キラリと光る技術とアイデア。フリースの未来を感じさせる珠玉の7着をまるっと実着レビュー

約40年ほど前に生まれ、数あるアウトドア用品の中でも最も世の中に影響を与えたであろう発明品のひとつであるフリースは、今でも着実に進化し続けています。今や素材や起毛の仕方、作りの細部に至るまで、デザイナーたちの多種多様なアプローチによってさらにユーザーの幅広い用途や複雑な要求にマッチした個性ある製品が生み出され、今シーズンも未来を感じさせてくれる素晴らしい新製品が目白押しです。

今回は、そんな今シーズン注目のフリース7着を、例によって自腹で入手し短期間ですが着用して過ごしてみました。この冬さまざまなシーンで大活躍してくれるであろう珠玉の7着のレビューをお届けします。

フリースの進化が止まらない。注目のフリースインプレッション

※☆☆☆~★★★評価は、薄手~中厚手フリースをとして見た場合でのインプレッション評価です。

Patagonia R1 Air :正当な進化を遂げた冬の新しい定番テクニカルフリース

Sサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★★☆ 快適性★★★ 動きやすさ★★★ 通気性★★☆ 重量★★☆ 山着★★★ 街着★☆☆

この分野でのパイオニアであるパタゴニアは、これまで数多くの多種多様なフリースを世に問うてきましたが、なかでもR1シリーズは世界で最も多くの信者を抱える、まさにテクニカルフリース界の”不動の定番”といっても過言ではないでしょう。

そのR1に、この秋冬新たな仲間として加わったのがR1 Airです。生地のボリュームやスリムなシルエットなど、R1の持つバランスのよさ、汎用性を保ちつつ、それ以外の多くの面では20年以上続くロングセラーモデルR1の機能性を大きく前進させ、身体の感じる寒暑や不快感を変化を和らげるという意味での「レギュレーターフリース」としてよりスマートに進化していました。

大きな注目点では、繊維に中空糸ポリエステル(100%リサイクル)を使用し、生地表面にユニークで洗練された印象を与える細かいジグザグの溝を刻むことで、見た目では想像のつかない保温性と吸湿性、通気性と速乾性を実現しました(まるで数年前の傑作ベースレイヤー Capilene Air のよう)。凸凹の凸部分は毛足の短い起毛フリースで肌触りもよく暖か。嬉しいことにこの新しいパターンによって高い保温性と通気性を保ちながら、重量を50gほど減らしています。

袖通りも良く伸縮性も高いため、フィット感・動きやすさともに素晴らしく、タイトでダボつかないシルエットにも関わらず厚手のTシャツを着ているような楽な着心地。肩の縫い目もしっかりと頂点を避け、バックパックを背負ったときのストレスもありません。今回のジップネックタイプには胸のジッパーポケットが1つですが、中間着としての利用を想定していれば必要十分です。

ちなみにジップネックタイプを選んだのは、この機能性とシルエットであれば、スリムにフィットしたミッドレイヤーや、あるいは軽量なベースレイヤーの上にセカンドベースレイヤーとして上手く機能すると思ったから。寒空の下でミッドレイヤーとして使ってみると果たして期待通り、いや期待以上に寒い中でも暑すぎず、そして冷すぎずと快適さを維持してくれました。

またハイキュ・フレッシュ耐久性抗菌防臭加工によって長時間の活動にも安心。パタゴニアらしい上品なデザインも手伝ってトレッキング、クライミング、バックカントリー、その気になれば日常でもと、冬のあらゆるアウトドアに問題なく使える幅広さは何といっても魅力です。個人的にはこの冬オン・オフ問わず24時間手放せそうにありません。

パタゴニア公式サイト メンズ・R1エア・ジップネック

Teton Bros. WOOL AIR HOODY :奇をてらわず、丁寧に突き詰められた快適さに脱帽

Mサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★★★ 快適性★★★ 動きやすさ★★★ 通気性★☆☆ 重量☆☆☆ 山着★★★ 街着★★☆

日本にありながら常に世界基準の実用的かつ革新的なアウトドア製品を生み出し続けるブランド、Teton Bros.は長年にわたってPolartec社と良好な関係を築いてきたこともあり、まだどのブランドでも使っていない最新のファブリックを世界に先駆けて使用していたりすることが少なくありません。

昨シーズンから登場のWOOL AIR HOODYもそのうちのひとつ。このモデルで採用されている「Polartec Wool Highloft」は、一見すると従来からある化繊のハイロフト・フリースに見えますが、名前にもある通りウールが52%配合された混紡生地となっているところがミソ。

