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SALOMON X WARD LEATHER MID GORE-TEX / X BRAZE MID GORE-TEX レビュー:おなじみの超快適ハイキングシューズに、登山デビューにピッタリの新モデルが登場

サロモントレッキングシューズの人気シリーズに、新しく兄弟モデルが仲間入り

元々スキーギアメーカーであったサロモンが90年代初頭に初めてトレッキングシューズ分野に参入してから30年余り。その間多くの名作・定番モデルが生まれてきました。なかでもライトなハイキングに最適な「X ULTRA」シリーズは発売開始以来から現在まで、世界中に多くのファンを抱える同社のハイキングラインナップの顔ともいえる人気シリーズとなっています。自分もはじめてこのブーツに足を入れたときの、現在となってまでも味わったことのない極上のフィット感はいまだに忘れられません。

唯一無二の履き心地を備えたこのシリーズは年々バージョンアップを重ねてきましたが、その完成度の高さもあって従来モデルのファンも根強く存在しているため、結果として最新モデル「4」の他に「PIONEER(旧3をベースにしたモデル)」といった多様なバリエーションが生まれてきたのも興味深い点。そうやって今シーズン新たに生まれたのが、幅広いレベルや目的のハイカーに向けた新しい「X WARD LEATHER MID GORE-TEX(以下X WARD)」と「X BRAZE MID GORE-TEX(以下X BRAZE)」の2つの兄弟モデルです。早速この新しいハイキングブーツをまとめてレビューしていきます。

SALOMON X WARD LEATHER MID GORE-TEX / X BRAZE MID GORE-TEXの主な特徴

サロモンの定番ライトハイキングシューズ「X ULTRA 3」シリーズのデザインをベースに、アッパーや細部で異なるチューニングを行い、主にハイキングエントリー層によりフィットするようにデザインされたミッドカットの軽量ライトハイキングブーツ(ちなみに従来モデルの「X ULTRA 3」は、今シーズンから「X ULTRA PIONEER」として再出発)。

X WARD LEATHER MID GORE-TEXは「X ULTRA 3」シリーズと同じボトムユニットとシャーシを採用しつつ、アッパーのデザインを独特の風合いと優れた耐久性とを兼ね備えたスエードレザーにした、クラシックなルックスが魅力の新モデル。従来通りサロモンシューズの快適さの核となっている「SensiFit™」アッパーによる優れたホールド感や、ミッドソールの優れた反発力と衝撃吸収力・耐久性を兼ね備えた「EnergyCell™+」、軽量ながら高い安定性を実現する「Advanced Chassis™」、悪路に強い「Mud Contagrip®」アウトソールなどによって快適で安定感のある歩行を可能にします。

X BRAZE MID GORE-TEXは「X ULTRA 3」シリーズの基本的な快適性とアウトドアシューズとして必須の機能性を備えながら、よりハイキング初心者層にも届きやすい価格帯に抑えたエントリーモデル。低価格ながら軽い荷物でのライトなハイキングで高いパフォーマンスを発揮します。

どちらのモデルも足首回りのサポートとケガを防止するミッドカットデザイン、アッパーにはGORE-TEXによる信頼の防水透湿性能を備え、高いプロテクションと安全性を備えています。

X WARD LEATHER MID GORE-TEXのお気に入り・気になるポイント

お気に入りポイント

  • 足を優しく包み込む極上のフィット感とホールド力、履き心地の良さ
  • 軽量ながら優れたクッション性と安定性
  • ぬかるみや岩場にも強いグリップ性能
  • レザーならではの味のある質感と優れた堅牢性

