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スリーピングパッドに英国からの衝撃”第二波”が到来。 Rabの新作エアーマット Ultrasphere 4.5 は「高断熱・快適・軽量・安価」と四拍子揃って相変わらず「買い」な神マットレス

昨シーズン「Rab Ionosphere 5(レビュー参照)」で、スリーピングパッドというジャンルに初参入とは思えないパフォーマンスの高さを手頃な価格で実現した英国の本格アウトドアブランド、Rabが今シーズンまたしても衝撃の新作を届けてくれました。

それが今回レビューするRab の新作スリーピングパッド、Ultrasphere 4.5 。羽根のように軽いマットレスでありながら、軽さだけではなく優れた断熱性と細部までRabらしいこだわりが詰まった製品です。

ありがたいことに今回も自由にレビューOKとの条件で当サイトに提供してもらえることになりました。早速今シーズンこのマットレスでテント泊してみることができましたので、レビューしていきたいと思います。

Rab Ultrasphere 4.5 の主な特徴

Rab Ultrasphere 4.5 は軽量コンパクトさと高い断熱性を兼ね備えたオールシーズン対応・エアー注入式スリーピングパッド。わずか 370 グラムの重量でありながら、熱反射を利用した高断熱構造のTILTテクノロジーにより4.3という通年対応の高いR値(保温性能)を実現。また8センチという厚みとフラットな横バッフル構造、寝返り時の摩擦音も少ない静音設計などが、不整地でもストレスを感じることなく快適な眠りをサポート。薄型の2ウェイバルブは付属のポンプサックを使用して短時間・簡単に空気の注入が可能。これだけの高機能ながら驚きのコストパフォーマンスも相変わらず魅力。

お気に入りポイント

気になるポイント

主なスペックと評価

アイテム名 Rab Ultrasphere 4.5
サイズ 183×51cm
収納サイズ 18×9cm
厚み 8.0cm
表面素材 20D  リサイクルポリエステル(TPUコーティング / フロロカーボンフリーDWR耐久撥水加工)
断熱素材 2層のTILT反射フィルム
公式重量(本体のみ) 370g
R値 4.3
対応季節(参考) 4シーズン
付属品
  • 収納袋 
  • ポンプサック
  • リペアキット
Outdoor Gearzine評価
快適性 ★★★★☆
断熱性 ★★★★☆
重量 ★★★★★
収納性 ★★★★★
使い勝手 ★★★★☆
耐久性 ★★★☆☆
お買い得度 ★★★★★

詳細レビュー

断熱性と重量・サイズ:独自の断熱構造による、けた外れに優れた「重量 対 断熱性能」

まずこのマットを手に取ってみて誰もが驚くのはその軽さとコンパクトさでしょう。本体で370グラムという重さ、またパッキングしたときにナルゲンボトルよりはるかにコンパクトな収納サイズは、一昔前ならば「夏限定モデル?」と思ってしまうくらいに軽くて小さい。重量と収納サイズの削減は、タフな冒険を目指すハイカーにとって、どれだけ恩恵を受けても満足することはありません。

それでいて、何よりも重要なスペックである断熱性(暖かさ。マットがどれだけ熱を失いにくいか)については、マットレスの断熱力を示す世界標準規格「ASTM R-Value」で「4.3」という数値を備えています。この値はざっくりと、冬山専用というほどの高さはないものの、春夏秋冬(雪山)と1年を通して対応可能な高断熱と汎用性を備えたバランスの高い値といえます。

この高いレベルでのバランスを実現しているのは、自分の身体が発する熱をパッド内部で反射させて輻射熱の損失を極限まで減らす独自技術「TILT (Thermo Ionic Lining Technology) テクノロジー」を使用した熱反射フィルムと、暖められた空気の対流を防ぐオフセットされたバッフル構造にあります。下の図はマット内部の各バッフルの並びとバッフルに開いた孔を流れる空気のイメージですが、孔が互い違いに並んでいることで一直線に流れられないため、対流が起きにくくなっているという仕組みです。

この2つの仕組みが組み合わさることによって重量とかさばりを極限まで抑えながら、内部に熱を効率的に閉じ込めることができる、こうしてトップクラスの高い「重量(あるいは収納サイズ)当たりの暖かさ」を可能にしているわけです。

快適性:基本的なフラットさとズレにくい微妙なウェーブを両立した絶妙の寝心地良さ

山間を駆けるバイクパッキングから高山の縦走、数週間のスルーハイキングまでさまざまな山岳アクティビティ向けに作られたこのマットは、20デニールの薄手軽量なリサイクルポリエステルの表裏生地を採用し、この薄さを気密性の高いTPUコーティングによる補強で可能な限り耐久性を損なわないように努めています。確かに盤石とまではいえない薄さは感じるものの、小石が擦れただけでピリッと裂けてしまうような脆さまでは感じられません。ある程度の注意は必要ですが、床のあるテントの中で使う限りは問題ないくらいの安心感はあります。

フォルムは基本的に角を省略し、足元に向かってテーパードされたマミー形状ですが、足先はそこまで細くなっていません(下写真)。

表面

裏面。空気の出し入れ口はこちらの面の足元に付いている。

厚みは「8cm」と十分な厚さを備えており、横向き寝でも身体が地面に触れるといったことはもちろんなくサイドスリーパーも安心。凸凹した地形も気にならず、まるでベッドで寝ているかのようなラグジュアリーな寝心地が体感できます。

Ultrasphere 4.5の表面は横方向のチューブが並んだ水平(横)型のバッフル構造です。このスタイルは縦型バッフル構造に比べて凹凸が少なくフラットで、また一点に重みが集中したとしても浮き沈みがマイルドなので、座っても横になっても縦型より自然で快適に過ごすことができました。

