Outdoor Gearzine "アウトドアギアジン"

Review:SKINNERS(スキナーズ)ソックスシューズ ハードトレッカーとジョガーに朗報!開放感と自然を味わえる新感覚の靴?靴下?がお目見え

ソックスシューズと聞いて、ピンときたあなた。正解です。おそらくビブラム社の5本指のベアフットシューズを想像されたのでは?ベアフットシューズで走るフォアフット走法は効率よく走られる・足への負担が少ない、などのメリットがあり、一時期ブームになりました。

そんなベアフットシューズを進化させ、「多目的で使える・頑丈で軽く・洗濯機で洗える」ように、新しく開発されたのが「SKINNERS(スキナーズ)」です。

どんな靴?

で、ソックスシューズとはなんぞや?というと、ソックスシューズという名前の通り、見た目は靴下、履き心地も靴下(筆者、実際に履きました)。ですが、靴なんです。一体どこが靴なのかというと、足裏にそのヒミツがあります。

足裏には、耐摩耗性の特殊なポリエステル製のポリマーを使っているので、薄くても強くて頑丈。メーカーテストではガラス片を踏んでも破れなかったほどです。ゴム製のソールのようにすり減ることもほとんどなく、グリップ力が強く、かつ防水加工もされています。

「これだけしっかりしていたら、足、蒸れそう…」と思いますよね。確かに、足裏のポリマー部分は、強度がある分通気性はありません。なので「ちょっと蒸れてるかも」と感じるかもしれません。しかし、それ以外の部分は独自のニット素材を使用しているので通気性があり、水抜けも良く、快適に過ごせます。

ここまで聞いたら履かずにはいられないでしょう!というわけで筆者、様々なシーンで着用してみました。

主なスペック

項目 スペック
重量 約80g(片足)
大きさ 2足一緒に丸めて5cmほど
素材 45% ポリプロピレンシルテックス(Ag)
22% ピスコース 22% コットン 11%ライクラ
底層部分

2層のフタル酸フリー研磨剤

実際に着用してみました

登山の下山直後に

まだ雪が残る高妻山を往復約9時間かけて登り、下山後、体力・気力共にゼロの状態でスキナーズを履いてみました。こういう状態の時こそ、その真価を発揮するのではないでしょうか。車に戻って登山靴を脱ぎ(ここでまず、1爽快目)、くるぶしソックスを履き、スキナーズを履いてみました。

感想は「靴やなく完全に靴下やん…。めっちゃ楽(ここで2爽快目)」。足へのフィット感たるや、もはや靴下です。足首や足の甲に締め付け感はありません。ちょうど小石がゴロゴロと敷き詰められている駐車場だったので、試しに歩き回ってみます。足裏が痛いのでは、と想像していましたが、まるで足つぼマッサージをしているよう。この刺激が気持ちよく(3爽快目)、足が疲れ切っていたにも関わらず、ぐるぐると駐車場を歩き回ってしまいました。

車中~日帰り温泉~サービスエリア~自宅で

スキナーズを履いたまま車に乗ります(助手席)。いつもはサンダルやかかとのない靴を履いているので、何も履いていない感じがして、なんとも不思議な感じ。登山靴でしっかり足を固定していた分、その開放感は下着を外した時の感覚に似て、自由って楽!と実感できます(4爽快目)。

日帰り温泉に行き、施設内でも使ってみようと足裏を拭いて、施設に入ります。入浴後、再び着用。リラックスタイムですが着用感は気にならず、むしろ靴下のような靴で足を守っている、という安心感がありました。入浴後の体が温まった状態の足でも、特に蒸れは感じませんでした。

帰りもスキナーズを履いたまま車に乗り、休憩するために途中サービスエリアに立ち寄ることに。トイレに行ったのですが、さすがにスキナーズを履いたままトイレに行くのは憚られたので、サンダルに履き替えました。車に戻り、再びスキナーズに履き替え、やっと自宅に到着。

スキナーズは洗濯機で丸洗いできる(裏返してネットに入れる必要があります)とのことですが、他の洗濯物と靴を一緒に洗うということがどうも気になってしまい、翌日バケツで手洗いをすることにしました。

海辺をジョギング

次はジョギングに挑戦です。ベアフットシューズでのジョギングは初めてのため、今まで靴のクッションで吸収してきた地面からの衝撃はどのように体に響くのか、足の裏が痛くならないのか、足が疲れやすいのではないかなど気になることがちらほら頭に浮かびます。

しかし色々考えていても何も始まらないので、スキナーズに履き替え、3,2,1,Go!