その違いはまず着心地に表れてきます。従来のポリエステル100%のハイロフトに比べて繊維一本一本の束がより繊細で柔らかい肌触り、さらにより多めのボリューム感と弾力性の高さを感じます。上質な毛布に包まれるかような気持ちよさは、着た瞬間から幸せになれます。細すぎずゆるすぎない適度なフィットとラグランスリーブによるストレスのない動きやすさもさすがです。

重量はたしかに軽いとは言えないものの、この重量では考えられない高いボリューム感。繊細な起毛は肌に心地よく触れる。

もちろんウールのもつ優れた調湿・調温性能と防臭・抗菌機能を備えており、オーバーヒートや冷えすぎを緩和する調整力は従来の化繊フリースに比べても高いものがあります。つまり、ここまで厚手にもかかわらず、暑すぎない、寒すぎない、蒸れない。いつまでも心地よく着続けていられるというわけです。

心地よくしっくりと頭にハマるモコモコのフード、保温性と重ね着しやすさに貢献するサムホール付きの袖、大きなハンドウォーマーポケットなど、寒い時期でのアウトドアを快適にしてくれるような細かいパーツ類への配慮はとても丁寧。

しっかりとした厚手の作りなので暖かい時期やハイテンポのアクティビティにはさすがに向いていないかもしれませんが、今回のレビュー中では最高クラスの保温性の高さと、程よく確かな調整力を兼ね備えた総合的な機能性の高さは、バックカントリースキーをはじめとした厳しい冬山でのアクティビティには間違いなく活躍してくれるでしょう。おまけに街着としても積極的に持ち出すことができてしまうほどに垢抜けたデザインやカラーリング、風合いを持ち合わせているので、週末のここぞというときのためにタンスの奥に眠らせておく必要なく、毎日着られます。

そんなフリースの新たな扉を開いた完成度の高い1着は、長い目で見てコスパが高いと思うのは僕だけでしょうか。

Teton Bros.(ティートンブロス) ウールエアーフーディー Wool Air Hoody (Men) Gray M TB203-61M
Teton Bros.(ティートン ブロス)

Houdini Mono Air :山好きの毎日に寄り添ってくれる1着

Sサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★☆☆ 快適性★★☆ 動きやすさ★★★ 通気性★☆☆ 重量☆☆☆ 山着★★☆ 街着★★★

Houdiniは生産するすべての生地で、リサイクルや生分解可能素材などの環境に配慮した素材にするということを今シーズン時点で達成できている、おそらく世界でも数少ないアウトドア・ブランドのひとつです。

そんなHoudiniが、100%リサイクル可能で、地球環境に有害といわれているマイクロファイバーの脱落を従来のフリースの最大5倍も抑えることが可能な新しい素材「Polartec® Power Air™」をPolartecと共同開発したのが2019年。このMono Air Houdiはそのファミリーに新たに追加された、軽量な進化系アクティブフリースジャケットです。

スリムでシンプルなルックスでありながら退屈さを感じさせない、ミニマルかつ洗練されたデザインは相変わらず彼らのお家芸とも言えるセンスのよさを匂わせています。それでいて高めの襟、フロントのダブルジッパー、サムホールを備えた袖など活動時の使い勝手を考えた機能美とも言える仕様は先行モデルを引き継ぎつつ、今モデルで何よりも嬉しいのは、新たに開発された「Polartec® Power Air Light」によって生地がより薄手になり、前モデルで気になっていた「重さ」をある程度解消していることです。

最新のテクノロジーを駆使したPolartec® Power Air™については当サイトで行った昨年のインタビュー記事でも言及していますが、あらためてその仕組を説明すると、カプセル構造の小さなエアポケットに閉じ込められた中綿と空気の層が断熱性を生み出します。従来のように表面が立毛したむき出しの繊維によって断熱層を作るのではないため、その繊維が抜け落ちることで生じるマイクロプラスチックを大幅に削減することができるという、環境面での弱点を克服したフリース素材です。マットでスムースな表面は滑らかでピリングにも強く、重ね着もしやすくなっています。

タイトめでムダのないフィット感ながら伸縮性抜群なので窮屈感はまったくといっていいほどなく、控えめな保温性と高い通気・速乾性によってアクティブな場面でのミッドレイヤーとしてしっかりと機能してくれました。シンプルで確かな機能性は登山やキャンプなどのアウトドアで中間着として幅広いシーンで着ることができます。

