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Review:自然を走る楽しさを感じながらレベルアップしたいならSALOMON SENSE RIDEを履くといいよ

トレイルランに限らず、近年のランニングシューズでは高クッション・高反発といった、いわゆる厚底ランニングシューズが注目を集めているようです。決して流行に乗ったわけではありませんが、いつも膝の痛みに悩まされていた自分も、ここ最近よくトレイルに連れて行っていたのはHOKAのCHALLENGER ATR 2。なるほど確かにこれで膝の痛みは減り、この手のシューズ自体嫌いではないのですが、「シューズを履いている」という独特の乗り心地にはまだ若干の違和感を覚えないこともありません。

そんななかこの秋SALOMONから新登場したSENSE RIDEは、同ブランドのハイエンドシリーズであるS-Labラインでも採用されてきた多くのプレミアムな技術だけでなく、長時間走行によるダメージや疲労の蓄積を軽減する独自開発の新技術「Vibeテクノロジー」が加わり、他ブランドにはないアプローチで新たな走りの快適さを見いだした意欲作だとか。

特にガチでもストイックでもなく、普段はハイクの延長線上にランを捉えていて、怪我なく楽しく走った結果あわよくばタイムも上がってくれればいいという程度のお気楽ランナーであるぼくがそう聞いて手を出さないわけがありません。早速レビューさせてもらう事になりました。

より楽しく、怪我なく、軽快に走れたか?本気のレースで履いてみた

今回のレビューですが、ちょうど自分が9月10日の『多摩川源流トレイルラン』に参加することになっていたため、慣し履きトレーニングから実際のレースまでSENSE RIDEを履いてみてのインプレッションに基づいてレビューしていきます。さらにこのシューズに搭載された新技術の数々についてはSALOMON製品担当者にもご登場いただき、そのメカニズムについて分かりやすく解説してもらいました。

大まかな特徴

SENSE RIDEはロングセラーとなっているSENSE PROと2017春モデルのSENSE PRO MAXの中間に位置するオールラウンド性の高いモデル。ミッドソールには「Vibeテクノロジー」を採用し、着地による衝撃に加えて疲労や怪我のリスクとなる振動を吸収・軽減してくれます。アウトソールは船底のようなロッカー形状で自然なローリングを可能にし、さらに人間工学に基づいたスリット「DECOUPLING OUTSOLE」採用し、踵からつま先への体重移動をスムーズに行える設計。アウターソールには「Contagrip® Premium Wet Traction」を採用し、湿った岩の上でも高いグリップ力を発揮します。

おすすめポイント

  1. 足と一体化しているかのようなアッパーのフィット感
  2. ヒールからつま先までノンストレスな体重移動が足を自然と前に送り出してくれる
  3. ダメージを気にせず楽しく走れる安定感抜群のミッドソール
  4. トラクションとブレーキを両立させた高いグリップ力

気になったポイント

  1. 柔軟でやや薄めのソール前足部によってガッチリとホールドする感覚やフロントのプロテクションはやや薄め。

主なスペックとOGZ独自評価

項目 スペック・評価
重量 280g(26.5cm片足実測)
スタックハイト 27mm/19mm (8mm ドロップ)
アッパー生地 独自の圧着技術を用い、縫い目の無いシームレスなアッパー形成。
ソール

Vibeテクノロジー/Contagrip® Premium Wet Traction/DECOUPLING OUTSOLE

快適性 ★★★★★
重量 ★★★★☆
グリップ ★★★★☆
プロテクション ★★★☆☆
安定性 ★★★★☆
総合点 ★★★★☆

詳細レビュー

1. 足と一体化しているかのようなアッパーのフィット感

以前からSALOMONシューズの絶妙なフィット感についてはこのサイトでも度々触れてきましたが、独自技術「SENSIFIT™」によるその飛び抜けた一体感は健在。シューレースを締め上げると足全体を底から包み込むようにフィットしていく極上の履き心地は今回も相変わらず素敵です。

アッパー生地は柔らかくて通気性のよいメッシュ素材とTPUのコンビネーション。シームレスに圧着された表面は軽さ・柔軟性だけでなくスタイリッシュなデザイン性の高さにも大きく貢献しています。