気になったポイント

  • ほどけやすいシューレース
  • 数日のテント泊装備など重荷を背負ってのハードな登山にはソールの剛性が持たない

X BRAZE MID GORE-TEXのお気に入り・気になるポイント

お気に入りポイント

  • 低価格ながら全体的な品質の高さ
  • テクニカル地形でも安定感の高いグリップ力
  • 足にフィットしやすいしなやかでフレキシブルなアッパー

気になったポイント

  • (PIONEER・X WARDに比べて)重荷でやや安定感が低く、反発力と地面からの突き上げに弱いミッドソール
  • ほどけやすいシューレース

主なスペックと評価

アイテム名X WARD LEATHER MID GORE-TEXX BRAZE MID GORE-TEX
重量385g(US9サイズ実測390g)386g(US9サイズ実測370g)
スタックハイト19mm / 8mm25.2mm / 13.7mm
ドロップ11mm11.5mm
アッパー
  • レザー/テキスタイル MCL
  • GORE-TEXⓇ
  • SensiFit™
  • OrthoLite®(インソール)
  • 合成素材(バイオマス素材を含む素材)/テキスタイル MCL
  • GORE-TEXⓇ
  • SensiFit™
  • OrthoLite®(インソール)
ミッドソール
  • EnergyCell™+
  • Advanced Chassis™
  • EnergyCell™+
アウトソールMud Contagrip®All Terrain Contagrip®
快適性★★★★★★★★★☆
重量★★★☆☆★★★☆☆
グリップ★★★★☆★★★★☆
プロテクション★★★★☆★★★☆☆
クッション性★★★★☆★★★☆☆
安定性(サポート)★★★★☆★★★☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆★★★★★

詳細レビュー

外観と履き心地:よりバリエーションが増えながら、極上の履き心地はキープ

外観やアッパーの素材使いに関しては、まず何といってもクラシックなスエードレザーを採用したX WARDが目を引きます(下写真)。通気性のあるシンセティックメッシュ地をベースに、サイドから周囲の保護部分にかけてレザーを張り巡らしたデザインは、これまでのハイテク風味なデザインとはうって変わって落ち着いた上品さを醸し出しています。

レザーには優れた耐久性や劣化しにくさ、吸放湿性、そして天然素材ならではの気品と意匠性の高さなどさまざまなメリットがありますが、その分化繊に比べると重量がかさむといったデメリットが一般的にいわれます。ところが意外なことにこのモデルは(化繊のPIONEERと比べて)重さがほぼ同じ。革といっても十分にしなやかで足にも最初からなじみやすく、クラシックなスタイルが好みの人でもこれで重量増を覚悟しなくてもよいのだとしたらかなりアリな気がします。

一方、X BRAZEは基本的な外観に大きな違いはなく、価格は抑えつつ従来通りの軽さとしなやかさ、通気性を備えた化繊素材を全体で採用。さらにバイオマス素材を含む環境に配慮した合成繊維を新たに採用することでより現代的なニーズに対応した素材使いとなっています(下写真)。

デザインや素材をいじった挙句に肝心の履き心地が変わってしまったら?と世話焼きのおばちゃんは心配するのですが、その心配は無用。親モデルから受け継がれた、タフな不整地でのプレミアムな履き心地を提供する「SensiFit™」がどちらのモデルにも搭載されていますから、足元から甲にかけて足全体を下から優しく包み込むようなホールド感とフィット感は相変わらず格別です(下写真)。

前足部のフットボックスも広すぎず、足指が動く程度の適度なフィット感を保ちます。このモデルはよりサポート性の高いミッドカットですが、足首周りに使用されているパッドもクッション十分でハイキング中に不快感を感じることはまずありません。カフは全体的にミッドカットの中でも高めですが、後ろが少し落ち込んでいることで可動性は妨げないという絶妙なデザインです。ただしこの落ち込んだ部分は小石や木屑などが入り込みやすいので気になる人はゲイターなどのケアが必要です。

またどちらのモデルにもつま先にはしっかりとした厚い樹脂製の補強が配置されており、岩や木の根につまずいてつま先を痛打するなどから守ってくれます。

歩きやすさ(安定性・疲れにくさ):親モデルと遜色ない歩きやすさのX WARD、よりライトな山歩きに向けたX BRAZE

X WARDについては親モデルであるPIONEERと同じボトムユニット&シャーシを採用していますので、柔軟で快適な履き心地を提供しながら、オフロードでのブレない安定したステップも犠牲にしないという、高いパフォーマンスはしっかりと受け継がれています。具体的には優れた反発力と衝撃吸収力・耐久性を兼ね備えた「EnergyCell™+」に、かかとから土踏まずあたりまでにかけて軽量ながら高い安定性を実現する硬質樹脂のシャーシ「Advanced Chassis™」を組み合わせたミッドソールがそれにあたります(下写真)。

実際に親モデル(自分の手元にあったのはローカットモデルだったのですが)と比較しながら歩いてみると、まったく同じではありませんが基本的な履き心地、乗り心地の良さは相変わらず。非常に柔軟で前後左右のねじれにもフレキシブルなソールでありながら、凹凸と起伏に富んだ不整地でも足裏に鋭い岩角が当たることもなく、着地がブレたりすることもなく、さらには足首をひねったりすることからもある程度防いでくれています。以前のモデルの歩きやすさが好みだった自分にとってX WARDでの山歩きは相変わらず非常に心地よいものでした。

