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Review:SALOMON OUTpath GORE-TEX® SALOMONのハイキングシューズが超進化!理由を直接聞いてみた

SALOMONといえば、古くはアドベンチャーレースから、現在ではトレイルランニングなど、オフロードのランニング・レースの世界では日本でおそらく知らない人はいないというほどの知名度を誇る、世界中に熱烈なファンを抱えるメガ・ブランドです。

一方で、このブランドがハイキングシューズや本格的な登山靴にもしっかり取り組んでいるブランドだということを知る人は意外と少ないらしい。このサイトでは昨年のハイキングブーツ比較レビューX ULTRA 2 MIDを取り上げています。ただ履き心地こそ抜群に好みでしたが、自分のように「登山靴」としてより過酷な状況まで求めると力強さがやや足りないかな、という気がしていたのが正直なところでした。

SALOMONのハイキングシューズが知らないうちに超進化!その理由を直接たずねてきた

そのSALOMONが、聞くところによると何やら最近目から鱗が落ちるほど画期的なハイキングシューズを開発したらしい。そこまで聞いてしまったら試さないわけにはいきません。早速この秋新しく登場したOUTpath GORE-TEX®(アウトパスゴアテックス、以下OUTpath)を履いてフィールドに出てみたところ、これが想像を超えた素晴らしさ。履けば履くほど馴染んでいき、通常のハイキングはもちろん、今や日常生活にも欠かせない先発メンバーの一員となるまでに気に入ってしまいました。

というわけで早速この多彩な才能を備えた最新軽量ハイキングシューズを多角的な視点からレビューしていきます。

今回のレビューは実際にフィールドで試用したインプレッションをはじめ、同社のハイキングシューズラインナップと履き比べた上でそれぞれの最適な利用シーンの提案などを、筆者だけでなくSALOMON製品担当者にもご協力いただき、メーカー・ユーザー両面から詳しく解説しています。

このシューズが気になっていた人はもちろん、ちょうど今おすすめのハイキングシューズを探しているという人はぜひ参考にしてみてください。

大まかな特徴

アウトドアフィールドでの多様なアクティビティの要求に応える軽快さ、グリップ性能、耐久性を兼ね備えた次世代型ハイキングシューズ。軽量で耐磨耗性に優れる新素材を縫い目なしに圧着し、片足350g以下というハイキングシューズとしてトップクラスの軽さを実現。トレイルを軽快に移動する自由を与えてくれます。さらに足全体を包み込むようなフィット感抜群の「SENSIFIT™」アッパー構造、濡れた岩場でもグリップ性能を発揮する「Contagrip® Premium Wet Traction」、軽さと柔軟性を保ちつつプロテクション性能も損なわないつま先・かかと部のプロテクションなど、洗練されたデザインのなかに幅広いアウトドア・アクティビティを楽しむための最新技術を詰め込んだ、アウトドアでの可能性をどこまでも拡げてくれる一足。

おすすめポイント

気になったポイント

アイテム外観

主なスペックとOGZ独自評価

項目 スペック・評価
重量 337g(US8.5 片足実測)
アッパー生地 独自の圧着技術を用い、縫い目の無いシームレスなアッパー形成。
アウトソール コンパウンドの配合率を調整し、湿地帯でのグリップ力をさらに高めた、Premium Wet Tractionを採用。
快適性 ★★★★★
重量 ★★★★★
グリップ ★★★★☆
プロテクション ★★★☆☆
安定性 ★★★★☆
総合点 ★★★★★

詳細レビュー

今回のレビューにあたっては奥多摩にある沢や岩、砂利、木の根などバラエティに富んだトレイルが試せる棒ノ折山(白谷沢~滝ノ平尾根コース)を、OUTpathの他に発売済みのハイキングシューズXA PRO 3D GORE-TEX®(以下XA)、X ULTRA 2 GORE-TEX®(以下X ULTRA)を合わせた3足を交互に履き比べながらテストしました。

登山靴とは思えない洗練されたデザイン

一見して、良い意味でこれが登山靴?と思えてしまうほどにシンプルで垢抜けたデザインがまず眼を引きます。自分も含めていろいろな人にこのシューズを見せてみましたが、初見で「登山靴」だと分かった人にまだ出会ったことがありません。シャープなシルエットに上品なテクスチャ、縫い目のないミニマルな表層、高級感の漂う発色のよさは、アウトドアウェアと街着との境界がますます薄らいでいる2017年だからこそ生まれたクオリティといえるでしょう。洗練されたデザインは街にもフィールドにも、あらゆるシーンに溶け込みます。ちなみに今のところまだ登山専門店ではひときわ浮いています。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

