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比較レビュー:登山用ガスストーブは結局どれを選ぶのがいいのか?比較してみた

野外でつくるごはんは、キャンプや登山での最も楽しみなイベントのひとつ。食材を持ち寄っての鍋、道中に買った名産品や、手早くすませて星を見ながら改めて晩酌など、状況を思い浮かべるだけでわくわくしてきます。

その野外ごはんの陰の立役者である登山向けガスストーブは、各モデルとも基本的な機能は同じだとしても、実際には簡単な湯沸かしから手間をかけた調理、コーヒー・紅茶、雪を溶かしての水作りなど、重視する季節や用途・人数によって得意・不得意があります。それらは実際に使ってみてはじめて違いがはっきりと見えてくるものです。そこで今回は、1~3人程度でテント泊する時に最適な、最もスタンダードで汎用性が高いラインの人気・最新モデルを、色々な角度から比較してみました。

目次

今回比較したガスストーブについて

今回の比較にあたっては、国内外主要メーカーのなかでも、

といった条件に見合い、なおかつ個性にバリエーションをもたせた以下の登山向けガスストーブ5モデルをピックアップしました。

高火力モデルのなかでもオーソドックスなP-153や、耐風・耐寒性能を謳うウインドマスターといった直結型モデルに対し、熱効率の高さを含めて近年激しく注目が高まっているパーソナル・クッキング・システム(以下PCS)からジェットボイルミニモ(直結型)とイータスパイダー(分離型)の2代表モデルはどこまで食い下がるのか。はたまた分離型でも安定・高火力・コンパクトなどのユニークな特色を備えたヤエンストーブ レギがサプライズを見せてくれるのか。それぞれ仕組みが微妙に異なる個性豊かなモデル同士のレビューとなりました。

ちなみに筆者はこのテストまではP-153を4年間愛用していて、PSCの個人輸入モデルも含めて5台目の経験ですが、今回は自前でなくすべて現行モデルでのテストをしています。

テスト環境

2017年11~12月、屋外で湯沸かしチェックのほか、登山の通常使用での使い勝手などをテストしました。過半数がレギュレーターやガスプレヒート機構のついたモデルだったので、今回は零下での比較も別項で追記してあります。

クッカー含めたセットモデルと、ストーブ単体モデルとでは、重量や収納性の比較は厳密には不可能です。なので今回は便宜上、ストーブ単体のタイプは同じような容量と形のクッカー(モンベル アルパインクッカー 14)をセットとして仮定して比較しています。そのあたり、どちらかが極端に有利にならないようには考慮した上で評価していますが、限界もありますのでその辺はご理解ください。