卓越したフィットの秘密はこれだけではありません。タン全体が足の甲を包み、縫い目の違和感を感じさせない、まるでソックスのようにシューズの内側で足をホールドしてくれるタン構造を実現したENDOFIT™です。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

ENDOFIT™は世界トップクラスの山岳ランナーでSALOMONの契約アスリートでもあるキリアン・ジョルネが、レースに勝つために徹底的にこだわった末に考案した仕組みです。単に肌当たりを良くしてフィット感を向上させるというだけでなく、リラックスさせながらも優しく横アーチを維持し、足のもっている衝撃吸収機能をサポートするところまで想定して設計されています。

まるでソックスを履いているかのようにスッポリと足を覆ってくれるENDFIT™。実際靴下を履かなくてもいいとか。

2. ヒールからつま先までノンストレスな体重移動が足を自然と前に送り出してくれる

足裏の神経を研ぎ澄まし、傾斜や凸凹、地面の質といった多様な地形の変化を感じながら走れることは、数あるトレイルランの醍醐味のひとつです。ただ厚底シューズの場合、クッション性の代償として相対的にそれらを感じにくくなってしまうのが残念なところ。その点このSENSE RIDEは(直近まで履いていた厚底シューズと違って)レーシングモデル程ではないにしても、地面からの圧を程よく捉えることができるだけでなく、まるでシューズが足と一体化したかのように軽快に、そして自然に前へ前へと足が出ていく感覚を得ることができました。その理由としては軽さをはじめさまざまな要因が挙げられます。

重量

280g(26.5cm片足実測)は極端に軽いというわけではないものの、十分に軽量といってよいレベルです。SALOMONのラインナップのなかでは、レーシングモデルのS/LAB SENSE 6(220g)よりは重く、SENSE PRO 2(265g)とほぼ同じ、SENSE PRO MAX(290g)よりやや軽く、安定重視のWINGS PRO 2(335g)よりかなり軽いという位置づけなので、同ブランドのオフロードシューズラインのなかでも軽量な部類であるということが分かります。

ロッカージオメトリー

ソールを横から見てみると、踵からつま先にかけて緩くカーブしていることが分かります。この船底型のロッカー形状は、自然でスムーズな足運びを可能にし、長距離を走りやすくなっています。

ソールの前足部の柔軟性

さらに少し驚いたのがこの前足部の柔らかさ。他社と比較してもかなり柔軟な設計になっています。このおかげでか、まずロードの走りやすいことといったら。さらには凸凹の地形へ足裏を添わせるような繊細なタッチにも対応しやすく、下りで細かくステップを刻む際にもスピードが乗ったまま恐れずに足を置くことができました。ただフロントのソール厚は16mmと決して厚くはないため、繊細なタッチと引き替えに若干プロテクションは薄めです。元々自分はヒールで着地する方なのであまり気にはなりませんでしたが、走り方によっては気になる人もいるかもしれません。

GEOMETRIC DECOUPLING(非干渉設計)

SENSE RIDEのアウトソールに見られる、この一見無造作に入ったスリットやラグ配置の裏に隠されているのが、自然で軽快な脚運びを支えるさらに大きな要素である独自に編み出された「GEOMETRIC DECOUPLING」に基づいたソール設計です。仕組みについてじっくりと担当者に聞いてみました。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

このシューズが一番念頭に置いていることのひとつは「足の機能を最大限引き出す」ということ。多くのランニングシューズは、足首関節の上下の動きに合わせた一つの軸でデザインされています。しかしながら、足は26個の骨と33の関節から構成されており、着地から蹴り出しまで、それぞれの関節は全てが同じ軸で動いていません。

「GEOMETRIC DECOUPLING」はそれらの実際の足の動きを、本来の動きのまま立体的に捉え、それぞれの動き・機能を損なわない(制限しない)ようにソール設計に落とし込むという仕組みです。

その仕組みはアウトソールだけでなく、ミッドソールの補強部に至るまでこのシューズの一貫したコンセプトとして徹底されており、それらが一体となって、ヒールからつま先までのストレスのないスムーズで効率的な体重移動を可能にしているのです。

人間工学に基づいた足の動きに合わせた新設計のスリットによって分割されたプロテクション・安定性向上パーツDecoupled Profeel Film。

 