街にもフィールドにも溶け込むスタイリッシュなデザイン

元々SALOMONのデザインコンセプトには、機能がそれと分かるように表現していく、いわば”機能美”を重視するという思想が根付いています。今でもこの機能を美しく魅せるという根本は変わりませんが、OUTpathをはじめとしてここ最近のいくつかのモデルでは都市とアウトドアを分け隔てなく楽しむ新しいユーザーを念頭に、アクティブなシーンに対応する機能美とより落ち着いたシーンでも映えるデザイン性の融合を意識した新しいコンセプトを採用しています。

足を優しく、すき間なく包み込むような極上のフィット感

SALOMONのハイキングシューズの絶妙なフィット感はX ULTRAで体験済み。他メーカーのシューズと比べても非常に優れていたことを覚えています。これはシューレースと連動して足全体を足裏から包み込むように締め上げ、抜群のフィット感を実現する独自のアッパー技術「SENSIFIT™」によるもの。

その飛び抜けた一体感は今回のモデルでも健在です。足を入れた瞬間から広がる別次元のフィット感、さらに靴紐を締めた時に足全体がすき間なく包み込まれるあの心地よさはXAX ULTRAよりも高いように感じられました。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

「SENSIFIT™」はSALOMONの手がけるあらゆるシューズの基本コンセプト

「SENSIFIT™」はSALOMONの靴づくりの基盤になっている技術で、スキーブーツやスノーボードからハイキングシューズまで、すべてのモデルはこのコンセプトで作られています。足が最も自然にフィットしている状態(=写真のように手でラッピングされたような状態)が、どんなアクティビティのどんな動きに対しても追従し保たれるように設計されています。

このほかOUTpathは糸を使わず圧着技術によってテキスタイルだけで包まれているため、ある程度生地のストレッチ性によるフィット感の向上も意識されています。さらにシューレースのパターンはXAと同じように親指付け根部分から締め上げる方式です。これは製造工程も増えるのですが、このシューズだからこそとことんフィット感にこだわってあえてこの構造を採用しています。

OUTpathのフィット感が秀逸だと感じていただけたのだとしたら、おそらくそうした細かい工夫の積み重ねの結果でしょう。

その分やや気になったアッパー生地のタイト感

ひとつ気になったのは、圧着された生地全体による絶妙なフィット感の裏返しで、甲周りのサイズ感は他のXAX ULTRAの2足と比較するとややタイトな感じは否めない点。極端に足幅が広めであったり甲高の人は注意が必要です。またこのきめ細やかなアッパー生地は、伸縮性があるとはいえ他のモデルに比べて若干バリッと硬め。つま先を曲げたときに生じる生地の折り目は多少の違和感がありますので、人によっては気になるかもしれません。

ハイキングシューズの中ではトップクラスの軽さ!にもかかわらず十分なプロテクション

ファストパッキングなど軽装でのハイキングにおいて、より軽快に歩くためにシューズの軽さは欠かせない要素です。335g(27cm)という重量はいわゆる防水機能をもったハイキングシューズと銘打たれたモデルのなかではトップクラスの軽さを実現し、走りの軽快さに関しては当然のことながら文句なし。トレランシューズ並にトレイルを駆け抜けても無駄な疲労感はありませんでした。

もちろん、ハイキングをはじめとした登山用シューズはただ軽ければいいというものではありません。舗装路だけでなく砂利道、岩場、ぬかるみ、樹木、苔といった多様な地形を相手にする登山靴は、鋭角な物体や衝撃から足を守るためのプロテクションが欠かせないからです。ここがトレイルランのようなスピード重視のアクティビティとの大きな違い。

OUTpathはそこについても抜かりがありません。一見するとスッキリと淡泊な外周ですが、つま先とかかとには高い圧着技術によって補強が施されています。外周をTPUでしっかりと補強しているXAX ULTRAと比較して決して高いとはいえませんが、この軽さのシューズでは考えられない剛性を備え、一般的な登山靴に近いプロテクションを得られるということはある意味驚きです。

もちろんGORE-TEX®だから防水性もバッチリ。シュータン一体型構造なので砂利もある程度入りにくい構造。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

このシューズのコンセプトである「多用途で使いやすい」を実現するために、軽さにはとことんこだわりました。そのなかでもSALOMONはスキー板やスキー靴の開発などで培ってきた優れた圧着技術があります。それを最大限活かし、無駄を極限まで省くことができたのが軽量化に大きく貢献しています。

またプロテクションに関しては、厚いTPU素材を靴全体にプロテクションとして配置しているXAX ULTRAの方がタフなことは事実ですが、OUTpathにはこの2つほどの強さはないものの、テキスタイルだけの圧着でできる最大限のプロテクションが考慮されています。

衝撃吸収とグリップ性能に優れたソール

病みつきになるフカフカ感!