テスト結果&スペック比較表

総合順位 1位 2位 3位 4位 5位
アイテム SOTO マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310 + SOD-460 JETBOIL MiniMo(ミニモ) PRIMUS P-ETA-ESP イータスパイダー PRIMUS P-153 ウルトラバーナー SnowPeak ヤエンストーブ レギ
総合スコア
(100点満点)
83 82 81 77 68
参考価格 9,800円 21,060円 18,144円 9,720円 9,698円
ここが◎ 耐風性、耐寒性、燃焼効率、軽さ、収納性 燃焼力、燃焼効率、安定性、耐寒性 燃焼力、燃焼効率、調理のしやすさ、安定性、耐風性、耐寒性 重量、収納性、組み立てやすさ 安定性
ここが△ 標準ゴトクでは不安定 収納性、価格 重量、収納性、価格 燃焼力、耐風性、燃焼効率 燃焼力、耐風性、耐寒性、燃焼効率、収納性
燃焼力
(20点)
17 18 19 14 13
耐風性
(10点)
7 6 9 5 3
燃焼効率
(10点)
8 9 8 6 5
重量
(15点)
14 10 6 13 11
収納性
(15点)
13 12 10 14 11
安定性
(10点)
7 9 10 7 9
使い易さ
(20点)
17 18 19 18 16
スペック
アイテム SOTO マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310 JETBOIL MiniMo(ミニモ) PRIMUS P-ETA-ESP イータスパイダー PRIMUS P-153 ウルトラバーナー SnowPeak ヤエンストーブ レギ
重量(g) 87( フォーフレックス使用時) 500(本体、1.0L専用ポット、フタ、スタビライザー、ゴトク) 655(本体、1.0L専用ポット、フタ) 116 220
最大出力(kcal/h) 2,800 1,512 1,900(T型ガス使用時) 3,600(T型ガス使用時) 2,900
燃焼時間 約90分(SOD-725T使用時) 非公開 約84分(IP-250ガス使用時) 約55分(IP-250タイプガス使用時) 非公開
ガス消費量(g/h) 130 約120 160 245 235
収納サイズ(mm) 幅47×奥行51×高さ8 直径127×高さ152 直径160×高さ120 75×88×30
  • バーナーユニット/70×126×59
  • 器具栓ユニット/21×136×25
備考
  • レギュレーター機構内蔵
  • 圧電点火装置内蔵
  • ナイロンスタッフバッグ・小型3本ゴトク付属(大型4本ゴトクは別売り)
  • レギュレーター機構内蔵
  • 圧電点火装置内蔵
  • コジー付きクッキングカップ・ふた・ボトムカバー・スタビライザー・ポットサポート(ゴトク)付属
  • ゴトクはセット内に収納できない
  • ガスプレヒート機構内蔵
  • 風防・アルミ製1.0L専用ポット(鍋)・PPボウル・インシュレーションバッグ・セパレート式圧電点火器具付属
  • 圧電点火装置内蔵
  • ナイロンスタッフバッグ付属
  • 一体型と分離型の中間のユニークな形状
  • ナイロンスタッフバッグ・セパレート式圧電点火器具付属

評価結果 ~タイプ別おすすめ~

SOTO マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310 + SOD-460

総合1位:スペックを超えたフィールドでの確かな高性能

風防やヒートエクスチェンジャーといった高効率機能がついていないといった劣勢をカバーしつつ、軽量・コンパクト・高火力という強みも活かした総合力でSOTOの看板ガスストーブが今回総合1位を獲得しました。正直今回はPCSの2モデルが有利なのはしょうがないと思っていただけに、単体でここまでやるとは驚きです。

製品名「ウインドマスター」とあるように、独特のすり鉢状のバーナーヘッドのお陰か風への対抗力は突出しており、予想外の計測結果に何度も記録を見返したほど。また湯沸かしのスピードではさすがにPCSと比べてやや劣ったものの、燃焼効率では十分に検討しているということも今回初めて分かりました。

残念なのが付属の3本ゴトク(トライフレックス)が小さすぎて中型以上の鍋では不安定であり、オプションのフォーフレックス (SOD-460)を買い足すのが半ば必須となっている点でしょう。

しかしオプション付けても100gを切る圧倒的な軽さとPCSにも劣らない燃焼効率、耐風・耐寒性、クッカーを選べる自由度など、最後に行き着くシンプルモデルとしても、最初に購入するベーシックモデルとしても魅力的な優等生。個人的にはフォーフレックスのトリッキーな収納機構も気が利いていて好き。とにかく隙のない、誰が購入しても後悔しない軽量高火力ガスストーブです。

JETBOIL JETBOIL MiniMo(ミニモ)

PCSを世に広めた立役者、燃焼性能と携帯性・使い勝手の絶妙なバランス

パーソナル・クッキング・システムの説明をする際に「~みたいなもの」で通じてしまうように、このジャンルの代名詞といえるJETBOIL。このシリーズにはさまざまな種類がありますが、初代はお湯を沸かすだけで1万円という価格の高さが目立つエッジの利いたマニアックなアイテムでした。それが今では調理もしやすくなったり、付属ゴトクを使えば専用カップ以外での調理も出来るようになったりと着実な進化を遂げ、このMiniMo(ミニモ)は同シリーズの中でも最も汎用性が高く、万人にとって便利な高熱効率バーナーシステムといえます。