3. ダメージを気にせず楽しく走れる安定感抜群のミッドソール

このシューズが他モデルと比較して特に優れており、そしてぼくが最も好きな部分は、ストレスのない自由な動きと繊細なタッチを可能にしながら身体へのダメージを最小限に抑えてくれる機能もしっかりと備えているという、高い次元でのバランスの良さにあります。その快適性を支えているのが、今シーズン新開発のソール構造「Vibeテクノロジー」です。

大まかな仕組みはこうです。ランナーが走行中に受けている負荷は、着地時の衝撃と踏み込み時の反発だけではありません。実際には衝撃が微細な振動(波)となって見えないダメージとして筋肉や関節に蓄積されていると。そこにはじめて着目し、この微振動を吸収してあげることで疲労の減少、快適性の改善、そして怪我の予防になると考え、生まれたのがこの「Vibeテクノロジー」です。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

このシューズの主要なコンセプトのもうひとつは、疲労を軽減させることで「足の機能を維持する」こと。これまでのシューズでは疲労軽減の方法として高クッションと高反発、相反するこの2要素を両立されることを目指してミッドソールを設計してきたと思います。その一方で我々はシューズのミッドソールに求められるクッション性能として、衝撃吸収、リバウンドそして振動吸収性の3点が大切であるという部分にたどり着きました。そこで生まれたのがVIBEテクノロジーというわけです。

その具体的な構造は、本来相反する高クッション性と高反発性を両立したミッドソール「Energycell+」と、誰も気がつかなかった微振動吸収機能をもったミッドソール「OPAL」をそれぞれが機能するように絶妙に組み合わせ、なおかつその機能が長時間のランでも持続するように調整された、画期的なボトムシステムです。OPALがランニング時に発生する路面からの体に有害な振動を吸収しつつ、一方で高反発で高耐久なEnergycell+が快適なロングライドを実現します。

上が微振動吸収機能をもった「OPAL」、下が高クッション・高反発のEVA「Energycell+」。

4. トラクションとブレーキを両立させた高いグリップ力

アウターソールにはミッドソール同様、人間工学に基づいて足の動きに合わせた新設計のスリットによって分割されたDecoupled outsoleがベース。これに基づいて計算された細かいラグが、そこまで深く鋭いわけでないにもかかわらず、前後左右に対してしっかりと踏ん張りが効く効果的な配置を実現しています。

さらにソールの材質についてはさまざまなシチュエーションでの使用を想定しContagrip® Premium Wet Tractionを採用。濡れた岩場などに強く、今回のレースでも苔むした岩や、緩い泥土の下り斜面など、厳しい路面でも安心して足を置くことができました。ただ、試してはいませんが、ラグの深さはありませんので、ハードな泥道には不向きだと思われます。

『多摩川源流トレイルラン』実践走行レポート

走り込みはシューズの慣し履き程度という状態で久々に挑んだこのレース。「これが入手して1週間の靴か」と思うほど足に馴染む絶妙なフィット感と柔軟性はさすが。そんなことを考えながらゆっくりとスタート。

前半は湿った斜面でのグリップ性の高さを噛みしめながらの我慢の上り。

特にこのシューズの実力が発揮されたのは、いつもよりスピードを上げて一気に下っていった後半部分。ヒールでガシガシとブレーキをかけながら駆け下りても適度なクッションが衝撃を和らげ、なおかつ前足部では柔軟でグリップ力の高いソールが地面の変化を感じながら適切な足捌きをサポートしてくれます。おまけに船底形状で足が前に回る回る。ここまでスピードに乗って駆け下りられたのははじめてです。

林の間を駆け抜ける疾走感はまさにトレイルランの醍醐味!

さらにこのシューズ、前半の砂利・土・木道登りから、後半の土・泥・岩場の下り、さらに時折現われる舗装道路の登り下りまで地形の違いをものともしません。個々の技術がそれぞれのシチュエーションで活きてくれていることが実感できました。

いつもならガチガチに硬化した関節で足一歩を出すのも苦労する後半のロードも何とか耐えてくれた。

通常であればこれだけ調子に乗って下ってしまうと、終盤でダメージが痛みとなって膝や足の付け根などの関節部に現われたりするものですが、今回は不思議と致命的な痛みは出ず。練習不足が原因で足がつりそうになったり、つま先のツッコミによる痛みまでは防げませんでしたが、いつもはどこかしらでブレーキがあったところ、はじめて最後まで止まらずにゴールすることができました。結果としてタイムも想像以上に縮まり、普段はのんびりハイキングが好きだったのに、意外とレースも悪くないぞと、そう思える1日でした。

