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Review:NIMBUS TRACE ACCESS 60 ~GRANITE GEARのザックて実際どうなの~

ザックにおいて荷物を多く入れられる容量になると、その目的によって求められる性能が大きく変わってくるものです。各社さまざまな特徴、性能で大型ザックを展開しているわけですが、今回注目したのはグラナイトギアのトレッキング向け大型バックパック、ニンバストレースアクセス60。 

グラナイトギアのザックというと機能性に優れ、他には見ない機能を装備しているという印象を受けます。デザインも独特の風情があり使ってみたいと思わせる魅力を感じます。では実際使ってみるとどうなのか?個人的にかなり気になってはいたものの、使っている人を含めて現物をあまりみた事が無かったので今回徹底的に掘り下げてみました。

大まかな特徴

グラナイトギアは革新的なギアを創ることをコンセプトに、これまで斬新なデザインと機能を両立させたギアを多数生み出してきました。ザックからスタッフバックに至るまでギアの評価は非常に高いブランドです。

今回のニンバストレースアクセス60の想定されている使用範囲は2~3泊程度のテント泊やトレイルまでということです。グラナイトギアの中では特別軽量という訳ではありませんが、ザック自体は軽量を意識して作られ、独自の背面システムとウエストベルトで荷物の重さを正確にホールドできるように作られているため背負い心地もよく、同時にパッキング性能にも優れています。アメリカで権威のあるOUTSIDE誌「GEAR OF THE YEAR」を2014年に受賞したモデルという立派な実績があります。

おすすめポイント

気になったポイント

詳細レビュー

アイテム外観

GRANITE GEAR(グラナイトギア)NIMBUS TRACE ACCESS(ニンバストレースアクセス)60 / 女性向けモデル:NIMBUS TRACE ACCESS 60 KI

前面

背面

側面

主なスペックと評価

項目 スペック・評価
素材 100D&210D シルハイブリットナイロンコ―デュラ
カラー
  • ファーン
  • ブルー
  • レッド
サイズ/背面長 46~56cm
容量 60リットル
重量 1,900g
最適荷重 27kg
ウェストベルト ニンバスEXO
背面システム トポフレックス+アドヴェクションパネル(メープルコンポジット)
ハイドレーション対応
レインカバー ×
機能
  • メープルコンポジット素材のアドヴェクションバックパネル
  • 取り外し式リッド
  • フロントアクセスパネル
  • フロントポケット
  • サイドポケット
快適性 ★★★★☆
重量 ★★★★☆
安定性 ★★★☆☆
使いやすさ ★★★★☆
収納・機能性 ★★★★★
汎用性 ★★★★☆
耐久性 ★★★☆☆
総合点 ★★★★☆

各部分の詳細レビュー

背面システム

まずはショルダーパットやウエストベルトを見てみます。これは堅牢な縦走モデルに比べると半分程度の厚さですが、触るとしっかりとした硬さを感じます。ヒップベルトは少し大きめなサイズ感です。ループも多いのでカラビナなどを使ってちょっとしたものを外付けしやすそうですね。

背面システムは特徴的で操作してもなかなか面白い作りになっています。トポフレックスというメープル材をベースにした軽量コンポジット素材を採用しているので背負った際にしっかりとした堅さを感じられ背負いやすく出来ています。

プレート上を効率的な空気の循環が出来るような構造になっています。「アドヴェクションバックパネル」という名称で背面に熱がこもらない様、空気の循環が考えられています。背負った感じはどこかあたる様な所も無く特別気になるところはありません。ただ、空気循環のための背面に空間が多いザック全般に言えることですが、粉雪が舞う様な冬のアクティビティだとこの隙間に雪が詰まりそうですね。

背面調節もこの様にネジで固定された変わった作りです。

このネジを工具で外して調節する仕組みです。(ちょっと堅いので調節の際はネジ山を潰さない様にご注意を)その場で簡単に調節が出来ない仕組みなので手間がかかってしまいますが、その分しっかり固定する事が可能です。考えてみたら一度サイズを決めてしまえば、後はもうほとんど動かさないですからね。見た目も木製の趣があって個人的に好きな感じです。