さらに横方向のバッフル自体は緩やかに波打っているため、寝返りをうった際などに若干ではありますが滑り落ちにくくもなっています。

そして(Ionosphere 5の時にも実感しましたが)金属系フィルムを使用しているにも関わらずカサカサとしたノイズも相変わらずまったく気にならず、音も静かで睡眠を邪魔しません。

今回レビューのために低山のテントで1泊(夜間の気温は3℃前後)してみた限りでは、キルト系の寝袋で背中が直に当たっていたにもかかわらず地面からの冷気はまったくといっていいほど感じられませんでした。もちろんシュラフ等によっても感じ方は異なりますが、肌寒い季節にシュラフと合わせて、あるいは夏場なら直寝でと、幅広く対応してくれそうです。

収納性・使い勝手:このクラスでは驚きのコンパクトさ

Ultrasphere 4.5 はエアー注入式のエアマットです。使用するためには当然、中に空気を注入しなければなりません。ここ最近のハイエンドモデルでは珍しくありませんが、このモデルでも口から直接空気を注入するほか、付属の専用「象さんポンプサック(下写真)」によって簡単にマットを膨らませることができます。

空気注入口はIonosphere と同じ「注入・排出」二重構造による2WAYバルブシステム(下写真)。出っ張りが比較的少なくマット面に対してフラットなので、寝るときにも収納時にも邪魔にならない作り。壊れにくくもあり安心です。

容量の大きなポンプサックは個人的にお気に入りで、めいっぱい空気を溜めれば3~4回ほど吹き込むだけでほぼMAXまで注入できます。

コストパフォーマンス:相変わらずヤバすぎるコスパ

優れた断熱性と快適性を犠牲にせず驚きの軽さと収納サイズを実現し、性能的にも申し分ないRab Ultrasphere 4.5 ですが、さらに特筆したいのはその価格。昨年のIonosphere 5 同様、同程度のR値で代表的なスリーピングパッド3モデル(R値が4.5~5.0程度のマミー型エアーマット)と主なスペックと価格を比較してみました(金色背景は最も高い値)。どのモデルもそれぞれに長所があり、どこを重視するかによってその人にとって最適なモデルは違ってくるかもしれませんが、Ultlrasphere 4.5 は重量・収納サイズで頭一つ抜け出ており、さらに価格に至っては競合モデルに比べて大きく上回っていることが分かります。劣っている部分もほとんど微差であることを考えると、このコストパフォーマンスの高さは見逃せません。

オールシーズン対応マミー型エアーマットの主要モデル比較 2024

アイテム名 Rab Ultrasphere 4.5 (参考①) Therm-a-Rest ネオエアーXライトNXT (参考②) EXPED ULTRA 5R M MUMMY (参考③)Nemo テンサーオールシーズン レギュラーマミー
サイズ 183×51cm 183×51cm 183×52cm 183×51cm
収納サイズ 18×9cm 23×10cm 23×12.5cm 25.5×10cm
厚み 8.0cm 7.6cm 7.0cm 9.0cm
表面素材(耐久性) 20D TPUコーティングポリエステル 30D リップストップナイロン 20D リップストップ ポリエステル トップ:20D 100%リサイクルナイロン(bluesignⓇ認証)
ボトム:40D ナイロン(bluesignⓇ認証)
本体重量 370g 370g 445g 400g
R値 4.3 4.5 4.8 5.4
通常税込価格 ¥20,900 ¥39,600 ¥30,800 ¥29,150
静穏性
バルブシステム 2WAYバルブ 2WAYバルブ 1WAYバルブ×2 2WAYバルブ
付属品
  • 収納袋
  • ポンプサック
  • リペアキット
  • 収納袋
  • ポンプサック
  • リペアキット
  • 収納袋
  • ポンプサック
  • リペアキット
  • 収納袋
  • ポンプサック
  • リペアキット

まとめ:こんな人におすすめ

正直、昨シーズンのIonospheare でも相当驚かされましたが、今回のUltrasphere 4.5 に対する驚きはそれを超えたかもしれません。Ionospheare では成し得なかったトップクラスの超軽量コンパクトデザインにもかかわらず、快適さ・暖かさ・最低限の耐久性を損なうことなく、実用性の高いマットレスがお財布にも優しい価格で入手できてしまうのです。Ultrasphere 4.5 はスピードを優先するハイカーや登山者、アルピニスト、サイクルツーリストなど幅広いアクティビティにフィットし、快適さと重量、そしてパフォーマンスと、どれも妥協したくないすべての人におすすめできるマットレスです。逆に軽ささえあればいい、重くてもとにかく快適さが欲しいという人には別の選択肢があります。長く現役で使える本格的なエアーマットをいつか手に入れようと考えていた人がとすれば、それは今年かも知れません。ぜひお店で手に取ってチェックしてみてください。

同時リリースの「Mythic Ultra 120 Modular スリーピング バッグ」と組み合わせて700g アンダーの3シーズン対応軽量・快適スリーピングシステムが完成

なお、Rab から時を同じくして発売された同社最軽量のダウンシュラフ「Mythic Ultra 120 Modular」と組み合わせると、0℃レベルの低温下にも対応しながらなんと重量 700 g 未満の軽量スリーピング・システムが完成します。

もちろんUltrasphere 4.5 は単体のスリーピングパッドとしても優れていることは確かですが、装備全体として妥協のない軽量化を目指す人はこのオプションも検討するとよいでしょう。ちなみに「Mythic Ultra 120 Modular」もこのサイトで後日レビューをお伝えしますので、お楽しみに。

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