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軽快&すっきりシルエットで、思わず毎日穿きたくなる SALOMON JP ウェイファーラー テーパード バックルパンツ レビュー

SALOMONといえばランニングシューズやトレイルランニング・ギアではおなじみのトップブランドですが、実はアウトドア・アパレル分野でも個性的な良品が存在するということは、まだあまり知られていないのかもしれません。

その知る人ぞ知るSALOMONのアウトドアウェアの中でも、ぼくがかれこれ5年以上前から愛用しているトレッキングパンツが今日紹介するWAYFARERシリーズです。このシリーズはその後着々と人気を集めていき、今では同ブランドの定番トレッキングパンツシリーズとして、シーンに合わせて多くの多彩なモデルがラインナップされるまでに成長していきました。

今回は、今シーズン新しくラインナップに加わったテーパーフィットの「JP ウェイファーラー テーパード バックルパンツ」を試してみることができましたので、早速レビューしていきたいと思います。

SALOMON JP ウェイファーラー テーパード バックルパンツの主な特徴

サロモンの人気トレッキングパンツシリーズ「WAYFARER」に新しく加わった、テーパーフィットのトレッキングパンツ。日本人の典型的な体型に合わせたジャパンフィット。裾に向かってシェイプされ綺麗なテーパードシルエットは、形の良さと着心地を両立させています。裏地は肌触りがよく、表地はDWR(耐久撥水)加工の施された薄手ソフトシェル素材は、4WAYストレッチによる高い伸縮性を備え、スリムフィットながら窮屈感や突っ張り感を抑えています。ポケットは左右のジッパーハンドポケットとヒップにも左右にジッパーポケットを装備し、アウトドアでの使い勝手も抜群。ウェストにはバックル付きのベルトも標準装備しています。トレッキングでの快適性・機能性を十分に備えたトレッキングパンツとしてはもちろん、シルエットと着心地のよさから街履きでも普通に使いたくなる、汎用性の高いパンツです。

スペックと評価

項目 スペック・評価
ここが◎
  • 毎日でも穿きたくなるシルエットと着心地
  • 行動をまったく邪魔しない、ストレスフリーの動きやすさ
  • 表面のDWR加工
  • 前後に豊富なポケット
  • ジャパンフィット(人による)
ここが△
  • (アウトドア用途では特に無いが、個人の好みも込みで日常履きとして考えた場合)前ポケットのジッパーが隠れるデザインなら、より普段履きでも大活躍。
快適性 ★★★★★
機動性 ★★★★★
機能性 ★★★☆☆
通気・透湿性 ★★★★☆
重量 ★★★★☆
スタイル ★★★★☆
実測重量 268g(Mサイズ実測)
素材 88% ナイロン, 12% ポリウレタン
ポケット
  • 左右にジッパー付きハンドポケット
  • ヒップにも左右にジッパー付きハンドポケット
ウェスト バックルベルト付き

詳細レビュー

アウトドアはもちろん、毎日でも穿きたくなるシルエットと着心地

ぼくがこのWAYFARERシリーズに惹かれた大きな理由のひとつが、トレッキングパンツにはあるまじき洗練されたシルエットの良さ。確かにヨーロッパ系ブランドのパンツは総じて細めでストレートなタイプが多めではあるのですが、そのなかでも、スリムで身体のラインが引き締まって綺麗に見えるWAYFARERのスタイリッシュなストレートシルエットは飛び抜けていました。

これまでのセンスの良さを引き継ぎつつ、今作は裾に向かってシェイプされた、最近主流のテーパードタイプ。相変わらずの美脚シルエットながら、ヒップ・太もも周りの適度なゆとりが、ストレートにはない快適な着心地を両立させています。

