやすさは、今回の3着の中でも群を抜いていました。まるでジャージを着ているかのように動きの中でのストレスが皆無でした。

それもこのジャケットのパターンを見てみれば納得で、風の直接あたりやすい前面や肩周りには防風性・耐摩耗性の高いダブルリップストップコーデュラ®ナイロンが配置されていますが、肘や肩甲骨部分から背面・サイドにかけてなど可動部分や熱がこもりやすい部分には伸縮性を備えた二種類のソフトシェル生地が配置され、計算されたち密な立体裁断とこのストレッチ性によって上半身の動きを妨げないように仕立てられています。

このハイブリッド構造によって、過酷な冬のアクティビティに耐えられるような耐候性と耐久性、動きやすさ、快適性のすべてが高いレベルで実現されています。

さらにフードの作りも、明らかに雨を防ぐというより冷気をシャットアウトすることに重点が置かれ、さらにはヘルメットをかぶったときに違和感がないように作られていました。もちろんこちらも調節不要で頭の形にしっかりとフィットし、頭の動きにもしっかりと追従してくれます(下写真)。

頭の動きに追従する心地よいフィット感、縁には冷気をシャットアウトするストレッチ素材が当てられ優れた耐寒性を実現。

フードの裏地は起毛フリースで保温性も抜群。

こんなシーンにおすすめ:プロテクションと機動力に優れたアクティブ・インサレーションは、スノーシーズンで無敵の行動着になり得る

INSIGHT PLUS HYBRID JACKETは最初にレビューしたEIGER LIGHT JACKETと同じアクティブ・インサレーションを採用した「暖め過ぎず、冷やし過ぎない」保温着ですが、上のレビューの通り、こちらはより高い保温力、耐久性、動きやすさによって、特により低温で、よりタフなアクティビティを想定したモデルです。

このため今回のテストで行動着として着るにはまだまだ暑くて着てはいられませんでしたが、それはこのジャケットが蒸れやすいということを意味するわけではなく、素材や作り的にはかなり蒸れを排出しやすい構造となっていることは間違いありません。ターゲットとするシーンとしては、ちょっと肌寒い程度でのハイキングやランニングではやはりオーバースペックですが、雪山登山や冬期バリエーションルート、アイスクライミング、バックカントリースキーといった過酷な冬の山岳アクティビティには最適。個人的にはこれからのスノーシーズンにバックカントリーのハイクアップ中にこれを着て、滑るときにはこの上からハードシェルを羽織るという使い方が妄想できて、それが楽しみでなりません。

3:MID LAYER JACKET

主な特徴

人工羽毛Comfortemp®を中綿に使用したインサレーションジャケット。軽量ながら高い断熱性を備えた合成中綿は濡れても安定した保温性をキープ。表地とライニングにはストレッチ性に優れた素材を配置し、体に吸い付くようなフィット感を提供します。冬の重ね着時にフード渋滞が起こらないようなフード無しタイプ。

おすすめポイント

気になったポイント

主なスペックと評価

項目 MID LAYER JACKET
重量 515g(Mサイズ実測)
サイズ XS / S / M / L / XL
シェル 92% ナイロン、8% エラスタン
ライニング 95% ポリエステル、5% エラスタン
インサレーション Comfortemp® 60gr超軽量ポリエステルパディング
ポケット 左右ハンドウォーマーポケット
Outdoor Gearzine 評価
快適性 ★★★★★
保温性 ★★★★★
耐候性 ★★☆☆☆
ムレにくさ ★★★☆☆
動きやすさ ★★★★☆
重量 ★★☆☆☆
耐久性 ★★★☆☆
収納性 ★★★☆☆
汎用性 ★★★★☆

中綿に人工羽毛Comfortemp®を使用

最後にMID LAYER JACKETはこれまでの2アイテムと異なり、中綿に軽量で優れた保温性で定評のあるComfortemp®(60g/sqm)を使用していることからいわゆるアクティブ・インサレーションではない、通常の保温着として位置づけられます。保温性だけでいえば3着の中でも最も優れており、10℃以下となった夜のテント内でも冷えた身体を暖めてくれました。