高い燃焼効率を支える「フラックスリング」、寒冷下でも安定した火力を発揮する「サーモレギュレーター」内蔵、とろ火調整も可能な繊細なバルブ、耐風性もそこそこありと、フィールドを問わず安定して高い燃焼力・燃焼効率は期待通りでした。またPCSにしてはコンパクトにまとめられる点も高評価です。

湯切りや吹きこぼれ防止に便利な半透明の蓋や、収納時にも使える保護兼用計量カップも気が利いていますが、なによりネオプレン製一体型コジーのおかげで調理直後でもクッカーを安心して掴めるのは想像以上に便利です。mont-bellの直営店で扱われてるため地方格差なく手に入るのも地味なメリット。柄や色が違うコジーを付け替えたり、スペアカップを追加すればパーティのメンバー毎に使うこともできたりと、自分好みにカスタマイズできるのも嬉しいです。

高効率でいながらすべての条件でトップクラスの結果を残している総合力は流石。休憩時に思わず隣人のコーヒーまで淹れてあげたくなる逸品です。

PRIMUS P-ETA-ESP イータスパイダー

燃焼性能と調理のしやすさは文句なしのNo.1

同じPCSであるジェットボイルを含めた今回の比較で、すべてのテストにおいて沸騰スピードが最速だったのがこのイータスパイダー。今回最も高い燃焼力で、風に強く(専用風防)、おまけに寒さにも強い(プレヒートパイプ)と、実質的に最高の燃焼性能を見せてくれました。つまりは最も調理時間を節約したいならばこのモデル。

そんな高い燃焼効率だけでなく、調理のしやすさからも非常に高いパフォーマンスを示しています。調理しやすい広口で焦げ付き防止のセラミックコーティングされたクッカー、中が透けて見える半透明な掴みやすいリッド、分離型(ガスカートリッジとゴトク部分が分離しているタイプ)による安定性の高さは、山の初心者でも容易な調理を可能にしてくれます。

コジー兼用の外袋や、クッカーの内側にスタッキングするプラスチックボウルによって擦り傷や破損を防いでくれるなど細部にも気を遣ってあり、これひとつあればどんな山メシも思うがまま。ただ唯一といっていい難点は全体サイズの大きさですが、それを補って余りあるメリットはあるといえます。ベーシックなタイプからステップアップで2台目に買うバーナーとしてもおすすめです。

次ページ:各項目の詳細レビューへ

前ページでは比較したモデルのランキングと、評価・スペックの一覧、そしてそれに基づくおすすめを紹介しました。ここからはその評価について、どのような基準で評価したのか、なぜそのような評価になったのかについて解説していきます。

各項目詳細レビュー

燃焼力

各メーカーが公表している出力(kcal/h)は、火力について取りあえずの参考にはなりますが、実際に鍋の中身が最も短時間で温まるのはどれなのか?それは実際に同じ条件の下で比べてみないことには分かりません。

そこで今回のテストでは同じ日時場所で、同じ温度の水が完全沸騰(蓋が間隔短く浮き上がる、PCSは水切り穴から勢いよく蒸気が出続ける)するまでの時間を比較することで、実質的な燃焼力の比較を行ないました。

風のない場所での沸騰スピード比較。

沸騰までにかかった時間(無風)

アイテム P153 ウインドマスター レギ ジェットボイル イータスパイダー
公称最大出力 3,600kcal/h 2,800kcal/h 2,900kcal/h 1,512kcal/h 1,900kcal/h
沸騰までの時間 03m30s 02m45s 03m46s 02m31s 02m26s
テスト条件
  • ガスカートリッジは各社の小型オールシーズンモデルを使用(いずれも未使用)
  • 気温15~17℃、湿度25~29%
  • 25oz(約700ml)、19℃の水をアルミ製クッカーに入れて沸騰までの時間を計測

最も沸騰時間が短かったのはイータスパイダー、僅差でジェットボイルでした。やはりヒートエクスチェンジャー付きの専用カップは有利です。ただそれらに次いで3位のウインドマスターも燃焼力が低いとまでは言い難い差であり、上位3モデルはいずれも高い燃焼力であったといえます。ここではスペック上の数値は必ずしも実際の燃焼力と一致しない結果となりましたが、もちろん環境や条件によって多少の変動の可能性は否定できませんので、常にこうなるとは限らないことはご留意ください。