まとめ:こんな人におすすめ

まだそこまでレースにのめり込んでいないので、特にコースやレースの種類を限定することはできない。その上で純粋にトレイルランを楽しみたい。でも怪我はしたくない。疲れを残したくない。そんなわがままなエントリーランナー(=自分)にはピッタリだと思いました。

SENSIFIT™・ENDOFIT™によるアッパーの心地よいフィット感、Vibeテクノロジーによる快適で安全なクッション性、GEOMETRIC DECOUPLINGによる地形を選ばずノーストレスな走り心地、Contagrip® Premium Wet Tractionによる幅広い地形に対する確かなグリップ力、ここまでオールラウンドな特性をバランス良く備えたシューズは正直見たことがありません。初心者からプロフェッショナルまで幅広いレベルのランナーに好まれる、SALOMONの新しいスタンダードといえる一足。

この絶妙なバランスの良さと、1万円台中盤という手に取りやすい価格は、特にこれからトレイルランを始めてみようというランナーには自信をもっておすすめできる一足といえます。またこのクセのなさと疲労軽減力の高さから、最近では怪我を抱えたトップ選手などにも広がっているとか。

ただ、フロントのソール厚や柔軟さから、スピード重視で前足部で力強く踏み込んだりブレーキさせたい場合には若干向いていないともいえます。そもそもそこまで走りが出来上がっている人はレース時間も少ないランナーであるとも言え、そういった人にとってはこのシューズの良さが十分に引き出されないかもしれません。あくまでもこのシューズに備わった特長はどちらかというと運動している時間が長い人にとって有利に作られており、その意味からもトップの数パーセントではなく、より多くのエントリーランナーや純粋に走りを楽しみたいというランナーに向いています。

なおSALOMONのSENSEシリーズ全体としての位置づけでいえば、ベアフットに近い感覚でより小さいドロップで軽快に大地を踏みしめていきたい場合はSENSE PRO 2を、逆に地形への対応力よりもとにかくラグジュアリーなクッションが欲しいならばSENSE PRO MAXという選択が良いでしょう。SENSE RIDEはちょうどそれらの中間にあたるため、そこまで明確に好みや目的が定まっていない場合、あるいはそこまで極端な走り方でもないし、極端なコースを走るわけでもないからオールラウンドに使いやすい一足が欲しいという場合には最適な選択肢となるはずです。

製品の詳細について、また問い合わせ等はSALOMON公式サイトをあわせてご確認ください。

『SALOMON HIKE+ STATION 飯山』期間限定OPEN!

飯山駅構内に拠点をおくアウトドア発信基地「信越自然郷 アクティビティセンター」内にSALOMON初となるアウトドアシューズを中心としたシューズレンタルを行う「SALOMON HIKE+ STATION 飯山」がOPENしました。

長野を代表するアウトドアフィールド「飯山」。自然豊かな飯山は日本を代表するロングトレイル「信越トレイル」、日本一の川「千曲川(信濃川)」を有し、多種多様なアウトドアアクティビティが楽しめるだけでなく温泉やグルメも充実しているこの地域はハイキングだけでなくプラスαの要素を楽しむ絶好のロケーションです。北陸新幹線が開通し、東京から2時間掛からず行くことができるようなり交通アクセスが格段によくなりました。

信越自然郷 アクティビティセンターではトレッキングウェアやバックパック、マウンテンバイクなどのレンタルを行っているので、大荷物を持っていくことなく、気軽にアクティビティを楽しむことができるのが魅力のアウトドア拠点施設。「SALOMON HIKE+ STATION 飯山」では、10月22日までの期間限定で、今回紹介したOUTpathをはじめとしたSALOMONのハイキング・トレイルランニングシューズを1日500円でレンタルが可能です。

秋の清々しい自然を堪能しながら最新シューズを試すことができる千載一遇のチャンス。この秋はSALOMONのシューズを履いて飯山を遊び尽くそう。

SALOMON HIKE+ STATION 飯山

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