しかも今作は現代の日本人体型に合わせた、待望のジャパンフィットモデル。これまで以上に多くのユーザーが、軽快で清潔感のあるすっきりシルエットを体感できるはずです。

裏地は滑らかでサラサラと乾いた肌触り。擦れも気になりません。

表地にはDWR(耐久撥水)加工がしっかり施してあり、ちょっとした小雨や汚れならば心配ありません。しかも撥水加工はPFC FREEの撥水剤を用いて環境にもきちんと配慮がなされているという徹底した高品質。

行動を邪魔しない、ストレスフリーで抜群の動きやすさ

普通に歩くだけならば多少の窮屈さは我慢できたとしても、不整地・斜面を歩く登山では足を大きく振り上げることは日常茶飯事。このため長時間、そして大きな動きが多い登山で使うトレッキングパンツは、動きやすさや行動時の快適さは特に重要な要素ですが、このパンツはそうした実際の登山に求められる機能についてはほぼすべてにバランス良く高いレベルで応えているといっていいかもしれません。

Mサイズで268gと軽量、そして薄手のソフトシェル素材は4WAYストレッチの高い伸縮性を備え、履いた状態での締め付け感は皆無です。

夏場などでは膝を大きく曲げた時に汗ばんだ生地が肌と引っかかって非常に不快でストレスフルですが、そんなときでもこのスーパーストレッチによって余計な突っ張り感はありません。

股下にはガゼットクロッチが配置された立体裁断となっているため(下写真)、180度程度開脚しても股が突っ張ったりゴロついたりしません。

岩場などでの大きな足上げも躊躇なく行なえます。

裾に向かってシェイプしたテーパードシルエットのため、足首周りは生地のバタつきも気にならないため、安全で軽快な足運びを可能としています(下写真)。

生地は薄手で、通気性については真夏限定というほどではなく、穏やかな春から秋にかけて全般で使えそうな程度に適度な具合で備えています。左右のポケットはメッシュとなっているため(下写真)、大量に汗をかいたときにはベンチレーションとしてムレを逃してくれます。

スマートなデザインを損なわず、使い勝手十分なポケット類

デザインをスッキリ見せようとするとポケット類は控えめにしたくなるものですが、このパンツにはフロント・ヒップのどちらにも左右にポケットが配置されています(下写真)。しかもすべてがジッパー付きポケットとなっており、行動中に中の物が落ちたりしないような安全性が十分考慮されています。

また、WAYFARERシリーズの他モデルと違ってウェストは調節可能な一体型バックル付ベルト(下写真)になっており、より初心者に優しく幅広い層に対して利便性が向上しています。

まとめ:着心地・動きやすさ・シルエットと三拍子揃った汎用性の高い一着

良いトレッキングパンツには、丈夫なことは大前提として、動きやすさや蒸れにくさ、そして風や濡れに対する耐性など、過酷な状況で快適さを保つ多くの機能が求められます。さらに最近ではこうした安全・快適性に加え、ポケットやベルトを含めた使い勝手や、街と山とをシームレスに繋ぐスタイルの良さまでもが大事なこだわりポイントになってきています。

そこへ来てこのパンツは、最先端のトレッキングパンツに求められるこうした多くの要素を高いレベルでまんべんなく備えており、その完成度の高さは眼を見張るものがあります。

幅広いアウトドア・アクティビティに適しているのはもちろんですが、これまでのWAYFARERシリーズのなかでも特に日常に違和感なく穿けるスタイリッシュさを持ち合わせているのも確かで、その「街」と「フィールド」も含めた使い勝手の良さ、汎用性の高さも見逃せない魅力です。それだけに、両サイドのジッパーポケットのデザインがもう少し”ジャージっぽく”なければ個人的には最高だったかと思っています。ただあくまで個人的な志向もあると思うので、その点は人それぞれでもあるでしょう。いずれにしても、この夏持っていてまったく損はない、いや大活躍してくれるだろう一着です。

JP ウェイファーラー テーパード パンツは、サロモン直営店並びに以下のアウトドア用品専門店で購入が可能です。これから本格的な登山シーズンを迎えるにあたって高クオリティな装備を探している人は、ぜひ手にとって試してみてください。

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