この靴がハイキングだけにはもったいない、いやむしろ毎日履いていたい、そう思わせてくれる最大の理由のひとつが衝撃吸収力の高さによる贅沢な足乗せ感にあります。

一見するといわゆる”厚底”といった印象がないのですが、履いてみるとまるで座布団の上に乗っているかのような心地よいクッションを感じながら、一歩一歩を踏みしめることができる。かといって柔らかすぎて着地や踏み込みがブレるということもありません。適度な柔軟性と衝撃吸収力を兼ね備え、踏み込みをサポートしてくれるだけでなく、尖った岩や小石の多い下りでも地面からの突き上げに対してしっかり守ってくれます。おかげで丸一日歩いた後でも足裏へのダメージは最小限ですみました。

濡れた岩でも滑りにくい!

さらに驚きなのが、このシューズの優れたグリップ力の高さです。これは今回ぼくがこれまでSALOMONに抱いていたイメージを180°転換する原因となった最大のポイント。このモデルに採用された「Contagrip® Premium Wet Traction」は、濡れた岩稜帯でも安定したグリップ力を発揮するように設計されたアウトソール。

斜めから見比べてみると、他モデルと比べて全体的に深く間隔の広いラグ(溝)パターンが確認できます。

これが濡れた岩場等でのグリップをさらに高め、滑りにくくしてくれています。湿った樹林帯や枝沢の渡渉など、濡れた地形を歩くことが比較的多い日本のフィールドにとってはまさに待ってましたといえる仕様でしょう。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

※参考:XA PRO 3D GORE-TEX®ソールの全体構造

XAX ULTRAのような山岳地域をメインに想定したシューズには図のようにシャンク(シャーシ)と呼ばれる芯材を入れて剛性を高めているのですが、OUTpathの場合はそれが入っていません。これによってシューズはより軽量化を図ることができ、より柔軟に動き、足裏の圧(感覚)をより繊細に感じやすくなっています。これは歩く登る下る以外のシーン、バイクで足を置くとか濡れた場所に足を置くとか、トレイル以外の多用途に使えるように考えられたOUTpathの特徴です。

では他の2モデルと比較するとねじれや突き上げに対しては不利なのかというと、その分ミッドソールはトレイルランの技術を最大限活用してEVA(クッション)の配合を見直し、下からの突き上げが分散される仕組みになっています。

「Contagrip® Premium Wet Traction」は濡れた岩場等でのグリップ性を最大限に高めた、SALOMONの上位モデルに採用されるアウターソール。ラグパターンは歩くだけでなく縦横の動きも捉えられるように前足部外側にはV字のパターンを入れたりして、オリジナルのパターンを開発しています。またシャンクがない分、足裏の繊細さを損なわずにラグを深くすることができ、結果的に悪路に強いという印象に繋がったのではないでしょうか。

ワンタッチでの着脱を可能にするクイックレース

SALOMONのシューズであれば定番のクイックレースがこのモデルにも採用されています。既に登場から年月も経ち、その利便性についてもいろいろなところで書かれていますが、とにかく締めやすく、緩めやすい。登山でありがたいのは、登りと下りで締め具合を変えることが多いため、素早い操作ができることが大きなメリット。さらに春先や初冬など、手袋をしながらでも難なく締められるのはありがたいです。最近のモデルではシュータン部分にポケットが配置されているので、靴紐を締めてから行動中もブラブラせずスマートに収納することができます。

ただこのクイックレース、締めた後ポケットに紐をすべて押し込む手間がやや面倒。何か収納方法のコツはあるのでしょうか。

そのヒミツを担当者に聞いてみた!

そこでクイックレースを素早くセットする方法を教えてもらいました。

1. 中間辺りを引っ張って前半部分を締める。この手順は必須ではありませんが、特に甲高の人の場合均一に締まりにくいため、コレをやっておくと確実(歩き始めれば全体に馴染む)。

2. 先端を引いて全体を締め上げ、コードロックで固定する。

3. 紐のハンドル部分を先にポケットに押し込む(この時点では全部入ってなくてもよい)。

4. コードロック部分をポケットに押し込む。

5. FINISH。紐が輪になってが2つ出ていますが、これくらいならば引っかかりを気にすることもなく、逆にポケットから引き出しやすくなるためちょうどいい。

まとめ:SALOMONハイキングシューズ3兄弟はこんなシーンで使いたい!