ただしそうは言っても、今回実着した他モデルと比べると、それぞれの特性は総じて飛び抜けているというわけではなく、保温性ひとつとってもこれまであった同重量の起毛フリースと比べて弱めと言わざるを得ません。通気性や速乾性に関しても十分とはいえ驚くほど高いということもなく、活用シーンは春・秋や寒さの和らいだ冬の、山深くない場所でのアクティビティに限られる気がします。

ただ勘違いしてはいけないのは、このジャケットが目指しているのは、テクニカル用途に特化した稜線上での最高のパフォーマンスではないということです。このフリースはどちらかというと1年にたった数日のアドベンチャーのためだけにあるのではなく(もちろんそれ自体価値がないとは決して思っていませんが)、山でもカフェでもレストランでも、毎日の生活を豊かにしてくれる1着、毎日に寄り添ってくれる1着を求めている人にこそふさわしい1着と言えそうです。

MILLET アルファ ライト スウェット クルー :山から日常へと違和感なく繋げてくれるハイレベルの快適性

UK Mサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★★☆ 快適性★★★ 動きやすさ★★☆ 通気性★★☆ 重量★☆☆ 山着★★★ 街着★★☆

高通気中綿のパイオニアであり、今やその代名詞として名高い高機能化繊中綿素材「Polartec® Alpha®」は、時には中綿として、そして時にはむき出しでPolartec® Alpha®Directというフリース生地としても適応可能というユニークで優れた機能をベースに、誕生から10年近く経った今でも革新的なアイテムが生み出され続けています。そのPolartec® Alpha®Directを使ったアイテムのなかで「今シーズンの1着」にふさわしいのが、このMILLETアルファ ライト スウェット クルー。初めてその姿を眼にしたときには思わずひざを打たずにいられませんでした。

もともとアクティブインサレーション(高通気中綿ジャケット)とは、じっとしているときには身体を冷まさず適度に保温し、動いているときには優れた通気・速乾機能によって身体を素早く冷やすという仕事をしてくれることから「行動中でも脱ぐ必要がない防寒着」と銘打たれた素材であり製品です。アルファ ライト スウェット クルーはその特性を最大限活かすためにムダを省いていった結果「ジッパーやポケットすらないスウェット」という結論にたどり着きました。

さらにこの高通気中綿を採用したスウェットがおもしろいのは、中綿部分を吸汗性の高い裏地と高通気で滑りのよい表地とで挟んだことです。むき出しで使えば確かに機能としてはよりエッジが立つのかもしれませんが、ケバケバしい外観はラディカルで、やはりどこか野暮ったさが抜けなくていけない。それをこのようなスウェットっぽく仕上げ、機能性を保ちつつより幅広い層が手に取りやすい、ギリ普段でも着れてしまうくらいのデザインに落とし込んだところに、マス・ブランドとしての矜持と巧みさを感じずにはいられません。

薄手で負担にならない重さに、タイトすぎないシルエット、適度なストレッチはどんなシーンでも心地よく着られます。毎日の部屋着でも、仕事でPCに向かっているときも、カフェでくつろいでいるときも常に快適で、さらに山に行けばさらにその真価を発揮してくれることは疑いがありません。

滑らかで吸汗性のある裏地は地肌の汗もある程度吸い上げてくれるので、地肌に直接着られなくもないですが、より機能的に汗処理能力を最大化するのであれば、地肌との間に同ブランドのドライナミックメッシュといった吸汗・速乾アンダーウェアや、あるいは薄手のベースレイヤーを挟むことで効果的なレイヤリングができると思います。試しにベースレイヤーとスキージャケットの間に着てスキーに出かけたところ、リフト・滑降・レストハウスと行き来してもずっと快適に1日を過ごすことができました。

ラインナップにはジャケットタイプもあり、山メインできるならばそちらもおすすめですが、これまでのPolartec® Alpha®採用ジャケットとはひと味違った新しい可能性と満足を感じさせてくれ意味で、個人的にはこのクルータイプがおすすめでしょう。

OMM Core Hoodie :底知れないポテンシャルを感じた最新素材。使いこなせるかはあなた次第

Mサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★☆☆ 快適性★★☆ 動きやすさ★★★ 通気性★★★ 重量★★★ 山着★★★ 街着☆☆☆

前例にとらわれない独特なアプローチで常に独自の最適解を追求するOMMがこの冬、満を持してリリースした超軽量フリース「Coreシリーズ」は、型破りだけど理にかなった、まさにOMMらしさ全開の1着。