耐風性

燃焼力テストでは無風状態でのテストでしたが、今度はもう少し厳しい利用環境、ある程度の風が吹き付ける状況での燃焼力を比較してみました。野外で使用する以上はこうした厳しい状況での使い勝手が重要です。

耐風性テストの様子。風が当たるとモデルによっては極端に火力が落ちるものがある。

沸騰までにかかった時間(風あり)

アイテム P153 ウインドマスター レギ ジェットボイルミニモ イータスパイダー
沸騰までの時間 04m21s 03m41s 06m29s 03m58s 03m09s
テスト条件
  • 気温・水温などは無風状態と同条件
  • 約1.5m離れたところから火口中心部分に扇風機の弱風を当て続ける

風防一体型のクッカーが有利なことを考慮しても、やはりイータスパイダーの実力は確かです。無風状態とあまり変わりませんまた風防がないにもかかわらず、ウインドマスターが想像以上に健闘していたことも驚きでした。

一方でP-153は目に見えて沸騰までの時間が延び、レギにいたっては倍近い時間がかかってしまいました。両モデルともヘッド部分が露出した形状のため風の影響をもろに受けてしまいます。これらのモデルを現場で使用する際にはしっかりとした風対策の必要があります。風向きを考えた場所選びや風防などによる風を避ける工夫など、その場の自然状況への準備は常にお忘れなく。

燃焼効率

ここでは「いかに少ない燃料で効率よく温められるか」を比較します。ただ、厳密な計測は不可能に近いため、便宜的に各社が発表している時間あたりのガス消費量のほか、さらに実際に無風状態で燃焼テストをした前後で「新品のガスの重さ-使用後のガスの重さ」でも評価の指標とすることで、実際の使用に基づいた燃焼効率を比較しています。その結果は以下のようになりました。

沸騰までのガス使用量比較

アイテム P153 ウインドマスター レギ ジェットボイルミニモ イータスパイダー
公称最大出力 3,600kcal/h 2,800kcal/h 2,900kcal/h 1,512kcal/h 1,900kcal/h
公称燃焼時間 約55分(IP-250タイプガス使用時) 約90分(SOD-725T使用時) 非公開 非公開 約84分(IP-250ガス使用時)
公表ガス消費量 245g/h 130g/h 235g/h 120g/h 160g/h
沸騰までのガス使用量 11g 8g 13g 7g 8g

予想通りジェットボイルの燃焼効率の良さが頭一つ抜けていましたが、ウィンドマスターイータスパイダーも負けてはいません。総じて出力(火力)は低くても実際の沸騰時間が短かったモデルというのはガス消費量も少なくてすむ(=燃焼効率がいいストーブ)という傾向になりました。

重量

今回はセット内容の異なるモデル同士のため比較方法ではやや悩ましいのですが、最初に述べたように、できる限り条件を揃えるためPCSはセット全体を、単体モデルはmont-bell アルパインクッカー 14(0.8L 実測180g)を使用したとして実際の重量を計測し、比較しました。ちなみに着火装置や収納ケースは除いています。

重量比較

アイテム P153 ウインドマスター(+SOD-460) レギ ジェットボイルミニモ イータスパイダー
セット重量 295g(115g) 267g(87g) 402g(222g) 440g 635g

※()内は本体のみの重量

最軽量はウインドマスター、次いでP-153と、やはり直結型モデルはクッカーをシンプルにすることで重量も少なくできます。レギはPCS程ではないにしても分離型の分だけやや重く、残りのPCS2モデルは熱伝導フィン付きのクッカー・コジー・湯切り蓋・計量カップ・スタビライザーなどがセットである分、軽くしようとしても限界があります。とはいえ個々のパーツが無駄なわけではないので、このあたりは重さをとるか、スマートさをとるかというトレードオフになりそうです