OUTpath GORE-TEX®:軽快に、スタイリッシュにアウトドアを楽しみたいすべての人へ

超軽量でありながら多様な地形とさまざまな動きに対応する高いグリップ力・快適性・安定性は、ハイキングシューズの枠に収まりきらない可能性を秘めた、汎用的で非常に使いやすいアウトドアシューズです。これ一足があれば、軽めのハイキングから数日にわたるファストパッキングはもちろん、バイクやクロカン、パラセーリング、パックラフティングなど、雪のない場所で重荷じゃなければ、何も考えずに玄関から気軽にアウトドアに飛び出していけます。また軽快な歩き心地と垢抜けたデザインは街や史跡、自然を垣根なく移動する旅にも非常に相性よし。ただ、あくまでも3モデルを比較した場合ですが、高いフィット感とスリムでミニマルな構造が人によっては窮屈に感じられる可能性も。当然のことながら人によって足の形や好み違いますので、かならず試履きして確かめてみてください。

なお、製品の詳細について、問い合わせ等はSALOMON公式サイトをあわせてご確認ください。

なお、重荷を背負った長距離・長期間のアクティビティとなればより堅牢な登山靴の方が有利なのは当然留意しておくべきです。その場合は、同シリーズで足首までのプロテクションを備えたモデル OUTpath PRO GORE-TEX® がおすすめ。さらに高いサポート性を有し、より本格的な活動にまで対応してくれます。中の人曰く、この足首のサポートは保護だけでなく、足首の筋肉を刺激して筋反応を上げ、ホールド性を高めるという効果もあるとか。

XA PRO 3D GORE-TEX®:どんなにタフな地形でも安心して歩きたい人へ

多様な地形を走破するアドベンチャーレースをきっかけに、約15年前に発売され人気モデルとなったXAは、いわばOUTpathの兄貴分。より過酷な場面を含めた幅広いシーンでの安心感を提供してくれるタフな作り、悪路にも強いグリップ力、より強い荷重に耐えられるソールの安定感は、長きにわたってレーサーや山岳救助といったプロの現場で愛されてきた実績が証明しています。高い耐久性を前提としてさまざまなアクティビティに対応するという意味ではOUTpathに比べるとより長距離であったり高負荷であったりするシーンに強い印象です。そうした意味ではより万人にとって安心で履きやすいモデルとも言えそうです。

X ULTRA 2 GORE-TEX®:マイルドな地形をいつまでも快適に歩き続けたい人へ

昨年の比較テストでも感じましたが、アッパーの包み込むようなフィット感と柔らかい履き心地は今回も飛び抜けていました。長大なツールドモンブランを歩くためにアレンジされ、トレイルランニングシューズのテクノロジーを設計に取り入れたというだけあり、アッパーの柔軟性やクッション性の高さといった疲れにくさを意識した作りは脚運びを軽やかにし、歩くことを純粋に楽しむことができます。難点としては3つの中では濡れた地形でのグリップ力が弱く、ハードな地形、上下の変化に対してはやや苦手な気がしました。3つの中ではタフな地形には弱いものの、1日中履いていて最も楽に歩ける、走れる、くつろげる一足といえそうです。

『SALOMON HIKE+ STATION 飯山』期間限定OPEN!

飯山駅構内に拠点をおくアウトドア発信基地「信越自然郷 アクティビティセンター」内にSALOMON初となるアウトドアシューズを中心としたシューズレンタルを行う「SALOMON HIKE+ STATION 飯山」がOPENしました。

長野を代表するアウトドアフィールド「飯山」。自然豊かな飯山は日本を代表するロングトレイル「信越トレイル」、日本一の川「千曲川(信濃川)」を有し、多種多様なアウトドアアクティビティが楽しめるだけでなく温泉やグルメも充実しているこの地域はハイキングだけでなくプラスαの要素を楽しむ絶好のロケーションです。北陸新幹線が開通し、東京から2時間掛からず行くことができるようなり交通アクセスが格段によくなりました。

信越自然郷 アクティビティセンターではトレッキングウェアやバックパック、マウンテンバイクなどのレンタルを行っているので、大荷物を持っていくことなく、気軽にアクティビティを楽しむことができるのが魅力のアウトドア拠点施設。「SALOMON HIKE+ STATION 飯山」では、10月22日までの期間限定で、今回紹介したOUTpathをはじめとしたSALOMONのハイキング・トレイルランニングシューズを1日500円でレンタルが可能です。

秋の清々しい自然を堪能しながら最新シューズを試すことができる千載一遇のチャンス。この秋はSALOMONのシューズを履いて飯山を遊び尽くそう。

SALOMON HIKE+ STATION 飯山

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