PrimaLoft® ActiveシリーズやPrimaLoft® Cross Core™シリーズなど、ここ数年個人的ヒット素材を連発する勢いそのままに、PrimaLoftから今シーズン初投入された新しい断熱素材「PrimaLoft NEXT」を世界に先駆けて採用しています。展示会で最初にぼんやりと聞いた限りでは、見た目的にも「Polartec Alphaの対抗素材かな?」くらいにしか考えていなかったのですが、蓋を開けてびっくり。これまでの概念を覆してしまうような、内外をざわつかせる素材であることが分かりました。

まず前提としてこの新しい素材は、これまでのアクティブインサレーションのように「高い保温性と通気・速乾性を両立して、冬の行動中に着続けられる高通気断熱素材」として機能します。ただ、これまでのどんな断熱素材とも決定的に違うのは、この1着が地肌に直接、単体で着た際に「ベースレイヤー+ミッドレイヤー」という複数レイヤを着ているかのように働くと発表されていることです。

その仕組みをリリース情報から理解した範囲でかいつまんで説明すると、PrimaLoft Next シリーズ吸水速乾性の高いポリエステル繊維で構成されているので、まず肌面の汗は吸い上げられ、保水せずにそのまま外に排出するように働きます(←ベースレイヤー的役割)。さらにこの起毛した繊維の集合は動物の毛皮に見られる特性を模倣し、長さや細さの異なる繊維が集まって構成され、素材内部で自然な高低を作り出すことで移動時には空気を流し(通気・速乾)、静止時には空気を閉じ込める(保温)ように機能するといいます(←ミッドレイヤー的役割)。この2つの機能を1枚の生地で融合しているのがこの素材の革新的な部分であり、アクティブインサレーションの常識を覆すと言われているとか、いないとか。

実際にはどうなのよ?ということで早速袖を通してみると、まずとんでもない軽量・コンパクトさにびっくり。そしてそれにも関わらず地肌にすぐにじんわりと感じる想像以上の暖かさにまたびっくり。そしてちょっと身体を動かしただけでスースーと吹き込んでくる風を感じ、その圧倒的な通気性の高さにさらにびっくり。保温・通気(速乾)のどちらもがビビッドに感じられ、その力強さに笑えてきます。

十分にきめ細かい起毛フリースは化繊100%の割には肌にとても心地よく、さすがファーストレイヤーとしての着用も推奨しているだけあります。非常にタイトな作りですが、適度なストレッチによって動きの中でのストレスはまったくありません(※ただし強い引っ張りに対しては若干神経を使います。公式サイトにも注意がありましたが、ひっかきや抜け落ちに対しても含め、耐久性という点では発展途上であることは否めません)。

ただ一方でそのユニークさゆえに、どう重ね着するのがベストなのかといった「最適なレイヤリングコンビネーションや使い方」については、一筋縄ではいかない気もしました。正直ここはまだ答えが出ていない点です。これ1着でベース・ミドルレイヤーの役割ができるからといって、極端に暑いときや極端に寒いときには、当然これ1着対処できないので重ね着が必要です。ではその際にどうすれば(何を重ね着すれば)いいのか。そこには経験が必要になってきます。

実際まだそこまで使い倒していない前提ではありますが、今のところ最も快適に機能したと実感したのは、地肌にCore Hoodieを着て、その上にもう1枚フリースやアクティブインサレーションなどのミッドレイヤーを重ねて着る、つまりCore Hoodieを薄くて暖かいベースレイヤーとして使ったときです。その時は底知れないポテンシャルを感じさせる快適さでした。もちろん、まだ出始めて間もない段階での評価なので、これから先こなれてくればもっとハマる着方が見つかる可能性は十分あります。さらにはそうした複雑さを克服する、より進化した次のモデルがでてくるかもしれません。

何はともあれ、未だこのポテンシャルをフルに活かした「これだ」というコンビネーションを確立できていない自分がいると同時に、そんなじゃじゃ馬のような1着をいつか使いこなしてやりたいという自分がいることも確か。何とも探求しがいのある新しいギアが現れてくれたものです。

Houdini Alto Crew :母なる自然の温もりに身を任せたくなる極上の着心地

Sサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★★★ 快適性★★★ 動きやすさ★★☆ 通気性★☆☆ 重量☆☆☆ 山着☆☆☆ 街着★★★

厳しいアウトドアのためのハイテク機能を、日常をより豊かに彩るためのツールに変える魔法を持っているHoudiniにかかれば、フリースはこんなにもスタイリッシュに生まれ変わることができる。Alto Crewはそれくらい、フリースという概念を揺さぶってくるアイテムです。

見た目はフリースというよりもスウェット。それも、まるでどこぞのハイブランドのショーケースから飛び出してきたかような、素朴ながらどこか高級感の漂うデザインと質感は、質実剛健なアウトドアファッションからは程遠い色気を醸し出しています。