またComfortemp®の中綿自体には通気性があり、また表裏の生地にも通気性が備わっているため、いわゆるダウンジャケットのような熱のこもり方はしません。もちろん流石に行動中の激しい汗を発散させるほどではありませんが、休憩時やテン場に着いたあとの安静時などには肌面の自然な湿気の発散を助けながら、常にサラッと快適な状態に保ってくれました。

優しい肌触りに肌に吸い付くような極上のフィット感と動きを妨げない緻密な立体裁断とストレッチ

表裏には優しい肌触りのストレッチ素材が配置され、袖を通したときの快適さは3アイテムの中でも一番。脇腹のサイドパネルに施された伸縮糸によるギャザー構造が肌と衣服の隙間を埋めてくれ、さらに動きを考慮した立体裁断も上手く機能し、心地よいフィット感とストレスのない動きやすさを可能にしています。(下写真)。

行動中は、長い休憩時などで活躍。稜線の冷たい風による急な冷えも防いでくれます。

全体的に軽いというわけではありませんが、しっかりと封入された中綿によって衣服内の体温を逃がしません。テントについてからこのジャケットを羽織れば、張り詰めていた気持ちが落ち着き、すっかりリラックスできました。

こんなシーンにおすすめ:暖かくて快適な着心地がリラックスシーンでの防寒着として最適

オーソドックスな軽量・高断熱でありながら、適度な伸縮性・通気性にも優れた化繊インサレーションジャケットであるMID LAYER JACKETは、アクティブな行動中をメインに考えられているというよりも、動きの少ない、あるいは止まっているシーンで身体を暖めることが得意です。もちろん化繊の特性である濡れても保温性を維持できますので、過酷な環境にも安心して持ち出せますので、一年を通じて防寒着として使うのがファーストチョイスです。また伸縮・通気性に優れた特性は寒さの厳しい場面では行動中の中間着としても十分に活躍してくれそうです。

まとめ:素材と重量(厚み)、生地の組み合わせ方で適したシーンを見極めよう

レビューした3着はどれも適したシーンで着用すればこれ以上なく活躍してくれるものばかりであることが分かりました。ただ一方でこれほど高機能に進化しているとしても、シチュエーションによってはパフォーマンスを発揮できない場面もやはりまだあり得ることは注意が必要です。その意味ではEIGER LIGHT JACKETは最も守備範囲が広く、失敗のしにくい一着で、アクティブインサレーションをはじめて手に入れるという人にはおすすめできます。

また、今回の裏テーマでもある、断熱素材によって性能に違いが現れるかどうかという点については、(ある程度想像はしていたものの)素材自体に大きな差を気にする必要はないように思えました。オクタやアルファといった素材の特徴の違いはもちろん無くはないのですが、それは「アクティブ・インサレーションかそうでないか」といった大きなカテゴリでの違いでこそ意味があるものの、それ以上に生地の厚みや重量、その他の生地との組み合わせ方などの方が、パフォーマンスに大きく影響してきます。インサレーション選びを考えるときにはぜひその点について意識することで、自分にとって理想の一着に巡り合えるはずです。

季節は長い冬へと足早に歩みが進んでいます。納得の装備で、よい冬山ライフを。

項目 EIGER LIGHT JACKET INSIGHT PLUS HYBRID JACKET MID LAYER JACKET
実測重量 318g(Mサイズ実測) 464g(Mサイズ実測) 515g(Mサイズ実測)
インサレーション OCTA® POLARTEC® ALPHA® DIRECT Comfortemp®
Outdoor Gearzine 評価
快適性 ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★★
対候性 ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆
保温性 ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★★
ムレにくさ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
動きやすさ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆
重量 ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆
耐久性 ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆
収納性 ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
汎用性 ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★★☆
適した季節・アクティビティ 秋~春山ハイク・トレック・ラン・スキーでの行動着として 寒さの厳しい季節での登山や、雪山登山・アルパイン・スキーでの行動着として 年間を通じたアウトドアでの防寒着として

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