一方でコストパフォーマンス重視のX BRAZEでは「EnergyCell™+」を残しつつ、「Advanced Chassis™」は省略されています(下写真。ミッドソールの見た目的にはほぼ同じボリューム感なので、その分クッションとしてのEVAフォームを多めに詰めていると思われます)。歩いた感触としては、やはり硬質のシャーシが抜けた分、より柔軟で柔らかい接地感覚となり、その意味では日常のスニーカーライクな乗り心地で、オンロードや穏やかな地形が得意となった気がします。一方でその分、凸凹や傾斜がきつい斜面、自重が重い場合、長時間の行程などでは少し粘り強さがなくなったという印象も否めません。

グリップ:Contagrip®ラバーの採用でどちらも安心して踏み込める

アウトソールに関しても、X WARDは親モデルであるPIONEERとほぼ同じです。悪路での粘り強さに定評のある「Mud Contagrip®」を採用し、泥抜けの良さを考慮した楔形のラグ形状、下りなどでの着地時の安定性を高めたかかとの横方向の溝など、岩場やぬかるみなどの滑りやすい地形でも安定したグリップを提供しています(下写真)。

このグリップ力の高さ、安定感はX BRAZEでも同じように高いパフォーマンスを見せてくれました。ラグパターンは同じコンセプトで溝の深さを微妙に浅くしつつ、ラバー素材はオンロードからオフロードまで幅広いグリップ力をカバーするバランスのよい「All Terrain Contagrip®」を採用するなど、より平地での快適性も考慮した作りにチューニングされています(下写真)。

Mud Contagrip®だけでなく、どちらでも雨上がりのぬかるんだ山道を歩きましたが思ったほど滑りやすいということはなく、むしろこの価格帯にもかかわらずウェットな地形もかなり強いという印象でした。

防水性:GORE-TEXライナーと一体型のシュータンによって足首の上までしっかりと防水・透湿

そして本格的な登山靴であれば必須であるところの水濡れ・蒸れへの対策についても、信頼性の点で頭一つ抜きんでたGORE-TEXライナーによって高い防水透湿性を実現しています。

おまけにミッドカットとシュータンとアッパーとが一体化したガセットタン仕様のアッパー(下写真)は、水たまりがあっても無理せず歩けるだけでなく、砂利や小石の侵入も防いでくれます。

まとめ:ライトハイキングシューズ不動の定番モデルをより身近にした2モデル

X WARDはこれまでの親モデルと比べて細かな機能差こそあれど、アッパーにレザーを採用したことによるデメリットは思った以上にほとんど感じられませんでした。その意味でこのモデルは今までレザーのクラシックなデザインを好んでいた人でも、きっとX ULTRAの優れた快適性とパフォーマンスを体感しやすくしてくれるでしょう。PIONEERX WARD、どちらかスタイルの好きな方を迷いなく選べるという意味で非常に楽しみなモデルでした。これまで通りライトな日帰りハイキングから小屋泊りなら長い距離のルートでも十分におすすめです。

一方X BRAZEの方はオフロード性能では上記に劣るものの、それでも十分に快適な履きやすさとグリップの安全性、そして何より価格の手ごろ感という意味で、これまでなかなか手が届きにくかった、初めて山道を歩くようなエントリーユーザーに対して非常におすすめの選択肢となっています(そもそもハードなルートを想定している人にとってはこれまでのラインナップにより最適なモデルがあることは明白です)。このため、こちらのシューズは木道歩きや起伏の緩やかな低山の日帰りハイキングなどが適しています。

足回りの装備は登山にとって重要な装備であり、できる限り間違いのないものを用意するべきと個人的には思っています。ただ優れたハイキングブーツのほとんどが高価なことは確かであり、なかなか最初から100点のモデルをそろえるのは簡単ではないのもまた現実。その意味で、今回の2モデルはこれからちょうど始めようと考えていた層や、これまで食わず嫌いだったという新しい層にとって魅力的な選択肢が登場したといえるでしょう。

SALOMON X WARD LEATHER MID GORE-TEX / X BRAZE MID GORE-TEXの詳細と購入について

製品の詳細についてはX WARD LEATHER MID GORE-TEX (メンズ)X BRAZE MID GORE-TEX(メンズ)それぞれの公式通販サイトもあわせてご確認ください。

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