シンプルな構成で重量をそぎ落とせるウインドマスターやP-153と比較すると、便利な反面フル装備のイータスパイダーでは缶ジュース1個分もの重量差が出ることも。

収納性

この項目も重量比較と同様、PCSはセット全体を、単体モデルはmont-bell アルパインクッカー 14を使用したとして比較しました。すると一番コンパクトに収納できたのがP-153。驚異的なコンパクトさは下の写真を見ても一目瞭然。僅差ですがウインドマスターも今回のクッカーにガスカートリッジごとすんなりと収まります。一方レギはヘッドやガス供給管など大ぶりなサイズのためアルパインクッカー 14には収まりきらず、写真のように一回り大きなアルパインクッカー 16(1.5L)に入れてちょうどよい大きさでした。なお、PCSも元々ガスカートリッジと一緒にスタッキングできるようになっていますので、決して使い勝手が悪いわけではありません。

ストーブと110サイズのガスカートリッジを収納した様子。写真は同じ角度・縮尺で撮影。

安定性・使いやすさ

ここでいう安定性とは、鍋をのせて調理したときの安定性を示しています。大前提として、火力の調整やとりまわしの良さに関しては今回比較したどのモデルもハイレベルにまとまっているため、どれを選んだとしても使い難いという印象のモデルはありませんでした。そのうえで、さらに細部の使い勝手を「セッティング(片付け)のしやすさ」「調理・食事のしやすさ」「その他機能」の3点に注目し、評価しています。

セッティングのしやすさについては、やはりシンプルな構造のP-153ウインドマスターは総じてセッティングも片付けも楽です。特にP-153は点火装置を含めて部品がひとつしかなく、煩わしさはゼロ。その他のモデルはパーツを組み立てたりする分、若干手間がかかる、部品を無くしやすい等のリスクがあります。

次に調理・食事のしやすさについてはイータスパイダーの安定感が際立っていました。低重心の安定性もさることながら、焦げにくく広口のクッカーや見やすいリッド、微妙な火力調整も難なくこなし、調理するには最適です。ジェットボイルミニモは簡単な調理でも安定しているだけでなく、調理後に直持ちできるネオプレン製の一体型コジーがとにかく便利です。またレギの独特な設計もある程度高く評価できるものでしたが、2本の脚が自由な長さに固定できないない、ガス供給管が硬いなど、安定させるには思ったよりもコツがいる感じがしました。

イータスパイダーのような分離型のストーブ(右)は平らな地面が少ないフィールドでも安定した調理が可能。

その他の点で見逃せなかった点をいくつか挙げると、寒さ対策としてウインドマスター、ジェットボイルは「レギュレーター」機構を、イータスパイダーには「プレヒート」機構があり、厳しい低温状況でも安定した火力を発揮できるメリットがあります。P-153イータスパイダーの円形ツマミは繊細な調整も素早い調整もしやすく、他モデルのワイヤーツマミは素早い調節が難しいためその分扱いにくく感じます。またジェットボイルの点火装置はテスト中どのような環境でもほぼ一発で点火し、他モデルと比較しても優秀でした。

火力調節ツマミは円形ツマミの方が調節はしやすいが、その分重量・コンパクト性は若干劣る。

まとめ

今回の比較レビューではPCSが有利な結果になることはある程度予想の範囲内でしたが、それにもかかわらずウインドマスターのタフさには驚かされっぱなしでした。逆に最大級の火力を持っていて、おそらく日本で最も売れているであろうP-153は(決してモノ自体が悪いわけではないものの)比較ではいまいち伸び悩み、個人的に愛用していた身としてもちょっとショック。カタログスペックや人気だけでは結果はわからないものだとあらためて感じました。しかし今回はあくまで条件が限定されたテストで、また環境が違えば異なる結果がでるかもしれません。なによりも大切なのは、自分の使用環境にあった相棒を選ぶことだと思います。軽量でオールラウンドなウインドマスター、燃焼効率と使いやすさのジェットボイル、重くても安心の使いやすさのイータスパイダー、マイルドな野営中心なら使いやすいレギなど、それぞれ目的に合わせて最適なモデルを選んでみてください。

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