実際の背負い心地は? ~15㎏と25㎏の荷重にして歩いてみた~

軽い時の方は特別に何処か気になる事も無く快適に歩けましたが、先ほど薄いと指摘したパット部分も背面システムの機能と相まって問題なく安定した加重がかかり、背中も涼しく背負い心地も快適に感じられます。

重い時の方ではパットの薄さから予想はつきましたが、肩や腰のベルトが少しきつく締めつけられる感じがありました。荷物を段々と減らして20㎏程度になったところで、その感じは気にならない程度にまで戻りました。使用限界は27㎏程度なのだと思いますが、実際快適に使える重量は20㎏を少し超える程度までといった感じでしょうか。

軽量な部類の大型ザックですから、セオリー通りこのザックの魅力を引き出せる使い方は、重量が重くならない方針でつかうのが1番よさそうです。

バックル・ストラップ

バックルは小さい仕様ですが、今の様な暖かい時期での使い勝手は問題ありません。ですが、この小ささですと冬用の厚いグローブを付けた状態での操作は難儀しそうです。背面の隙間と、この事からも使うには春から秋がベストで、雪がある時期で使用するなら、暖かくなった残雪期の山などでの使用が最も快適だと考えます。

またストラップも細いため、外付けの際、あまり重いものを付けるのは避けるべきかと思います。マットレスなど軽いものが良さそうです。

収納

間口が大きく物の出し入れが快適です。

またフロントファスナーから直接中へのアプローチができて簡単に中身が出せて便利です。

またよく見たら、内部にあるバックルが荷物の脱落防止やコンプレッションの役割を担っている珍しい構造です。

ストレッチメッシュポケットも出し入れに干渉しないため、地図や小物を入れておくには最適です。

ハイドレーションシステムもセットできる作りになっています。

ファスナーやポケットも多様に揃って、いじればいじるほど色々な機能が出て来て面白いですね。

唯一気になったところは両側面上部にある小さなサイドファスナーの部分。

ファスナーの動きがストラップに干渉してしまうかな?と感じました。このファスナーにはあまり出し入れしないものを入れておくべきところでしょうか。

リッド(雨ブタ)を外してヒップバックとして使えるのも地味に便利。

荷物をデポしてちょっと出かける際の貴重品と雨具、水、行動食を携帯するには充分な容量です。鍵など落としたくない物は内側にポケットがあるのでそちらに入れておけばOK。

外した場合はロールアップ方式で間口を止め、上から十字のバックルで止められるのでそのままの状態でも使用可能。さらなる軽量化が図れます。

まとめ:どんな活動におすすめ?

荷物を軽くして泊まりながら、どんどん距離を伸ばしていきたいULハイキングやロングトレイルハイカーに、あるいは短期の縦走登山で快適に歩きたい方には是非ともおススメです。

またリッドを取り外すなどの利便性や軽量かつ大きさのコントロールができるので、バックパッカ―のお供にも良いですね。あとは本体を軽くしたうえで、これから歩く距離がそれほど長くない様な活動にも相性が良く、例えば日帰りクライミングでのアプローチザックとしての使用するのも良かったです。試しに実践してきましたがギアの出し入れが早くてとても便利でした。

一方で、シンプルなザックが好みの方はパーツが多いためにかえって面倒に感じてしまうかと思います。また、かなり作りが良いとはいえ、軽量を意識したザックなので、登山の長期縦走や継続登攀など荷物が重くなる場合などの場合には、もっと堅牢なモデルの方が良いかと思われます。ですが軽量で背負い心地もよく、多くの機能を備えているため、特徴にあった使い方をすれば、その使い勝手は素晴らしいものです。

自分なら、私なら何に使おうか?どんな時の相棒にしようか?使う人の工夫次第でいろんな顔を見せる。そんな可能性の膨らむ魅力的なザックだと思います。

GRANITE GEAR(グラナイトギア)NIMBUS TRACE ACCESS(ニンバストレースアクセス)60

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