まずは波打ち際近くの、土が固いところからスタート。土の温度・湿り気・柔らかさがダイレクトに足裏に伝わってきます。直に土の上を走っている感触が心地いい~。最近海辺で裸足になることがなかったので、新鮮に感じます。波が引いた後の水っぽいところも走りましたが、水が靴に染み込むことはなく、土のニュルニュルした感触を楽しむことができました。

貝殻と荒い砂でできた砂浜ゾーンも走ってみます。足が深く砂の中に入り、波打ち際と比べて、走りにくい…。なんとか前に進もうと、ふくらはぎの筋肉が頑張ろうとしていることに気づきます。次いで、つま先もバランスを取ろうと、足指を曲げて砂を掴もうとします。自分の足が、地形の変化にこんなにも反応するものなんだと、改めて実感しました。

他には、貝殻を踏んでも痛くなかったですし、小石を踏んでもむしろ気持ちいい、くらいの感覚でした。日頃ジョギングシューズで走っている時では感じられない、自然の中を走っている心地よさや、自身の体の動きをつぶさに感じることができました。

気になる点

履き替えが必要なこと

ずっと履いていたい心地よさですが、コンクリートなどの面を歩くときは履き替える必要がありますし、そのままトイレに入ったりするのは憚られるので、基本的には一足違う靴を持っておく必要があります。

洗濯機での丸洗いに抵抗がある

洗濯機で丸洗いできる便利さも特徴ですが、外で履いた靴を衣類と一緒に洗うのは少し抵抗があります。ただ、スキナーズ単体で洗う分には問題はないと思います。

靴の中に異物が入る

基本的に足にぴったりフィットしていますが、使う場所によっては、靴の中に砂や小石が入ることがあるので、その都度靴を脱いで、靴の中に入ってしまったものを出す必要があります。

海辺を走り終わった後、ちょっと磯遊びをしようと岩の間を歩いたり水の中に入ったりしてみました。足裏のグリップきいているので普通のサンダルより滑りにくく、足全体が覆われているので、尖った物や岩で傷つく心配もありませんでした。ただ欲を言うなら、足の甲のメッシュ部分の速乾性があれば、海から上がった後がより快適ではないかと思いました。

まとめ:ハードな登山後のリラックスに。足裏で自然を感じながらのアウトドアにオススメ

何時間も歩き酷使した足を登山靴から開放する快感は前述の通り。5本の足指を自由に広げられる幸せを実感でき、かつそのままあちこち歩いても大丈夫な便利さと頑丈さは一見の価値ならぬ、一履きの価値はあるでしょう。一足80g・丸めて5センチというコンパクトさもハードトレッカーには見逃せません。

普通のジョギングに飽きてきた方、ベアフットシューズ初心者の方、水辺での遊びが好きな方、自然の持つ温度・湿度・地形をその足裏で体感してみてください。新たな心地よさを発見できるはずです。

現在スキナーズでは、新コレクション「アスレジャー」の支援をクラウドファンディングで行っています。「アスレジャー」とはアスレチックとレジャーを組み合わせた英語の造語で、今回のモデルは少しローカットになり、より軽快に、よりアクティブな動きを求めるユーザーに適したモデルです。

「アスレジャー」についての詳しい情報はこちら(Green Funding)を、製品の詳細について、問い合わせ等はSKINNERS公式サイトもあわせてご覧ください。

モバイルバージョンを終了