そのただならぬ魅力は、もちろん見た目だけではありません。山での有用性は言わずもがなの天然メリノウールと、再生繊維であるテンセルをミックスした厚手生地(スウェーデン製)から作られたというそのセーターに袖を通してみたときの、その幸福感といったら。

裏地が細かく起毛したフリース地になっており、ふんわりソフトで滑らかな肌触り。しかもややゆったりめのシルエットは伸縮も効いてて窮屈感ゼロ。合成繊維にはまだ到底作り出すことのできない絶妙な着心地は一度着るともう二度と脱ぎたくなくなります。

もちろんウールやテンセルといった高機能天然素材を使用しているため、暖かさはもちろんのこと、汗で湿った状態でもある程度保温性を保ち、天然の保湿性・吸湿性・速乾性によって暖めすぎも汗冷えも緩和してくれます。さらに天然の抗菌防臭効果と帯電防止性能も完備。登山やスキーでのミドルレイヤーとしても十分に優秀です。肌の上に着ても気持ちいいですが、シルエット的にも吸汗具合から言っても中間着的使い方がベストでしょう。

ラインナップにはフルジップ・ハーフジップ・クルーネックと、用途や好みに合わせて選べるのも嬉しい。自分的には、この極上の心地よさは日常で着回さない手はないと思い、日常からスキーや冬山まで使いやすいクルーネックをチョイス。ここで紹介した中でもかなり厚手の部類に入るため、気温の下がりきっていない春・秋や短時間で極度に汗をかくようなアクティビティには向いていないかもしれませんが、真冬の日常からスノーハイクや軽いスノートレッキング、スキー・スノボなどのスノーアクティビティには激しくおすすめです。

100%天然繊維を使用しており、生分解性があり、リサイクルも可能なこのフリース・セーターは、着ることで僕たち山好きが毎日に求めている多くの願望を満たしてくれる、数少ないアイテムの一つとなりそうです。

STATIC ADRIFT CREW :冬のレイヤリングのすき間を埋めてくれる、超軽量アクティブインサレーションレイヤー

Lサイズ着用(176cm/64kg)

保温性★☆☆ 快適性★★☆ 動きやすさ★★☆ 通気性★★★ 重量★★★ 山着★★★ 街着★☆☆

アクティブインサレーション(ジャケット)という種類の防寒着が登山ウェアのなかで確固たる地位を築きつつある大きな流れのなかで、現在は本当にさまざまなニーズに応えてくれる、多種多様なアイテムが生まれてくれました。日本のアウトドア・ブランドのなかでも特に環境への影響に対して真摯に向き合ったものづくりを掲げるSTATICの開発したADRIFT CREWは、「動的保温」というアクティブインサレーションの基本的な特徴を備えながら、同時に他のモデルにはない、かゆいところに手が届くような魅力を多く兼ね備えたフリース・セーターです。

なんと言っても、まるで着ていることを感じさせないほど、今回のなかでもトップクラスに軽い(Lサイズでもなんと111g)にもかかわらず、着たときにはその軽さから想像を超えた暖かさを提供してくれます。その理由は生地に採用されたTEIJIN社開発の「Octa」です。放射線状に配列された8本の突起をもった中空糸の繊維である「Octa」は通常の繊維よりも多くの空気を繊維内外に保持することができるため、これらが絡み合って生み出された起毛裏地は、薄くても効率的にデッドエアを作り出すことができるのです。

そのうえ極薄の生地は細かなメッシュ状になっており、移動したり少し空気が動いただけで大量に空気を通してくれます。このため止まっているときには保温、動いているときには通気・速乾作用を促進し、アクティブインサレーションとして機能してくれます。

シルエットは若干身幅・アームホールが大きく、袖丈が若干短いため、自分の肩幅・腕の長さに合わせるとLサイズがちょっとダボついてしまっていました。それ以外では伸縮性もまずまずあり、動きづらさを感じることはまずないでしょう。

数あるアクティブインサーレションジャケットやレギュレーターフリースに引けを取らない機能性の高さを備えながら、驚くほどの軽さを備えたこのニットは、気温が高めの時期にはメインの防寒レイヤーとして、さらに気温の低くなってきた時期からは、これ1枚では物足りないとしても、普段のミッドレイヤーにチョイ足しするといった使い方ができます。ややゆったりめのシルエットとスムースな表面によって、ミッドレイヤーやセカンドレイヤーとして中間に羽織るのにぴったり。バックパックのすき間にちょうど滑り込ませる程度で、これまであり得なかった桁違いの安心と快適を与えてくれるでしょう。

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